目次
愛犬が健康で安全に過ごすためには、床の滑り止め対策は大切です。表面がツルツルとした床は、犬の足や腰に負担がかかり、病気の原因になる可能性があります。
今回は、
- 犬が床で滑る原因
- 床の滑り止めアイデア
- 床の滑り止め対策におすすめの便利グッズ
など、これから愛犬のために床の滑り止めを行う方に向けて紹介します。さまざまな方法を紹介しますので、愛犬と飼い主さんが快適に過ごせる方法を探してみてください。
犬が床で滑る原因
犬は、フローリングや大理石など、ツルツルとした表面の床で滑りやすいとされています。ここでは、犬が室内で滑る原因を3つ解説します。
フローリングなど爪が立てにくい材質
犬の爪は、歩くときや走るときにスパイクのような役割を担っています。爪が立てにくい材質の床は、止まろうとしてもブレーキをかけることができず、滑る原因となります。特に爪が立てにくい床は、フローリングや大理石などです。一方で、畳やカーペットなどの敷物は、爪が立てやすく滑りにくいとされています。
足周りのケア不足
上記でも説明した通り、犬の爪にはスパイクのような役割があります。爪が長くなりすぎると、スパイクとしての役目を果たせなくなり、滑りやすくなります。
また、爪と同様に肉球にもブレーキをかける重要な役割があります。犬の肉球の間からは毛が生えており、毛が長くなると肉球が覆われてしまい、ブレーキをかけられない可能性があります。床で滑らないためには、定期的な足周りのケアが必要です。
老化
愛犬が高齢の場合、床で滑る原因に老化が関係している可能性があります。犬は年齢を重ねて高齢になると、筋力と体力が低下します。そのため、フローリングなどの滑りやすい床で踏ん張ることができずに足をとられてしまい、転倒する恐れがあります。
高齢になった犬は、ケガを回復するスピードも遅く、自力で立ち上がれなくなるようなケガをしてしまうと、そのまま寝たきりになるケースが多くあります。
犬種によっても異なりますが、犬の高齢期は、8~10歳頃とされています。高齢の犬は、若い頃にはできていた階段の上り下りなど、できなくなることが増えます。愛犬の年齢に合わせて、部屋のなかを愛犬の過ごしやすい空間にしてあげることが大切です。
床の滑り止めが必要な理由
犬は、フローリングなど滑りやすい床を歩く際に、滑らないように踏ん張って歩いています。日常的に足に力を入れて歩くと、腰に負担がかかりヘルニアなどの病気を発症する可能性があります。大型犬の場合、遺伝的に股関節形成不全になりやすく、関節に負担がかかる滑りやすい床は、発症の原因となります。
特に老犬の場合は、滑りやすい床に注意が必要です。床で滑って転倒してしまい、自力で立ち上がれなくなると、寝たきりになってしまうケースもあります。
愛犬にいつまでも健康に過ごしてもらうためには、滑りやすい床への滑り止め対策が必要と言えるでしょう。
床の滑り止めアイデア
ペット用のマットやカーペットを敷く
愛犬が生活しているスペースに滑りやすい素材の床がある場合は、マットやカーペットを敷くことをおすすめします。マットやカーペットを敷くと、愛犬の爪の傷が床に付くのも防ぐことが可能です。
ペット用の敷物であれば、滑り止め加工だけでなく、防臭加工や撥水加工されたモノも販売しています。掃除のしやすさを考えると、汚れた部分だけ取り外して洗濯ができるジョイントマットなどがおすすめです。
敷物を選ぶ際には、愛犬の爪が引っかかる可能性があるため、毛足がループ状になっている商品は避けた方がよいでしょう。
おすすめの敷物を2点紹介します。
薄くてずれにくいタイルマットです。撥水加工がされているため、万が一おしっこを失敗しても、染み込む心配はありません。マットは汚れた部分だけ外して洗濯も可能。繰り返し使用できて、掃除が簡単な商品です。
滑り止めつきの階段用マットです。繰り返し洗濯して使用できます。置くだけで地面に吸着し、ズレることなく使用可能。足裏に優しいソフトな触り心地もポイントです。
その他にも、犬用のマットやカーペットは多数販売されています。おすすめの犬用マット・カーペットはこちらをチェック!
➤ペット用マットの選び方、おすすめマットを紹介【防滑・防音・使い勝手をチェック】
ペット用のワックスやフロアコーティングを塗布する
愛犬の生活スペースが広範囲の場合は、ペット用の滑り止め加工がされたワックスで床をコーティングしてみてはいかがでしょうか。敷物を使用する方法だと、愛犬が足を踏み入れる場所すべてに敷物を敷く必要があり、設置や掃除に時間がかかります。
一方、ワックスを使用する方法では、年に1度塗り直しをするだけで滑り止め効果が持続するので、用意や掃除に時間がかかることはありません。床自体をコーティングできるので、排泄の失敗のときに床に染み込みにくいというメリットもあります。広い範囲の床に滑り止め対策をしたいという方におすすめです。
フロアコーティングはUVフロアコーティング・ガラスフロアコーティング・シリコンフロアコーティングなどさまざまな種類があります。
ワックスより少し施工時間と費用がかかりますが、耐久保護年数がワックスに比べて長く、塗膜の硬度が高いので傷がつきにくいのが特徴です。
ペット専用のコーティングは適度なグリップ力があるので犬も猫も走りやすく、足への負担が大幅に軽減されます。
ペット用のワックスについてはこちらの記事をチェック!
➤愛犬のフローリングワックスが必要な理由は?おすすめ商品4選も紹介
ペット専用のコーティングについてはこちらの記事をチェック!
ペット用のフローリングやタイルに張り替える
少し費用がかかりますが、フローリング部分をペット用のフローリングやタイルに張り替えるという方法もあります。ペット用のフローリングやタイルは、傷が付きにくく、滑り止め加工が施されています。床そのものに滑り止め加工されているので、ワックスでコーティングしたり、敷物を敷いたりする必要がありません。安全性が高く、掃除も簡単にできるため、メリットの多い方法です。
ペット用のフローリングとタイルについては、こちらをチェック!
➤ペット用タイルのおすすめメーカー4選!【メリット・デメリットも】
愛犬の爪と足裏のケアを行う
犬の爪や肉球は、ブレーキをかけるために重要な役割を果たします。愛犬が床で滑らないようにするには、爪や足裏の毛が伸びすぎていないか定期的にチェックして、ケアする必要があります。
爪切りや足裏の毛のカットは、月に1回を目安に行いましょう。愛犬が床を歩いているときに「カチャカチャ」と音が鳴るようであれば、爪が伸びすぎているサインです。足裏の毛は、肉球が隠れている場合にカットが必要です。
爪や足裏の毛のカットは、自宅で行うこともできるが、ケガをさせてしまいそうな場合は、動物病院やトリミングサロンでお願いすることをおすすめします。また、肉球が乾燥すると滑りやすくなるため、冬場など乾燥する時期は肉球クリームなどを使用して保湿することも大切です。
爪と足裏ケアに便利な商品を4つ紹介します。
コンパクトなサイズのバリカンです。ペットの肌にも優しい刃先を採用。1mmバリカンなので、肉球などの部分カットに向いています。乾電池で動くので、コンセントがない場所でも使用できます。
「ケイプロ ネイルトリマーZan ギロチンタイプ(小・中型犬用)」
切れ味のよいギロチンタイプの爪切りです。ネジを回すことで切れ味調整が可能です。指のかかる部分のカバーをなくしたことで、指をはさむ心配がないのもポイント。安全性が高く、爪割れしにくい商品です。
刃先が丸い作りをしているハサミです。コンパクトなサイズ感で、肉球周りの毛のカットにぴったりです。肉球付近だけでなく、顔周りにも使用できる安全性に考慮した商品です。
植物由来成分からできた保湿クリームです。安全性の高い成分でできているため、愛犬が舐めても安心です。皮膚の保湿効果とバリア効果を高めるピーチセラミド配合で、日頃の肉球ケアにおすすめの商品です。
愛犬に滑り止め付きの靴や靴下をはかせる
滑り止めつきの愛犬用の靴や靴下が販売されています。滑り止めだけでなく、寒い時期には防寒対策にも適しています。老犬で足を引きずって歩いてしまうときには、ケガ防止にもなり、おすすめです。
ただし、足に装着するには愛犬に慣れてもらう必要があります。足に靴や靴下をはかせると、違和感から動かなくなる犬が多くいます。そのため、靴や靴下をはいたらおやつをあげるなどして、「はくといいことがある」と愛犬に覚えてもらうことがポイントです。
しかし、足を触られることを嫌がる愛犬は、靴や靴下の着脱にストレスを感じるため、靴や靴下をはかせるのは避けた方がよいでしょう。
おすすめの靴や靴下を2点紹介します。
「ライフライク 折り返しベーシックソックス クラウドブルー」
ズレ落ち防止テープが付いた犬用の靴下です。履き口は伸縮性があり、履かせやすいのが特徴。裏地の目は細かく、爪に引っ掛かりにくい作りになっています。靴下の底には滑り止めが付いています。
犬の足の大きさや形に合わせてサイズ調節できる犬用の靴です。前面の面ファスナーのループを取り付けた作りで、簡単にサイズ調節できます。底には、滑り止め防止の凹凸加工が施されています。
愛犬の健康のために滑り止め対策をしましょう!
今回は、床の滑り止めアイデアやおすすめの便利グッズについて紹介しました。
犬がツルツルとした床で滑りやすいのには、爪が立てられないことや老化、足周りのケア不足などさまざまな原因があります。滑り止め対策を行わないと、足や腰に負担がかかり、関節や骨の病気を発症する原因になる可能性があります。愛犬が床で滑っている様子がみられたら、飼い主がきちんとした滑り止め対策を行いましょう。
高低差のある家の場合は、床の滑り止め対策だけでなく、段差対策をしてスロープやステップを利用することが大切です。犬用のスロープやステップについては、こちらの記事をチェック!
この記事を書いたペットとの暮らしの専門家