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近年、ペット可住宅またはペット共生住宅のマンションが増えてきており、マンションで犬との暮らしを考えている方もいるでしょう。しかし、マンションで犬を飼育する際には、いくつか飼い主が注意しなければならないポイントがあります。
そこで今回は、
- マンションで犬と暮らす際の注意点
- 揃えておきたいグッズ
など、これからマンションで犬を飼育する方に向けて紹介します。おすすめグッズを多数紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。
マンションで犬を飼育する前にルールの確認を!
犬との暮らしを始める前に、現在暮らしているマンションが「ペット可住宅」または「ペット共生住宅」なのかどうか、確認が必要です。ペット可住宅とは、ペットを飼うことを許可されているマンションです。ペット可住宅には、ペットと暮らしていない入居者もいるため、においや騒音などでトラブルになる可能性があります。
一方、ペット共生住宅とは、ペットと一緒に生活することを前提に作られたマンションです。室内や共有部分にペットのための設備が整っているのが特徴です。入居者のほとんどがペットを飼育しているため、ペット可住宅よりもトラブルになる可能性は低いといえるでしょう。
ペット可住宅とペット共生住宅では、それぞれのマンションにある「管理規約」によってペットの条件を定めています。定められている条件の一例は以下の通りです。
- 頭数の上限
- ペットの種類
- ペットの大きさの上限
- 予防接種や避妊去勢の有無
飼育できるペットの条件のほかにも、管理規約には集合住宅でのトラブルを防止するために、さまざまなルールが定められています。愛犬との生活を始める前に管理規約の確認が大切です。
マンションで犬を飼育する際の注意点
ペット可住宅またはペット共生住宅であっても、近隣住民に迷惑のかかる行為には気をつける必要があります。夜間や早朝の吠える声やにおいは、トラブルになりやすく、十分に対策することが重要です。
ここでは、マンションで犬を飼育する際の注意点を5つ紹介します。
床や壁の傷
犬が歩くときに、爪によって床が傷つくことがあります。とくにフローリングや畳などは傷が付きやすく、注意が必要です。床には、犬の爪跡などが付かないように傷防止シートや敷物などを設置しましょう。
また、いたずらで壁紙を噛んではがしたり、柱を噛んで傷つけたりすることがあります。とくに子犬の時期は、歯の生え変わり時期になると歯がむずがゆくなり、硬いものを噛む可能性が高くなります。壁や柱など噛まれやすそうな場所には傷が付かないように、傷防止シートなどを貼り、予防することをおすすめします。
犬の「噛みたい」という欲求を叶えることもいたずら噛み防止には大事なので、噛んでもよい歯ごたえのあるおもちゃを用意しましょう。
騒音
マンションで犬と暮らす際には、犬の足音や鳴き声などに注意しましょう。犬が部屋の中を走りまわる音や吠え声は、飼い主が思う以上に隣室や階下の部屋に響きやすく、トラブルの原因となる可能性があります。足音を軽減するには、防音効果のある敷物を設置するなどの対策が必要です。
犬の無駄吠えの防止には、日頃からの適切なしつけが重要です。さらに、犬は運動不足になると、室内で暴れたり、無駄吠えをしたりなどの問題行動につながることもあるため、毎日適切な運動を行いましょう。
におい
犬の体臭や排泄物のにおいによって、近隣住民とトラブルになる可能性があります。飼い主は、においに慣れてしまって不快に感じない場合がありますが、犬を飼育していない方にとっては、きつく感じることがあります。
犬の体臭は、定期的なブラッシングやシャンプーなどの日頃のケアである程度予防できます。排泄物のにおいは、においが外に漏れない袋を利用したり、トイレ周りの掃除の頻度を多くするなどの対策が必要です。また、マンションはにおいがこもりやすいため、定期的な換気を行うことも大切です。
共有部分の使い方
マンションの共有部分とは、エレベーターやエントランス、駐車場などマンションの住人すべてが利用できる場所を指します。共有部分の利用は、マンションごとにルールを定めています。たとえば、共有部分をペットと通る際には原則抱っこをすることや、共有部分でのブラッシング、シャンプー禁止などです。
共有部分は、ペットを飼育していない住人も使用する場所です。しっかりルールを確認して、ほかの住人に迷惑がかからないように利用しましょう。
ベランダの使用
2階以上の部屋に住んでいる場合は、ペットをベランダに出す際に、落下の危険性がないか確認することが重要です。万が一、ベランダから愛犬が落下してしまうと、ケガをする可能性が高く、最悪の場合、死に至ります。また、ベランダを通って、隣の部屋などに脱走する恐れもあります。愛犬が通れそうなすき間は塞ぐようにしましょう。大型犬の場合は、柵を飛び越える可能性もあるため、柵が飛び越えられる大きさの犬は、ベランダに出さないほうがよいでしょう。
また、ベランダに愛犬のトイレを置いたり、ブラッシングをしたりすることは避けましょう。ベランダにトイレを置くと、排泄物のにおいが近隣の住人の迷惑になります。ブラッシングをベランダで行うと、愛犬の抜け毛が風で飛ばされ、ほかの住人の洗濯物などに大量に付着する可能性があります。トイレの設置やブラッシングは、室内で行うことをおすすめします。
マンションで犬と暮らす際に揃えておきたいグッズ
ここでは、騒音やにおい、傷防止などに便利なグッズを紹介します。マンションで愛犬と暮らす際の注意点ごとにおすすめのグッズをまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。
床や壁の傷を防止する
保護シートやマットを使用する
床や壁の傷を防止するには、傷防止シートを設置したり、マットなどの敷物を置いたりなどの対策が必要です。とくに賃貸の場合は、床や壁に破損箇所があると、退去時に修繕費を請求される可能性があるため、早めに保護しておきましょう。
おすすめの傷防止シートとマットは以下の通りです。
粘着のりを使用せずに、壁や家具などに貼り付けられる保護シートです。家具や壁を傷つけずにきれいにはがすことができます。カッターやハサミで好きな大きさにカットできるので、自宅の壁や家具に合わせて使用できます。
置くだけで床に吸着するマットです。撥水加工をされているため、掃除が簡単にできるのがポイント。生地が薄く、扉付近に設置しても開閉の邪魔になりません。滑り止め対策にもなるおすすめの商品です。
その他にも、犬用のマットやカーペットは多数販売されています。おすすめの犬用マット・カーペットはこちらをチェック!
➤ペット用マットの選び方、おすすめのマットを紹介【防滑・防音・使い勝手チェック】
お留守番のときにはケージやサークルの準備を!
飼い主が目を離したときに、部屋のなかでの床や壁、柱にいたずらしないように、ケージやサークルを揃えることをおすすめします。とくに子犬の時期は、さまざまなものに興味を示し、口に入れようとするので、誤飲事故につながる可能性があります。ケージやサークルは、愛犬より一回りほど大きいものを用意するとよいでしょう。
おすすめサークルを紹介します。
「リッチェル Nお掃除簡単 ペットサークル」
トレーとサークルがセットになった商品です。サークルを移動させずに、トレーを引き出せるので掃除が簡単です。扉のロックは上に引き上げるだけなので、ワンタッチで解除できます。屋根がないので、ケージの上からお世話をすることもできるのがメリットです。
騒音対策
音が出ないおもちゃを使用する
おもちゃは、愛犬のストレス発散のために用意する必要があります。しかし、ゴム製のおもちゃや転がして遊ぶボールなどは遊ぶ音が近隣に響き、トラブルに発展する可能性があります。マンションの室内で使用するおもちゃは、音があまり出ない布製のおもちゃなどを使用しましょう。
また、動かして遊ぶおもちゃだけでなく、おやつを隠して使用するノーズワーク用のマット型のおもちゃもおすすめです。
マットのすき間におやつを隠して遊ぶおもちゃです。頭や嗅覚を使用することでストレス解消につながります。音がでないため、マンションでの防音対策にぴったりです。
スリッパをモチーフにした犬用のおもちゃです。噛むとキュッキュッやシャカシャカと音がなりますが、大きな音ではないのでマンションでの使用に向いています。顔の部分にはおやつを入れることができます。
におい対策
トイレは清潔に!
マンションで暮らす際には、におい対策のためにトイレのしつけをしっかり行うことが重要です。排泄は室内でできるようにトイレ用品一式を準備します。トイレトレー、シーツ以外にも、ウェットティッシュやにおいが外に漏れない袋などの掃除用品も揃えておきましょう。
トイレ用品のおすすめグッズを2種類紹介します。
7層構造の特殊フィルムをもつ消臭袋です。使用済みのトイレシーツなどの嫌なにおいを閉じ込めて、袋の外に漏らしません。中身が見えにくい不透明袋も嬉しいポイントです。
「アース・ペット ジョイペット オシッコ汚れ専用おそうじシート」
洗浄成分配合でおしっこやうんちの汚れをきれいに拭き取れるおそうじシートです。緑茶成分も入っており、消臭効果も期待できます。乾くのが早いので、トイレ周りだけでなく、ケージやフローリングなどにも使用可能です。
おしっこのにおいにお困りの方は、掃除方法を解説しているこちらの記事をチェックしてみてください。
➤犬のおしっこのにおいを消すには?フローリングやカーペットの掃除方法をご紹介
毎日のケアが大切
愛犬の体臭対策には、日頃からブラッシングやシャンプーなどのケアを行うことが大切です。定期的に愛犬の体をケアすることで、においが原因のトラブルを防ぐことができます。ブラシや犬用のシャンプー剤、耳掃除の道具などのケア用品は事前に揃えておきましょう。ケア用品は被毛の長さや体の大きさに合わせて、愛犬にあったものを用意します。
おすすめのケア用品を2点紹介します。
成分の99.5%が水でできたボディタオルです。ノンアルコールでできているため、顔周りを拭くときにも使用できます。散歩帰りの足拭きや、部分的に被毛が汚れてしまったときなどに便利です。
シリコンでできたブラシです。先端が柔らかく、肌を傷つける心配はありません。表面と裏面のどちらもブラシになっており、長毛・短毛どちらの犬種にも使用できます。抜け毛対策にもおすすめの商品です。
愛犬を自宅でシャンプーする際には、こちらの記事をチェック!
➤お風呂嫌いな愛犬を自宅でシャンプーする方法!慣らす方法やコツを詳しく解説
共有部分の移動対策
クレートを使用する
クレートとは、愛犬と一緒に移動する際に使用する持ち運び用のケージです。「キャリー」や「バリケン」と呼ばれることもあります。共有部分で犬を歩かせてはいけないというルールがある場合は、クレートを用意しておくと愛犬とのお出かけに便利です。また、ほかの住人が飼育しているペットとすれ違うときに、トラブルを防ぐことができます。
2ドアタイプのキャリーケースです。上と前の両方から愛犬の出し入れが可能です。ドアは取り外しできるため、自宅でハウスとしても使用できます。
ショルダータイプとリュックタイプどちらでも使用できるキャリーバッグです。底板は中敷きを取り外すことで洗濯できます。飛び出し防止にリードが2本付属しているのもポイントです。
ほかの住人への配慮を忘れずに!
今回は、マンションで犬と暮らす際の注意点について解説しました。
マンションには、「管理規約」と呼ばれるものがあり、管理規約によって飼育できるペットの頭数や種類などが定められています。マンションで犬を飼育する際には、まずは管理規約の確認が必要です。
マンションで犬と暮らす際に注意したいのは、床や壁の傷、騒音、におい、共有部分とベランダの使用方法です。とくに騒音とにおいは、ほかの住人に迷惑がかかる可能性が高いため、しっかりとした対策が必要です。ほかの住人への配慮を忘れないようにしましょう。
マンションでは玄関などからの脱走対策も必ず必要になります。脱走防止対策はこちらの記事をチェック!
この記事を書いたペットとの暮らしの専門家