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猫がブラッシングを嫌いな理由とは?慣れさせる必要性とコツを解説

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    この記事を書いた人
    永楽陽子
    大学院卒業後、予防医学に関する研究や環境分析に取り組む。元動物病院勤務。(ミックス/男の子)
    猫と暮らす上で欠かせないお手入れの1つが「ブラッシング」です。

    しかし、いざ始めてみると、愛猫が嫌がって逃げてしまったという経験はありませんか?

    猫がブラッシングを嫌がるのには、いくつかの理由があります。

    無理に続けると、愛猫との信頼関係が損なわれてしまうこともあるので注意しましょう。

    この記事では、猫がブラッシングを嫌う理由や慣れさせる必要性とコツについて、わかりやすく解説します。

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    猫がブラッシングを嫌いな理由

    猫がブラッシングを嫌いな理由
    猫がブラッシングを嫌がるのは、ただの気分の問題だけではありません。

    猫が嫌がる理由を理解すると、無理なくブラッシングに慣れさせることができるようになります。

    まずは、猫の気持ちに寄り添って原因を探ってみましょう。

    敏感な体の構造

    猫の体には、特に敏感な部分があります。

    お腹や後ろ足の内側、しっぽの付け根などは神経が集中していて、ちょっとした刺激でも不快に感じることがあります。

    これらの部位に急にブラシを当ててしまうと、猫は驚いたり怒ったりしてしまうので注意しましょう。

    ブラッシングの際には、まず猫が触られても嫌がらない場所から始め、敏感な部分は避けたり、最後に優しく行ったりするのがポイントです。

    不十分な信頼関係

    普段から抱っこや撫でられることを嫌がる猫の場合、いきなりブラッシングを始めると恐怖やストレスを感じてしまいます。

    特に、保護したばかりや飼い初めなどの信頼関係がまだ築けていない段階では、無理に体を触ること自体が猫にとって負担になります。

    まずは、手で優しく撫でるところからスタートし、猫が安心できる時間と場所を選ぶことが大切です。

    猫が「この人なら大丈夫」と感じるようになるまで、焦らず時間をかけましょう。

    過去のトラウマ

    猫は、嫌な体験を記憶に強く残す生き物です。

    過去に無理矢理ブラッシングをされて驚いたり痛みを感じたりという経験があると、それ以降はブラシを見るだけで逃げてしまうこともあります。

    トラウマを克服するには、猫の気持ちを尊重しながら「ブラシ=怖くない」と思わせる飼い主さんの根気と気持ちの余裕が必要です。

    ごほうびを与えたりブラシを見せるだけの練習から始めたりして、少しずつ安心させてあげましょう。

    静電気による不快感

    ブラッシングの時に発生する静電気も、猫が嫌がる原因の1つです。

    特に空気が乾燥する冬場は、ブラシが猫の毛に触れるたびにパチッとした刺激が起こることがあります。

    これが痛みや不快感につながり、ブラッシングへの苦手意識を強めてしまいます。

    加湿器や静電気防止加工が施されたブラシを活用してみましょう。

    無香料のブラッシング用スプレーもおすすめです。

    また、ブラッシング前に手を湿らせておくのも、静電気対策として有効です。

    猫に合っていない道具

    すべてのブラシが、どの猫にも合うわけではありません。

    毛質や肌の状態に合っていないブラシを使うと、猫に痛みや不快感を与えてしまうことがあります。

    たとえば、毛が細く柔らかい猫には、硬いブラシは刺激が強すぎます。

    また、長毛種には毛が絡みにくいスリッカーブラシなどが適しています。

    猫ごとの特性や好みを観察しながら、できるだけストレスの少ないブラシを選んであげましょう。

    猫にブラッシングが必要な理由

    猫にブラッシングが必要な理由
    猫は自分で毛づくろいをしますが、ブラッシングも必要です。

    特に長毛種は毛玉や毛球症のリスクが高く、定期的なブラッシングが欠かせません。

    健康維持とコミュニケーションの一環として習慣にしましょう。

    抜け毛対策と毛玉防止

    猫は、年2回の換毛期(3月頃・11月頃)になると大量の毛が抜けます。

    ブラッシングをすると、室内に落ちる抜け毛が減るため、掃除が楽になります。

    長毛種は、ブラッシングをしないと毛玉ができやすくなるため注意が必要です。

    また、飲み込んだ毛が胃や腸にたまる「毛球症(もうきゅうしょう)」と呼ばれる病気のリスクもあると言われています。

    定期的にブラッシングをすると、たくさんの抜け毛を取り除き、毛玉の形成を防ぐことが可能になります。

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    被毛と肌の健康を保つ効果

    ブラッシングには、毛の汚れや抜け毛を取り除くだけでなく、皮膚の血行を促進し、健康な被毛を育てる効果もあります。

    ブラシで皮膚に適度な刺激を与えることで、新陳代謝が活発になり、フケや皮膚トラブルの予防にもつながります。

    特に換毛期や高齢の猫にとっては、自力での毛づくろいが難しくなるため、飼い主のサポートが重要です。

    定期的にブラッシングを行うことで、愛猫をツヤツヤに保ちましょう。

    猫との絆を深める効果

    ブラッシングは、飼い主さんと愛猫が静かに向き合えるスキンシップの時間でもあります。

    優しくブラシをかけながら声をかけたり撫でたりすることで、猫は安心感を覚え、飼い主さんとの信頼関係が深まっていきます。

    ただし、嫌がっている猫に無理矢理ブラッシングを行うのは逆効果です。

    愛猫の様子を見ながら、ブラッシングを心地良い時間にしていくことが大切でしょう。

    猫に嫌いなブラッシングを慣れさせるコツ

    猫に嫌いなブラッシングを慣れさせるコツ
    猫がブラッシングを受け入れるには、少しずつ慣れさせていくことが重要です。

    焦らず、猫のペースに合わせて信頼関係を築きながら行いましょう。

    工夫次第で好きになってくれることもあります。

    体に触れる練習から始める

    いきなりブラシを使うのではなく、まずは猫の体に触れることから始めましょう。

    最初は短い時間で終わらせ、猫が安心できる触れ合いを繰り返すことで、少しずつ慣れていきます。

    猫が触られて心地よいと感じる場所、たとえば頭や首の周りからスタートするのがおすすめです。

    日々のスキンシップの延長として行うと、猫も自然とリラックスしやすくなります。

    良いタイミングを選ぶ

    猫が落ち着いているタイミングを選ぶことも、ブラッシング成功の鍵となります。

    食後や昼寝の後など、リラックスしている時間帯がベストです。

    遊んで興奮している時や不安そうにしている時は避けましょう。

    ちなみに、わが家の愛猫は、朝食後にブラッシングするのが日課です。

    ブラシを見せると、ゴロンとお腹を出して寝転びます。

    猫に合ったブラシを選ぶ

    猫がブラッシングを嫌がらないためには、毛質や好みに合ったブラシを選ぶことが大切です。

    短毛種には柔らかいラバーブラシやコームが適しており、心地よいマッサージのように感じられます。

    長毛種の場合は、毛のもつれを優しくほぐせるスリッカーブラシがおすすめです。

    スリッカーブラシは全猫種に対応しており、わが家の短毛種の愛猫も使用しています。

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    無理をせず少しずつ慣らす

    猫が嫌がる素振りを見せたら、すぐにやめてあげることが信頼関係を築くうえで大切です。

    最初から長時間のブラッシングを目指す必要はなく、1日1分から始めましょう。

    猫のペースに合わせて、根気強く続けることが必要です。

    日を重ねるごとに、猫は「これは怖くない」と学び、次第にリラックスして受け入れるようになります。

    ブラッシングを嫌がっている時にしつこくすると、噛んだり引っかいたりすることもあるため注意しましょう。

    ごほうびを活用する

    猫にブラッシングを好きになってもらうためには、ごほうびの活用が効果的です。

    ブラッシングの後に大好きなおやつをあげたり、やさしく声をかけて褒めてあげたりすることで、ポジティブな印象を持たせることができます。

    猫が「ブラッシング=うれしいこと」と認識すれば、少しずつ協力的になってくれるでしょう。

    ごほうびは猫の性格に合わせて選んでください。

    また、ブラッシングに慣れたら、毎回ではなく、時々ごほうびがある方が良い刺激になります。

    【まとめ】ブラッシングは焦らずゆっくり!

    【まとめ】ブラッシングは焦らずゆっくり!
    猫にとってブラッシングは、慣れないうちは不安や不快感を伴うものです。

    しかし、少しずつ慣らしていくことで、猫も安心して受け入れてくれるようになります。

    信頼関係を築きながら行うブラッシングは、健康管理だけでなく、飼い主さんと愛猫の絆を深める大切な時間です。

    焦らず、猫のペースに合わせて、ゆっくりと取り組んでいきましょう。

    ブラッシングの習慣は、愛猫との穏やかな毎日をサポートする第一歩になります。

     
    この記事を書いたペットとの暮らしの専門家
    永楽陽子
    大学院卒業後、予防医学に関する研究や環境分析に取り組む。元動物病院勤務。(ミックス/男の子)