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【専門家監修】犬がうんちを食べるのをやめる!今日からできる5つの対策

目次

    飼い主さんが見ていない隙にうんちをパクパク...。

    目撃したときには「また食べちゃったの!?」「勘弁してくれ…」とショックを受ける飼い主さんも多いでしょう。

    私たち人間からすれば、なぜ自分のおしりから出たうんちを食べるのか理解できないはずです。

    この記事では、認定動物看護師の資格を持つ筆者が「犬の食糞をやめさせる対策」「食糞する理由」「注意すべきケース」まで徹底解説します。

    犬がうんちを食べるのはやめさせた方がいいのか?


    犬がうんちを食べるのは、本来犬の習性として珍しくないため、身体に害はほとんどありません。

    しかし、他の犬のうんちも食べてしまったり、うんち以外の体に害のある物を食べて体調を崩したりするような可能性はあります。

    また、家の中が汚れたり愛犬の身体が汚れたりすると衛生面でも悪影響があるでしょう。

    そのため、やめさせる方がおすすめです。

    食事内容の見直し


    「愛犬がうんちを食べてしまうのを今すぐ改善させたい!やめさせたい!」という飼い主さんへ。

    愛犬の食糞が改善しやすくなる、今すぐ実践できる5つの対策を紹介します。

    1.うんちをしたらすぐに片付ける

    食糞がクセになっている犬は、物理的に食べられないようにする方法が効果的な場合が多いです。

    お留守番中は難しいですが、飼い主さんが家にいる間は愛犬がうんちをしたら興味を持つ前にサッと片付けるようにしましょう。

    2.「その場で・端的な言葉で」を意識して注意する

    愛犬がうんちを食べたとき、ダラダラと叱り続ける・騒ぎ立てるなどの行動は逆効果になりやすいです。犬は「飼い主さんの気を引けた!」と勘違いする場合もあります。

    以下の点を意識して注意するといいでしょう。
    • 愛犬がうんちを口に入れたらその場で叱る
    • 「コラ!」「ダメ!」「ノー!」など端的な言葉を使う
    • 愛犬の名前で叱らないようにする

    愛犬が「遊ぼ!」というサインを出してきても、うんちを食べてしばらくの間は無視をするのが効果的です。

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    3.退屈な思いをさせない

    犬の食糞は「退屈」から来るストレスによっても起こります。そのためストレス管理が食糞防止のためには大切です。

    おもちゃで遊ぶ・散歩などの運動をさせるなど、ストレスを解消できる時間を与えましょう。

    また、犬は退屈や寂しさが募ると「飼い主さんの気を引こう」と考えて食糞以外にもさまざまな問題行動を起こすことがあります。

    普段からコミュニケーションをよく取り、寂しさを抱え込ませないようにしてあげましょう。

    4.食事内容の見直し

    消化不良・栄養不足などが食糞につながる場合もあります。そのため、食事内容を見直すことも検討してみましょう。

    なお「消化不良による食糞」「栄養不足による食糞」では、それぞれ理由や対処が異なる場合があります。
     
    【消化不良による食糞の場合】
    消化不良を起こしていると、美味しいごはんのニオイがうんちに残りやすくなり犬の食欲をそそるため、食糞につながると言われています。

    消化の良いごはん消化をサポートしてくれるごはんを選ぶようにしましょう。分からない場合は獣医師に相談するのがおすすめです。

    また、サプリメントで消化を補助するという手もあります。
    【栄養不足による食糞の場合】
    犬は栄養不足になると、うんち・雑草・小石など食べ物以外のものを食べることで栄養を摂り入れようとする場合があります。

    栄養不足になる原因として多いのは「ごはんの量がそもそも足りていない」ということです。与えるごはんの分量ミスや急激なダイエットなどによって、本来与えるべきごはんが足りていないときに、栄養不足になることが多いです。

    思い当たる場合は、愛犬のごはんを「きちんと体格に合った分量で与えているか?」という点も見直してみましょう。
    食事内容の見直しをする際には、愛犬に合ったごはんを動物病院で出してもらうのがおすすめです。

    5.「食べない方がいい」ことをしつけで教える

    「うんちを食べない方がいいよ」ということをしつけで教えられるグッズがあります。

    必ずしも効果があるわけではありませんが「食糞がなくなった」という声も多数あるようです。

    ここではいくつかおすすめのグッズを紹介します。

    フンロップ

    飲み水やごはんに混ぜる食糞対策シロップです。

    犬のお腹の中にうんちがある間にトウガラシエキスによってうんちが辛くなります。

    いつも通りうんちを食べた犬が「不味い」ということを学習し、うんちを食べなくなるというグッズです。

    食ふんヤメて! ふりかけタイプ 犬用

    うんちにふりかけるタイプの食糞対策グッズです。

    うんちにふりかけると、犬が嫌いな辛くて不味い味がします。

    【経験談】お留守番中の食糞はどう防ぐ?


    愛犬のお留守番が多い家庭だと、うんちをすぐに片付けたりその場で注意したりすることが不可能な場合もあります。

    筆者の実家も愛犬のお留守番が多かったため、お留守番中にしたうんちを食べてしまうということがよくありました。

    そのため、筆者の実家では「お留守番中にうんちをしなくてもいいようにする作戦」を実行していました。
    • 散歩道の中で愛犬がうんちをよくする「うんちポイント」となる場所を見つけておく
    • 愛犬のお留守番がある前には「うんちポイント」に連れて行く
    この作戦でお留守番中の食糞は大幅に減りました。

    犬がうんちを食べる理由


    ここでは、犬がうんちを食べる主な理由を6つ紹介します。

    犬の本能・習性

    犬の食糞には「母性行動」が関係している場合があります。

    母犬が子犬を育てていく過程で「排泄物を食べて片付ける」という本能がありますが、その名残で母犬の行動を真似してうんちを食べている場合もあるでしょう。

    また「周囲の環境の情報を把握する」といった「探索行動」が食糞として現れていることもあります。

    ストレスや退屈

    ストレスや退屈は食糞を含む犬の問題行動につながりやすいです。

    犬の食糞につながるストレスや退屈には以下のような種類があります。
    • 散歩が少ない・短い
    • 遊び足りない
    • 飼い主さんが構ってくれない
    • 飼い主さんとの時間が少ない
    • ひとりでいる時間が長い
    ストレスや退屈が理由の場合は、飼い主さんが見ていないところで食べていることが多いです。

    さらに、愛犬の食糞を見て飼主さんが騒いでしまったことがあると、うれしくて食糞を繰り返すようになるという場合もあります。

    ごはんの消化不良や栄養不足

    ごはんが消化不良になると、うんちにごはんのニオイが残ることがあります。

    「ごはんのニオイがする!」と興味をもち、うんちを食べてしまう犬も多いでしょう。

    また、足りていない栄養を補おうとしてうんちを食べるということもあります。

    消化不良や栄養不足でうんちを食べている場合は、散歩中に雑草や小石を食べようとしたり、アスファルトの地面を舐め始めたりするような行動が見られることも多いです。

    うんちのニオイが魅力的で食べてしまう

    ごはんのニオイがわずかに残ったうんちを単純に「おいしそう」と思ってパクパク食べてしまう子もいるでしょう。

    それだけではなく、ごはんのニオイがほとんど残っていなくてもうんちそのもののニオイを魅力的に感じ、食べてしまう子もいます。

    病気や体調不良の場合も

    以下のような病気では食欲が増える症状があるため、食糞がクセになることがあります。
    • クッシング症候群
    • 糖尿病
    • 甲状腺機能亢進症
    • 腸内の寄生虫症
    • 膵外分泌不全症
    何をしても食糞がなくならない・普段から体調に異常がある・普段から下痢や嘔吐が見られるなど、おかしい様子が見られたら早めに動物病院を受診しましょう。

    うんちをして叱られた経験がある

    「トイレではない場所でうんちをした」など愛犬が粗相をしたとき、思わず叱ってしまったことはないでしょうか?

    トイレトレーニングができている犬でも、トイレを失敗することはあるでしょう。できていたはずのことができなくなると、犬も落ち込むことがあります。

    そんなときに飼い主さんが𠮟りつけてしまうと「怒られる前に隠さなきゃ」という不安や恐怖から来るトラウマによってうんちを食べるようになることがあるのです。

    その場合、以下のような行動で愛犬の意識を変えてあげましょう。
    • また粗相をしてしまったら、叱らず黙って片付ける
    • トイレでの排泄に成功したら「えらいね~」「すごいね~」「いい子だね〜」としっかり褒めてあげる

    すぐにトラウマが消えることは難しいかもしれません。

    愛犬が安心して排泄ができるようになるまで、根気強く・優しく寄り添ってあげましょう。

    【年齢別】犬がうんちを食べる原因と具体的な対処法


    ここでは、子犬・成犬・シニア犬の年齢別でよくある食糞の理由や具体的な対処法を紹介します。

    子犬の場合

    子犬の食糞に多い理由は以下のとおりです。
    • 好奇心旺盛でなんでも口に入れたがる
    • うんちも遊び道具のように興味を持つことがある
    • 親犬の食糞行動を真似る

    何でも口に入れたがる時期であり、うんちを口に入れてしまうのもその一つ。

    しつけが入りやすい時期であるため、 「ダメ!」などの端的な言葉で・その場で注意してみましょう。

    また、目に入るもの何もかもに興味深々になる時期でもあります。おもちゃで気をそらす・うんち早く片付けて興味を持たせない、などの方法も効果的です。

    成犬の場合

    成犬の食糞に多い理由は以下のとおりです。
    • ストレスや退屈
    • しつけが入っていない
    • 栄養不足や消化不良

    成犬では「ストレスや退屈」が原因である場合が多いでしょう。

    普段からコミュニケーションをよく取ってあげたり、散歩やドッグランなど運動量を増やす知育おもちゃを使うなどの対処がおすすめです。

    また、フードの消化不良でうんちにごはんのニオイが残っていると食糞することがあります。食事内容を変えて消化をサポートする方法もあるため、動物病院に相談しましょう。

    しつけの問題がある場合は、トイレ成功時にしっかり褒めてあげたり、食糞を防ぐスプレーやふりかけなどを活用してみるのもおすすめです。

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    シニア犬の場合

    シニア犬の食糞に多い理由は以下のとおりです。
    • 栄養不足や消化機能の低下
    • 病気が隠れている

    シニア犬の食糞は病気が隠れているケースも珍しくありません。

    糖尿病による食欲増進・認知症による満腹中枢の異常記憶力の低下などにより食糞することも。

    また、消化機能が低下してうんちからフードのニオイがすると食べてしまうシニア犬もいます。

    食糞とあわせて体調に異常が見られた場合は、なるべく早く動物病院を受診しましょう。

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    何をしても食糞が改善しない場合は?


    なにをやっても食糞が改善しない...と頭を抱える飼い主さんも多いようです。

    ここでは、何をしても食糞が改善しない場合におすすめの対処法をまとめました。

    一番効果がある方法を根気強く続ける

    一度クセになるとなかなか無くならないのが食糞です。

    「うんちを食べなくなった!」と思っても、少し油断するとまた食べてしまうことも多いでしょう。

    いろいろな方法を試してきて一番効果のあった方法をやり続けてみると、いつの間にか食糞しなくなるケースもあります。

    こんなときは動物病院へ

    食事内容を見直したり、食糞防止のシロップやふりかけを使う方法で試したり、何をやってもだめ...という場合は、消化不良寄生虫感染などを引き起こしている場合があります。

    そんなときは一度動物病院へ相談してみましょう。

    ドッグトレーナーに頼るのもおすすめ

    食糞はクセになりやすいです。

    病気でもなく、食糞がただクセになっている場合は、飼い主さんでは手に負えないということも多いでしょう。

    しつけの専門家であるドッグトレーナーを頼るのもおすすめです。

    犬がうんちを食べてしまう理由を知ることが、解決の第一歩

    犬がうんちを食べるのには、何かしらの理由があります。

    頭ごなしに叱るのではなく、愛犬のことをよく見て、気持ちに寄り添って、原因は何かを見つけ出して適切な対処をしてあげましょう。

    また、何をしても改善しない場合は、動物病院やドッグトレーナーなど犬に詳しい専門家を頼るのもおすすめです。

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    この記事を書いたペットとの暮らしの専門家

    舘 明奈

    動物看護師統一認定機構認定 動物看護師・ペットケアアドバイザー等多数資格保有
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