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ペットラバー建築家前田先生に聞いてみた!愛犬と人の移動を快適にする動線「スロープ」

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    この記事を書いた人
    AMILIE編集部
    愛犬・愛猫とくらす住まいの専門誌『AMILIE(アミリエ)マガジン』を年2回発行。
    ペット愛好家のみなさまに住まいの情報を日々発信中!

    「愛犬が心地よい家をつくりたい」と思って用意した居場所が、自分の愛犬に合うとは限りません。

    そこで、AMILIE でおなじみの建築家・前田敦先生が、理論をもとに実践した住空間設計のアイデアをご紹介します。

    愛犬と人の移動を快適にする動線「スロープ」

    前田 敦

    前田 敦

    一級建築士事務所・前田敦計画工房合同会社代表。「ペットラバー建築家」としてペット共生住宅の設計監理に取り組む。愛犬は日本テリアのかむいくん(オス)。

    犬飼 あいこ

    犬飼 あいこ

    初めての家づくりをスタートさせたばかりの30代主婦。愛犬・メルのことも考えた家をつくりたいと思っている。

    漫画

    程よい傾斜のスロープを用意した家づくり

    程よい傾斜のスロープを用意した家づくり

    ペットと暮らす家づくりにおいて、特に犬と共に快適に過ごすための設計は非常に重要です。

    今回は、犬と暮らす家づくりの一環として「程よい傾斜のスロープを用意した家づくり」についてお話しします。

    スロープの重要性

    まず、なぜスロープが重要なのかを考えてみましょう。犬や人にとって、スロープは単なる移動手段ではありません。

    特に、年齢を重ねた犬や関節に問題を抱えた犬にとっては、階段の上り下りが大きな負担となります。この点で、スロープは身体に優しい移動手段として非常に有効です。

    また、程よい傾斜のスロープは電動車椅子にも対応できるため、家族全員が快適に過ごせる環境を提供します。

    スロープの勾配と設計

    スロープの勾配は重要なポイントです。建築基準法では階段に代わる斜路として「1/8の勾配」が最低限必要とされています。

    これは、1メートルの高さに対して8メートルの長さが必要ということを意味します。

    この勾配は、犬にとって無理なく上り下りできるだけでなく、人にとっても安全で使いやすいものになります。

    距離が長くなる場合には、途中に踊り場のような「平場」を設けると安心です。

    犬や猫は段差が少なくても一気に駆け上がることがあるため、途中で立ち止まれるスペースを設けると安全性と快適性が向上します。

    スロープの幅と開放性

    ペット共生住宅におけるスロープは、立体的なドッグランのような性格を持ちます。

    建築基準法では幅75cm以上が最低限必要ですが、90〜120cmを確保することで、人とペットが並んで歩ける空間が生まれます。

    幅が最小限しか確保できない場合には、手すり壁に開放性を持たせるなどして圧迫感を軽減します。

    また、大型犬用に広めのスロープ幅が確保できる場合には、通路というよりギャラリーや遊び場として考えることで、多様な活用が可能になります。

    カーペットタイルの選択

    スロープの表面には、程よいグリップ感のあるカーペットタイルをおすすめします。

    カーペットタイルは滑りにくく、犬や人の歩行を安定させる効果があります。

    特に、犬の爪が引っかかりにくく、歩行時の音を吸収するため、室内を落ち着いた雰囲気に保てます。

    動線の考え方

    スロープを設置する際には、家全体の動線を考慮することが重要です。

    リビングから庭、寝室からリビングといった主要な移動経路にスロープを設置することで、犬が自由に家中を移動できるようになります。

    愛犬と快適に暮らすためには、まず家の中で「どこを愛犬の生活エリアにするか」をゾーニングし、そのエリア同士をストレスなく行き来できる動線を計画することが大切です。

    動線をスムーズにすることで犬のストレスを軽減し、健康的な生活をサポートします。

    スロープの健康効果

    スロープの利用は、犬だけでなく人にも多くの健康効果をもたらします。スロープの上り下りは「第二の心臓」と言われるふくらはぎの鍛錬になります。

    適度な運動は血行を促進し、心肺機能を向上させる効果があります。日常的にスロープを利用することで、健康的な生活習慣を維持することができます。

    実際にやってみた設計アイデア

    ここでは、階段のないスロープだけで室内の動線を確保した家の具体的な設計例をご紹介します。

    この住宅は家全体がバリアフリー設計で、階段ではなくスロープによってすべての主要動線を確保しています。

    これにより、ペットや高齢者、身体に障害を持つ家族全員が快適に移動できる家を実現しました。

    リビングからダイニング、キッチンへの動線は、適度な傾斜(1/8勾配)のスロープでつながれ、程よいグリップ感のあるカーペットタイルが張られています。

    左上の写真のスロープは約30cmの段差を4メートルの長さで連絡し、人も愛犬も無理なく歩けるように設計されています。もちろん、ロボット掃除機だって昇降できます。

    まとめ

    まとめ

    スロープは、愛犬や人の健康にとって非常に有用であり、日常生活を快適にするための重要な要素です。

    適切な勾配、カーペットタイルの選択、動線の考慮など、細部までこだわった設計が求められます。

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    この記事を書いたペットとの暮らしの専門家
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