目次
戸建て住宅に比べ、居住スペースが狭くなりがちな賃貸住宅。
限られた空間で猫を飼う場合、気になるのが「猫の運動不足」ではないでしょうか?
今回は、賃貸でも猫が自由に運動できる環境づくりについて解説します。
壁や天井、床など部屋を傷めることなく設置できるアイテムもご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね!
賃貸でも工夫次第で運動スペースはつくれる!
賃貸物件では基本的に「キズをつけてはいけない」ことから、(一部例外を除き)釘やネジを使った家具や棚の設置はできません。
もしキズをつけたり穴を開けたりしてしまった場合には、入居者の責任で「原状回復」をする必要があります。
原状回復には手間やお金がかかるため、猫の運動不足を解消するアイテムの設置はなかなかハードルが高いですよね。
しかし、賃貸だからといって諦めることはありません!
最近では天井や壁、床などをキズつけずに、賃貸でも安心して設置できるアイテムがたくさん出ており、アイデア次第で猫のための運動スペースを作れるんです。
猫の年齢や猫種に合わせた運動量については、下記の記事で詳しく解説しています。
▷関連記事:【猫の運動不足】年齢や猫種別の適切な運動量とは?|運動不足解消のおもちゃやグッズもご紹介!
猫の運動不足解消に役立つ「3大アイテム」
賃貸や持ち家に関わらず、「猫が自発的に運動できる環境づくり」はとても大切です。
猫の運動不足を解消するには「高さ」と「上下運動」がキーポイント。
家の中でも、自然と高いところまで上り下りできるような工夫をしてあげましょう。
“高さ”と“上下運動”の2つのポイントを押さえてくれる3大アイテムが、「キャットタワー」と「キャットステップ」「キャットウォーク」です。
キャットタワー
画像引用:【楽天市場】キャットタワー NATURAL SIGNATURE : uminecco(ウミネッコ)
キャットタワーは、猫の上下運動を促すアイテムのひとつです。
運動不足の解消だけでなく、タワーのてっぺんでくつろぐこともできるため、高いところが好きな猫にとっての必需品といえます。
キャットタワーは、そのまま床に置くだけの「据え置きタイプ」と、天井と床に突っ張らせて設置する「突っ張りタイプ」の2種類があります。
どちらのタイプも、基本的には釘やネジを必要としないため、持ち家や賃貸に関係なく手軽に取り入れられるのが特長です。
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※上記以外にも、透明なものやワイドサイズのものなどさまざまなラインナップが揃っています。
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インテリアに合わせたおしゃれなキャットタワーについては、下記の記事でご紹介しています。
▷関連記事:【おしゃれなキャットタワー】北欧インテリアに合う!おすすめ12選
キャットステップ
画像引用:【楽天市場】【キャットステップ 白】animacolle
キャットステップは、キャットタワーと同様に上下運動ができるアイテムです。
壁に取り付けるものや、家具と一体化したものなどがあります。
壁付けタイプなら省スペースで取り付けられるので、一人暮らし用の賃貸物件にもおすすめ。
上の写真のアイテムは、壁に設置してもキズがつきにくく、取り付け跡が目立たないため賃貸物件でも安心です(※)。
画像引用:【楽天市場】【キャットステップ 白】animacolle
※ただし、画鋲程度の大きさの穴は開いてしまいます。
(国土交通省のガイドラインによると「画鋲の穴」は通常の損耗と考えられるため、原状回復義務は発生しませんが、穴が多すぎると補修義務が発生する可能性があります)
参照:国土交通省|原状回復をめぐるトラブルとガイドライン (再改訂版) P19
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※上記以外にも、透明なものやワイドサイズのものなどさまざまなラインナップが揃っています。
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賃貸でも簡単に取り付けられるキャットステップについては、下記の記事でもご紹介しています。
▷関連記事:猫が喜ぶキャットステップ!初心者でも簡単に設置できるアイテムをご紹介
キャットウォーク
キャットウォークとはその名の通り「猫の通り道」という意味で、高い場所に設置して猫が自由に歩き回れるアイテムです。
(ちなみに建築用語では、キャットウォークは「点検などのために設けた高所用の通路や足場」を指します)
キャットタワーやキャットステップによる「上下運動」の他に、キャットウォークによる「回遊性」をプラスすれば、より猫への自発的な運動を促すことができるでしょう。
キャットウォークでは歩き回るだけでなく、高いところでそのまま休憩もできるので、運動以外にもリラックスできたりストレス発散できたりと多目的に使えます。
賃貸物件では、この記事の後半でご紹介する「2×4(ツーバイフォー)」と「LABRICO(ラブリコ)」を組み合わせて設置する方法がおすすめです。
上記写真のMYZZO-AVENUEのキャットウォークは、下記の記事でもご紹介しています。
▷関連記事:【AMILIE建材設備】肉球見放題のクリアステップ「MYZOO-AVENUE」
※MYZZO-AVENUEのアイテムは、コンクリート下地の天井や壁への設置を推奨しています。賃貸物件で取り付ける際には、設置可能かどうか事前によく確認しておきましょう。
賃貸でアイテムを設置するときの注意点
賃貸物件でアイテムを取り付ける際には、次の3つのポイントを押さえておきましょう。
安全性の確保
アイテムの設置では、何はなくとも安全第一!猫が乗ってもグラグラしないことが大前提です。
取り付ける際には、しっかりと固定しましょう。
猫が飛び乗るときには猫の体重以上の荷重がかかるため、耐荷重は15kg以上あるものが理想です。
また、キャットウォークの直線距離が長すぎると猫が全力疾走してしまい危険です。
(賃貸物件ではあまり心配ないかもしれませんが)キャットウォークの長さは、最長でも3m程度にしておくと安心でしょう。
サイズに注意
猫は高いところでゴロンと横になったりそのまま寝てしまったりするため、くつろいだときに落ちてしまわないよう、安全に寝ころべる幅を確保しましょう。
キャットステップやキャットウォークの幅は、250~300㎜程度(※)が目安です。
このサイズであれば、猫2匹で乗ってもすれ違えます。
※)参照:建築知識2023年5月号/ねこ検定 中級・上級編
掃除しやすい位置に設置する
賃貸物件に限らず、猫のためのアイテムは常に清潔な状態を保ちたいものですよね。
しかし、キャットタワーの上部など、飼い主の目線よりも高い位置は掃除しにくいもの……。
ついつい掃除を怠ってしまうと、溜まったホコリや猫の毛でアレルギー疾患を引き起こす恐れもあるため、注意が必要です。
また、愛猫家さんであればよくご存知でしょうが、猫はところかまわず毛玉を吐いてしまう生き物です。キャットタワーやキャットステップ、キャットウォークの上も例外ではありません。
猫が喜ぶ高さを確保しつつ、飼い主がメンテナンスしやすい範囲に設置することも大切です。
猫の運動スペースづくりに役立つ「2×4」の建材
画像引用:【楽天市場】LABRICOツーバイフォー木材セット
DIYなら、部屋の形状に合わせて自由に猫の運動スペースがつくれます。
特におすすめなのが、ホームセンターでも売っている「2×4(ツーバイフォー)」の建材と、「LABRICO(ラブリコ)」の組み合わせ。
2×4材とは、建物の組み立て方のひとつである「2×4(ツーバイフォー)工法」で使われる木材のことで、断面のサイズが38㎜×89㎜で規格化されています。
LABRICO(ラブリコ)は2×4材の上下に取り付ける部材で、天井と床に突っ張らせることで部屋にキズをつけることなく「柱」を設置できます。
釘やネジを使わないため、まさに賃貸物件にはうってつけのDIYアイテムです。
2×4材とLABRICO(ラブリコ)でつくるキャットステップ
画像引用:LABRICO Official - ラブリコ公式|LABRICO(ラブリコ)で作るDIY「ねこだな」~レシピ編
画像引用:LABRICO Official - ラブリコ公式|LABRICO(ラブリコ)で作るDIY「ねこだな」~レシピ編
上の2つの写真は、2×4材とLABRICO、木箱を組み合わせてつくったキャットステップです。
木箱は収納としても使えるため、狭い部屋でも空間を有効的に活用できます。
窓辺に設置すれば、外の風景を楽しみながら運動でき、さらに脱走防止柵としての役目も果たしてくれます。
2×4材とLABRICO(ラブリコ)でつくるキャットタワー&キャットウォーク
画像引用:LABRICO Official - ラブリコ公式|ラブリコでキャットタワーを作ってみよう🐈|LABRICO Official
複数の2×4材に、足場となる板を設置したキャットタワーです。
長さを調整すれば、キャットウォークとしても使えそうですね。
柱(2×4材)に爪とぎをつけたり、ハンモックを吊るしたりと、アイデア次第で充実した運動スペースを実現できます。
猫の運動不足の解消に役立つ賃貸物件の選び方
ここからは、これからお引っ越しを検討されている方に向けて「猫のための賃貸物件」の選び方についてご紹介します。
ロフト付きの物件
ロフトがある賃貸物件は、高いところが好きな猫にピッタリです。
ロフトにはあらかじめ備え付けられているハシゴがありますが、直角すぎて登れない猫もいるため、上記でご紹介したDIYでキャットステップを作ってあげると良いでしょう。
メゾネットタイプ
メゾネットタイプの家とは、マンションやアパートの集合住宅で、住戸内が2層以上に分かれているものを指します。
つまり、一般的なマンションのようにワンフロアではなく、一戸建てのように家の中に内階段があり上下階に分かれているタイプのことです。
階段があることで日常的に上下運動ができ、運動不足の解消につながります。
DIYができる賃貸物件
画像引用:UR都市機構
入居者が自分好みに自由にDIYできる賃貸物件もあります。
壁一面だけDIYが可能というものもあれば、壁を撤去したり床材を変えたりといった比較的大がかりな規模のDIYでもOKというものなど、物件によってその条件はさまざまです。
UR都市機構の「DIY住宅」はたびたびメディアでも取り上げられているため、ご存知の方も多いのではないでしょうか?
退去の際に「原状回復」をしなくても良いので、猫との暮らしに合わせて自由にカスタマイズできます。
猫専用の賃貸物件
賃貸物件の中には、猫と暮らすためにリフォーム(もしくは新築)された「猫可」の賃貸物件があります。
すでに部屋にキャットステップやキャットウォークが備え付けられていたり、扉に猫ドア(ペットドア)がついていたりと、猫にとって「至れり尽くせり」な環境が整っています。
わざわざ自分で取り付ける必要がなく、入居してその日のうちから猫が運動できるのは飼い主さんにとっても嬉しいですよね。
まとめ:安全性に気を付けて、猫も楽しめる快適な賃貸ライフを!
賃貸でも可能な「猫の運動不足解消のためのアイデア」についてご紹介しました。
特に「2×4材」と「LABRICO(ラブリコ)」は工夫次第でいろいろな使い方ができるため、筆者激推しのアイテムです。
(ちなみに筆者は、2×4材とラブリコで室内干し用の物干し竿を設置しています)
DIYをする際には、猫がケガをしないように安全性には十分注意しましょう。
さまざまなアイテムを駆使して、猫が快適に過ごせるお部屋づくりを楽しんでくださいね!
この記事を書いたペットとの暮らしの専門家