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目次
獣医師。動物病院、会員制電話相談動物病院などを経て動物病院を開院。
興味がある分野は、皮膚科や産科、小児科。12頭の犬、3匹の病院猫と生活する。
特定の季節になると、花粉による鼻水やくしゃみなどの症状に悩まされる方も多いのではないでしょうか。
では、私たちと一緒に暮らす犬にも「花粉症」はあるのでしょうか。人間と少し様子は異なりますが、犬も植物の花粉に対してアレルギー反応を示すことがあります。
この記事では、犬のアレルギー反応についてわかりやすく解説します。
犬は花粉症になる?人間との違い

結論から言うと、犬も植物の花粉に対してアレルギー反応を示すことがあります。
ただし、人間の花粉症では鼻炎やくしゃみなどの呼吸器症状が主に見られるのに対し、犬では皮膚症状が中心となる点が大きな違いです。
そのため、人間の花粉症と同じものとして混同しないよう注意が必要です。
犬にも花粉によるアレルギーはある
個体差はあるものの、特定の植物の花粉をアレルゲンと認識すると、犬もアレルギー症状が現れる場合があります。
犬では、皮膚症状や消化器症状をはじめ、場合によっては鼻水やくしゃみなどの呼吸器症状が見られることもあります。
犬の花粉によるアレルギー症状は、生後約半年以降に見られることが多いです。
室内に入り込んだ花粉や、飼い主さんの衣類に付着した花粉との接触、また散歩ルートにある花粉との接触や吸引などが原因となり得ます。
犬の花粉症と人の花粉症の違い
花粉症というと、人間は鼻炎やくしゃみ、咳などの呼吸器症状が見られることが一般的ですが、犬の場合は皮膚症状が強く出やすい傾向があります。
併せて、くしゃみや鼻水のような鼻炎、涙や目やになどの結膜炎のような症状が見られる場合が多いです。
犬の花粉に対するアレルギー反応は、人間の花粉症とは症状の現れ方が異なるため、見過ごされてしまうことも少なくありません。
人間の花粉症との違いを知っておくことで、花粉が関係している可能性のある愛犬の変化に早く気づき、適切な対応につなげることができます。
犬の花粉アレルギーの主な症状|部位別

犬の体が花粉をアレルゲンと認識すると、どんな反応が現れるのでしょうか。
飼い主さんが気付いていないだけで、実は以前から変化が起こっていた可能性もあるかもしれません。
皮膚に現れる症状(かゆみ・赤み・脱毛)
最も多く見られやすいのが皮膚のトラブルです。
アレルゲンである花粉が体内に入ると炎症を起こして、赤くなったり着色が起こったりするなどの変化が現れます。
かゆみを感じたり皮膚のコンディションが悪化するため、その部分を掻いたり舐めたりする行動が増えます。
その結果、被毛が切れたり抜けたりして、「毛が薄くなった」と感じることも。
特に、目や口の周り、内股、肛門付近など、被毛が薄い部分や粘膜と皮膚の境界部分に症状が現れやすい傾向があります。
目・鼻に出る症状(涙・くしゃみ・鼻水)
犬の花粉アレルギーでは皮膚に症状が現れる場合が多いですが、人間のように結膜炎のような症状や、くしゃみや鼻水といった鼻炎のような症状が見られるケースもあります。
くしゃみ・鼻水などの鼻炎は、免疫力の低い子犬やシニアでは感染症が原因となることもありますが、アレルギー反応によって起こるケースも少なくありません。
これらの症状だけでは致命的なトラブルにつながる可能性は低いですが、長期間続くと犬にとって大きな負担となり得るため軽視は禁物です。
犬のアレルギーについて、以下の記事も参考にしてみてくださいね。
犬の花粉アレルギーの原因となる植物

人間の花粉症というと、スギやヒノキなどの代表的な植物が思い浮かびますが、犬の場合はどのような植物の花粉に注意すればよいのでしょうか。
犬の体質によっていろいろな注意すべき花粉が存在します。
春〜秋、季節ごとの花粉に注意
季節ごとに注意すべき花粉が異なります。
“どの種類の花粉に対してアレルギー反応を起こすのか”が検査でわかっているのであれば、その花粉の時期には特に注意が必要です。
また、愛犬の皮膚トラブルや体調不良が毎年決まった季節に起こる傾向がある場合、その時期に多く飛散する植物の花粉が関係している可能性も考えられます。
| 季節ごとにとくに注意したい花粉 | |
|---|---|
| 【春】に注意したい花粉 | スギ、ヒノキ |
| 【夏】に注意したい花粉 | イネ科の植物 |
| 【秋】に注意したい花粉 | ブタクサ |
もし、上記のような植物の花粉が原因となっている可能性があれば、散歩ルートの見直しや周囲にどのように生えているかなどを把握して対策をとる必要があるでしょう。
地域差と散歩環境の影響
犬に影響を及ぼす可能性のある植物や季節について前述しましたが、地域や温度など環境によっても変動があります。
住んでいる地域で花粉が飛びやすい時期や、日常の散歩コースにどのような植物があるのかを把握しておくと安心です。
ただし、その季節にアレルギー反応が見られるからといって、花粉が原因と確定できるわけではなく、特定には動物病院での検査が必要です。
散歩環境にある植物やアレルギーが見られやすい季節を把握したうえで、受診時に情報として伝えられると有意義でしょう。
花粉症になりやすい犬の特徴・犬種

どんな犬でも花粉のアレルギーになる可能性があります。
このような話を聞くと「愛犬も花粉症なのでは…」と心配になる飼い主さんもいるでしょう。
ただし、すべての犬が同じように発症しやすいわけではなく、特に気を付けるべき特徴や犬種が存在します。
アレルギー体質の犬の特徴
花粉に対するアレルギーは、アレルギー反応の一種です。
アレルギー体質の犬は花粉に対しても反応する可能性が高く、注意が必要です。
よく目や口周りなどが赤くなり被毛が薄くなっている犬や、食事によってひどい下痢や皮膚トラブルを起こしやすい犬は、もしかしたらアレルギー体質かもしれません。
こうした変化がよく見られる場合は、動物病院を受診して愛犬の傾向を把握しておくと安心でしょう。
また、反応が起こりやすいアレルゲンの特定には検査が必要です。
花粉に対して現在は反応が起こらないと判定されても、将来的に反応が起こるようになる可能性もあり、注意が必要です。
花粉症になりやすいとされる犬種
アレルギー性やアトピー性の皮膚炎、皮膚の免疫バリアが不安定なことが関連して起こる疾患には、個体差があるものの、犬種によってなりやすさが異なります。
もし愛犬がなりやすい犬種に該当している場合、より注意して日常の様子を観察することが大切です。
なりやすさに差があることを知っておくことで、皮膚の赤みや脱毛といった見た目の変化だけでなく、くしゃみや鼻水などの行動の変化にも早く気づける可能性があります。
一般的に、アレルギー性皮膚炎やアトピー性皮膚炎を発症しやすいとされているのは、以下の犬種です。
- 柴犬
- ゴールデン・レトリーバー
- シー・ズー
- フレンチ・ブルドッグ
- ウェスト・ハイランド・ホワイト・テリア
室内・屋外での犬の花粉対策

花粉がアレルゲンとなっているのであれば、除去できるような対策をとる必要があります。
少しの配慮で愛犬の負担を軽減できるかもしれません。
室内環境の整え方(空気清浄・掃除)
花粉を室内に持ち込まないことや、室内の環境をより良くすることが大切です。
洗濯物を干すタイミングや場所、外出から帰宅した際の衣類の脱ぎ場所などの配慮によって、室内への花粉の持ち込みを減らすことができます。
また、空気清浄機の活用も有意義です。

空気清浄機「ブルーデオ S201型」のようにコンパクトなアイテムであれば、元気いっぱいな犬との生活でも、邪魔をすることなく環境を整えてくれるでしょう。
散歩時にできる花粉対策
一番花粉に接触しやすいタイミングとして、散歩時が挙げられます。
散歩ルートにアレルゲンとなる植物が密生しているということもあるでしょう。
散歩ルートの見直しや、散歩用のウェアを着用することで、花粉との接触機会を減らすことができます。
散歩後に衣類を脱げば、室内に花粉を持ち込む確率も減らせるためおすすめです。
帰宅後のケア(拭き取り・ブラッシング)
外出時の愛犬の体には想像以上にたくさんの花粉が付着しており、そのまま室内に入ることで花粉を持ち込んでしまうケースが多いです。
そのため、帰宅後は愛犬の体をやさしく拭いたり、ブラッシングを行ったりして、被毛に付着した花粉をできるだけ取り除いてあげましょう。
持ち込んでしまった花粉には空気清浄機も効果的です。ぜひ、以下の記事も参考にしてみてくださいね。
症状が出たら?治療法と動物病院に行く目安

アレルギー反応と疑わしい症状が見られた場合、どうしたらよいのでしょうか。
アレルギー反応は、元気消失や食欲不振などの致命的な変化と異なり、どこまで様子を見てよいのか判断に困る問題ともいえるでしょう。
受診のタイミングや、行われる処置について解説します。
受診すべき症状・タイミング
アレルギー反応により、皮膚症状や場合によっては鼻炎や結膜炎などの症状が見られるケースがあります。
皮膚症状や一部の鼻炎や結膜炎などは、その変化だけで致命的な問題につながる可能性は低いです。
しかし、かゆみや違和感が続くことで眠れなくなったり、十分に体を休められなくなったりするほか、食欲不振につながることもあり、結果として体力の消耗を招くおそれがあります。
愛犬の負担を軽減するために、かゆみや涙目、鼻水やくしゃみなどの変化が見られ、数日続いているようであれば、受診をおすすめします。
動物病院で行われる検査・治療
アレルギー症状の可能性が考えられる場合、「人間用のアレルギー薬を投与しても良いのか」という質問をよくいただきますが、絶対に与えてはいけません。
アレルギーが疑われる場合は、必ず動物病院を受診し、獣医師の判断のもとでアレルギー検査や犬に適した治療を受けるようにしましょう。
アレルギーの検査としては、採血によりアレルゲンに対する反応を調べる、抗体検査と呼ばれるものが一般的です。
植物の花粉や食物などをパネルごとに分類したものや、100種類以上のアレルゲンに対する反応を見るものなど、検査項目は提出先の検査機関によって異なります。
どの検査が愛犬に適しているかについては、かかりつけの獣医師に相談すると安心です。
治療方法も一つではなく、適した方法は様々。
生活の中でアレルゲンをできるだけ除去する工夫を行う場合や、症状が強く出やすい時期のみ投薬を行う場合があります。
また、「減感作療法」と呼ばれる、アレルゲンを少量ずつ投与して体を慣らし、反応を起こしにくくする治療法が選択されることもあります。
愛犬にはどの方法が適しているのか、相談しながら方向性を決めることをおすすめします。
まとめ|犬の花粉症は早めの対策が大切!
皮膚のかゆみなどの日常生活の中の変化に、まさか花粉が関係していると思わない飼い主さんも多いでしょう。
しかし、確実に違うと確定させるためには、動物病院での検査が必要です。
もしかすると生活の中で、愛犬がアレルゲンとして反応する花粉を取り込んでしまっているかもしれません。
犬の花粉によるアレルギー反応は、人間の花粉症と同様、致命的な問題につながる可能性は低いです。
しかし、アレルゲンに触れ続けることで生じるかゆみや違和感といった慢性的な症状は、犬にとって大きな負担となることがあります。
愛犬が快適に過ごせるようにするためにも、早めに気づき、適切な対策をとることが大切です。
獣医師。動物病院、会員制電話相談動物病院などを経て動物病院を開院。
興味がある分野は、皮膚科や産科、小児科。12頭の犬、3匹の病院猫と生活する。


