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葛野 莉奈
獣医師。動物病院、会員制電話相談動物病院などを経て動物病院を開院。
興味がある分野は、皮膚科や産科、小児科。12頭の犬、3匹の病院猫と生活する。
年々温暖化によって日本の夏の平均気温は上昇しており、熱中症への注意が呼びかけられています。
私たち人間でさえ熱中症の危険があるように、犬も同じく注意が必要です。
室内でも高温になってしまいがちな夏は、ずっと室内にいる犬でも熱中症になってしまう危険があります。
では、どのような暑さ対策や工夫をすれば良いのでしょうか。
理由は、
また、犬種の原産国や体のつくりなどによって、より暑さに注意が必要な場合もあります。
人間の汗腺はほぼ全身に分布していますが、犬の場合肉球や鼻の周囲の限定的な部分にしか存在しません。
犬は汗をかいて体温を下げることができず、熱を発散しにくい体のつくりをしているのです。
人間は扇風機を使い、汗を水蒸気化する際の気化熱によって放熱することで、体温を下げられますが、汗をほとんどかかない犬はこうした方法で体温を下げることができません。
そのため、体温が上がりやすく熱中症に注意が必要となります。
例えば、以下のような場合です。
短頭種とは、鼻先が短く特徴的な顔つきをした犬種の犬たちです。
短頭種の犬たちは、特徴的な顔のつくりから、鼻腔の狭さや気管付近の脂肪のつき方により、呼吸がしにくくなる傾向があります。
そのため、熱中症に陥りやすい犬種として知られており、注意が必要です。
そして、シベリアン・ハスキーやバーニーズ・マウンテン・ドッグ、サモエド、セント・バーナードなど、寒い地域原産の犬種も暑さには注意が必要です。
また、呼吸器疾患や循環器の持病がある犬は暑さで持病の悪化につながりやすく、高齢犬や幼若な犬などは体力の消耗が激しくなりやすく、全身状態を悪化させやすいため、特に注意しましょう。
熱中症の程度によって見られるサインは様々ですが、以下が主な熱中症のサインです。
開口呼吸や意識レベルの低下、元気の消失などは重度の症状になり、より死に至る危険性が高まります。
少しでもリスクを減らすために「熱中症かな?」と思ったら早期に受診をすることが大切です。
軽度の症状の段階で、しっかりエアコンをつけて室温を下げることや、濡れたタオルを体にかけて風を当てるなどの対処をしつつ、受診できる動物病院を探しましょう。
熱中症について、以下の記事も参考にしてみてくださいね。
健康かつ快適に過ごせるような温度や湿度に設定してあげることがとても大切です。
最適とされる室温には諸説ありますが、温度は20〜23度程度、湿度は40〜60%くらいが理想的といわれています。
また、室温が低くても湿度が高くなると熱中症になる危険性があるとされ、最適な温度や湿度は愛犬の全身状態によっても異なります。
室温や湿度を下げていても、ずっと開口呼吸をしていたり、体が熱いなどの変化が見られるようであれば、快適な温度や湿度に至っていない可能性があります。
特に呼吸器疾患や循環器疾患をもつ犬の場合、室温や湿度のわずかな上昇でも循環器の負担や呼吸のしづらさにつながる危険性があり、注意が必要です。
愛犬の様子をよく見ながら温度や湿度を調節してあげましょう。
室内だからといって安心していると、気づいたら熱中症に陥ってしまっている場合もあります。
愛犬が快適に過ごせるよう、暑い季節はエアコンをかけて室内環境を整えましょう。
どのような環境を犬は快適と感じるのでしょうか。
室内であっても日当たりや風の流れによっては、室外よりも気温が高くなる危険性があるため、日本の夏をエアコンなしで過ごすことは非常に危険です。
人間はかいた汗を気化する際に熱が放散されるため、扇風機などの風によって体温を下げることができます。
一方で犬はあまり汗をかけないため、人間と同じように扇風機で体温を下げることはできません。
犬が体温を下げて夏を快適に過ごすためには、エアコンによる室温管理が欠かせません。
最適な温度に保つためにどんな設定にしたらいいのか気になりますよね。最適な温度設定は部屋の構造によって様々です。
例えば、密閉度が高くエアコンが効きやすいつくりの部屋であれば、23~24度でも充分に涼しくできる可能性が高いです。
一方で広い部屋や日当たりのよい部屋の場合、なかなか室温が下がらず19~20度の設定で、やっと過ごしやすい室温を維持できる場合もあります。
そこでおすすめなのが、愛犬がよくいる場所に温度計や湿度計を置いて、エアコンの温度設定を調節する方法です。
日の当たる時間や天候などによっても室温は異なるため、都度観察して調整してあげると良いでしょう。
暑さに弱い犬のために、暑い夏の日は室温を低く一定に保つことはとても大切です。
しかし、室内は外の温度や湿度、日当たりや天候などの影響を大きく受けるため、時間帯や天候によって室温が異常な上昇を見せることもあります。
エアコンをタイマーで管理することで、エアコンが停止するタイミングと室温が上昇するタイミングが重なってしまった場合、暑くなって犬は負担に感じる危険性があります。
また、留守番時なども知らない間に室温が上昇している場合もあり、帰宅後に熱中症が発覚するというケースもあるので注意しなければなりません。
愛犬を熱中症のリスクから守るために、一日中つけっぱなしをおすすめします。
節約しながらエアコンを上手に使用したいときは、こちらの記事を参考にしてみてくださいね。
安全に使うためにはどのような使い方をすればよいのでしょうか。
ずっとエアコンの冷たい風が直接あたる状態の場合、下痢や嘔吐など体調不良につながる危険性があります。
高齢の犬やケージ内で過ごす犬など行動範囲が狭い場合、よくいる場所にエアコンの風向きが設定されていると直風が当たり、体調不良につながるかもしれません。
犬のよくいる場所やお気に入りの場所を考慮して風向きを設定しましょう。
室内でも湿度の高い場所があったり、室温が高くなる場所があると、犬は快適な場所を探してうろうろと落ち着かないなどの行動を見せることがあります。
涼しくて快適な部屋の中で落ち着いて休めることは、犬たちにとって消耗した体力を回復させ、元気に過ごすことへの近道となります。
そこで、冷気を効率的に循環させ、部屋の中の室温や湿度を一定に保つために、エアコンと併せてサーキュレーターを活用することがおすすめです。
しかし、好奇心旺盛な犬のいたずらの対象になったり、転倒したり、犬が触れてケガを負ってしまったりと事故の原因にもなり得るため、設置場所には注意が必要です。
室温を下げることで寒く感じるタイミングもあるでしょう。
その際に犬自身が移動して毛布などで暖かさを確保できたり、日向ぼっこをしていても暑く感じたら涼しい場所へ移動できるようにしていると安心です。
部屋を開けておくことで犬の移動導線を確保できますが、エアコンの効率が悪くなる可能性もあります。
そんなときに便利なのが「ペットドア」です。
扉を閉めた状態でエアコンの効率を維持しつつ、ドア部分から犬が自由に移動できます。
フィルターに付着したほこりや繁殖する細菌やカビなどは、アレルギーや呼吸器トラブルにつながる危険性もあります。
愛犬が毎日を過ごす部屋の空気を含め、生活環境は清潔であることも愛犬の健康維持に不可欠です。
室温や湿度の快適さだけを求めるのでなく、清潔に保ち健康に過ごせるよう配慮することも大切です。
窓やベランダ部分にシェードを設置し、日陰を作ることで、より効率よく室温を下げることが期待できます。
また、時間帯によって直射日光が差し込んで部屋の中でも暑い部分ができてしまう構造の場合にも、夏の対策としてエアコンと併せて使用することをおすすめします。
「スタイルシェード」であれば、使わないときはすっきりと収納することができ、日差しの強い時間帯だけ使用できますよ。
例えば「アイスマット」は、中に保冷材であるアイスバッテリーを装着することで、しっかりとマットを冷やし、マットに乗っている愛犬の体を冷やすことができます。
体格や暑さの程度によって、装着するアイスバッテリーの数を増やすこともできますよ。
体の熱さによって、アイスバッテリーを増やしてしっかり冷やしてあげると熱中症対策になり得るでしょう。
気づいたら体が脱水症状に近い状態になってしまっていたということもあります。
食欲の落ちる犬もいるため、上手に涼しさを感じられる方法や新鮮な水を飲めるような工夫をすると良いでしょう。
言葉の話せない犬たちが示す、「暑いよ」というサインを見逃さないことが大切です。
室温の配慮だけでなく以下のような対策をとることで、愛犬がより健康的にかつ快適に過ごせるでしょう。

命を落としてしまうことにもつながる怖いトラブルである熱中症の対策のために、夏にエアコンを使用することは欠かせません。
電気代の増加やエアコンが苦手な飼い主さんの事情など、エアコンを使用することをためらう場合もありますが、愛犬が快適に過ごすために必ずエアコンは使用するよう心がけましょう。
エアコンだけでなく、他の便利なアイテムも併せて使用しながら効率よく室温や湿度を下げて、愛犬にとって快適な環境を作ってあげましょう。
私たち人間でさえ熱中症の危険があるように、犬も同じく注意が必要です。
室内でも高温になってしまいがちな夏は、ずっと室内にいる犬でも熱中症になってしまう危険があります。
では、どのような暑さ対策や工夫をすれば良いのでしょうか。
夏の暑さ対策は必須!犬は人より暑さに弱い
実は、犬は暑さに弱い動物とされています。理由は、
- 被毛に覆われているから
- 汗腺の分布の仕方が人間と異なるから
また、犬種の原産国や体のつくりなどによって、より暑さに注意が必要な場合もあります。
犬は汗をかけないため体温調節が苦手
犬が暑さに弱い理由の一つとして、汗腺の分布が人間と異なることが挙げられます。人間の汗腺はほぼ全身に分布していますが、犬の場合肉球や鼻の周囲の限定的な部分にしか存在しません。
犬は汗をかいて体温を下げることができず、熱を発散しにくい体のつくりをしているのです。
人間は扇風機を使い、汗を水蒸気化する際の気化熱によって放熱することで、体温を下げられますが、汗をほとんどかかない犬はこうした方法で体温を下げることができません。
そのため、体温が上がりやすく熱中症に注意が必要となります。
特に注意すべき犬種や年齢
最適な温度や室温には個体差があり、中にはより暑さに注意が必要な犬種や特性を持つ犬もいます。例えば、以下のような場合です。
- 短頭種
- 寒い地域原産の犬種
- 呼吸器疾患や循環器疾患の持病がある犬
- 高齢犬や幼若な犬
短頭種とは、鼻先が短く特徴的な顔つきをした犬種の犬たちです。
短頭種の犬たちは、特徴的な顔のつくりから、鼻腔の狭さや気管付近の脂肪のつき方により、呼吸がしにくくなる傾向があります。
そのため、熱中症に陥りやすい犬種として知られており、注意が必要です。
そして、シベリアン・ハスキーやバーニーズ・マウンテン・ドッグ、サモエド、セント・バーナードなど、寒い地域原産の犬種も暑さには注意が必要です。
また、呼吸器疾患や循環器の持病がある犬は暑さで持病の悪化につながりやすく、高齢犬や幼若な犬などは体力の消耗が激しくなりやすく、全身状態を悪化させやすいため、特に注意しましょう。
犬の熱中症に見られるサインとは?
人間でも夏になると注意喚起がされる熱中症ですが、犬も夏になると熱中症に陥る危険性があるため注意が必要です。熱中症の程度によって見られるサインは様々ですが、以下が主な熱中症のサインです。
- 下痢
- 嘔吐
- 体を触ると熱く感じる
- 口を開けて呼吸をする
- 意識がもうろうとする
- 元気がなくぐったりする
開口呼吸や意識レベルの低下、元気の消失などは重度の症状になり、より死に至る危険性が高まります。
熱中症になったときの正しい対処法
熱中症は、重度の場合、神経症状の後遺症や死に至る危険性もあります。少しでもリスクを減らすために「熱中症かな?」と思ったら早期に受診をすることが大切です。
軽度の症状の段階で、しっかりエアコンをつけて室温を下げることや、濡れたタオルを体にかけて風を当てるなどの対処をしつつ、受診できる動物病院を探しましょう。
熱中症について、以下の記事も参考にしてみてくださいね。
< 関連記事 >

愛犬の熱中症対策とは?住まいの暑さ対策とおすすめグッズまとめ
犬にとって快適な温度と湿度は?
犬にとって、高温の夏は室内でも熱中症に気を付けなければならない危険な季節です。健康かつ快適に過ごせるような温度や湿度に設定してあげることがとても大切です。
最適とされる室温には諸説ありますが、温度は20〜23度程度、湿度は40〜60%くらいが理想的といわれています。
また、室温が低くても湿度が高くなると熱中症になる危険性があるとされ、最適な温度や湿度は愛犬の全身状態によっても異なります。
室温や湿度を下げていても、ずっと開口呼吸をしていたり、体が熱いなどの変化が見られるようであれば、快適な温度や湿度に至っていない可能性があります。
特に呼吸器疾患や循環器疾患をもつ犬の場合、室温や湿度のわずかな上昇でも循環器の負担や呼吸のしづらさにつながる危険性があり、注意が必要です。
愛犬の様子をよく見ながら温度や湿度を調節してあげましょう。
エアコンなしはNG!快適な室内環境を整えて

室内だからといって安心していると、気づいたら熱中症に陥ってしまっている場合もあります。
愛犬が快適に過ごせるよう、暑い季節はエアコンをかけて室内環境を整えましょう。
どのような環境を犬は快適と感じるのでしょうか。
犬にとって夏のエアコンなしが危険な理由
日本の夏は高温かつ多湿になるため、犬にとっては過ごしにくい季節になります。室内であっても日当たりや風の流れによっては、室外よりも気温が高くなる危険性があるため、日本の夏をエアコンなしで過ごすことは非常に危険です。
人間はかいた汗を気化する際に熱が放散されるため、扇風機などの風によって体温を下げることができます。
一方で犬はあまり汗をかけないため、人間と同じように扇風機で体温を下げることはできません。
犬が体温を下げて夏を快適に過ごすためには、エアコンによる室温管理が欠かせません。
エアコンの適切な温度設定は?
エアコンをかける際に必ず必要なのが温度設定です。最適な温度に保つためにどんな設定にしたらいいのか気になりますよね。最適な温度設定は部屋の構造によって様々です。
例えば、密閉度が高くエアコンが効きやすいつくりの部屋であれば、23~24度でも充分に涼しくできる可能性が高いです。
一方で広い部屋や日当たりのよい部屋の場合、なかなか室温が下がらず19~20度の設定で、やっと過ごしやすい室温を維持できる場合もあります。
そこでおすすめなのが、愛犬がよくいる場所に温度計や湿度計を置いて、エアコンの温度設定を調節する方法です。
日の当たる時間や天候などによっても室温は異なるため、都度観察して調整してあげると良いでしょう。
エアコンは一日中つけっぱなしが安心
電気代のことを考慮すると、タイマー設定の方が安心なように感じがちですが、実は健康のためにも一日中つけっぱなしの方がリスクが低く安心です。暑さに弱い犬のために、暑い夏の日は室温を低く一定に保つことはとても大切です。
しかし、室内は外の温度や湿度、日当たりや天候などの影響を大きく受けるため、時間帯や天候によって室温が異常な上昇を見せることもあります。
エアコンをタイマーで管理することで、エアコンが停止するタイミングと室温が上昇するタイミングが重なってしまった場合、暑くなって犬は負担に感じる危険性があります。
また、留守番時なども知らない間に室温が上昇している場合もあり、帰宅後に熱中症が発覚するというケースもあるので注意しなければなりません。
愛犬を熱中症のリスクから守るために、一日中つけっぱなしをおすすめします。
節約しながらエアコンを上手に使用したいときは、こちらの記事を参考にしてみてくださいね。
夏にエアコンを安全に使うためのポイント
快適な環境を作るために、夏はエアコンの使用は欠かせませんが、場合によっては愛犬に負担をかけてしまうこともあります。安全に使うためにはどのような使い方をすればよいのでしょうか。
直風を避ける
愛犬が室内で快適に過ごすためには、自身である程度調節ができる環境であることがポイントです。ずっとエアコンの冷たい風が直接あたる状態の場合、下痢や嘔吐など体調不良につながる危険性があります。
高齢の犬やケージ内で過ごす犬など行動範囲が狭い場合、よくいる場所にエアコンの風向きが設定されていると直風が当たり、体調不良につながるかもしれません。
犬のよくいる場所やお気に入りの場所を考慮して風向きを設定しましょう。
サーキュレーター活用がおすすめ
室内の温度や湿度が、どの場所でも一定であると、犬にとっては過ごしやすい空間となります。室内でも湿度の高い場所があったり、室温が高くなる場所があると、犬は快適な場所を探してうろうろと落ち着かないなどの行動を見せることがあります。
涼しくて快適な部屋の中で落ち着いて休めることは、犬たちにとって消耗した体力を回復させ、元気に過ごすことへの近道となります。
そこで、冷気を効率的に循環させ、部屋の中の室温や湿度を一定に保つために、エアコンと併せてサーキュレーターを活用することがおすすめです。
しかし、好奇心旺盛な犬のいたずらの対象になったり、転倒したり、犬が触れてケガを負ってしまったりと事故の原因にもなり得るため、設置場所には注意が必要です。
室内で犬が移動できる範囲を確保
室温や湿度を最適にすることは大切ですが、犬が自身で快適に過ごせるよう選択できることも重要です。室温を下げることで寒く感じるタイミングもあるでしょう。
その際に犬自身が移動して毛布などで暖かさを確保できたり、日向ぼっこをしていても暑く感じたら涼しい場所へ移動できるようにしていると安心です。
部屋を開けておくことで犬の移動導線を確保できますが、エアコンの効率が悪くなる可能性もあります。
そんなときに便利なのが「ペットドア」です。
扉を閉めた状態でエアコンの効率を維持しつつ、ドア部分から犬が自由に移動できます。
定期的にエアコンの掃除をする
夏にエアコンをかければ、愛犬が快適に過ごせる可能性が高まることがわかりましたが、エアコン自体を衛生的に保つことも忘れてはいけません。フィルターに付着したほこりや繁殖する細菌やカビなどは、アレルギーや呼吸器トラブルにつながる危険性もあります。
愛犬が毎日を過ごす部屋の空気を含め、生活環境は清潔であることも愛犬の健康維持に不可欠です。
室温や湿度の快適さだけを求めるのでなく、清潔に保ち健康に過ごせるよう配慮することも大切です。
エアコン以外の効果的な暑さ対策
日本の夏を乗り切るためにエアコンをかけることは必要不可欠ですが、効果をよりアップさせたり、もっと犬たちがひんやり快適に過ごすために、アイテムを組み合わせて使用することもおすすめです。窓にシェードを設置
エアコンの効率を上げるために、日当たりによる室温の上昇をコントロールしてみましょう。窓やベランダ部分にシェードを設置し、日陰を作ることで、より効率よく室温を下げることが期待できます。
また、時間帯によって直射日光が差し込んで部屋の中でも暑い部分ができてしまう構造の場合にも、夏の対策としてエアコンと併せて使用することをおすすめします。
「スタイルシェード」であれば、使わないときはすっきりと収納することができ、日差しの強い時間帯だけ使用できますよ。
ひんやりグッズの活用
他にもひんやりグッズを併せて使用することで、さらに快適に涼しく過ごすことが可能です。例えば「アイスマット」は、中に保冷材であるアイスバッテリーを装着することで、しっかりとマットを冷やし、マットに乗っている愛犬の体を冷やすことができます。
体格や暑さの程度によって、装着するアイスバッテリーの数を増やすこともできますよ。
体の熱さによって、アイスバッテリーを増やしてしっかり冷やしてあげると熱中症対策になり得るでしょう。
飲み水を切らさないように注意
室温だけでなく気を付けたいこととして、水分補給も挙げられます。気づいたら体が脱水症状に近い状態になってしまっていたということもあります。
食欲の落ちる犬もいるため、上手に涼しさを感じられる方法や新鮮な水を飲めるような工夫をすると良いでしょう。
言葉の話せない犬たちが示す、「暑いよ」というサインを見逃さないことが大切です。
室温の配慮だけでなく以下のような対策をとることで、愛犬がより健康的にかつ快適に過ごせるでしょう。
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夏はエアコンの活用で愛犬にとって快適な環境に!

命を落としてしまうことにもつながる怖いトラブルである熱中症の対策のために、夏にエアコンを使用することは欠かせません。
電気代の増加やエアコンが苦手な飼い主さんの事情など、エアコンを使用することをためらう場合もありますが、愛犬が快適に過ごすために必ずエアコンは使用するよう心がけましょう。
エアコンだけでなく、他の便利なアイテムも併せて使用しながら効率よく室温や湿度を下げて、愛犬にとって快適な環境を作ってあげましょう。
この記事を書いたペットとの暮らしの専門家

葛野 莉奈
獣医師。動物病院、会員制電話相談動物病院などを経て動物病院を開院。
興味がある分野は、皮膚科や産科、小児科。12頭の犬、3匹の病院猫と生活する。