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【実践】水を飲まない猫の水分補給!手作りスープ&ゼリーの作り方

目次

    愛猫がなかなか水を飲んでくれず、困っている方も多いのではないでしょうか。
    筆者も、猫の飲水に頭を悩ませている飼い主の一人です。
    そもそも猫は飲水量が少ない生き物。
    猫の先祖は砂漠地域の水が乏しい環境に生息していたため、より少ない水分で生きられるよう適応していきました。
    また身体に対して腎臓が小さく濃い尿を作るため、腎臓への負担がかかりやすく泌尿器系の病気になりやすいです。
    飲水量がもともと少ないとはいえ、病気予防のためにも必要量の水を飲ませる工夫が大切なのです。
    今回は、猫の水分補給についてのアイデアをご紹介します。

    猫に必要な1日の水分量



    猫の理想的な飲水量は、体重1kgあたり約50mlといわれています。
    体重3.5kgの猫だと約175ml、体重5kgの猫だと約250mlになります。

    水飲みにこだわりが多い猫ですが、水分補給は大きく分けて2つの方法があります。

    ・飲水による水分補給
    ・フードによる水分補給


    それぞれ解説いたします。

    飲水による水分補給

    愛猫にしっかり水を飲んでもらうための工夫を5つ解説いたします。

     1. 器(うつわ)を変える

    器が気に入らないと、全く飲まなくなってしまうのが猫です。
    猫の飲み水の器には、陶磁器製やステンレス製、プラスチック製など様々なタイプの器があります。
    器自体が低すぎると飲みづらいので、高さのあるタイプを用意してあげると良いでしょう。

    2. 自動給水器を利用する

    流れる水を好む猫は多いです。
    蛇口からでないとほとんど飲まない猫もいます。(我が家の猫もそうです。)
    フィルターによるろ過機能がついた給水器なら、鮮度を保ちながら水分補給できます。

    ペット用自動給水器についてはこちらの記事にまとめてあります。
    ▶︎愛犬におすすめの自動給水器11選!いつでも安全な水が飲める

    3. 飲み水を置く場所を変える

    給水場所はごはんを食べる場所から離した方が、よく水を飲んでくれる場合も多々あります。
    それは野生の猫が「獲物のそばにある水は血液や体液などによって腐敗している」という本能的な習性からくるもの。
    食べ物と水飲み場は離して置いてあげましょう。
    また、1か所だけでなく複数個所に水飲み場をつくることで、猫の好きな場所が分かってくるでしょう。

    こちらの記事に水飲み場の設置のポイントをまとめています。
    ▶︎愛犬愛猫のトイレ・水飲み場・居場所はどこに置く?配置のポイントを解説します♪

    4. こまめに水を入れ替える

    やはり新鮮な水が美味しいのは言うまでもありません。
    できるだけこまめに水を入れ替えて、常にキレイな状態で飲めるようにしてあげましょう。

    5. 水の温度に気を付ける

    猫は蛇口から出る新鮮な水も好きですが、ぬるま湯を好む傾向もあります。
    風呂場の残り湯を舐めたがるのも、その習性によるものでしょう。
    器に入れる水は、少しぬるめにしたり冷たいものを用意したりと変化をつけてあげてみましょう。

    フードから水分補給をする



    飲水以外でも、フードから水分補給する方法があります。

    フードのタイプによる水分含有量は

    ・ドライフード:全量の約10%以下
    ・ウェットフード:全量の約75%以上


    と、ウェットフードの方がフードに含まれる水分量が多いことがわかります。

    なかなか器から水を飲んでくれない猫でも、ウェットフードとの組み合わせで水分を摂取しやすくなります。

    市販のウェットフードは次のタイプが一般的です。

    ・ペーストタイプ(チャオちゅ~るなど)
    ・パウチ
    ・スープ


    市販品は種類も豊富なので、いろいろ試して猫の好みの味を見つけてあげましょう。


    我が家の猫は、パウチは尻尾を振りながらものすごい勢いで舐めていました!

    しかし毎回市販品ばかりでは経済的にも負担がかかりますよね。

    そこで次に、家で簡単に作れてお財布にも優しい手作りレシピをご紹介します。
    我が家の水飲みに難のあるメス猫の小町(3歳)に試したレポも一緒にどうぞ。

    手作りスープのレシピ

    今回は鶏ガラと鶏むね肉から作るレシピです。
    筆者はホットクックで作ってみましたので、鍋で作る場合のレシピと一緒に載せました。

    鶏ガラスープ

    材料
    ・鶏ガラ:1羽分
    ・水:1.5L

    作り方

    鍋で作る場合
    1.鶏ガラは50℃ほどのお湯で洗って余分な脂肪や血合いを取り除く
    2.大きめの鍋に鶏ガラと水を入れて強火にかける
    3.煮立ったら弱火にして、アクを取りながら2~3時間煮込んでできあがり

    ホットクックで作る場合
    1.鍋で作る場合と同じ
    2.内鍋に鶏ガラと水を入れ、「手動で作る→発酵・低温調理→75℃、2時間」に設定しスタートボタン
    3.完了の合図が鳴ったら、アクを取り濾してできあがり


    写真では鶏ガラ2羽を使っていますが、1羽で十分です。

    このレシピは、離乳食にも応用できます。

    更にネギや生姜を加えれば、大人の人間も食べられる立派な鶏ガラスープになります。
    ※後述しますが、猫に与える際にはネギや生姜は絶対入れないようにしてください。

    しかしうちの猫は鶏ガラスープが苦手だったようで、一口飲んでそれ以上は口にしませんでした…。

    鶏むね肉のスープ

    材料
    ・鶏むね肉:250g(だいたいでOK)
    ・水:1.0L
    ※少し薄めに作りました。

    作り方
    1.大きめの鍋に鶏むね肉と水をいれて火にかける
    2.アクを取りながら、沸騰したら弱火で5分程煮る
    3.鶏の出汁が出てきたらできあがり

    ホットクックで作る場合
    1.鶏むね肉は厚い部分を包丁で開いて、全体をフォークで刺しておく
    2.内鍋に鶏むね肉と水を入れ、「手動で作る→発酵・低温調理→70℃、1時間」に設定しスタートボタン
    3.完了の合図が鳴ったら、アクを取ってできあがり


    鶏ガラスープよりあっさりしています。

    鶏むね肉は、割いておやつとしてあげます。
    人間ももちろん食べられるので、サラダに添えてもいいですね。
    ストックとして冷凍しておけば、次回からの手間も省けます。


    鶏ガラスープは苦手なようでしたが、鶏のむね肉スープは飲んでくれました!

    手作りゼリーのレシピ

    鶏ガラ(鶏むね肉)のスープをアレンジ

    上記で作ったスープにゼラチンを加えて作ります。
    ゼラチンはタンパク質なので、猫に与えても害はありません。

    材料
    ・手作りスープ:300ml
    ・粉ゼラチン:5g
    ※軟らかめに作りました。

    作り方
    1.鍋に手作りスープとゼラチンを入れて、よくかき混ぜる
    2.弱火にかけて混ぜながらゼラチンを溶かす
    3.沸騰する前に火からおろし、粗熱を取る
    4.器に入れて冷蔵庫で冷やす
    5.固まったらできあがり


    離乳食用の容器に入れました!

    残念ながら、我が家の猫にはゼリーはお気に召さなかったようでした。

    しかし今後気が変わることもあると思うので(それが猫のかわいいところ)、根気よくあげてみようと思います。

    手作りフードの注意点

    手作りフードは余計な添加物もなく安心して猫に食べさせることができますが、注意点もあります。

    与えてはいけないものを把握しておく



    猫には絶対に与えてはいけない食品があります。
    その代表格が、ネギ類、カカオ類、ぶどうなどです。
    スープやゼリーなど、手作りしてあげる際にはこれらの食品が含まれないよう必ず注意してください。
    出典:環境省ガイドライン「飼い主のためのペットフード・ガイドライン~犬・猫の健康を守るために~」

    こちらの記事ではペットによるイタズラや誤飲誤食を防ぐ「収納」のコツをご紹介しています。
    ▶︎「隠す収納」のコツを解説!愛犬愛猫のイタズラや誤飲を防ぐメリットも

    愛猫の健康状態を把握しておく


    我が家の愛猫の小町(左)と小次郎(右)

    猫の健康状態によっては、手作りフードそのものがNGの場合もあります。

    例えば我が家のオス猫の小次郎(3歳)は、尿路結石を患ってからというもの療法食以外は一切口にしてはいけないと診断されています。

    鶏肉など一見大丈夫そうな食材であっても、猫によっては健康状態を悪化させる場合もあるので注意が必要です。

    また、鶏のささみにはリンが多く含まれており腎臓に負担をかけるので、与えすぎには気をつけましょう。

    手作りフードをあげる際には、前もってかかりつけの獣医師に相談しておくと安心ですね。

    まとめ:毎日の水分補給は工夫次第。猫の好みを見つけて病気を予防しよう!

    猫の性格によって、その飲水方法も様々です。ご紹介した我が家のメス猫・小町のように、蛇口からの水飲みが好きでなかなか器からは飲んでくれない子もいれば、オス猫・小次郎のように、器に入れて置いておけばちゃんとそこから飲んでくれる猫もいます。それぞれの猫の好みを探ってあげるのも、飼い主の愛情の見せどころかもしれませんね。愛猫がしっかり水分補給できるよう、飼い主の皆さま、一緒にがんばりましょう!
     

    この記事を書いたペットとの暮らしの専門家

    AMILIEライター

    エリア:東京都

    愛犬家住宅コーディネーター