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猫が起こしやすい近隣トラブルとは?対策やおすすめの飼育方法を解説

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    この記事を書いた人
    永楽陽子
    大学院卒業後、予防医学に関する研究や環境分析に取り組む。元動物病院勤務。行政書士資格保有。(ミックス/男の子)
    猫と暮らす喜びは大きいですが、集合住宅や住宅密集地では、思わぬことで近隣トラブルを引き起こすこともあります。

    ご近所さんの中には、猫が大好きな人もいれば、猫が苦手な人もいらっしゃるでしょう。

    飼い主としてのマナーを守り、猫も周囲の人も快適に暮らせるようにすることが大切です。

    この記事では、猫にまつわる近隣トラブルやその対策としておすすめの飼育方法を詳しく解説します。

    猫にまつわる近隣トラブル

    猫にまつわる近隣トラブル
    猫が原因となって起こる近隣トラブルは、主に「脱走」「鳴き声」「ニオイ」などです。

    小さなことでも、積み重なると大きなストレスやクレームにつながる場合があります。

    トラブルを未然に防ぐには、飼い主の気づきと日々の工夫がとても大切です。

    脱走による問題

    猫はとても好奇心が旺盛な動物です。

    そのため、ちょっとしたすき間や開けっ放しのドア、網戸のゆるみなどから脱走してしまうことがあります。

    外に出てしまうと、飼い主の目が届かない場所でゴミをあさったり、近所の家の庭に入り込んだりしてしまうことがあります。

    植木鉢を倒したり、花壇を掘ってしまったりすることも問題になりがちです。

    他人の敷地内で排泄をしてしまうと、ニオイや汚れの問題で強い苦情につながることもあります。

    鳴き声の問題

    猫の鳴き声はかわいいですが、状況によっては迷惑になることに注意が必要です。

    特に、発情期の猫は「アオーン」と大きな声で長時間鳴き続けることがあります。

    この鳴き声は壁や床を通して響きやすく、深夜や早朝には近隣の方の睡眠を妨げてしまう恐れがあります。

    特に集合住宅では音のトラブルが起こりやすいです。

    鳴き声は猫からのサインでもありますので、愛猫の様子を観察し、ストレスや不安が原因でないかを確認しましょう。

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    薄明薄暮性による問題

    猫には、早朝や夕方など薄暗い時間帯に最も活発になるという「薄明薄暮性(はくめいはくぼせい)」と呼ばれる習性があります。

    その時間帯になると急にテンションが上がり、走り回ったり高い場所にジャンプしたりすることがよくあります。

    これによって、階下に「ドスン」「バタバタ」という足音や物音が響くことがあり、トラブルの原因になりがちです。

    特にフローリングの部屋では、音が響きやすいため注意しましょう。

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    ニオイの問題

    猫のトイレのニオイも、飼い主が思っている以上に周囲に影響を与えることがあります。

    特にマンションやアパートでは、共用のゴミ捨て場に出された袋からニオイが漏れ出し、不快に感じる方もいます。

    また、部屋の中のニオイが廊下にまで漏れてしまうケースにも注意が必要です。

    トイレに使った砂やフンは、専用の消臭袋に密閉して捨てるようにしましょう。

    ニオイに敏感な人もいるということを意識して、こまめなケアを心がけたいですね。

    抜け毛による問題

    猫の毛はとても軽く、風に乗って思わぬところまで飛んでいくことがあります。

    特にベランダでのブラッシングには注意が必要です。

    舞い上がった毛が近隣のベランダに入り込み、洗濯物に付着してしまうケースが後を絶ちません。

    アレルギーを持っている人にとっては健康被害にもなりかねない問題です。

    ブラッシングは室内で行い、掃除機やコロコロでしっかり後始末をしましょう。

    空気清浄機を使うと、毛の舞い散りもある程度抑えられます。

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    近隣トラブルを防ぐ猫の飼育方法

    近隣トラブルを防ぐ猫の飼育方法
    猫による近隣トラブルは、飼い主のちょっとした配慮で防ぐことができます。

    以下に、トラブルを未然に防ぐための飼育方法をご紹介します。

    猫不可物件で飼わない

    賃貸住宅の中には、猫の飼育を禁止している物件も少なくありません。

    「バレなければ大丈夫」と思って飼育してしまうと、近隣からの通報やトラブルに発展し、最悪の場合は退去を求められることもあります。

    どうしても飼いたい場合は、まず大家さんに相談して許可を得ることが重要です。

    分譲マンションであれば、管理組合と話し合い、必要であれば規約の見直しをお願いする形になります。

    ルールを守る姿勢が信頼につながります。

    避妊・去勢をする

    避妊や去勢は、発情期の大きな鳴き声やマーキングなどの行動を抑えるのに効果的です。

    また、発情によって外に出たがる行動や脱走のリスクも軽減され、トラブルを未然に防ぐことが期待できます。

    避妊・去勢のタイミングは、生後半年を過ぎてからと言われてきましたが、それでは遅いとの指摘もあります。

    生後4ヶ月で発情する猫もいるためです。

    早めの避妊・去勢は健康面でプラスになることもあるので、獣医さんと相談しながら進めましょう。

    脱走を防ぐ

    猫は一度外の世界を知ると、何度も脱走しようとする傾向があります。

    猫の脱走は、ちょっとした窓のすき間や開いたドアから簡単に起こります。

    窓にはロック付きの網戸や格子などを取り付け、玄関ドアには脱走防止用の柵やネットを設置しておくと安心です。

    換気をする場合も、愛猫が脱走しないような工夫をしましょう。

    さらに、首輪に迷子札をつけたり、マイクロチップを入れておくと、万が一の脱走時に発見されやすくなります。

    <おすすめ建材>
    愛猫の飛び出しを防ぐ「ハピア 猫ゲート」

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    防音対策をする

    猫が走り回ったり鳴いたりする音は、特に木造や古い建物で響きやすく、階下や隣室とのトラブルになりやすいです。

    防音カーテン・防音マット・吸音ボードなどを活用することで、かなり軽減できます。

    足音が気になる場合は、ラグやクッションマットを敷いておくといいでしょう。

    特に夜間や早朝など、静かな時間帯の音には配慮が必要です。

    些細な音でも気になる人がいるため、できる限り複数の防音対策をしておくと安心です。

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    足腰への負担が少ない「わんにゃんスマイル畳」
    クッション性と程よいグリップ感の床材「ボロン」

    室内環境を整える

    刺激を求めて外に出なくても、愛猫が室内だけでも十分に満足できるような工夫をしましょう。

    キャットタワーや壁につけるキャットステップを設置すると、上り下りの動きが促進されて運動不足が解消できます。

    爪とぎをしていい場所も確保し、ストレスの発散をさせてあげましょう。

    さらに、エアコンやサーキュレーターで室温を快適に保ち、気持ちの良い環境づくりをすることが大切です。

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    近隣住民とコミュニケーションを取る

    日頃からご近所さんと良好な関係を築いておくことで、万が一トラブルが起きた時にも解決しやすくなります。

    普段から挨拶をしたり、世間話をしたりといったご近所付き合いをすることが大切です。

    ちょっとした問題でも、顔見知りであれば穏やかに相談できますし、相手も理解を示してくれやすくなります。

    近隣に住む方には、あらかじめ「猫を飼っています」と伝えておくと安心です。

    特に集合住宅では、下の階や隣の部屋の方とのコミュニケーションを意識しましょう。

    消臭対策をする

    猫自体は体臭が少ないですが、猫のトイレから出るニオイが気になる人も多いため、フンやトイレ砂はしっかりと消臭袋に入れて捨てましょう。

    トイレのニオイ対策には、こまめな掃除と適切なグッズの活用が欠かせません。

    また、脱臭機や空気清浄機を使えば、部屋にこもるニオイを防ぎ、室内の空気をすっきり保てます。

    トイレの場所は換気しやすいところを選び、定期的に砂を全交換することも忘れずに行いましょう。

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    <おすすめ建材>
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    【まとめ】室内を整え近隣トラブルを防ごう!

    【まとめ】室内を整え近隣トラブルを防ごう!
    猫との暮らしは本当に楽しく生活に彩りを与えてくれますが、周囲への配慮も忘れてはいけません。

    脱走やニオイ、音の問題など、猫特有のトラブルをしっかり防止するためには、日頃のちょっとした気づかいと環境整備がカギになります。

    猫の習性を理解して、先回りして対策することが大切です。

    愛猫が安心して暮らせて、近隣の方とも良好な関係を築ける住まいづくりを目指して、今日からできることを始めてみましょう。
     
    この記事を書いたペットとの暮らしの専門家
    永楽陽子
    大学院卒業後、予防医学に関する研究や環境分析に取り組む。元動物病院勤務。行政書士資格保有。(ミックス/男の子)