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【獣医師監修】老犬との過ごし方|住環境で変わるシニア犬の快適な暮らし方とは

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目次
    この記事を書いた人
    葛野 莉奈

    獣医師。動物病院、会員制電話相談動物病院などを経て動物病院を開院。

    興味がある分野は、皮膚科や産科、小児科。12頭の犬、3匹の病院猫と生活する。

    愛犬がシニアになっても快適に過ごせるように、生活環境を見直してあげることが大切です。

    ずっと一緒にいる愛犬は、いつまでも若いままでいてくれるように感じがちですが、どんなに健康な犬であっても、老いとは必ず向き合うことになります。

    生活環境を見直すことで、愛犬との絆も深まり、より充実した毎日につながるでしょう。

    老犬との過ごし方とは?大切な考え方と住環境の重要性

    老犬との過ごし方とは?大切な考え方と住環境の重要性

    老犬になると、若いころに比べて体の機能が低下したり、感覚に変化が現れたりします。

    そのため、これまで簡単にできていた動作が難しくなるなど、日常生活の中でさまざまな変化が見られるようになります。

    もし生活環境が若いころのままだと、暮らしづらさを感じることがあるでしょう。

    暮らしづらさは老犬に無理をさせることになり、体への負担にもつながります。負担を軽減すべく、住環境の見直しや飼い主さんのサポートが必要です。

    無理のない快適な生活環境を整えることが、老犬にとって心地よいシニア生活となるでしょう。

    老犬になると何が変わる?体の変化と室内環境への影響

    老犬になると何が変わる?体の変化と室内環境への影響

    老犬になると、体にはさまざまな変化が起こります。

    身体機能の低下により、今まであたり前にできていたことが難しくなり失敗が増えることも多いです。

    また、五感の衰えにより、飼い主さんの存在を感じにくくなって不安になりやすくなるなどの精神的な変化が見られる場合もあるでしょう。

    関節の衰え|滑りやすい床が危険な理由

    加齢に伴い、関節の機能や筋力の低下が起こります。

    自分自身の体重を支えることも難しくなったり、すべりやすい床やわずかな段差が大きな負担になったりすることがあります。

    すべりやすい床が原因で起こる関節の違和感により、室内の移動がしづらくなることで、筋力低下をより進行させてしまうこともあります。

    愛犬が老いても健康な体を維持するために、床環境の見直しも大切です。

    視力・聴力の低下|生活環境への影響とは

    老犬になると視覚や聴覚などの感覚も低下します。周囲の状況を把握しづらくなり、不安を感じたり、けがにつながる場合もあるでしょう。

    今までの記憶をたどって生活をすることもありますが、負担になりにくいように、生活動線や家具の配置などを配慮してあげることが大切です。

    また、壁や家具にぶつかってしまうリスクに備え、クッション材などを壁に設置して対策をするなどの工夫をすることも有意義です。

    ほかにも以下の記事のような工夫の仕方があります。ぜひ参考にしてみてください。

    睡眠時間の増加|安心して休める環境が重要

    老犬になると体力が消耗しやすくなるため、温存するために睡眠時間が増加する傾向があります。

    睡眠は犬にとって健康に過ごすために欠かせない大切な時間です。

    良質な睡眠がとれるように、安心して休息ができる環境を整えることが大切です。

    飼い主さんの存在が感じられ、生活音や刺激が睡眠の妨げとならないような落ち着いた環境が理想的でしょう。

    トイレの失敗が増える理由と対策の考え方

    加齢に伴い、排尿や排便のコントロールが難しくなる傾向があり、トイレの失敗が増えることがあります。

    これは、トイレまで移動して踏ん張る動作が筋力低下や関節の変化によって難しくなることや、尿量の増加や栄養吸収の変化による便の状態の変化などが関係しています。

    トイレの場所をいつもいる場所の近くに配置する、また飼い主さんがサポートしやすい位置に設置を見直すと良いでしょう。

    老犬との過ごし方①無理のない生活リズム

    老犬との過ごし方①無理のない生活リズム

    これまで活発で、十分に運動しないと落ち着かなかった犬でも、加齢とともに穏やかな時間を好むようになり、眠って過ごす時間が増える傾向があります。

    こうした変化に気づいたら、散歩時間や遊びのタイミングなど、生活リズムの見直しをしましょう。

    愛犬にとってストレスのない生活リズムへの切り替えが必要です。

    また、散歩は加齢とともに、運動中心から外のニオイや音を感じる「気分転換」へと変わっていきます。

    体に負担のかかりにくい時間帯を選び、無理のない短時間の散歩を心がけましょう。

    ぜひ、以下の記事も参考にしてみてくださいね。

    老犬との過ごし方②住環境の工夫で負担を減らす

    老犬との過ごし方②住環境の工夫で負担を減らす

    愛犬の体の変化に気づいたら、住環境を見直し、生活しやすいように工夫してあげましょう。

    現在の体に適した環境に整えることで、負担を軽減することができます。

    快適に過ごせる環境は、生活の質を高めるだけでなく、愛犬との絆をより深めることにもつながります。

    滑りにくい床で関節への負担を軽減

    筋力の低下や関節の違和感が生じやすい老犬にとって、滑りやすいフローリングは大きな負担になり、関節を痛める原因にもなりかねません。

    また、歩きにくい床では動くだけで体力を消耗したり、転倒してしまうと、起き上がる動作にもさらに負担がかかります。

    老犬との過ごし方②住環境の工夫で負担を減らす

    滑りにくい床材を選択することや、カーペットやマットなどの敷物を活用することで、転倒の危険を防ぎ、機能が低下した中でも今までと変わらずに運動することが可能となります。

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    段差をなくして移動をサポート

    階段や室内の段差は、筋力が低下した老犬にとって大きな負担となります。

    体を支えるだけでも体力を使う中で、さらに段差を越えようと高く足を上げることや体を動かすことは、大きな体力消耗となるでしょう。

    できるだけ少ない力で移動できるよう、段差を減らすことはとても大切です。

    ソファやベッドの昇降時は抱っこをしたり、スロープを設置して負担を軽減することができます。

    安心して落ち着ける場所を確保する

    体力を消耗しやすくなる老犬にとって、安心して休める場所を確保することはとても大切です。

    ゆっくりと体を休められる、静かな落ち着ける場所を用意してあげましょう。

    犬は本来、浅い睡眠を繰り返しますが、体をしっかり休めるためには、声をかけても起きないほど安心して深く眠れる環境が理想です。

    快適に過ごせるよう、温度や湿度も管理しながら、生活音などを気にせずにいられるスペースを確保してあげてください。

    温度や湿度も管理しながら、生活音などを気にせずにいられるスペースを確保してあげて

    例えば、既存の窓の内側に設置できる内窓を取り入れることで、外からの音を大きく低減する効果が期待できます。

    室内をより静かな環境にできるため、老犬も安心して過ごせる空間がつくれるでしょう。

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    トイレ環境や動線の見直し

    老犬になると、筋力の低下によって排せつ姿勢がとりづらくなり、排せつコントロールが難しくなることがあります。

    さらに、尿量の増加や便の性状の変化などにより、粗相が増える場合もあります。

    こうした失敗の増加は自然なことであるため、叱るのではなく、愛犬が過ごしやすいようトイレ環境を整えてあげましょう。

    愛犬が普段過ごす場所の近くに配置する、トイレの数を増やす、段差が少なく入りやすいタイプに変更するなどの工夫がおすすめです。

    老犬との過ごし方③飼い主ができる日常のサポート

    老犬との過ごし方③飼い主ができる日常のサポート

    老犬になると、体の変化や五感の衰えにより、不安を感じやすくなる傾向があります。

    安心できるようにやさしく声かけをしたり、驚かせないよう触れ方を工夫したりと、接し方の見直しをしましょう。

    愛犬がいつも過ごす場所を、飼い主さんの生活動線の中に取り入れることで気配を感じやすくなり、安心感につながることもあるので、居場所の見直しも効果的な場合があります。

    無理をして若いころと同じように過ごさせるのではなく、愛犬の変化に気づき寄り添ってあげることが大切です。

    老犬のケガやストレスは防げる?住環境を整えるメリット

    老犬のケガやストレスは防げる?住環境を整えるメリット

    老犬になるにつれて変化していく体や機能に、犬自身も戸惑い、不安になることもあります。

    今までよりも甘えん坊になったり、警戒心が強くなって攻撃的になることもあるでしょう。

    また、身体的な機能面での変化により、けがをしやすくなるだけでなく、水や食事を摂取しにくくなったり、排泄を我慢してしまったりと、健康面でのリスクが高まることもあります。

    こうした変化に対応するためには、住環境の見直しがとても重要です。

    環境を整えることで、愛犬の健康維持や負担の軽減、飼い主さんがよりサポートをしやすくなるなどのメリットがあります。

    ライフステージに合わせて住環境を工夫することで、さまざまな問題を防ぎやすくなり、飼い主さんの負担軽減にもつながります。

    その結果、愛犬の生涯にわたって穏やかに寄り添い、より良い時間を共に過ごすことができるでしょう。

    まとめ|老犬との過ごし方は住まいの環境で変わる

    老犬との過ごし方は、日々の接し方だけでなく、住まいの環境によって大きく変わります。

    愛犬が安心して穏やかに過ごせるよう、できることから住環境を見直してみましょう。

    ペットとの暮らしがよりよくなることで、きっと愛犬との信頼関係もより深まるはずです。

    年齢に応じた住まいの環境の見直しを、都度行うことをおすすめします。

    ペットとの暮らしをより良くするヒントは、「ペットとの暮らしカタログ」でもご紹介しています。

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    この記事を書いたペットとの暮らしの専門家
    葛野 莉奈

    獣医師。動物病院、会員制電話相談動物病院などを経て動物病院を開院。

    興味がある分野は、皮膚科や産科、小児科。12頭の犬、3匹の病院猫と生活する。