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【専門家監修】犬を飼えなくなったらどうする?相談先・里親探し・行政対応まで解説

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目次
    この記事を書いた人
    永楽陽子
    愛玩動物飼養管理士2級・行政書士・宅建士の資格保有者で、ペットと法律の知識が強み。(ミックス/男の子)

    犬を飼えなくなったとき、強い罪悪感や焦りから「もう手放すしかない」と思い込んでしまう人は少なくありません。

    しかし、引っ越しや病気、家族の事情など、理由によって取るべき対応は異なります。

    大切なのは、一人で抱え込まず、今の状況で取れる選択肢を確認することです。

    この記事では、愛玩動物飼養管理士でもある行政書士が相談先や里親探し、行政対応について解説します。

    犬を飼えなくなったら保健所に出すしかないの?

    犬を飼えなくなったら保健所に出すしかないの?

    結論からいえば、保健所や動物愛護センターへの引き取り依頼は最後の手段です。

    飼い主の都合だけで当然に引き取ってもらえるわけではなく、まずは自分で新しい飼い主や預け先を探すことが基本になります。

    どうしても飼えない場合でも、遺棄や無断置き去りは絶対にしてはいけません。

    犬を飼えなくなった理由とその対策

    犬を飼えなくなった理由とその対策

    犬を飼えなくなる理由は一つではありません。

    引っ越し・家族のアレルギー・病気や入院・加齢による体力低下・犬の問題行動など、事情によって対処法は変わります。

    引っ越し先が犬不可|住まい条件の確認

    引っ越しが理由なら、まずは入居先の賃貸借契約書や管理規約を確認しましょう。

    契約内容の変更ができないかを大家さんや不動産会社と交渉してみると、小型犬や1頭であれば良しとしてもらえる可能性もあります。

    退去日が迫っているときは、ペットホテルや親族・知人宅に一時預かりしてもらって時間を確保し、焦って譲渡先を決めないことが大切です。 

    家族のアレルギー|暮らし方の見直し

    家族にアレルギー症状が出た場合も、手放す以外の選択肢も検討しましょう。

    生活空間を分ける・寝室に入れない・掃除の回数や空気清浄機を増やすなど、暮らしの見直しで身体の負担を減らせる場合があります。

    症状が強いときは医師に相談しつつ、短期的な預かりや親族の協力も検討してみてください。

    病気・入院・介護|一時的か長期的か

    飼い主さんの病気や入院、介護の始まりは突然訪れることがあります。

    この場合は、まず一時預かりを優先し、短期で戻れるのか長期化するのかを見極めることが重要です。

    相談先としては、ケアマネジャー・病院の医療相談員・地域包括支援センター・自治体窓口などがあります。

    継続飼養が難しいとわかったら、早めに譲渡準備へ進む方が愛犬の負担も減らせます。

    犬の問題行動|しつけのプロに相談

    吠え・飛びつき・散歩中の引っ張りなど、問題行動が原因で「もう飼えない」と感じることもあります。

    ただ、しつけの困りごとは、接し方や環境調整で改善する場合も少なくありません。

    行動には原因があり、獣医師や訓練士など専門家への相談が有効です。 

    犬を手放す前に検討したい選択肢

    犬を手放す前に検討したい選択肢

    どうしても難しいと感じても、すぐに譲渡と決める前に確認したい選択肢があります。

    犬は環境変化の影響を受けやすいため、段階を踏んで対応することが大切です。

    家族や親族に引き継げないか相談する

    まず相談したいのは、身近な家族や親族です。

    近くに住んでいたり、これまで愛犬と会ったことがあったりする人なら、環境変化の負担が比較的小さくなります。

    散歩・食事・持病の有無などをきちんと伝え、短期の預かりなのか終生の引き継ぎなのかも明確にしましょう。

    普段から関係がある相手ほど頼みやすく、緊急時にも動いてもらいやすい利点があります。

    知人で迎え先になれる人がいないか探す

    家族や親族が難しいときは、犬好きの友人や知人にも相談してみましょう。

    仲の良さだけで決めるのではなく、飼育経験・住まいの条件・家族の同意・留守番時間などの確認が必要です。

    今後の費用負担をどうするかも具体的に話しておくと、後のトラブルを防げます。

    一時預かりや支援先を利用する

    突然の入院などに備えて、日ごろからペットホテルやシッターなど民間サービスのお試し利用をして、一時預かり先を確保しておきましょう。

    時間的な猶予ができれば、焦って譲渡先を決めずに済みます。

    費用はかかりますが、愛犬の安全を守りながら次の手を考えるための大切な選択肢です。

    動物病院や地域の相談窓口に相談する

    動物病院や地域の相談窓口には、一般の飼い主さんが知らない情報が集まっていることもあり、預かり先について助言してくれる場合があります。

    早めに相談するほど、選べる方法は増えやすくなります。

    飼えない場合の里親探しの注意点

    飼えない場合の里親探しの注意点

    どうしても飼えない場合は、愛犬が次の環境で安全に暮らせることを最優先に、慎重に里親探しを進める必要があります。

    焦って決めるほどトラブルが起きやすいため、犬の情報と相手の条件を丁寧に整理することが大切です。

    里親探しは焦るほどトラブルに

    退去日や入院日が迫ると、すぐ渡せる相手を優先したくなります。

    しかし、焦って譲渡すると、飼育放棄や連絡不能などのトラブルにつながりかねません。

    相手の住環境や飼育経験、家族の同意の有無などをきちんと確認しましょう。

    条件面を曖昧にしたまま渡さないことが、結果的に愛犬を守ります。

    適切な里親探しの方法を検討する

    里親探しの方法には、親戚・知人・かかりつけ動物病院・地域の掲示板・SNS・保護団体・里親募集サイトなどがあります。

    簡単に譲渡できそうという理由だけで安易に選ばないことが大切です。

    信頼性の高い窓口を通すほど、譲渡後のトラブルを防ぎやすくなります。 

    愛犬の情報を詳細にまとめる

    里親募集では、犬の情報をできるだけ具体的に伝えましょう。

    年齢・性別・犬種だけでなく、性格・留守番の可否・吠え癖や噛み癖の有無・既往歴・投薬内容・ワクチン接種・不妊去勢の有無・散歩量・食事内容まで伝えることが大切です。

    良い面だけでなく困りごとも隠さず共有することで、譲渡後のミスマッチを減らし、愛犬に合う迎え先を見つけやすくなります。 

    譲渡してはいけない相手を知る

    譲渡先として避けたいのは、身元確認を嫌がる人・すぐ会いたい、すぐ渡してほしいと急がせる人・住環境や家族構成を明かさない人です。

    愛犬の幸せを考えるなら、相手に遠慮して条件確認を省いてはいけません。不安を感じる点があるなら断る勇気を持ちましょう。

    犬の譲渡でトラブルを防ぐためのコツ

    犬の譲渡でトラブルを防ぐためのコツ

    犬の譲渡は、第一印象だけで進めると後で揉めやすくなります。引き渡し前に条件を整理し、書面や記録を残すことが大切です。

    口約束ではなく譲渡条件を書面に残す

    譲渡の際は、口約束で済ませず、譲渡日・犬の情報・譲受人の氏名・住所・連絡先・再譲渡の可否・飼えなくなったときのルールなどを書面に残しましょう。

    細かな取り決めを先に整理しておくと、後から「聞いていない」「そんな約束ではなかった」という行き違いを防げます。

    難しい契約書でなくても構いませんが、双方が確認できる形で残すことに意味があります。

    トライアル期間を設ける

    正式譲渡の前に、一定期間のトライアルを設けると安心です。

    犬は人との相性だけでなく、先住動物との関係・住環境・生活リズムも重要だからです。

    トライアルの長さ・医療費やフード代の負担・正式譲渡に進まない場合の返還方法などは、あらかじめ書面で明確にしておきましょう。

    短い面談だけでは見えない点を確認できる大切な期間になります。

    お金のやり取りは慎重にする

    譲渡時のお金のやり取りは、特に慎重に扱いたい部分です。

    ワクチン代・避妊去勢手術代・検査費・移送費などの実費をどう扱うのかを事前に決めましょう。

    後で認識違いが起きないよう、領収書などで金額と理由を明確にしておくと安心です。

    譲渡後の手続きも確認する

    必要な手続きは、犬の譲渡人と譲受人の双方にあります。

    元の飼い主さん(譲渡人)は所有者ではなくなるので、登録事項変更届を保健所等に提出して、鑑札を新しい飼い主さんに渡します。  

    新しい飼い主さん(譲受人)は、登録事項変更届(名義変更)・マイクロチップ情報の変更登録・狂犬病予防注射の変更届出の3つが必要です。

    犬を飼えなくなってつらいときの向き合い方

    犬を飼えなくなってつらいときの向き合い方

    犬を飼えなくなった現実は、飼い主さんにとって大きな痛みです。

    しかし、罪悪感で動けなくなるのではなく、愛犬の安全と今後の暮らしを軸に考えることが大切です。

    「無責任だと思われそう」でも動きを止めない

    非難や叱責される心配や不安から、誰にも相談できないという人は少なくありません。

    しかし、問題を抱えたまま放置することが、一番よくありません。

    食事や散歩、通院が十分にできない状態が続けば、愛犬の負担は大きくなります。

    相談すること自体が、責任ある行動です。 まずは身近な人に相談しましょう。

    大切なのは犬が安心して暮らせること

    飼い主さんとしては「最後まで自分で飼わなければ」と思いがちです。

    しかし、状況によっては、自分のもとに置き続けることより、別の安全な環境につなぐほうが愛犬のためになることもあります。

    大切なのは、形式として手元に置くことではなく、その犬が安心して暮らせることです。

    必要に応じて譲渡を選ぶことも、犬の福祉を考えた責任ある判断になります。

    後悔を減らすためにしておきたいこと

    後悔を少しでも減らすためには、愛犬の情報を丁寧に引き継ぎ、譲渡条件を曖昧にせず、やり取りの記録を残すことが大切です。

    好きなこと・苦手なこと・普段の過ごし方など、飼い主さんしか知らない情報を写真や動画、メモで残しておけば、新しい生活に役立ちます。

    最後まで愛犬の暮らしを整える意識を持つことが、その後の納得感にもつながるでしょう。

    まとめ|犬を飼えなくなったときは早めの相談が重要

    まとめ|犬を飼えなくなったときは早めの相談が重要

    犬を飼えなくなったときは、保健所しかないと決めつけず、まず家族・知人・動物病院・地域の相談窓口に早めに相談することが大切です。

    どうしても譲渡が必要なら、愛犬と相手の情報を丁寧に確認し、記録を残して進めましょう。

    大切なのは、今の飼い主さんの都合だけではなく、愛犬が安心して暮らせる環境を確保することです。

    この記事を書いたペットとの暮らしの専門家
    永楽陽子
    愛玩動物飼養管理士2級・行政書士・宅建士の資格保有者で、ペットと法律の知識が強み。(ミックス/男の子)