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キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの性格と特徴|向いている家庭から飼い方のポイントまで解説

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    さかもとはるか
    愛玩動物飼養管理士2級、JKC 公認トリマーライセンスC級を取得。

    優しく揺れる長い耳と、思わず守りたくなる大きな瞳をもつ「キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル」(以下、キャバリア)。

    その愛らしい見た目通り、穏やかで人懐っこい性格から人気のある犬種です。

    しかし、これから迎える方にとっては「本当に飼いやすいの?」「留守番は苦手って本当?」など気になる点が多いのではないでしょうか。

    本記事では、キャバリアの性格や特徴、幸せに暮らすための飼育ポイントを解説します。

    キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの基本情報

    キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの基本情報

    キャバリアとの暮らしを具体的にイメージするために、まずは基本情報を見ていきましょう。

    大きさ・見た目の特徴

    キャバリアは、体高(地面から背中までの高さ)約30〜33cm、体重約5.4kg~8kgの小型犬です。

    体長が体高よりやや長く、バランスの取れた体つきをしています。

    絹のように長く豊かな被毛と、長く垂れた大きな耳、そして優しげな大きく丸い瞳が特徴的です。

    キャバリアの性格そのものを表しているかのような愛らしい見た目で、世界中の人々を魅了し続けています。

    被毛と毛色の種類

    キャバリアの被毛は、柔らかいアンダーコートと、しなやかなトップコートからなるダブルコートです。

    抜け毛は一年を通して多い犬種で、特に春と秋の換毛期には、かなりの量の毛が抜けます。

    キャバリアのJKCに公認されている毛色は以下の4種類です。

    • ブレンハイム
    • トライカラー
    • ルビー
    • ブラック&タン

    この4種類の中では、ルビーやブラック&タンが、やや珍しいカラーとされています。

    寿命と気をつけたい病気・ケガ

    キャバリアの平均寿命は、一般的に9歳から14歳程度とされています。

    小型犬の平均寿命と比較すると、やや短い傾向にあるといえるでしょう。

    キャバリアが気をつけるべき病気・ケガの一例は、以下のとおりです。

    • 僧帽弁閉鎖不全症
    • 脊髄空洞症
    • 外耳炎
    • 乾性角結膜炎

    最も注意すべき病気は、「僧帽弁閉鎖不全症」です。

    これは遺伝的な原因によって発症するとされており、中高齢以降のキャバリアに多く見られます。

    歴史

    キャバリアのルーツは猟犬(スパニエル)にありますが、イギリス王室や貴族の間で、愛玩犬として長年にわたり改良が重ねられました。

    その後、パグなどの短頭種との交配が流行し、マズルの短いタイプが主流となり、本来のキャバリアの姿は一時、姿を消しかけたことがあります。

    しかし20世紀に入り、愛好家たちが17世紀の絵画に残る姿を求めて復興活動を行い、現在のキャバリアが確立されました。

    「アメリカン・コッカー・スパニエル」と「キング・チャールズ・スパニエル」との違いは?

    キャバリアは、名前が似ていることから「アメリカン・コッカー・スパニエル」や「キング・チャールズ・スパニエル」と混同されやすい犬種です。

    それぞれの犬種の違いは以下のとおりです。

    キャバリア アメリカン・コッカー・スパニエル キング・チャールズ・スパニエル
    平均体重 約5.4~8kg 約11~14kg 約3.6~6.3kg
    毛量 多い 非常に多い 多い
    顔立ち マズルが長い キャバリアよりマズルが短い 極端にマズルが短い
    運動量 やや多い 多い 少ない

    キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの性格の特徴

    キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの性格の特徴

    キャバリアが世界中で愛され続ける理由の1つは、その穏やかで愛情深い性格にあります。

    ここからは、キャバリアの性格的な特徴について紹介します。

    優しく人懐っこい性格

    キャバリアは、優しく人懐っこい性格の持ち主です。攻撃性が低く、本気で怒ることはほとんどありません。

    飼い主さんやその家族はもちろん、訪問者や散歩中に出会う見知らぬ人に対しても、尻尾を振るほど友好的です。

    温厚で吠える頻度が少ない

    キャバリアは基本的に物静かで落ち着きがあり、感情の起伏が穏やかな犬種です。

    警戒心も低いため、番犬のように見知らぬ人や物音に対して吠え立てることはほとんどありません。

    ただし、インターホンの音や、飼い主さんへの要求で吠えることはあります。

    キャバリアは飼い主さんの指示を理解しようと努める犬種なので、子犬の頃から一貫性を持って接すれば、無駄吠えのしつけはしやすいでしょう。

    甘えん坊で分離不安になりやすい

    キャバリアは、常に飼い主さんのそばにいることを好みます。

    しかし、甘えん坊すぎることで飼い主さんへ依存し、「分離不安」を発症するケースも少なくありません。

    分離不安になると、飼い主さんがいない間に無駄吠えを続けたり、家具を破壊したりといった問題行動につながります。

    日中、家族が誰もいない時間が長すぎるご家庭では、飼育が難しい側面もあることを理解しておきましょう。

    キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの性格から見る向いている家庭

    キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの性格から見る向いている家庭

    ここまで解説してきたように、キャバリアは穏やかで愛情深く、社交性がある犬種です。

    ここからは、その性格を踏まえて、どのような家庭環境がキャバリアとの暮らしに向いているのか見ていきましょう。

    初めて犬を飼う初心者

    キャバリアは、犬の飼育が初めてという初心者の方におすすめできる犬種です。

    なぜなら、穏やかで攻撃性が低く、信頼関係が築きやすいためです。

    また、飼い主さんを喜ばせることが大好きなため、しつけやトレーニングの覚えが早い傾向にあります。

    犬の飼育初心者でも、信頼関係を築きやすく、よいパートナーとなるでしょう。

    子どもやほかのペットがいる家庭

    キャバリアの穏やかで社交的な性格は、小さな子どもがいる家庭や、ほかのペットがいる家庭にも最適です。

    争いごとを好まず、子どもやほかのペットにも優しく接することができるでしょう。

    ただし、常に子どもやほかの動物と過ごすと、ストレスがたまる可能性があります。

    クレートやケージを設置して、キャバリアが一人で静かに休める場所を確保してあげてください。

    一緒に過ごす時間を確保できる家庭

    キャバリアは飼い主さんと一緒に過ごすことに幸せを感じるので、一緒に過ごす時間を確保できる家庭が向いています。

    例えば、在宅ワークが中心の方や、専業主婦(主夫)の方など、日中の在宅時間が長い環境が理想的です。

    毎日長時間キャバリアを一人で留守番させてしまうような環境は、ストレスを感じやすいため、飼育に向いていない可能性が高いといえるでしょう。

    キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの性格に合わせた飼育のポイント

    キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの性格に合わせた飼育のポイント

    キャバリアは飼いやすい性格をしていますが、飼育において配慮すべきポイントがいくつかあります。

    愛犬と長く健やかに暮らすために、実践したい6つのポイントを見ていきましょう。

    ほめるしつけを意識する

    キャバリアのしつけにおいて大切なのは「ほめて伸ばす」ことです。

    例えば、愛犬がおやつを欲しがって吠えているときに叱るのではなく、吠えるのをやめた

    タイミングで、褒めることを繰り返すと要求吠えの頻度が減ります。

    厳しいしつけは、臆病な性格になったり、信頼関係が崩れて心を閉ざしてしまったりする原因になります。

    失敗を叱るよりも、成功を褒めることに重点を置くと、楽しみながら信頼関係を築けるでしょう。

    適度な運動量を確保する

    「スパニエル」という名が示す通り、キャバリアのルーツは猟犬にあります。

    キャバリアの祖先は野山を駆け回っていた犬種であり、運動が大好きです。

    散歩の目安は1日2回、各30分程度が理想です。

    ただし、心臓疾患のリスクが高い犬種でもあるため、激しい運動は避けたほうがよいでしょう。

    こまめにブラッシングと耳掃除をする

    キャバリアの被毛は、美しさを保つためにこまめなケアが必要です。

    とくに耳の後ろ、脇の下、内股、尻尾の付け根などは毛玉ができやすいポイントです。

    スリッカーブラシやコームを使って、できれば毎日ブラッシングをしましょう。

    また、キャバリアの大きな垂れ耳は、耳の穴をふさぐ形になっているため通気性が悪く、内部に湿気がこもりやすい構造です。

    週に1回程度は耳の中をチェックし、汚れがあれば専用のイヤークリーナーとコットンを使って優しく拭き取る習慣をつけましょう。

    暑さ対策をする

    キャバリアはダブルコートの被毛のため、寒さには比較的強い一方で、暑さには弱い犬種です。

    夏場はエアコンを24時間稼働させ、室温を23〜25度程度、湿度を50%前後に保ちましょう。

    また、夏場の散歩は、アスファルトが熱を持っていない早朝や、日が完全に落ちた夜間に行うと、熱中症ややけどのリスクを軽減できます。

    室内の熱中症予防には、「ユカリラ」がおすすめです。

    ユカリラ

    「ユカリラ」は、エアコンの風を床下空間に送り、室内の温度調整を行うシステムです。

    エアコンからの風がふく射熱として室内全体に伝わるのがポイント。

    ほこりや愛犬の抜け毛を巻き上げにくく、飼い主さんもペットも快適に過ごせます。

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    滑り止め対策をする

    日本の住宅に多いフローリングの床は、足腰に不自然な力が入り、関節に大きな負担がかかる可能性が高く、危険です。

    キャバリアを迎え入れる際は、愛犬が過ごすスペースに、カーペットやラグなどを敷き詰め、滑らない環境を整えることが不可欠です。

    敷物の設置が難しい場合は、ペット用の滑り止めフロアコーティングを施したり、滑り止めワックスを塗布したりする対策を行いましょう。

    キャバリアのための床材選びに迷ったら、「ReFace Tile(リフェイスタイル)」を検討してみてください。

    ReFace Tile(リフェイスタイル)

    「ReFace Tile(リフェイスタイル)」は、軽量で耐久性に優れた床材です。

    MTシートタイプであれば、接着剤を使用せずにフローリングの上に敷くことができます。

    クッション性もあり、愛犬が転倒してもケガをしにくい仕様です。

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    肥満に注意する

    キャバリアは食いしん坊な子が多いことでも知られています。

    肥満になると心臓に送る血液量が増え、キャバリアに多い心臓病の進行を早めたり、症状を悪化させたりする要因になります。

    適正体重を維持するために、ドッグフードは目分量ではなく正確に計量して与えましょう。

    また、おやつを与える場合は、1日の摂取カロリーの10%以内に留め、あげすぎた場合はその分主食を減らすなどの調整が必要です。

    キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの性格に関するよくある質問

    キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの性格に関するよくある質問

    最後に、キャバリアのお迎えを検討している方によくある疑問をQ&A形式で見ていきましょう。

    Q.キャバリアはオスとメスで性格に違いはありますか?

    性別によって性格に多少の違いがあります。

    一般的にオスは、いつまでも子犬のような心を忘れない、無邪気で甘えん坊な性格の子が多いとされています。

    一方メスは、オスに比べるとやや自立心があり、精神的に大人びていて落ち着いている子が多いといわれています。

    ただし、これらはあくまで一般的な傾向なので、すべての犬に当てはまるわけではないと認識しておくことが大切です。

    Q.キャバリアは集合住宅での飼育に向いていますか?

    キャバリアは集合住宅での飼育に適した犬種です。

    なぜなら、温厚な性格をしており、無駄吠えの頻度が少ないためです。

    警戒心が低いため、廊下を通る人の足音や隣人の生活音に対して神経質に吠え立てることが少なく、騒音トラブルになりにくいでしょう。

    キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの性格を理解して信頼関係を築きましょう

    キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの性格を理解して信頼関係を築きましょう

    キャバリアは、飼い主さんに寄り添い、深い愛情を注いでくれる最高のパートナーです。

    その甘えん坊な性格ゆえに、留守番が少し苦手な一面があります。

    また、美しい被毛を保つために、こまめなお手入れも不可欠です。

    今回紹介した内容を参考に、キャバリアの性格を理解し、お互いが幸せになれる素敵な暮らしをスタートさせましょう。

    この記事を書いたペットとの暮らしの専門家
    さかもとはるか
    愛玩動物飼養管理士2級、JKC 公認トリマーライセンスC級を取得。