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【専門家監修】春に猫の食欲が落ちるのは普通?変化の理由・対策・注意点

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目次
    この記事を書いた人
    舘 明奈
    動物看護師統一認定機構認定 動物看護師・ペットケアアドバイザー等多数資格保有
    (パピヨン/男の子)

    「春になってから、愛猫の食欲が急に落ちた」

    「元気はあるけれど、なんとなくいつもと違う」

    そんな変化に気づくと、季節のせいなのか体調不良や病気なのか不安になりますよね。

    春は猫自身の身体や行動の変化・飼い主さんの環境の変化などが影響し、猫の食欲に変化が出やすい季節です。

    ただし、中には病気が隠れているケースもあるため、見極めがとても大切。

    この記事では、認定動物看護師の資格を持つ筆者が「春に猫の食欲が変わる理由や対策」「注意すべきサイン」などを解説します。

    春に猫の食欲が落ちるのはよくあること

    春に猫の食欲が落ちるのはよくあること

    春になると、猫の食欲が落ちたように感じることがあります。

    これは春特有の身体や行動の変化が影響していることが多く、決して珍しいことではありません。

    実際にどのような変化があるのかを見ていきましょう。

    春は猫の身体と行動が変化しやすい季節

    春に多い“猫の身体や行動の変化”には以下のようなものがあります。

    • 換毛期に入る
      →毛が生え変わり、体力や自律神経に負担がかかることがある
    • 活動する時間帯が変わる
      →日照時間の変化により、昼間に寝て過ごす時間が増える
    • ホルモンバランスが変化する
      発情期を迎える猫では、行動や食欲に変化が出やすい
    • 生活環境の変化によるストレスを受けやすい
      引っ越しや飼い主さんの生活リズムの変化が影響することも

    猫は変化に敏感な動物です。変化に対する心身のストレスが食欲の変化にも影響しやすいといわれています。

    「減る」だけでなく「食欲旺盛」になる場合も

    季節の変わり目に起こる食欲の変化は「減る」だけでなく「食欲旺盛」になる場合もあります。

    過食状態になった場合、以下のような病気や不調が隠れているかもしれません。

    • 甲状腺機能亢進症
    • 副腎皮質機能亢進症
    • 糖尿病
    • 脳腫瘍や脳炎
    • 認知症
    • 膵外分泌不全
    • 薬の副作用
    • ストレス

    食欲の変化のすべてが病気というわけではありません。しかし、病気が背景にある場合もあるため“急激な変化”が見られたら要注意です。

    健康時の食欲をよく観察しておき、異様な変化があれば早めに受診をしましょう。

    春に猫の食欲が変化する5つの理由

    春に猫の食欲が変化する5つの理由

    ここでは「春特有の身体・行動・環境の変化がなぜ食欲に影響するのか?」について、5つの理由をまとめました。

    ①気温差によるエネルギー必要量の変化

    猫は、冬の間は体温を保つためにエネルギーが多く必要で、食欲が増す傾向にあります。

    しかし、春になって気温が上がってくると、体温調節にエネルギーをあまり使わなくなります。

    また、猫にとっては「夏バテ」のような感覚になることも。

    そのため、食欲が落ちる場合が多いです。

    ②換毛期の影響

    猫は冬から春にかけて、毛が生え変わる「換毛期」に入ります。

    換毛期は代謝のバランスが変化し、食欲の変化に影響することも。

    毛の生え変わりのためにエネルギー量が必要なのでは?とも考えられますが、エネルギー消費により消化器や自律神経系に負荷がかかると、猫の身体はバテた状態になりやすいです。

    そのため、食欲が減るといわれています。

    とくに長毛種(ノルウェージャンフォレストキャット、ラグドール、メインクーンなど)は換毛期の影響を受けやすいです。

    ③運動量の変化

    春にかけて日照時間が長くなってくると、それに合わせて猫の運動量にも変化が見られます。

    猫は明け方と夕暮れに活発になる「薄明薄暮性(はくめいはくぼせい)」です。日が出ている日中はゆったりうたた寝しながら過ごすことが多いです。

    春は日照時間が長く寝て過ごす時間が長いため、運動量が減る。その影響で食欲が湧きにくくなるといわれています。

    ④発情期のホルモンバランスの影響

    避妊・去勢をしていない猫の場合、発情期によるホルモンバランスの影響で食欲が変化する場合があります。

    春は多くの猫が発情期にあたる時期です。

    とくにオス猫の場合、食欲よりも「外に出てメスを探したい」という欲やマーキング欲などが強まり、食欲が減る傾向にあります。

    ⑤生活環境の変化によるストレス

    春は私たち人間も生活環境の変化が多い時期です。

    引っ越し・学校生活や社会人生活のスタート・模様替えなど、バタバタと過ごすことも多いでしょう。

    家の中が慌ただしく、飼い主さんたちの生活リズムに変化があると、猫たちにも伝わります。

    その変化や慌ただしい雰囲気が猫のストレスになり、食欲の変化に影響している場合もあるのです。

    猫の食欲不振と病気の見分け方

    猫の食欲不振と病気の見分け方

    愛猫の食欲が落ちたとき、様子見でいいのか?受診すべきなのか?迷う飼い主さんも多いでしょう。

    大切なのは、「食べない」という事実だけで判断しないこと

    ここでは、様子見でいい可能性が高いケースと注意が必要なサインを整理して紹介します。

    様子見でいい可能性が高いケース

    以下のように“食欲以外は普段と大きく変わらない”という場合は、一時的な体調・気分の変化である可能性が考えられます。

    • 1日食べない・または食べる量が少ないが、元気はある
    • 水は普段通り飲んでいる
    • 排尿・排便がいつも通り
    • 好物やおやつには反応し、まったく食べないわけではない
    • 普段通り動いたり甘えたりする様子がある

    このような場合は無理に食べさせようとせず、様子を見ながら食事内容や与え方を工夫してみましょう

    工夫については後の項で詳しく紹介します。

    注意が必要なサイン

    次のような様子が見られる場合は、不調や病気が背景にある可能性があります。

    • 2日以上ほとんど食べない、または日ごとに食欲が落ちている
    • 明らかに元気がなく、動きたがらない
    • 家具の下やハウスなどに隠れて出てこない
    • 触ろうとすると怒る・嫌がるなどの不調時の反応がある
    • 嘔吐・下痢などの消化器症状が見られる
    • 短期間で体重が急激に減ってきている

    上記のようなサインが見られたり、判断があいまいで不安な場合は、食欲を改善するための対策よりも受診を優先しましょう。

    ここからは主に「様子見でいい可能性が高いケース」に対して、食欲不振への対策を紹介していきます。

    春に多い猫の食欲不振への対策6選

    春に多い猫の食欲不振への対策6選

    ここでは、猫の食欲不振におすすめの対策を6つまとめました。

    ①ごはんの与え方を少し変えてみる

    “いつも通り元気があり、好きなものには興味を示しているのにごはんを食べない”という場合、いつものごはんに飽きて食欲が落ちているのかもしれません。

    ごはんの与え方を変えてみると食欲が戻る場合があります。

    いつものごはんを温めるふやかすトッピングで食欲を刺激するなど、変化を加えてみましょう。

    ごはんの種類を丸ごと一食分変えるような大げさな変化は、警戒心が高まったり、極端に偏食になるなど逆効果にもなりやすいです。

    ごはんの一部を新しいものに変えたり、少量のトッピングをしたりなど、少しずつ変化を加えていきましょう。

    ②食事の回数を細かく分けてみる

    “ごはんは食べるけれど残す”という場合、一度に食べられる量が少ないのかもしれません。

    この場合は、1日にごはんを与える回数を今より細かくしてみましょう。

    猫のごはんの回数は、基本的に1日2〜3回に分けるのがいいとされています。

    それでも食べきれないなら、1日4〜5回にしてさらに細かく少量ずつ与えてみてください。

    ③食器の素材や形状を変えてみる

    食器の素材や形状が食欲を変化させる場合もあります。

    以下のような工夫を取り入れてみましょう。

    • 陶器やステンレス製の食器に変える
    • 食器の高さを変える(台に乗せる・高さのある食器にするなど)
    • ひげが当たりにくい“浅くて広めの食器”に変える

    ③食器の素材や形状を変えてみる

    例えば、「猫用 脚付にゃにゃめフードボウル」がおすすめ。

    器部分には15度の傾斜がついており、皿の高さもあります。頭を下げずに食事できるため、首に負荷がかからず食べやすいです。

    電子レンジにも対応しており、ごはんを温めたりふやかしたりしたいときにも便利。

    食器の買い替えを検討している方は、ぜひチェックしてみてください。

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    ④食事をする環境を見直してみる

    落ち着いてごはんが食べられない場所だと、猫は食欲不振になることがあります。

    例えば、以下のような環境は敏感な猫にとって落ち着けない要因になりやすいです。

    【猫が落ち着けない環境】

    • テレビの音が大きい
    • 人の話し声がよく聞こえる
    • 人がよく通る場所
    • 他の動物がいる環境

    静かで安心してごはんを食べられる場所を用意してあげましょう。

    愛猫専用のケージや猫ちぐらなどを活用するのもおすすめです。

    ⑤日中の運動量を増やす

    日照時間が長くなる春は、寝ている時間が長く運動量が減ることから食欲が落ちるという場合も多いです。

    おもちゃでよく遊び、運動量を増やしてあげるといいでしょう。

    また、キャットタワーやキャットステップなどで猫が上下運動できる環境をつくるのもおすすめです。

    LIXILの「猫壁(にゃんぺき)」

    例えば、LIXILの「猫壁(にゃんぺき)」は、“マグネット脱着式”のキャットステップで、壁に穴を開けずに取り付けられます。

    マグネットのため、パーツの位置はアレンジ自由。配置をたまに変えることで、愛猫がいつでも新鮮な気持ちで遊べる空間が作れます。

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    ⑥住環境を整えストレスを減らす

    住環境を整えてあげることで猫のストレスを減らすのも食欲改善につながります。

    いつでも隠れられるケージやベッドなど“愛猫がホッとできる場所”を作ったり、香りの強いものは部屋から無くすなど、愛猫を想った住環境づくりをしてあげましょう。

    MYZOOの「六角ハウス」

    愛猫のための住環境づくりアイテムの一つとして、MYZOOの「六角ハウス」がおすすめ。

    壁に取り付ければキャットウォークに、床に置けばハウスにもできる、使い方自由自在のアイテムです。

    チェアプレートを組み合わせれば腰掛にもなるため、家具として邪魔にならず活用できます。

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    また、猫のストレス要因として多い騒音の対策には「プラマードUがおすすめです。こちらも気になる方はぜひチェックしてみてください。

    猫の食欲不振時に注意すべきこと

    猫の食欲不振時に注意すべきこと

    ここでは、猫の食欲不振時に注意すべきことをまとめました。

    食事を10分以上出しっぱなしにしない

    「食べないから、食べきるまで出しっぱなしにしておこう」

    これは愛猫を想った行為のようにも思えますが、実はNG行動です。

    愛猫が「いつ食べてもいいや」と思う原因になったり、雑菌が繁殖して不衛生になるなど、さまざまな問題につながります。

    食べずに10分経過したら皿を下げるというルールを設けるといいでしょう。

    また、愛猫が一度口を付けたごはんは時間が経つと雑菌の温床になります再利用せず廃棄しましょう。

    無理に与えない

    愛猫がごはんを食べないと不安になり「お願いだから食べて...」とつい無理に与えてしまいたくなりますよね。

    しかし、食べるまでしつこく口元にごはんを運んだり口に無理やり入れようとしたりすると、愛猫のストレスになります。

    ストレスは食欲改善に逆効果です。

    ふやかしたりトッピングをしたりなど“食欲をそそる工夫”をしてみて、自発的に食べるのを待ってみましょう。

    病院へ連れていく目安を決めておく

    「体は元気そうだから、しばらく様子見」とはいっても、いつまで様子見すればいいのかわからないという方もいるでしょう。

    いつから食べていないか?が分からずに様子見の状態を続けると、いつの間にか絶食状態が長く続いていることがあります。

    猫は36時間以上の絶食状態が続くと危険です。とくに肥満傾向の猫「肝リピドーシス」のリスクが高まってしまいます。

    ごはんを口にしなくなったときからどのくらい経っているのか、食欲に変化が見られた時点から記録をしておくようにしましょう。

    食べなくなってから24時間経ったら動物病院へ連れて行くことをおすすめします。

    愛猫の食欲を普段からよく観察しておくことがいちばんの対策

    愛猫がごはんをいつも通り食べることは健康的な証拠です。

    いつもの様子をよく観察しておき、異様な食欲の変化が見られたら放置せず早めに受診をしましょう。

    また、対策を一気にやろうとすると飼い主さん自身が疲れてしまいます。無理にやらず、できることからやってみてください。

    この記事が、愛猫を大切に想う飼い主さんにとって少しでも支えになれば幸いです。

    この記事を書いたペットとの暮らしの専門家
    舘 明奈
    動物看護師統一認定機構認定 動物看護師・ペットケアアドバイザー等多数資格保有
    (パピヨン/男の子)