目次
「イタリアン・グレーハウンドに多い病気があるの?」
「病気やケガを予防する方法は?」
「室内のレイアウトのポイントは?」
イタリアン・グレーハウンドは、国内外から人気のある犬種です。平均寿命は約15歳と、
小型犬のなかでは比較的長生きする犬種といえます。しかし、イタリアン・グレーハウンドには、気をつけるべき病気やケガがいくつかあります。
そこで今回は、
- イタリアン・グレーハウンドに多い病気とケガ
- 病気やケガを予防する方法
- イタリアン・グレーハウンドとの暮らしのポイント
など、「イタリアン・グレーハウンドがかかりやすい病気やケガ」について解説します。
イタリアン・グレーハウンドがかかりやすい病気とケガ
イタリアン・グレーハウンドは、以下のような病気やケガになりやすいとされています。
- 骨折
- 膝蓋骨脱臼(パテラ)
- 進行性網膜委縮
- 白内障・緑内障
- 皮膚病
病気やケガの中には、日頃のケアや室内のレイアウトによって予防できるものもあります。どのような病気とケガに気を付けなければいけないのか、事前に知っておきましょう。
骨折
イタリアン・グレーハウンドのケガで、一番注意が必要なのは骨折です。イタリアン・グレーハウンドは身体能力が高く、段差から飛び下りたり走っているときに転倒したりすると、骨折する可能性があります。とくに四肢を骨折するケースが多くあります。
イタリアン・グレーハウンドは骨の周りにある筋肉と脂肪が薄く、少しの段差からジャンプしただけで簡単に骨折します。室内では犬が骨折しないような環境作りが大切です。
膝蓋骨脱臼(パテラ)
膝蓋骨とは、膝のお皿の部分にあたる骨です。膝蓋骨が本来ある位置から内側にずれてしまう病気で、パテラとも呼ばれます。
膝蓋骨脱臼は、遺伝的な要因と外部からの強い衝撃が原因になることがあります。膝蓋骨脱臼は激しい痛みを伴うため、足を浮かせて歩いたり、歩くときに「キャン」と悲鳴をあげたりなどの症状がみられます。
自然に完治する病気ではないので、愛犬が足を痛がっている様子がみられたら、動物病院に連れて行きましょう。
進行性網膜委縮
進行性網膜委縮とは、目の奥にある網膜という組織が進行とともに委縮し、視力が徐々に低下していく病気です。遺伝性の病気と言われており、イタリアン・グレーハウンドのほかに、トイプードルやダックスフンドなどの犬種にもよくみられます。
初期には、暗い場所で物にぶつかるなどの症状があらわれます。進行すると徐々に周囲がみえなくなり、動きが鈍くなる犬が多くいます。現在、効果的な予防法や治療法がないため、視力が低下してきているようであれば、犬がケガをしないように室内のレイアウトに工夫が必要です。
白内障・緑内障
白内障は、目の奥にある水晶体が白く濁ってしまう病気です。発症後に痛みはない病気ですが、進行すると視野が狭くなります。点眼薬によって病気の進行を遅らせることができます。
また、緑内障は眼球の前眼房に循環している房水と呼ばれる液体がうまく排出されなくなり、眼圧が高くなる病気です。遺伝的要因やほかの目の病気によって発症します。眼圧の高い状態が続くと、失明の危険性があるため、早急に動物病院での治療が必要です。
白内障や緑内障は、目が大きいイタリアン・グレーハウンドに多い病気です。家具などに目をぶつけることで発症する可能性もあるため、注意しましょう。
皮膚病
イタリアン・グレーハウンドは被毛が薄く、皮膚が繊細な犬種です。そのため外部からの刺激を受けやすく、さまざまな皮膚炎を起こすことがあります。
皮膚病になると、痒みや湿疹、脱毛などの症状がみられます。特に気をつけたい皮膚病は以下の通りです。
- マラセチア皮膚炎
- 膿皮症
- パターン脱毛症
- アトピー性皮膚炎
- アレルギー性皮膚炎
パターン脱毛症など、遺伝子疾患によって引き起こされる皮膚病もあります。日頃からブラッシングやシャンプーでケアし、皮膚の異常を早期発見することが重要です。
イタリアン・グレーハウンドの病気やケガの予防法
ここからは、イタリアン・グレーハウンドの病気やケガを予防する方法を紹介します。
- 滑り止め対策を行う
- 高いところに上らせない
- 服を着る練習をする
- 防寒・乾燥対策を行う
自宅ですぐに実践できる方法もあるので、ぜひ参考にしてみてください。
滑り止め対策を行う
イタリアン・グレーハウンドは、骨の周りの筋肉や脂肪が少なく、転倒すると骨折する可能性があります。床で滑って脱臼する危険性も高いため、滑りやすい床には滑り止め対策を行う必要があります。
滑り止め対策には以下のような方法があります。
- 敷物を敷く
- ペット用のフローリングにする
- ペット用のフローリングワックスを使用する
犬の生活スペースにフローリングや大理石などの滑りやすい床がある場合は、滑り止め対策を検討してみてください。
滑り止め対策におすすめの用品を紹介します。
置くだけでピタッと吸着する滑り止めマットです。撥水加工されており、掃除が簡単にできるのがポイント。汚れた部分だけ外して、洗濯機で洗濯もできます。滑りにくい薄手のマットを探している方におすすめです。
こちらの記事では、床の滑り止めアイデアをいくつか紹介しています。おすすめの用品も紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
高いところに上らせない
イタリアン・グレーハウンドは、高いところからジャンプすることで骨折の危険性が高まります。子犬の頃から高いところに上らせないようにしつけると、ケガなく安全に過ごせるでしょう。
ただし、イタリアン・グレーハウンドは活発な性格をしており、高いところに上らせないようにしつけるのは難しいことが考えられます。しつけが難しい場合は、高さのある家具などを犬の生活スペースに置かないことをおすすめします。高い場所がなければ、飛び下りて骨折する心配がなくなるでしょう。
服を着る練習をする
イタリアン・グレーハウンドを飼育するには、子犬の頃から服を着る練習が必要です。
イタリアン・グレーハウンドは寒さに弱く、防寒対策として服を着る機会が多くあります。とくに子犬やシニア犬は体力がないので、寒い場所で体温を維持するのが難しく、室内でも服を着せる必要があります。
ただし、犬の服を着ることに慣れていないと、犬はストレスを感じるでしょう。成犬になって初めて服を着る場合は、服を脱ごうとして暴れたり、不快感から固まったりする可能性があります。小さい頃から服を着せて、慣れさせておきましょう。
イタリアン・グレーハウンドにおすすめの服を紹介します。
蓄熱保温生地を使用した犬用の服です。犬に被せてボタンで留めるだけなので、着脱が簡単です。ファー生地とフランネル生地があり、リバーシブルで使用できます。冬用の室内で着る犬用の服を探している方に、おすすめです。
防寒・乾燥対策を行う
イタリアン・グレーハウンドは、冬に必ず防寒と乾燥対策が必要です。とくに乾燥対策は重要で、皮膚の乾燥は皮膚疾患を引き起こす原因となります。
室内の場合、空調や加湿器を使用して室温と湿度の管理を行いましょう。温湿度計を用意しておくと、正確な室温と湿度を把握できます。室外では、服を着せるなどの対策がおすすめです。
室内の防寒対策におすすめのグッズを紹介します。
デザイン性の高いヘリンボーン柄の毛布です。両面にあたたかく柔らかい素材を使用しているため、寝転んだり羽織ったりとさまざまな使い方ができます。手洗い可能で清潔に保つことができます。使い勝手のよいサイズ感の毛布を探している方に、おすすめです。
こちらの生地では、室内の寒さ対策を紹介しています。ぜひチェックしてみてください。
➤【犬の寒さ対策】寒さに弱い犬や寒さ対策に便利なアイテムをご紹介
イタリアン・グレーハウンド向けの住まいのポイントは?
イタリアン・グレーハウンドを飼育する際には、室内のレイアウトにいくつかポイントがあります。
- サークルやケージを設置する
- 段差をできる限りなくす
- 誤飲などの事故につながる物は犬のスペースに置かない
- 仕切りを設置する
イタリアン・グレーハウンドが安全に暮らすためにも、上記の4つのポイントに注意しながら室内のレイアウトを考えてみてください。
サークルやケージを設置する
犬が安心して過ごせるケージやサークルを設置しましょう。イタリアン・グレーハウンドは、小型犬のなかでは活発な性格をしており、子犬の頃の誤飲事故が多いといわれています。また飼い主がいない間に高い場所に上って、飛び下りて骨折してしまうケースもあるでしょう。
ケージやサークルがあると、お留守番のときに家の中でいたずらすることがなくなり、誤飲事故や骨折を防ぎやすくなります。ケージやサークルは、人の行き来が少なく、静かな場所に設置しましょう。
段差をできる限りなくす
イタリアン・グレーハウンドは、段差から飛び下りると骨折をする可能性があります。そのため、室内にある段差をできる限りなくすことが大切です。
背の高い家具は、犬の飼育スペースから撤去することをおすすめします。ソファーなど移動できない家具の場合、スロープやステップなどを設置すると、犬が飛び下りることがなくなります。
こちらの記事では、犬がソファーから飛び下りるリスクや対処法を紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。
誤飲などの事故につながる物は犬のスペースに置かない
1歳未満のイタリアン・グレーハウンドで、室内で一番多い事故は誤飲です。誤飲事故は命の危険性もあるため、家の中で誤飲しそうな物は片付けておくことが大切です。とくに乾電池やボタン、小さなおもちゃなどは誤飲の危険が高いといえます。犬の飼育スペースに置かないようにしましょう。
またイタリアン・グレーハウンドの目は、ほかの犬種と比べても大きく、目をケガしやすいという特徴があります。角の尖った家具などが犬の生活スペースにある場合は、緩衝材で角を保護しましょう。
仕切りを設置する
犬の生活スペースと犬が入ってはいけないスペースは、仕切りで事前に区切っておくことをおすすめします。仕切りを設置すると、誤飲事故が起こるリスクを減らすことができます。キッチンには、犬が口に入れてはいけない食べ物が落ちている可能性もあるため、初めから入れないようにしておくことが重要です。
また、玄関にも仕切りを設置した方がよいでしょう。イタリアン・グレーハウンドは、人のそばにいることを好む犬種なので、飼い主が帰ってきたことに興奮して、玄関から飛び出すことが考えられます。脱走を防止するためにも、仕切りを設置しておくほうがよいでしょう。
こちらの記事では、犬用のフェンスやゲートを紹介しています。仕切りの設置を検討している方は、ぜひチェックしてみてください。
➤【愛犬の脱走防止対策】室内・室外用のゲート&フェンスおすすめ8選
イタリアン・グレーハウンドと安全な暮らしを!
イタリアン・グレーハウンドは、骨折や膝蓋骨脱臼などの病気になりやすいといわれています。とくに四肢の骨折をすることが多く、滑って転んだり段差から飛び下りたりしたときには注意しましょう。
イタリアン・グレーハウンドがかかりやすい病気のなかには、遺伝性疾患もあります。予防できない病気でも、治療中の愛犬が快適に暮らせるような空間を作ることが大切です。
イタリアン・グレーハウンドの生活などの特徴は、こちらの記事で紹介しています。ぜひチェックしてみてください。
この記事を書いたペットとの暮らしの専門家