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犬を飼っている室内がフローリングだった場合、注意が必要です。
野外での生活するために作られた犬の体は、フローリングの床で暮らすようにはできていません。
フローリングは犬の体にダメージを与えますし、将来の病気を引き起こす可能性もあるのです。
犬を飼われている愛犬家の方は、犬用のフローリングに変えることを検討してみてはいかがでしょうか。
この記事では、フローリングが犬に与えるダメージを紹介するとともに、愛犬家住宅だからこそわかる「犬に優しいフローリング」を紹介します。
犬用のフローリング床材がおすすめ
滑りにくい加工や、よだれや粗相などに対してもしみ込まない加工がされている犬用のフローリング床材があります。
犬が滑りにくいように加工されていますが、人間が歩くのにもちょうどいいので生活しやすい床にできます。
犬用のフローリング床材であればマットを敷く必要がないので、フローリングの質感や表情を楽しむことができます。
犬の爪による傷もつきませんし、さっと拭くだけでいいのでお手入れも簡単。犬用のフローリングは、他の対策方法よりもデメリットが少ないといえるでしょう。
マットでは臭いが気になる、フローリングの色味や質感が好きという人は、犬用のフローリングを利用するのがおすすめです!
犬用のフローリング6選
犬用のフローリング材はたくさんの会社が出しています。
愛犬家住宅では、様々な会社様と取引をすることで、最新の犬に優しいフローリングの床材をチェックしています。
あらゆる床材のなかから厳選した商品を紹介します。
ワンラブフロアⅢ(大建工業)
住宅用の内装建材分野ではトップクラスのシェアを誇る大建工業が、開発・販売している犬用のフローリング床材が「ワンラブフロアⅢ」です。
小型犬でも滑らない抵抗を持っており、歩きやすさに配慮した床材です。ホットカーペットや床暖房にも対応しているので、寒い冬にも安心。
ワックス不要で擦り傷にも強く、犬の爪による傷を防ぎますし、汚れや水に強いのでお手入れもラクラクです!
ラシッサ Sフロア・ラシッサ Dフロア 耐水・ペット(LIXIL)
「ラシッサ Sフロア耐水・ペット」「ラシッサ Dフロア耐水・ペット」は、建材・住宅設備業界では最大手のLIXILが提供している床材です。
耐水性・耐アンモニア性・抗菌性を持っており、お部屋をきれいに保つことができますし、犬の臭いを抑えてくれます。
また、すべりに配慮した表面仕上げによって、ペットの足腰への負担も軽減してくれます。
豊富なカラーバリエーションとそのデザイン性によって、高機能ながらもおしゃれな空間を作ることができます。
ペット用のカーペットやタイル、床材はデザインや種類が少なく、どうしてもお部屋が野暮ったくなってしまいがちですが、ラシッサであればそんなことはありません。
消臭快適フロア(サンゲツ)
「消臭快適フロア」は、壁装材や床材、ファブリックの開発・販売を行っている株式会社サンゲツのクッションフロア材です。
表面に練り込んである消臭剤が、ペットのニオイ成分を吸着してくれます。
一般のクッションフロアよりも表面層を厚くすることで、ペットの爪によるひっかき傷がつきにくくなっています。
また、すべりを抑える加工もされており、すべり試験でも一般的なフロアよりも高いすべり止め効果を証明しています。
床材や壁材専門の会社だからこそ豊富な種類があるので、インテリアに合ったものを選ぶことできます。
エコメッセージSパートナーワン(永大産業)
床材やシステムキッチンなどの建材を開発・販売するメーカー「永大産業」は、ペット対応の床材「エコメッセージSパートナーワン」を販売しています。
エコメッセージSパートナーワンは、Nグリップフィルムという防滑コートがされており、人と犬の歩行に対してすべりにくさを考慮しています。人に対しては、カーペットと同じレベルの防滑性があります。
さらに、アンモニアや汚れ、擦り傷にも強い仕様になっているので、ペットの尿や爪による擦り傷も軽減してくれます。
コルクフローティングフロア(ウチヤマコーポレーション)
コルクの製造やコルクを使用した製品を提供しているウチヤマコーポレーションは、コルクを利用したフローリング材も販売しています。
「コルクフローティングフロア」は、表面コルク・合板・裏面コルクの3層構造のフロア材です。表面がコルクなので、ペットのすべりにくさも防げます。
三層構造にすることで、弾力性が増し、ペットの足腰に優しいフロアを実現できます。
さらに遮音シリーズもあるので、ペットの鳴き声による周囲の家への迷惑を防ぐことができます。
JネクシオWF(株式会社ノダ)
木を原材料とした住宅建材の老舗メーカーである株式会社ノダの「JネクシオWF」は、
ペットも暮らしやすいフローリング材です。
人やペットの快適な歩行に配慮した滑りにくい加工を表面に施しています。
さらに、独自のNEXシートを使用し、
ペットの粗相によるふん尿やよだれによる床面の変色、ツヤ変化を抑えます。
犬のためのフローリング床材選びのポイント
フローリングは、人間だけで暮らす場合には、掃除も楽ですしダニも発生しづらく、メンテナンスもあまり必要ないので、とても便利です。
ですが室内で犬を飼っている場合、フローリングには犬にとっても飼い主にとっても注意しなくてはならないポイントがあります。
足腰への負担
フローリングは、メンテナンスフリーを目指して、耐久性を高くするために光沢重視で作られているので、とても滑りやすいです。
犬は歩いたり走ったりする時に、土に爪を食い込ませて力を伝えます。しかしフローリングでは、爪を食い込ませることができないので、うまく歩くことができません。
ツルツルすべってしまうので、常に踏ん張って歩かなくてはいけないのです。人間でいえば、雪の日に踏ん張って歩くのを、毎日続けているような状態です。
この状態でずっと生活をすることで、足の付け根の関節や節々の関節、そして背骨などに負担がかかってしまいます。
フローリングによって、犬の体に大きな負担がかかり、病気を引き起こす可能性があるのです。
フローリングにより起こる可能性のある病気としては、以下が挙げられます。
- 股関節形成不全
- 膝蓋骨脱臼
- 椎間板ヘルニア
また、ベッドやソファなどの高い場所から飛び降りることで、膝や腰に対しても大きな負担がかかってしまいます。
愛する犬をこのような病気にしないためにも、フローリング対策を行うようにしましょう。
関連記事:愛犬の滑り止め対策はどうしてる?小型犬の足腰を守るためにおすすめの床材をご紹介!
関連記事:ペットに優しいおすすめの床材とは?床の近くで過ごす愛犬・愛猫にとっての「快適」を考えよう!
臭い
また、ペットの体への負担だけでなく、フローリングは臭いに関してもデメリットがあります。
フローリングというのは、木材でできていますのでコーティングなどがない場合は、ペットの排泄物が染み込みます。
それによって、お部屋全体が臭くなってしまうのです。
犬は臭いに敏感ですので、お部屋が臭いと常にストレスを抱えてしまいます。人間だけでなく、犬にとっても臭いは負担になるのですね。
そこで、ペットによるフローリングの臭いに対しても対策を行いましょう。
関連記事:愛犬のニオイ悩みに最適な消臭対策をご紹介!長期間消臭効果が持続する光触媒とは?
傷
犬の爪は強いので、フローリングで犬が歩いたり走ったりすると、どうしても傷がついてしまいます。
フローリングの木材が剥がれてきたり、ささくれだったりと、人間の足にとっても良くない状態になってしまいます。
関連記事:無垢フローリングでもペットと快適に暮らせる?注意点や選ぶポイント、キズが付きにくくすべりにくい無垢床をご紹介!
犬用のフローリング以外の対策方法
ちなみに、フローリングによる害を防ぐためには、犬用フローリング以外にどんな方法があるのでしょうか?
犬を飼っている人の家の、フローリング対策として考えられる方法を紹介します。それぞれのメリット・デメリットを解説します。
ガラスコーティング
ガラスコーティングとは、ガラスの薄膜を床に塗るという方法です。床の滑りを大幅に防ぐことができ、傷や汚れ、水分も弾くことができます。
付属のモップを使って自分で伸ばすだけで効果が半永久的に続くので、ワックスのようなメンテナンスの手間もかかりません。
愛犬家住宅では、価格やメンテナンスからもこちらのガラスコーティングを推奨しており、「AJパーフェクトコートプレミアム」という製品を提供しています。
滑り止めワックス
滑り止めワックスは、フローリングに塗るだけで犬が滑ることを防げます。
フローリングの見た目が変わらないのがメリットです。
ただ、ワックスははがれてくるので、定期的に塗らなくてはならないことや爪による傷を防げないのがデメリットです。
また、防滑性が強すぎると人間が歩きにくくなってしまうので、ちょうどいいものを選ばなくてはなりません。
カーペット
カーペットは1枚なので、フローリングに敷くのが簡単なのがメリットです。
カーペットは犬の爪を食い込ませることができますし、飛び降りてもクッション性があるので足腰への負担を減らすことができます。
ただ、カーペットは汚れを吸収しやすいので、犬による臭いを引き起こしやすいというデメリットがあります。
洗えるもの、撥水のものを選ぶと汚れを落としやすいですね。
フローリングマット
フローリングに敷くマットは、いくつかのマットを組み合わせることで、自由なレイアウトができるのがメリット。
汚れた部分を取り換えることができますし、洗えるものや撥水加工のものもあるので、愛犬の粗相の対処がしやすいです。
コルクマットやカーペットマット、クッションフロアマット、ゴムマットなどがあります。
マットの裏や隙間にごみがたまりやすかったり、マットの継ぎ目が引っ掛かりやすいというのがデメリットです。
まとめ
フローリングでも犬が快適に生活できる、犬用のフローリング材を紹介してきました。
何も対策をしなければ、フローリングは犬の足腰にとって大きなリスクがあります。
特に、犬用のフローリング床材を選ぶことで、こういったリスクを防ぐことができます。
ぜひ今回紹介したフローリング床材を利用して、愛犬が心地よく過ごせる環境を作ってあげてくださいね!
▶︎愛犬・愛猫、ペットのための住まいの建材設備・アイテムはこちらにまとめてご紹介しています
この記事を書いたペットとの暮らしの専門家
勝部 千尋
「書く・聴く・伝える」
執筆&犬猫お悩み相談『毛玉生活』運営
ライター/犬猫相談員
経歴
静岡県沼津市出身/京都芸術大学卒
大学卒業後、オーストラリアにワーキングホリデーと...
エリア:東京都
愛犬家住宅コーディネーター