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目次
「もし、自分がこの子より先に亡くなったらどうなるのだろう。」
ペットと暮らしていると、そんな不安を感じることがあるかもしれません。
特に、一人暮らしや高齢の方にとって、愛犬や愛猫の将来は気がかりな問題でしょう。
大切なのは、不安を抱えたままにせず、元気なうちに少しずつ準備しておくことです。
この記事では、猫と暮らす行政書士が、もしものときのペットの引き取り先や飼育費の備えについて解説します。
飼い主が亡くなったらペットはどうなる?

飼い主さんが亡くなると、犬や猫の生活環境も大きく変わります。
まずは、飼い主さんの死後に、どのような問題が起こり得るのかを知っておきましょう。
家族や親族が必ず引き取れるとは限らない
飼い主さんが亡くなった場合、法律上、犬や猫も相続の対象となります。
ただし、相続人のうち誰が実際に引き取って毎日の世話をするかまで、自動的に決まるわけではありません。
「娘は犬好きだから大丈夫」「兄弟が何とかしてくれるはず」と考えるだけではなく、実際に引き受けられるかを本人に確認しておくことが大切です。
新しい引き取り先を決める必要がある
ペットの暮らしを途切れさせないためには、何かある前に、「次に託す人」にお願いしておきましょう。
もっとも困るのは、一人暮らしの飼い主さんが突然亡くなり、ペットの存在やお世話の方法を誰も知らないケースです。
フードや水はもちろん、持病があれば投薬が途切れる可能性もあります。
ようやく親族などがペットの存在に気づいても、その後どこで暮らすのかが決まっていなければ、新しい飼い主探しから始めなければなりません。
誰にペットを託す?引き取り先を決める方法

引き取り手を探すときは、単に「動物が好きな人」だけを条件にするのではなく、その人が長く無理なく飼い続けられるかを考えましょう。
まずは身近な人から候補を考え、難しい場合には第三者や施設にも目を向けます。
まずは家族・親族・友人などから候補を考える
最初に考えたいのは、家族や親族、友人など、普段からペットのことを知っている人です。
顔を合わせたことのある人であれば、犬や猫にとっても環境の変化による負担を少し減らせる可能性があります。
ただし、本人に引き取る意思があるか、ペットを飼える住居か、同居家族の理解があるかなどを確認しましょう。
相手の年齢や健康状態も大切です。今だけでなく、数年後も飼育を続けられるかという視点で考える必要があります。
身近な人に頼めない場合は第三者や施設も検討する
家族や友人に頼める人がいなくても、選択肢がなくなるわけではありません。
動物愛護団体や老犬・老猫ホームなどへの相談も考えられます。
施設を検討するときは、飼育環境やスタッフ体制、医療が必要になった場合の対応・費用・契約内容なども確認しましょう。
いざというときに初めて連絡するのではなく、候補となる施設や団体を早めに調べ、受け入れ条件を確認しておくと安心です。
引き取り手とは生前に具体的な話をしておく
引き取り手が見つかったら、「私に何かあったら、この子をお願いね」という口約束だけで終わらせないことが大切です。
どのような状況になったら引き取ってもらうのか、誰がペットを連れて行くのか、現在使っているフードやトイレ用品をどうするのかなどを具体的に話しておきましょう。
自分と引き取り手だけでなく、家族にも「この子は〇〇さんにお願いしている」と伝えておくと、実際にもしものことが起きたときに話がつながりやすくなります。
ペットの飼育費はいくら?どう残す?

ペットを託すなら、引き取り手に飼育費のすべてを負担してもらうのではなく、お金についても準備しておきたいところです。
まずは必要額を考え、そのうえで遺言書や契約書など自分に合った方法を検討しましょう。
将来必要になる飼育費の目安を考える
飼育費は、ペットの種類や年齢、健康状態、暮らし方によって大きく異なります。
アニコム損害保険がペット保険契約者を対象に行った2025年の調査では、1頭にかけた年間支出は犬が41万3,416円、猫が19万5,427円でした。
現在1年間で使っているフード代、日用品、予防医療費、トリミング代などを書き出し、「年間の飼育費×今後の年数」で考えると分かりやすいでしょう。
参考サイト:アニコム損保「2025最新版 ペットにかける年間支出調査」
遺言書を使って飼育費を残す
「愛猫に200万円を相続させたい」と思っても、ペット自身を財産の受取人にすることはできません。
そこで、飼育をお願いする人に財産を遺す方法を考えます。
その一つが「負担付遺贈」です。たとえば、「友人Aさんに200万円を遺贈し、その代わり愛猫を適切に飼育してもらう」といった内容を遺言書に定めることができます。
遺言書を用意する際には、生前に相手へ相談し、ペットの飼育とお金の両方について了承を得ておくことが重要です。
契約や生命保険を使って飼育費を残す
遺言以外にも、ペットを引き取る人との間で、生前に契約を結んでおく方法があります。
たとえば、自分が亡くなったときに財産を渡し、その代わりペットの飼育をお願いする「負担付死因贈与契約」などです。
また、生命保険を活用して飼育資金を準備する方法も考えられます。
ただし、保険会社によって死亡保険金の受取人に指定できる範囲は異なり、友人などを自由に指定できるとは限りません。
飼い主の急病・入院にも備えておこう

ペットのために備えたいのは、飼い主が亡くなったときだけではありません。
事故や急病で救急搬送され、突然家に帰れなくなる可能性もあります。
一時的にペットを預かってくれる人を決めておく
「亡くなった後にペットを引き取ってくれる人」だけでなく「数日間お世話をしてくれる人」も考えておきましょう。
近所に住む家族や友人など、すぐ自宅へ行ける人がいると安心です。自宅でお世話をお願いするなら、合鍵をどう管理するかも決めておく必要があります。
頼める人がいない場合は、ペットホテルやペットシッターなども候補になります。
普段から利用していれば、ペット自身も慣れているため、緊急時の負担を減らせるでしょう。
緊急時にペットの存在を知らせる方法を決めておく
一人暮らしの場合、飼い主さんが外出先で倒れて救急搬送されると、自宅に犬や猫がいること自体を誰にも気づいてもらえない可能性があります。
そこで、財布などに「自宅に猫がいます」「緊急時は〇〇さんへ連絡してください」と書いたカードを入れておく方法がおすすめです。
家族や友人にも、「私が急に入院したら、まず猫のことを確認してほしい」と伝えておきましょう。
大切なのは、ペットの存在を知っている人を作ることです。特に一人暮らしでは、引き取り先を決めることと同じくらい重要な備えといえます。
食事や投薬などペットの情報をまとめておく
誰かが代わりにお世話をすることになっても、普段の生活が分からなければ困ってしまいます。
名前や年齢、食事の種類と量、散歩の時間、トイレの習慣、持病、薬の名前、かかりつけの動物病院などを一冊のノートなどにまとめておきましょう。
性格や好きなこと、「大きな音が苦手」「抱っこするときは注意が必要」といった情報も役立ちます。
さらに、マイクロチップの登録情報・ペット保険・ワクチン接種歴などもまとめておくと安心です。
わが家では、愛猫の写真と一緒に、うちの子メモを準備しています。
「今日から誰かにお願いしても困らないか」という視点で内容を確認すると、必要な情報が見つけやすくなります。
飼い主が亡くなったときのペットに関するよくある質問

「もしものとき、この子はいったいどうなってしまうの?」そんな疑問に答えました。
Q. 飼い主が亡くなったらペットは誰のものになりますか?
遺言書などで引き取り手を指定していない場合、犬や猫もほかの財産と同じように相続の対象となります。
相続人が複数いる場合には、まず相続人全員の共有となり、遺産分割協議によって誰が引き継ぐかを決めることになります。
ただし、実際にペットを飼える人が相続人の中にいるとは限りません。
あらかじめ引き取ってほしい人が決まっている場合は、遺言書を作成し、相続人以外の友人などにペットを遺贈することも可能です。
お相手には事前に相談し、了承を得ておくと安心です。
Q. ペットに直接財産を相続させることはできますか?
犬や猫自身に、「この子に300万円を相続させる」といった形で直接財産を残すことはできません。
そこで考えられるのが、ペットを引き取ってくれる人に、ペットと飼育のためのお金を渡す方法です。
たとえば、「友人Aさんに愛猫と200万円を遺贈し、愛猫を適切に飼育してもらう」といった内容を遺言書に定めることができます。
ただし、遺言書に書くだけで相手に飼育を強制できるわけではありません。
大切なペットを安心して託すためにも、遺言書を作る前に本人とよく話し合っておくことが重要です。
【まとめ】飼い主さんが元気なうちにペットの将来に備えましょう

自分が亡くなった後のことを考えるのは、少し気が重いかもしれませんね。
しかし、ペットのための備えは、決して「最期」のことだけを考えるものではありません。
まずは、もしものときにペットを託せる人を考え、一時的にお世話を頼める人・必要な飼育費・食事や病気などの情報を整理してみましょう。
必要に応じて、遺言や契約などで形にしておくこともできます。
元気な今だからこそ、相手と話し合ったり、選択肢を比べたりできます。
大切な愛犬・愛猫がこれからも安心して暮らせるよう、できるところから少しずつ準備を始めてみてはいかがでしょうか。


