高齢猫がトイレを失敗するようになったら？原因や対処法、気をつけた方が良いサインを解説

愛猫が高齢になり、トイレの失敗が増えたことに悩む飼い主さんも多いことでしょう。
高齢猫のトイレトラブルは、老化のサインでもありますが、病気が原因の場合もあるため注意が必要です。

この記事では、高齢猫がトイレを失敗するようになる原因や対処法について解説します。
気をつけた方が良い病気のサインや、おむつを使用する際の注意点にも触れていますので、ぜひ参考にしてください。

高齢猫にありがちなトイレの失敗例

高齢猫がトイレを失敗することには、さまざまな原因があります。
今はまだ粗相の回数が少なくても、年齢を重ねるにつれて、以下のような失敗が増えてくることもあるかもしれません。

トイレの手前でする・はみ出す

高齢になると、トイレの手前で用を足したり、トイレから少しはみ出してしまうことがあります。
これには、年齢による視力や運動能力の低下が関係している場合が多いです。

猫がトイレの場所や中の砂の感触をうまく認識できなくなり、その結果、トイレの手前で用を足してしまうのです。
また、関節などの痛みも原因となり、トイレにうまく入れずに手前で用を足すことがあります。

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トイレ以外の場所でする

トイレを見つけられず、無意識に他の場所で排泄してしまうこともあります。
これは、認知機能の衰えによって混乱しやすくなり、トイレの場所を忘れてしまうことが一因です。

また、高齢猫はストレスにも敏感になります。
例えば、騒音や他のペットとの相性、生活リズムの変化がストレスとなり、それが排泄行動に影響を与えることがあります。

トイレで踏ん張れない

高齢化によって筋力が衰えると、特に後ろ足の力が弱くなり、排泄時にうまく力が入らず踏ん張れなくなることがあります。
また、トイレの形状や砂の量が多すぎる場合に、踏ん張るのが難しくなることも。

さらに、便秘や膀胱の問題が原因となっていることも考えられます。
高齢になると腸の動きが鈍りやすく、うまく排便できない場合があるのです。
「猫は犬に比べて便秘になりやすい」とも言われるため、気になる症状があれば早めに動物病院を受診しましょう。

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高齢猫がトイレを失敗するようになる原因

高齢猫がトイレを失敗する場合、いくつかの原因が考えられます。
ここでは、主な3つの原因について解説します。

筋力の衰え・関節炎

高齢猫になると筋力が低下し、特に関節炎の影響を受けやすくなります。
12歳以上の猫のうち、約70%が関節炎に悩まされており、その多くが変形性関節症によるものです。

関節炎により関節の動きが悪くなると、痛みを伴うため、トイレに出入りするのが難しくなります。

市販の猫用トイレには入口に段差があることが多く、高齢猫にはその段差が負担となります。
そのため、トイレに行くこと自体が難しくなり、近くで排泄することが増えるのです。

認知機能の低下

人間と同じように、猫も年齢を重ねるにつれて認知機能が低下しやすくなり、トイレの場所がわからなくなることがあります。

トイレの場所はそのままでも、家具の配置が変わるだけで混乱してしまい、トイレ以外の場所での粗相が増えてしまうことも。

また、認知機能の低下はストレスを引き起こしやすく、ストレスがさらにトイレの失敗を悪化させることがあります。
トイレを清潔に保つことや、愛猫にとって安心できる環境を整えてあげることが大切です。

糖尿病や腎臓病などのサイン

トイレの失敗は、糖尿病や腎臓病などの健康問題の兆候であることがしばしばあるようです。
猫が糖尿病になると尿量が増え、トイレまで我慢できずに漏らしてしまうことが多いです。
また、腎臓病は尿の生成に問題が生じるため、排尿に支障をきたるとされています。

これらの病気は、早期に発見し治療を開始することが大切です。
愛猫のトイレの失敗が頻繁に見られる場合、動物病院で診察を受けることをおすすめします。

高齢猫がトイレを失敗してしまう場合の対処法

高齢猫がトイレを失敗してしまう場合は、以下のような対処法が効果的です。
失敗の理由を探り、愛猫に適した方法を試してみましょう。

トイレの段差をなくす

トイレを失敗するのを防ぐには、まずトイレの段差をなくすことが重要です。
高齢になると関節炎や筋力低下が進み、ほんの数センチの段差でもまたぐのが難しいことも。
そのため、トイレの入り口が高い場合は、スロープを設置したり、タオルやクッションを使って段差を軽減してあげましょう。

また、トイレ自体をフチの低いものに変えることも一つの方法です。
ただし、猫は新しいものに慣れるのに時間がかかることがあるため、古いトイレと新しいトイレを併用し、愛猫がストレスを感じずに移行できるように配慮しましょう。

また、トイレまでの通路に障害物がないか確認し、滑り止めを敷いて歩きやすくすることも効果的です。

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ペットシーツを使う

高齢猫がトイレを使いにくい場合や、段差をまたぐのが困難な場合には、ペットシーツの利用も検討してみましょう。
ペットシーツの上に普段使っている猫砂を敷いてあげると、慣れて使ってくれやすくなります。

ペットシーツは平らで広いスペースを確保できるため、不安定になりがちな猫砂の上で踏ん張れない猫にとっても使いやすいです。
猫砂の飛び散りが気になる場合は、ペットシーツの周囲に段ボールで囲いを作ると良いでしょう。

また、ペットシーツの下にタオルを敷いておくと、猫の足が汚れても吸収してくれ、お部屋を清潔に保てます。

トイレの数を増やす

トイレの失敗を減らすためには、トイレの数を増やすことも効果的です。

特に、高齢猫は移動が大変になるため、家の中に複数のトイレを設置することで、トイレまでの距離を短くしてあげると良いでしょう。
寝室やリビングなど、愛猫がよく過ごす場所にトイレを設置するのがおすすめです。

また、トイレの配置も重要です。
猫にとってストレスをなるべく感じないよう、静かな環境に置いてあげましょう。

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食事を見直す

高齢猫のトイレ失敗には、食事内容も影響していることがあります。
例えば、食物繊維の不足や過剰な摂取が便通に影響を与えることがあるのです。

また、腎臓病や糖尿病などの疾患がある場合は、特定の食事療法が必要となることもあります。
かかりつけの獣医師と相談し、胃腸の健康をサポートする食事を用意してあげることで、トイレの失敗を減らすことにもつながります。

特に、高齢猫向けのキャットフードは栄養バランスが整っており、消化しやすい成分が含まれているため、積極的に取り入れてみるのも良いでしょう。

また、適切な水分摂取も大切ですので、新鮮な水を常に用意し、愛猫がいつでも飲めるようにしておくこともお忘れなく。

高齢猫のトイレトラブルで気をつけた方が良いサイン

高齢猫がトイレを失敗してしまうのは珍しいことではありませんが、以下のような様子がみられる場合は病気のサインかもしれません。
動物病院を受診する目安として、参考にしてください。

色やニオイがいつもと違う

通常、猫のおしっこは薄い黄色をしていて、独特のツンとしたニオイがあります。
しかし、おしっこの色が薄すぎたり濃すぎたり、赤っぽくなったり白く濁っていたりする場合は、血液や細菌、結晶が混ざっている可能性があります。

また、ニオイがいつもより強くなったり、逆に無臭になった場合も注意が必要です。
特に、甘いニオイがする場合は糖尿病のサインである可能性があるため、早急な対応が必要です。

おしっこの色やニオイの変化は、膀胱炎や腎臓病、肝臓や胆道の病気など、さまざまな疾患の初期症状であることが多いので、異変に気づいたらすぐに獣医師に相談しましょう。

飲む水の量が増えた

犬に比べると、猫はもともとあまり水を飲まない動物ですが、急に飲水量が増えるときは体に何らかの問題が起きている可能性があります。
特に、糖尿病や慢性腎臓病などの疾患が疑われます。

これらの病気は、飲水量の増加とともにおしっこの量も増えることが特徴です。
飲水量が増えたと感じたら愛猫の行動をよく観察し、いつもより多くトイレに行くようになっていないか、またおしっこの量や色に変化がないかを確認しましょう。

普段から愛猫が飲んでいる水の量を把握し、異常を感じたらすぐに獣医師に相談することが大切です。

おしっこの回数が多い

通常、成猫は1日に2〜3回トイレに行きますが、これが急に増えた場合は何らかの健康問題が隠れているかもしれません。

頻繁にトイレに行くものの、実際にはおしっこが出ていない場合は、尿路結石や膀胱炎の可能性があります。
また、おしっこの回数が増えた上に量も多い場合は、糖尿病や慢性腎臓病の疑いがあります。

普段からトイレの回数やおしっこの量を観察し、異常を検知できるようにしておくことが重要です。
例えば、システムトイレの中には、採尿ができるものやおしっこの回数を記録できるものもあるため、愛猫の健康管理に役立ちます。

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高齢猫におむつをつけても良い？

粗相が増えると飼い主さんの負担にもなるため、猫用おむつを活用したいと考える方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、おむつは高齢猫のストレスにつながることもあるため、慎重に検討すべきです。
ここでは、おむつを活用する際に気をつけたいポイントを解説します。

おむつは最終手段として考えよう

高齢猫におむつをつけることは「最終手段」として考えることが望ましいです。
猫は何かを身に付けることを嫌がる傾向が強いため、おむつをつけることが猫にとってストレスとなる可能性があります。

例えば、「認知症で排泄をコントロールできない」「寝たきりでトイレまで行けない」といった場合など、どうしても必要な状況においては、おむつの使用もやむを得ません。

しかし、自力で排泄ができるうちは、トイレ環境を見直すなど、何か改善できることがないかもう一度考えてみましょう。

おしり周りの皮膚トラブルにも注意

おむつを長時間つけていると、湿気や摩擦で皮膚が赤くなったり、かぶれたりすることがあります。
これを防ぐためには、おむつの交換をこまめに行い、皮膚が清潔で乾燥した状態を保つように努めることが重要です。

また、おむつの素材にも注意を払い、猫の皮膚に優しい柔らかい素材を選ぶことが望ましいです。
必要に応じて、獣医師に相談し、適切なケア方法を教えてもらうことも検討してみましょう。

嫌がる場合は無理をさせずに

猫はデリケートな動物であり、不快なものを身に付けることに対して強い抵抗を示すことがあります。
おむつをつけることが猫にとって大きなストレスとなる場合、無理に続けることで猫の精神的な負担が増えることも。

おむつを使う必要があるのに愛猫が嫌がる場合は、装着感の異なるいくつかの製品を試してみましょう。
猫はそれぞれに皮膚の感覚が異なり、好みもありますので、少しでも愛猫に合ったものを見つけることがポイントです。

また、最初は短い時間からおむつをつけることで、徐々に慣れさせていく方法も効果的です。
特に、しっぽの部分は敏感なため、圧迫しないように装着しましょう。

トイレの失敗が増えても愛猫に寄り添う気持ちを大切に

老猫のトイレの失敗には、老化以外にも病気が潜んでいることがあります。
初めから「老化だ」と決めつけず、獣医師に相談することも検討しましょう。

愛猫がトイレを失敗することが増えても、飼い主さんが温かい気持ちで寄り添うことが大切です。
叱らずに愛猫のペースに寄り添い、快適な生活をサポートしてあげましょう。
愛猫との日々を大切に、笑顔で過ごしてください。

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