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目次
一人暮らしでペットと暮らすと、「自分に万が一のことがあったら、この子はどうなるのだろう?」と不安になることがあると思います。
特に、家族が遠方に住んでいる場合や近くに頼れる人が少ない場合はなおさらでしょう。
大切なのは、不安を抱えたままにせず、元気なうちから少しずつ準備しておくことです。
この記事では、猫と暮らす行政書士が一人暮らしの方が大切なペットと安心して暮らし続けるために、考えたいことや今からできる備えについてご紹介します。
一人暮らしでペットを飼うときに考えたいこと

一人暮らしだからといって、犬や猫との生活をあきらめる必要はありません。
その代わり、自分が動けなくなったときにお世話してくれる人を見つけておくことが重要です。
楽しい毎日を長く続けていくためにも、「もしものとき」を一度想像してみましょう。
急な入院で自宅に戻れなくなったら
年齢にかかわらず、急な病気やけがで救急搬送され、そのまま入院することがあります。
その間も、自宅に残された犬や猫には、食事や水・トイレの掃除・散歩・投薬などのお世話が必要です。
一人暮らしの場合、自分が話せない状態になると、「家にペットがいる」ことさえ周囲に伝わらない可能性があります。
鞄や財布などに、緊急時に連絡してほしい人やペットの存在がわかる情報を入れておくと安心です。
体調の変化でお世話が難しくなったら
年齢を重ねたり病気を経験したりすると、これまで普通にできていた散歩や通院が負担になることがあります。
病気やけがによる身体機能の変化などによって、食事の準備や投薬の管理が難しくなることも考えられます。
また、入院や施設への入居が必要になったとき、ペットと一緒に暮らし続けられるとは限りません。
病気やけがによって長く療養する事態は、高齢の方だけの問題ではなく、誰にでも起こり得ます。
将来、体調の影響によって暮らし方が変わる可能性についても考えておくと安心です。
飼い主である自分が亡くなったら
飼い主が亡くなった後、犬や猫は自分で新しい家族を探すことができません。
家族や親族がいても、住まいがペット不可だったり、アレルギーや先住ペットの事情があったりして、引き取れない場合もあります。
「きっと誰かがなんとかしてくれる」と考えるのではなく、元気なうちに「もしものとき、この子を誰にお願いしたいか」を考え、相手としっかり話し合っておくことが大切です。
もしものとき、ペットを誰に託す?

飼い主さんにもしものことがあったとき、大切なペットのお世話を引き継いでくれる人がいるのは非常に心強いことです。
緊急連絡先や費用なども備え、ペットの暮らしが途切れないようにしておきましょう。
ペット後見とは?
ペット後見とは、飼い主さんが病気や入院、施設入居、死亡などによって飼育を続けられなくなる事態に備える仕組みです。
誰が代わりにお世話をするのか、飼育費をいくら渡すのかなどを決めておきます。
たとえば、遺言や契約で新しい飼い主や飼育費について明確化したり、緊急時に対応できる人を決めたりします。
後見人の役割は?後見が必要になるケース
一般的に、「後見人」とは「自分だけでは判断や生活が難しい方を支える人」のことです。
ペットのお世話ができなくなった飼い主さんを支える役割の人を「ペットの後見人」と呼ぶことがあります。
一人暮らしで近くに頼れる家族がいない方・高齢で将来の飼育が心配な方・持病などで入院する可能性がある方は、あらかじめ後見人の候補者を考えておくとよいでしょう。
家族や友人だけでなく、信頼できるNPOなどにお願いする方法もあります。
ペット信託や成年後見との違いは?
ペット後見と似た言葉として、「ペット信託」や「成年後見」がありますが、それらはまったく異なる制度です。
ペット信託は、民事信託の仕組みを活用して、ペットの飼育に必要な費用を確保・管理する方法の一つになります。
また、成年後見は、認知症などで判断能力が不十分になった人の権利や財産を守り、生活を支えるための制度です。
ペットの後見人がいても安心ではない理由
「いざというとき、この人が引き取ってくれる」と決まっていれば、大きな安心につながります。
ただし、それだけで準備が完璧なわけではありません。
突然の入院時にその人がすぐ駆けつけられるとは限りませんし、フードや薬、持病などの情報がなければ、お世話を引き継ぐ人も困ってしまいます。
その後の飼育費も必要です。「人・情報・お金」をつなぐ準備をしておきましょう。
一人暮らしで安心してペットと暮らすために準備したいこと

「もしもの備え」と聞くと難しく感じるかもしれませんが、緊急連絡先を決めるなど、今日からできることもあります。
無理のない範囲で、少しずつ整えていきましょう。
緊急連絡先を決める
もしケガや体調不良で救急搬送されたときなどに、医療関係者や近所の方から、最初に連絡してほしい人を決めて、それがわかるようにしておきましょう。
緊急連絡先の方には、自宅にペットがいることだけでなく、いざというときにお願いしたいことも伝えておきます。
財布や鞄に「自宅に犬(猫)がいます・この人に連絡してください」と書いたカードを入れたり、冷蔵庫にメモを貼っておいたりすると気づいてもらいやすくなります。
自分が話せない状態でも、ペットの存在や緊急連絡先が伝わるようにしておくことが大切です。
一時的な預け先を考える
急な入院では、将来ペットを引き取ってくれる人に、すぐお願いできるとは限りません。
そのため、数日から数週間だけ預かってもらえる場所も考えておきましょう。
家族や友人のほか、ペットホテルやペットシッターなども選択肢となります。
いざというときに探し始めるのではなく、普段から近所のサービスを調べ、料金や利用条件、ワクチン接種証明書など必要なものを確認しておくと安心です。
ペット後見人候補の合意を得る
「動物好きだから、きっと引き取ってくれるだろう」と、自分だけで判断するのは避けましょう。
住まいがペット可か・家族の同意があるか・先住ペットとの生活が可能かなど、実際に迎えられる環境があるかを確認する必要があります。
お願いしたい人には、自分の希望をきちんと伝えて合意を得ておきましょう。
できれば、事情が変わった場合に備えて、第2候補まで考えておくと安心です。
うちの子ノートを作る
いつものフード・薬・持病・アレルギー・かかりつけの動物病院・性格・散歩やトイレの習慣などを一冊にまとめておきましょう。
「大きな音が苦手」「このおもちゃが好き」など、その子らしさがわかる情報も役立ちます。
また、せっかく作っても見つけてもらえなければ活用できません。
家族や緊急連絡先の方にはノートの保管場所を伝え、年に一度など定期的に内容を見直しましょう。
飼育費や医療費を用意する
犬や猫との暮らしには、フードや日用品だけでなく、通院・予防医療・トリミングなどさまざまな費用がかかります。
年齢を重ねれば、治療や介護の費用が増えることもあります。
「この子をお願いします」という気持ちと一緒に、その後の費用をどうするかも考えておきましょう。
まずは普段どれくらい飼育費がかかっているのかを確認すると、将来必要なお金を考える手がかりになります。
必要に応じて遺言や契約も考える
誰にペットを託すかや飼育費をいくら渡すかが具体的になってきたら、希望を法的な形として書面で残す方法を検討しましょう。
たとえば、ペットのお世話を条件として財産を渡す「負担付遺贈」や「負担付贈与契約」などが考えられます。
家族関係や財産、希望する内容によって適した方法は異なり、遺言書や契約書を作ることによって、逆にトラブルに発展する可能性もゼロではありません。
書面に残したい場合は、行政書士などの専門家に相談し、自分に合った方法を検討しましょう。
一人暮らしのペットとの暮らしに関するよくある質問

一人暮らしでペットと暮らす方やこれから暮らしたい方が疑問に感じやすいことをまとめました。
Q1.一人暮らしでも犬や猫を飼って大丈夫ですか?
一人暮らしでも、住環境や生活リズム、経済面などを十分に考えたうえで、犬や猫と暮らすことはできます。
ただ、自分が動けないときにお世話を代わってくれる人を決めておく必要があるでしょう。
迎える前から、緊急時に頼れる人や一時的な預け先まで考えておくと安心です。
Q2.急に入院することになったら、ペットはどうすればよいですか?
緊急時に合鍵で自宅へ入り、食事や水、散歩などを頼める人を決めておきましょう。
近くに頼れる人がいなければ、ペットシッターやペットホテルなども候補となります。
また、自分が言葉を話せなくなる事態に備え、自宅にペットがいることや緊急連絡先がわかるカードなどを携帯しておくと安心です。
Q3.家族や友人にペットの後見人を頼めません。どうすればよいですか?
身近な人への依頼が難しい場合は、ペットの譲渡や終生飼育などに対応する団体・事業者を探しておくとよいでしょう。
実際の受け入れ条件や費用、飼育方法などはそれぞれ異なるため、事前の確認が大切です。
「いざというとき本当にお願いできるか」を確かめ、飼育情報や費用の引き継ぎについても考えておきましょう。
【まとめ】一人暮らしでペットを飼うなら「後見人+備え」を考えよう

一人暮らしでペットと暮らすなら、「もしものとき、この子を誰に託すか」を考えておくことが大切です。
ただし、ペットの引き取り先を決めるだけでは十分ではありません。
急な入院に備えた緊急連絡先や一時的な預け先、うちの子ノート、将来の飼育費なども一緒に準備しておきましょう。
必要に応じて遺言書や契約書なども活用し、「人・情報・お金」がつながる仕組みを作っておくことが、大切なペットとの今の暮らしを安心して楽しむことにつながります。


