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目次
(パピヨン/男の子)
「愛犬の涙やけってどうやったら治るの?」「涙やけってどうケアしてあげたらいいの?」
そんな悩みを抱える飼い主さんは多いでしょう。
涙やけが起こる原因は、病気・アレルギー・フードなどさまざまです。原因によって適切な対処は異なります。
また、誤ったケア方法も肌荒れや目の損傷などの原因になりかねません。
この記事では、認定動物看護師の資格をもつ筆者が「犬の涙やけの原因」「正しいケア方法や注意点」「涙やけケアのおすすめアイテム」などについて解説します。
犬の「涙やけ」とは?基本の仕組みを知ろう

犬の涙やけは、涙に含まれる成分が酸化して茶褐色に変色した状態のものです。
本来、涙は以下のルートで流れていきます。
- まぶた付近にある「涙腺」から涙が分泌される
- 涙が眼に流れてくる
- 目頭付近にある「涙小管(るいしょうかん)」を流れる
- 「涙嚢(るいのう)」に貯蓄される
- 涙が「鼻涙管」を通り、鼻の奥・喉に流れていく
涙の過剰分泌や排出ルートの詰まりなどにより、目から涙が溢れて涙やけにつながるのです。
犬の涙やけ5大原因

ここでは、犬の涙やけで考えられる主な5つの原因をまとめました。
涙の過剰分泌
涙やけの原因で多いのが「涙の過剰分泌」です。
涙の分泌量が増えるのには、目にホコリやゴミが入ったときだけではなく、さまざまな病気が関係している場合もあります。
〈涙の分泌量が増える病気〉
- 流涙症
- 逆さまつげ(眼瞼内反・異所性睫毛など)
- ブドウ膜炎
- 結膜炎や角膜潰瘍
- 緑内障
また、温度差やニオイなどの“環境によるストレス”が原因で涙が過剰分泌されることもあります。
目をシパシパさせる・常に目から涙が溢れている・よく目を気にするなどの様子が見られたら、動物病院で診てもらうといいでしょう。
涙のルートに異常がある
涙のルートに異常があると、うまく涙が流れていきません。そのため、涙が溢れて涙やけにつながるのです。
涙のルートが閉塞する身体の異常は以下のようなものがあります。
〈涙のルートが閉塞する身体の異常〉
- 涙嚢炎(るいのうえん)
- 鼻涙管閉塞(びるいかんへいそく)
- 涙小管閉塞(るいしょうかんへいそく)
- 涙点閉塞(るいてんへいそく)
「うちの子はいつも涙が溢れている」と思ったら、まずは動物病院で相談をしてみましょう。
涙を保持する機能の未発達・低下
子犬やシニア犬に多いのが「涙を目にうまく保持できない」ということです。
考えられる原因は主に2つ。
1つは、涙を保持する目の周りの筋肉の未発達です。子犬のときは、身体中の筋肉が完全ではなく、目の周りの筋肉も未発達な状態。
1歳未満の子犬の目を見ると、うるうるとして涙やけも目立って見えることが多いでしょう。
そしてもう1つは、マイボーム腺の機能不全です。目の縁にある皮脂腺のことを「マイボーム腺」といい、涙の蒸発を防ぐはたらきを担います。
マイボーム腺の機能や数は加齢とともに低下する傾向にあります。
体の構造的な要因
パグやフレンチ・ブルドッグ、ペキニーズなどの短頭種(鼻ペチャ犬)は涙やけが起こりやすいといわれています。
マズルが短く、目と鼻が近いため、涙が流れる「涙管」が狭い・短い傾向にあるのです。その体の構造から、涙の排出がしにくい状態になっていると考えられています。
鼻涙管を広げる手術もあるため、気になる場合は愛犬に適応できるかどうか動物病院で相談をしてみるのもいいでしょう。
アレルギー反応による炎症
食べ物・花粉・ハウスダストなどに対してアレルギー反応が起こると、目が炎症を起こして涙が増えることがあります。
その結果、涙が溢れ、色素沈着して涙やけが起こります。
アレルギーが原因の場合、フードの見直しや生活環境の改善、通院や治療が必要です。
動物病院に相談をし、適切な対処をしていきましょう。
涙やけを起こしやすい犬種

ここでは、涙やけを起こしやすい犬種の例をまとめました。
小型犬
- トイ・プードル
- マルチーズ
- ポメラニアン
- チワワ
- ミニチュア・ダックスフンド
上記のような小型犬は、生まれつき鼻涙管が狭く涙が溢れやすいです。
そのため、涙やけを起こしやすいといわれています。
短頭種
- パグ
- ペキニーズ
- フレンチ・ブルドッグ
- シー・ズー
「鼻ペチャ犬」ともいわれる短頭種は、体の構造上目が大きく露出部分が多いため、涙が溢れやすいです。
また、アレルギー体質になりやすいことや、まつげの生え方・まぶたの構造に異常が起きやすいことも関係しているといわれています。
その他(アレルギー体質)
- 柴犬
- アメリカン・コッカー・スパニエル
- キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル
- ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア
アレルギーを発症すると、人間と同じように犬たちも目がかゆくなったり涙が出てきたりします。
そのため、上記のような“アレルギーになりやすい体質の犬種”では涙やけを起こしやすいです。
犬の涙やけのケア方法・注意点

涙やけの改善には、日ごろからのケアに関する正しい理解が大切です。
ここでは、犬の涙やけのケア方法や注意点をまとめました。
毎日の「涙拭きケア」
溢れている涙をきれいに拭き取ってあげるのは大事。しかし、ゴシゴシ強くこすって無理に取ろうとするのはNGです。
コットン・ペット専用シート・赤ちゃんのおしりふきなど、肌や目の刺激にならないものでやさしく拭くことを心がけましょう。
ポイントは“親指や人差し指でやさしく指圧をかけて涙を吸い取り、毛流れに沿って一拭き”です。
また、目やには無理に剥がさないように。コットンやシートに湿らせた水分でふやかしてからやさしく拭き取ってあげてください。
目の周りの毛を整える
目周囲の被毛が長いと、涙が沁みて残りやすく、涙やけの原因になりやすいです。
また、長く目の周りを洗わずにいると、目やにや涙が残り続けて菌が繁殖してしまいます。
定期的にトリミングサロンで整えてもらうことが大切です。
おうちでのお手入れは、涙を拭き取るのに加え、ふやかした目やにを“目やに取りコーム”で取り除いてあげると涙やけ対策になります。
フードの見直しをする
添加物や脂質が多いフードは涙腺への刺激になる場合があります。
涙やけが気になったら、以下のようにフードの見直しをしてみましょう。
- 低アレルゲン食への切り替え
- グレインフリー(穀物不使用)を意識する
- 牛・豚・鶏などタンパク源の見直し(アレルゲンとなるタンパク源が含まれていないかをチェック)
また、水分摂取量を増やして涙の質を良くするのも大切です。
涙やけ改善のためのフード選びは、かかりつけの動物病院で相談をしてみましょう。
アレルギー対策
アレルギーは目やにや涙やけの原因になります。愛犬のアレルギー検査は早めに実施しておくのがおすすめです。
また、花粉・ハウスダスト・ダニなど環境中のアレルゲンを少しでも減らすために、おうちの中は常に清潔に保ちましょう。
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動物病院で診察・治療を受ける
目周囲の肌が荒れてきたり、どれだけケアをしても治る兆候が見られない場合は、早めに動物病院で診察を受けましょう。
病気が原因の場合は治療や手術が必要なこともあります。
獣医師と相談し、愛犬にとっていちばん良い選択をしてあげましょう。
過度なケアには要注意
涙管の未発達は成長の過程で改善することもあるといわれています。
生後6か月くらいまでは“様子見で良い”場合も。不安であれば、獣医師に相談をしてみると安心でしょう。
過度なケアは、皮膚トラブルや精神的なストレスなどに影響し逆効果になります。
神経質になりすぎず、愛犬にしっかり寄り添ったケアをしてあげましょう。
犬の涙やけケアおすすめアイテム5選

ここでは、犬の涙やけケアにおすすめのアイテムを5つまとめました。
【アニハ】涙やけクリーナー

獣医師が監修した“天然由来成分99%”の涙やけクリーナー。
目元の汚れをふき取る洗浄成分だけでなく、かゆみを抑える抗炎症成分や色素沈着を抑える天然酵素も含まれています。
天然由来成分でできているため、目に入っても舐めてしまっても問題なし。
安心して使えることや優れた洗浄力が支持され、多くの動物病院でも取り入れられています。
【OraBio】オーガニックコットンシート

100%無農薬栽培のオーガニックコットンシート。
ドライシートだから、そのままの状態で涙拭きにも、水やクリーナーで濡らして涙やけ・目やに取りにも使えます。
毛羽立ちにくいため、繊維が目を傷つける心配もありません。
また、伸びやすいメッシュシートのため、指に巻いて“歯磨きシート”としても活躍します。
【MOREMOTTO】フムスキンウォーター

涙やけ改善に特化した成分“フムスエキス”で涙やけがスッキリきれいに拭き取れる涙やけクリーナー。
余計なものは入れず、成分はフムスエキス・水・フェノキシエタノールのみの無添加。
子犬からシニア犬まで、目に限らず耳・被毛・口回り・肉球など全身に使えます。高い保湿力もあるため、敏感肌の子でも安心です。
【Petpost】犬用涙やけ除去用くし

目の細かいくしで目元の汚れを取り除く、犬用涙やけ除去用くし。
「目やに取りコーム」とも呼ばれ、動物病院やトリミングサロンのシンクには必ずと言っていいほど置いてあります。
目周りの毛に複雑に絡まった汚れも、細かいくしがしっかりキャッチし除去。
コットンやシートによる拭き取りだけでは取り切れなかった汚れも、きれいに取り除いてくれます。
使う際は、まず目やにや汚れを水分でやわらかくしてから、コームでやさしくすくい上げるように取りましょう。コームの先端を皮膚に強く押し付けないよう注意してください。
【わんちゃんライフ】わんこの瞳

犬の管理栄養士と獣医師がW監修した、犬の瞳のためのサプリメント。
紫外線やブルーライトから目を守る“ルテイン”や“アスタキサンチン”、細胞の新陳代謝を助ける“グルコサミン”や“サラシア”など、目の健康に大切な成分を配合。
さらに、保水力の高い“ヒアルロン酸Na”も配合しています。
眼の水分保持は、涙やけや目やに対策に重要です。
涙の拭き取りやフードの見直しなどの涙やけ対策に加え、サプリメントの取り入れも検討してみてはいかがでしょうか。
犬の涙やけを放置するとどうなる?

犬の涙やけを放置すると、以下のようなことが起こります。
- 赤み、かゆみ
- 毛がガビガビになる
- 皮膚炎の発症
- 悪化すると悪臭の原因に
目の周りは常に清潔にしておいてあげることが大切です。
こんなときは様子を見てもOK
涙やけの範囲が数mm程度の場合や、拭き取ればある程度きれいになる場合はいったん様子見でもいいでしょう。
過剰な拭き取りなどのケアは肌荒れを助長するため、神経質になりすぎず、また愛犬が嫌がらないくらいにケアしてあげてください。
涙やけの範囲が広がってきた・目やにがひどい・愛犬が目元を常に気にするなどの様子が見られたら、早めの受診を検討しましょう。
涙やけのケアを始めるタイミングの目安
以下のようなサインが見られたら涙やけケアを始めたほうがいいタイミングです。
- 涙の量が急に増えた
- 目の下の皮膚が赤い、湿っている
- 拭いてもすぐ濡れる
- 痒そう・痛そうな様子が見られる
次の項では「動物病院へ行くべきときのサイン」を解説します。
動物病院へ行くべき涙やけの症状や危険サイン

涙やけの他に以下のような症状が出てきたら、治療が必要な場合があります。
早めに動物病院へ行きましょう。
- 目やにの異常発生
- 黄緑色のドロッとした目やにが出ている
- 眼が充血している
- ずっと眩しそうに眼を細めている
- まばたきするときに痛そうな顔をする
- 目をこする
- 片目だけ涙が多い
毎日のケアで愛犬の涙やけ対策をしよう!
犬の涙やけは、愛犬が気にしない・改善策がわからない・拭いても取れない・他の犬も涙やけがついているなどの理由から、つい見過ごされがちです。
しかし、涙やけの放置は皮膚トラブルや細菌繁殖、悪臭の原因に。
また、涙の排出ルートや涙の保持機能上の問題が原因に隠れている場合もあります。
毎日のケアを大切にし、おかしいと思ったら早めに動物病院へ行きましょう。
(パピヨン/男の子)




