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飼い主の入院時、ペットはどうなる?預け先・費用・法的備えについて解説

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目次
    この記事を書いた人
    永楽陽子
    愛玩動物飼養管理士2級・行政書士・宅建士の資格保有者で、ペットと法律の知識が強み。(ミックス/男の子)

    もし、飼い主であるあなたが突然入院することになったら、家に残るペットは「誰が・どこで・どうお世話をするか」決まっていますか?

    入院が長期化すると、費用や引受先の負担、ペットのストレスが問題になります。

    この記事では、猫と暮らす行政書士が「預け先の選び方・かかる費用の考え方・トラブルを減らす書面化や法的備え」についてわかりやすく解説します。

    入院は「短期」と「長期」で分けて考えよう

    入院は「短期」と「長期」で分けて考えよう

    入院への備えを短期と長期で分けて考えると、必要な支援とお金の準備が整理しやすくなります。

    短期は「いつもの生活を維持する」、長期は「将来設計まで含める」という考え方が基本です。

    短期入院(数日〜1週間)の対応

    短期入院の場合は、自宅での生活を維持すると、ペットも支援者も負担が少なくなります。

    家族や友人にお願いするのが難しい場合は、ペットシッターにお願いするのがおすすめです。

    毎日1回は必ず訪問してもらい、水・ごはんの管理やトイレ掃除、散歩を代行してもらいましょう。

    長期入院(数週間以上)の対応

    預かり期間が長期化するほど費用が増え、ペットのストレスや体調不良のリスクも上がります。

    入院や治療の長期化に対応するには、「第2の飼い主さんへの引き継ぎ」も視野に入れて検討するのが望ましいです。

    家族や友人に頼れない時は、老犬老猫ホームや終生飼養サービス等も含め、さまざまな支援先を候補に入れて選びましょう。

    入院・入所前にしておきたいペットへの5つの備え

    入院・入所前にしておきたいペットへの5つの備え

    入院や施設入所は、ある日突然起こります。

    ペットの暮らしを守るには、元気なうちに、「連絡体制・引き継ぎ情報・預け先・お金・同意書面」を準備しておくことが重要です。

    連絡体制を見える化する(家族・友人・支援者・動物病院)

    「最初に連絡する人・実際にお世話をする人(訪問または預かり)・予備の支援者・かかりつけ動物病院」の情報を、1か所にまとめておきましょう。

    スマホのメモでもノートや紙1枚でも大丈夫ですが、「誰が見ても同じ判断ができる」形にすることが大事です。

    すぐに発見されやすい場所に置き、家族等にも保管場所を共有しておきます。

    ペットの引き継ぎノートを用意する

    投薬内容・ワクチン歴・持病・アレルギー、食事の量・回数、トイレや散歩の習慣、好きな遊び・嫌がる触り方などを書いたペットの引き継ぎノートを用意しましょう。

    写真(フード袋・薬・診察券)もあると、いざという時に便利です。

    「預け先候補の承諾状況・関係性・連絡の優先順位」まで記録しておくと、緊急時に迷いが減り、引受側も安心して動けます。

    また、性格メモは「安全」を守るための説明書です。抱っこが苦手・来客で隠れる・爪切りが難しい・噛みやすいなど、正直に書きましょう。

    日頃から飼い主さん以外の人とも触れ合う機会を作ると、人慣れが進み引き継ぎがスムーズです。

    特に犬は、基本的なしつけ(リード・吠え・トイレ)が預かり可否を左右します。

    預け先の候補へ当たる(決まるまで)

    親族・友人に加え、日ごろから利用しているペットホテルやペットシッター、動物病院などに、承諾を得られるまで粘り強く問い合わせましょう。

    ポイントは「平時から接点を持っておく」こと。

    急な依頼は断られやすいため、複数の候補に対してお願いをし、条件(持病対応・猫の脱走対策・夜間体制・送迎可否)をすり合わせておくことが大切です。

    ワクチン・健康診断・避妊去勢

    ワクチン未接種だと、ペットホテルやペットシッターの利用申し込みを断られることがあります。

    混合ワクチン等の接種を適切に受け、すぐに提示できるように証明書を保管しましょう。

    また、健康診断のデータ(血液検査・体重推移など)があると、環境変化で体調を崩した時の判断材料になります。

    避妊去勢も重要です。トラブル(発情ストレス・マーキング・繁殖リスク)を減らすことができます。

    ペット費用の準備と立替の明確化

    フード・猫砂などの消耗品や通院、シッター・ホテルの費用を試算しましょう。

    銀行口座でも封筒でも構いませんが、「すぐ使える形」でお金を管理します。

    入院・治療の長期化や死亡のリスクに備えるには、遺言書や贈与契約書を作成すると安心です。

    また、立替が発生する場合は、誰が立替えるか・上限額・精算方法(振込・領収書の扱い)を事前に決めておくとトラブル予防になります。

    ペットの預け先別|メリット・デメリットと選び方

    ペットの預け先別|メリット・デメリットと選び方

    預け先は「環境ストレス・医療対応・費用・緊急時の連絡と判断」が軸になります。

    短期向きと長期向きの預け先は異なるため、複数の候補を持ち、条件と限界を先に把握しておきましょう。

    親族・友人(訪問/預かり)

    人柄や暮らしぶりを知っている親族や友人などに任せるのは、もっとも安心感が大きく、費用も抑えやすくなります。

    猫の場合は少しでも環境変化を減らしたいので、訪問による自宅対応がおすすめです。

    もし、親族や友人宅で預かってもらう場合には、同居家族のアレルギー・ペット可物件・脱走対策(網戸・玄関・ベランダ)・先住動物との相性に注意しましょう。

    預かり先に無理をさせないよう、期間と負担を具体的にすり合わせておくのがコツです。

    ペットシッター(訪問)

    親族や友人にお願いできない場合には、ペットシッターが頼りになります。

    自宅で過ごせるので、猫や環境変化に敏感な性格の犬におすすめです。

    一方で、訪問時間や回数には限界があり、鍵の受け渡し・防犯面の配慮も必要です。

    ペットカメラがあると留守中の様子確認ができ、異変の早期発見にもつながります。

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    ペットホテル(短期の預かり)

    ペットホテルは、短期の受け入れに強く、急な入院時の数日に対応できる選択肢です。

    ただし、長期になるほど費用が増え、環境変化のストレスも課題になります。

    事前に確認したいのは、「夜間スタッフの有無・散歩回数・個室かどうか・他の動物との接触管理・送迎の有無」です。

    特に猫は音や匂いの刺激が負担になることがあるので、環境もチェックしましょう。

    動物病院預かり(医療ケアが必要な子)

    動物病院は、通院や投薬、持病がある子には安心感が大きい預け先です。

    体調の変化にすぐ対応でき、薬の管理がしやすいのが利点といえます。

    確認事項は、「持病への対応範囲・入院(預かり)費用・面会の可否・緊急手術の判断フロー・退院後のケア計画」です。

    病院によっては預かり枠が少ないため、平時から相談しておくと安心です。

    老犬ホーム・老猫ホーム(長期預かり・介護)

    高齢の犬猫を長期で預かり、介護や医療ケアまで対応する有料の施設です。

    飼い主さんの長期入院や施設入所と相性が良い一方、費用が高額になりがちで、合計で数百万円規模になることもあります。

    入居条件(年齢や持病など)・医療連携・看取り方針・料金体系(初期費用や月額など)を必ず事前確認し、契約内容を把握することが重要です。

    民間・NPOの終生飼養サービス

    飼い主さんの死亡や長期入院・施設入居などで飼育困難になった際に、生涯預かってもらえる契約型有料サービスがあります。

    最後まで面倒を見る仕組みとして魅力がありますが、信頼性の見極めと契約内容の精査が不可欠です。

    費用の内訳・返金の有無・受け入れ条件・第三者監督(報告体制)などについて、しっかりと確認しましょう。

    可能な限り施設に足を運び、飼育環境と運営実態をご自身の目で見て判断しましょう。

    動物愛護団体・自治体窓口への相談

    自治体は一時預かり先や新しい飼い主を平時から探すよう案内しており、困り事を相談できる窓口が設置されていることも多いです。

    動物愛護団体も、譲渡・預かりのネットワークを持つ場合があります。

    ただし、どこも人手や飼育スペース、資金が不足しているため、ボランティア団体に頼るのではなくできるだけ有料のサービスを検討しましょう。

    法的・責任面:トラブルを避ける最低限の考え方

    法的・責任面:トラブルを避ける最低限の考え方

    預ける時は「責任・費用・緊急時の判断」を曖昧にしないのが基本です。

    気心の知れた相手でも、口約束だけだと誤解が起きやすいので、できるだけ書面(メモ)を残しましょう。

    事故が起きたときの「責任者」は誰?

    動物が他人に損害を与えた場合、原則として「動物の占有者」が賠償責任を負う(民法718条)とされています。

    一般的には、飼い主さんが占有者に当たるケースが多いです。

    つまり、ペットシッターが散歩させている犬が歩行者に噛みついた場合でも、賠償金を支払うのは飼い主さんということになります。

    ただし、状況によって責任の所在が変わることもあるため、預ける期間や管理方法、指示系統を明確にしておきましょう。

    預かりの同意は口約束を避け書面化する

    ペットを預ける際は、期間・費用・緊急時の判断・連絡手順・返還時期を口約束で済ませず書面化すると安心です。

    契約書まで作らなくても、最低限の合意事項をメモにして証拠を残すだけでも効果があります。

    識別(マイクロチップ等)で飼い主変更する

    犬猫にマイクロチップが装着されている場合、飼い主さんが変わると登録情報の変更が必要です。

    迷子・災害時の照合にも直結するため、装着の有無や登録情報の最新化を確認しておくと安心です。

    長期入院・退院後・死亡まで見据えた「ペットの将来設計」

    長期入院・退院後・死亡まで見据えた「ペットの将来設計」

    長期入院に備える際は、いったん預ければ安心ではなく、退院後に自宅に戻れるか、戻れない場合どうするか、死亡時はどうするかまで一続きで考えておくことが大切です。

    退院後に飼育再開できる?できない?

    リハビリや治療などで一時的にペットのお世話が大変なら、訪問支援(家族・友人・シッター)を活用しましょう。

    また、飼育継続が難しい場合は、新しい飼い主さんへの譲渡や老犬老猫ホーム・終生飼養サービスなどの利用が必要です。

    元気なうちからの終活としての備え

    年を重ねるにつれて、病気やケガ、判断能力が低下するリスクが高まっていきます。

    そのため、元気なうちから長期入院や施設入所を想定して、もしもの時の引き取り先を探すことが大切です。

    第2の飼い主候補を1〜2名決め、タイミングや費用面の合意を得たうえで遺言書や贈与契約書として整えておくと、双方が安心して引き継ぐことができます。

    飼い主さんの入院時のペット対応に関するよくある質問(FAQ)

    飼い主さんの入院時のペット対応に関するよくある質問(FAQ)

    ここからは、入院時に特に多い疑問をQ&Aで整理します。

    ペットを家に置いたまま入院できる?

    可能です。家族や友人、ペットシッターに鍵を渡し、訪問でお世話をしてもらう形になります。

    ごはんをあげるだけでなく、「掃除・散歩・食欲や体調変化の把握・異変時の受診」まで、継続して代行してもらえる体制づくりが大切です。

    長期になるほど人手も費用も必要になり、現実的には難易度が上がります。

    入院中のペット費用は誰が払う?立替は?

    基本的には飼い主さんがすべての費用を支払います。

    いったん第三者が立替える場合は、トラブル防止のため、上限額・立替対象・返済時期と方法を事前に決めて書面化しましょう。

    領収書の保管ルールも合わせて決めると精算がスムーズです。

    長期入院・死亡への備え、何から決めるべき?

    まずは緊急連絡先を決めます。次に、誰が最初にレスキューする(家に行く)か、誰が日々のお世話をするか、費用をどう出すかを順番に決めると整理しやすいです。

    飼育継続が難しい可能性があるなら、新しい飼い主候補や長期サービスの当たりも付けておきます。

    所有権の移転や費用準備は、遺言書や贈与契約書があると安心です。

    【まとめ】飼い主の入院時にはペットのお世話を頼む人を決めておきましょう

    【まとめ】飼い主の入院時にはペットのお世話を頼む人を決めておきましょう

    入院時のペット対応は、「短期=自宅で生活維持」「長期=引受先まで含めた将来設計」で考えるとブレません。

    「連絡体制・引き継ぎノート・預け先・費用準備と立替ルール・同意内容の書面化」まで整っていると、いざという時もペットの安全と生活の質を守りやすくなります。

    今日できることから、準備を始めましょう。

    この記事を書いたペットとの暮らしの専門家
    永楽陽子
    愛玩動物飼養管理士2級・行政書士・宅建士の資格保有者で、ペットと法律の知識が強み。(ミックス/男の子)