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外の世界は猫にとって危険がいっぱいです。
交通事故に遭ってしまったり、病気にかかってしまったり、望まない妊娠をしてしまったり……。
猫が脱走してしまうと、最悪の場合そのまま見つけられない恐れもあることから、家の中の脱走防止対策がとても重要になってきます。
猫の脱走ルートはさまざまありますが、なかでも「玄関」は開け閉めする機会が多いため、特に注意したい場所です。
そこで今回は、玄関の脱走防止のアイデアについて詳しくご紹介します。
【注意】こんな猫は脱走しやすい!
次のような猫は、脱走しやすい特徴があります。
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猫は元々好奇心旺盛な生き物です。
窓から見える鳥や虫などに興味を持って外に出てしまったり、飼い主さんがドアを開け閉めする様子を見て、マネした拍子にドアが開いてそのまま脱走してしまったり。
花火などの大きな音や、地震に驚いて飛び出してしまうこともあります。
他には、運動不足や同居猫との折り合いが悪いことでストレスが溜まっていたり、発情期に異性の猫を求めたりするときに外へ行きたがるケースも。
猫は一度外の世界を知ってしまうと、再び屋外に出たがってしまい、出れないことにストレスを感じてしまいます。
野良出身の保護猫や、外飼いされていた猫から生まれた子など、外で暮らした経験がある猫は特に注意する必要があるでしょう。
猫が脱走しやすいタイミング
猫が脱走しやすいのは、玄関やベランダなどの開口部で「人が出入りするとき」です。
家の中でも「玄関」は、1日の中で最も人の出入りが多い場所ではないでしょうか?
外出や帰宅時、宅配便や来客があったときなど、隙をみて猫が脱走してしまう可能性があります。
特に夏場の暑い時期は、玄関の三和土(たたき)の冷たいタイルに愛猫が寝転がっている場面が多くなるため、玄関ドアの開け閉めは慎重に行いましょう。
猫が脱走するとこんなに危険!
猫が外に脱走してしまうことで起こり得る危険は、次の4つが挙げられます。
危険①:交通事故
一度も外に出たことのない猫や室内での暮らしが長い猫は、慣れない外の環境にパニックになり、道路に飛び出して交通事故に遭ってしまう危険があります。
最悪の場合、命を落としてしまうことも……。
危険②:ケガや病気
野良猫とのふれ合いやケンカなどによって、ケガをしてしまったり感染症にかかったりするリスクがあります。
ノミやダニなどの虫も高確率で寄生してしまいます。
危険③:望まない妊娠
避妊手術をしていない猫であれば、野良猫と交尾をして妊娠してしまう可能性もあります。
猫は交尾をすると高い確率で妊娠するため(※)、特に春や秋の発情期には注意が必要です。
※)参照:さいたま市/猫は繁殖力の強い動物です
危険④:見つけられず帰ってこなくなる
脱走した猫は警戒心が強くなるため、探すのも大変です。
室内飼いの猫の場合、脱走しても家から半径50~500mの範囲にいることが多いといわれていますが、そのまま迷子になって見つけられなくなる恐れも......。
大切な愛猫を危険にさらさないためにも、玄関をはじめとした開口部の脱走対策をしっかり行いましょう。
脱走防止のポイント
猫が玄関から脱走しないためのポイントは、次の3つです。
ポイント①:猫を玄関スペースに入れない
画像引用:【楽天市場】川口技研 レバーハンドル
一番シンプルなのが「玄関土間に猫を入れない」ことです。
たとえば、玄関に続く廊下にドアがある場合、猫が開けられないように鍵をしたり、ドアハンドルを変えたりといった工夫で対策できます。
ドアの取っ手のなかでも「レバーハンドル」は猫が開けやすい形状をしているため、注意しましょう。
ポイント②:脱走防止扉(ゲート)を設置する
上記の「ポイント①」にも通じますが、玄関に入らないように脱走防止柵や扉を設置すると安心です。
柵の形状は、猫がよじ登れないように「横格子」ではなく「縦格子」にするのがポイント。
高さは、1,800㎜以上のものにしましょう。
引き戸だと猫が自力で開けてしまうことがあるので、開き戸がおすすめです。
また、ドアは「ガラス張り」や「縦格子」にすると圧迫感を軽減できます。
ポイント③:去勢・避妊手術をする
先述しましたが、発情期中の猫は特に脱走しやすい傾向があります。
完全室内での1頭飼いであっても、猫の繁殖を考えていないのであれば去勢・避妊手術を受けさせましょう。
他にも、玄関以外のベランダなどからの脱走防止については、下記の記事で詳しくご紹介しています。
▼参考記事▼
猫もベランダから落ちるとケガをする?転落・脱走防止のための注意点とおすすめのアイテムをご紹介
猫が脱走しにくい玄関のレイアウト
ここからは、猫が脱走しにくくなる玄関のレイアウトを2つご紹介します。
玄関ホールに扉を設置
玄関ホールと廊下との間に扉を設置したレイアウトです。
玄関ホールに扉があるので、階段や廊下から玄関までのアクセスを遮断でき、猫が玄関土間に侵入するのを防げます。
玄関ホールにつながるリビングドア
玄関ホールとリビングとの間に廊下をつくらず、玄関ホールから直接部屋に入れる間取りです。
このレイアウトであれば、リビングドアを脱走防止扉として兼用できます。
扉を設置する際の注意事項
家の建具は、(玄関扉やトイレを除き)廊下から室内側にドアを開ける「内開き」が基本です。
玄関ホールの脱走防止扉も同じく「内開き」にして、廊下側にいる猫に当たらないようにしましょう。
扉はガラス戸や格子タイプにすれば、扉の向こう側に猫がいるかどうかを確認でき、圧迫感も減らせます。
引き戸にしてしまうと、うっかり鍵をかけ忘れたときに猫が自力で開けてしまう恐れがあるため、開き戸タイプの方が安心でしょう。
【最新版】玄関の脱走防止対策のアイデア
今ある玄関に、脱走防止対策を施すときのアイデアを2つご紹介します。
アイデア①:猫用の脱走防止ゲートを設置する
オーダーメイドの脱走防止扉
【AMILIE建材設備】愛猫におすすめ猫ちゃん専用脱走防止扉-にゃんがーど-
AMILIEの記事内でも何度かご紹介している「にゃんがーど」です。
玄関に通じる廊下の幅が広い場合でも、親子扉を取り付けるなど、サイズをカスタマイズできるのが嬉しいポイント。
縦格子なので光や風を通し、圧迫感が少ないのが特長です。
扉を支える柱は釘やネジを使わず、天井と床を突っ張る部材で設置するので、部屋を傷める心配もありません。
画像引用:欄間 – 猫の脱走防止専門店ねこ工房
縦格子でもよじ登ってしまうような運動神経の良い猫には、扉の上にさらに欄間を設置して徹底ガードしましょう。
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脱走防止ゲート(扉)をDIYするときの注意点
脱走防止ゲート(扉)はDIYでも設置可能です。
ご自身で作られる場合には、下記の3つのポイントを押さえておきましょう。
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縦格子にする際も、横桟(よこざん)(※)は必要です。
猫が横桟に脚をかけてよじ登ってしまわないように、取り付け位置には注意しましょう。
※)横桟(よこざん)とは、建具に横方向に組まれた桟(横木)のことで、扉の強度を上げたり、格子や板が反ったりしないために取り付けられます。
アイデア②:玄関ドアをリフォームする
玄関ホールに脱走防止ゲート(扉)を設置するのが難しいときは、玄関ドアをリフォームする方法もあります。
ハンドルのみを交換する
画像引用:【楽天市場】GOALプッシュプルタイプGOE型ハンドル
玄関ドアのハンドルが「レバーハンドル」だと、猫が前脚をかけて開けてしまう恐れがあります。
筆者宅の猫も(玄関ではなく室内ドアですが)、レバーハンドルにジャンプして器用に扉を開けています……。
ドアの取っ手は、猫が開けにくい「握り玉」か「プッシュプル」タイプにすると脱走防止に効果的です。
ただし、バリアフリーの観点でいうと、「握り玉」は握力の弱くなったご年配の方には使いづらいため、どの年代の方でも使いやすい「プッシュプルタイプ」が一番良いでしょう。
玄関ドア自体を交換する
画像引用:LIXIL|玄関ドアを1日でリフォーム
ハンドルの交換以外にも、玄関ドアや枠ごと交換するやり方もあります。
玄関ドアにスリット(窓)が入っているタイプであれば、ドアの前に猫がいるかどうかを開ける前に確認できて安心です。(玄関の採光もできて一石二鳥です)
玄関ドアの交換は、間口などの形状を大きく変えなければ約1日で施工できます。
まとめ:ドアや間取りを工夫して、玄関からの脱走を予防しよう
猫の「玄関からの脱走を防止するアイデア」についてご紹介しました。
これから新築を建てられる方、もしくはリフォームをされる方は、玄関まわりは「猫が脱走しにくいレイアウト」になるよう設計士さんに相談してみてくださいね。
既存の玄関で脱走防止の対策をしたい方は、ゲート(柵)を設けるのが一番効果的なやり方です。
愛猫がいつまでも家の中で安心して暮らせるよう、いま一度おうちの中の脱走防止対策について考えてみましょう。
この記事を書いたペットとの暮らしの専門家