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【獣医師監修】猫が誤飲したときの対処法とは?症状・予防策・病院に行く目安を解説

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目次
    この記事を書いた人
    葛野 莉奈

    獣医師。動物病院、会員制電話相談動物病院などを経て動物病院を開院。

    興味がある分野は、皮膚科や産科、小児科。12頭の犬、3匹の病院猫と生活する。

    猫は好奇心旺盛な生き物。日常生活の中で、ひも・ビニール・おもちゃ・人の食べ物などを誤って飲み込んでしまうトラブルが少なくありません。

    中には自然に排せつされるケースもありますが、中毒性のあるものや消化器を傷つけてしまう形状のものもあるため注意が必要です。

    今回は、猫が誤飲したときの飼い主さんの正しい対処法から現れやすい症状、病院に行くべき判断基準まで分かりやすく解説します。

    予防策についても紹介しますので、万が一のときに慌てず行動できるよう、ぜひ最後までご確認ください。

    猫の誤飲とは?よくある原因

    猫の誤飲とは?よくある原因

    「誤飲」といっても様々なケースがあり、「まさかこんなものを口にすると思わなかった!」という飼い主さんの声もよく聞こえます。

    動物病院にも、以下のような物を誤って飲み込んだ猫が多く来院しています。

    • ヒモや糸、ビニールテープ
    • お菓子や食品の香りがするビニールの包装やウレタン素材
    • 飼い主さんのニオイがついている小物
    • 飼い主さんの薬
    • 人間の食べ物

    特に、ヒモやぬいぐるみなどは猫用のおもちゃと誤認して遊んでいるうちに、誤って飲み込んでしまうことがあります。

    また、お菓子や食品のパッケージ、人間の食べ物などは、いい匂いにつられて誤食してしまうケースも少なくありません。

    食べても問題のないものであれば、一時的な消化不良や消化器症状ですみますが、中毒性のあるものや消化されないようなビニールなどは閉塞につながる危険性があり、致命的なダメージにつながることもあるため注意が必要です。

    飼い主さんの薬なども好奇心から口にしてしまい中毒症状につながる危険性もあるため、日頃から手の届かない場所に収納する環境づくりが必要でしょう。

    猫が誤飲したときに見られる症状

    猫が誤飲したときに見られる症状

    猫が誤飲した場合、すぐに症状が出るとは限らず、体調の変化から誤飲に気づくケースも少なくありません。

    軽い症状だと思って様子を見ているうちに、大きな問題に発展してしまう場合もあります。

    万が一に備えて、誤飲時に見られやすい症状をあらかじめ把握しておきましょう。

    重度の場合に見られる症状(吐く・よだれ・苦しそう)

    猫の誤飲で特に注意しなければならない問題は、腸閉塞及び中毒症状です。

    完全な閉塞を起こしている場合、違和感から繰り返し吐き出そうとする行動が見られます。

    物理的な閉塞が起きると内容物が消化管内を移行できず、異物のところで止まり、吐出するという変化が起こります。

    • 繰り返し吐く
    • 吐くものがなくなっても激しく吐こうとする

    ことなどが特徴的です。

    また、中毒性のある物を誤飲した場合には、

    • 気持ち悪さや意識障害
    • よだれの増加
    • 苦しそうな呼吸
    • ボーっとする

    などの変化が見られる場合もあります。

    これらの症状が見られる場合は、致命的な問題にもつながり得るため、すぐに動物病院を受診することをおすすめします。

    猫が嘔吐すると慌ててしまいがちですが、対処法などは以下の記事も参考にしてみてくださいね。

    部分閉塞時や継続的な変化として出る症状(元気消失・食欲不振)

    異物が消化器を完全には塞いでいない「部分閉塞」の場合、普段通り過ごせているように見える場合もあります。

    しかし、猫は違和感を感じているため元気消失や食欲不振などの変化として現れることもあるでしょう。

    「誤飲したかも知れない」と飼い主さんに心当たりがあれば、元気消失や食欲不振と結びつく可能性が高いですが、誤飲に気づかないまま体調不良として見過ごされてしまうケースも少なくありません。

    思わぬところで誤飲が関係している場合もあり得るため、変化に気づいたら受診をするよう心がけましょう。

    猫が誤飲したら飼い主がすべき対処法

    猫が誤飲したら飼い主がすべき対処法

    猫の誤飲に気づいた時、飼い主さんは慌ててパニックになりがちですが、速やかに適切な行動をとることで、大きな問題を防げるケースも少なくありません。

    万が一に備えて、誤飲時に飼い主さんが取るべき行動と注意点を確認しておきましょう。

    まず確認するポイント(いつ・何を・量)

    誤飲に気づいたら、まずは以下の点を確認しましょう。

    • 何を誤飲した可能性があるか
    • いつ頃誤飲したと考えられるか
    • どのくらいの量を食べた可能性があるか

    「あるべき場所に物がない」などの変化で気づくことが多いですが、誤飲したと思ったら実は近くに落ちていただけだったというケースもあり得ます。

    本当に誤飲をしたのか、どのタイミングで誤飲をしたのか、どのくらいの量を食べてしまったのかといった情報を受診に向けてまとめましょう。

    すぐ動物病院に行くべきケース

    誤飲をしてからまだ一時間経っていない場合は、病院で吐かせる処置が可能な場合もあります。

    誤飲の可能性に気づいた時点で、すぐに動物病院へ連絡・受診することが重要です。

    かかりつけの動物病院が最適ですが、休診日や診療時間外の場合もあります。その場合は、すぐに受診が可能な動物病院を見つけて受診しましょう。

    また、誤飲から時間が経っていても、症状がすでに見られている場合は受診すべきタイミングです。

    致命的な問題につながる可能性があるため、「様子見」で済ませないことが大切です。

    誤飲時にやってはいけないNG行動

    インターネットで検索をすると「塩やオキシドールなどで無理やり吐かせる」といった情報がたくさん見つかるでしょう。

    しかし、絶対に家庭で吐かせようとする行為は行なってはいけません

    消化管への負担をかけてしまうことや、誤嚥性肺炎を引き起こすなどのさらなる問題につながる危険性があります。

    吐かせたい場合は、速やかに動物病院を受診をして、専門家に吐かせてもらうように心がけましょう。

    また、様子の見過ぎも大きな問題につながる危険性があるため、あまりおすすめできません。

    誤飲の可能性がある場合は、少しでも変化が見られたらすぐに受診するよう心がけておくと安心です。

    猫の誤飲を放置するとどうなる?考えられるリスク

    猫の誤飲を放置するとどうなる?考えられるリスク

    猫が誤飲をして、吐かせられる時間を過ぎてしまった場合、「様子を見るしかない」と考えてしまう飼い主さんも少なくありません。

    しかし、見えないところで異物は消化管で閉塞を起こしたり穴をあけたりと、傷をつける危険性があります。

    部分閉塞の場合、通過障害は起こりませんが、ずっと異物が排出されずに消化管内に存在し続けるため、慢性的な消化器症状や食欲不振を引き起こすことがあり、愛猫の健康を長期的に損ねるリスクがるでしょう。

    誤飲の危険性がある場合は、愛猫の消化管の状態や通過などに問題はないのか、どの段階でも確認のために受診をするように心がけておくと安心です。

    小さな食欲の変化や、普段の癖と思っていた吐出などが実は誤飲と関係していたということもあり得ます。

    動物病院での診察・治療方法

    動物病院での診察・治療方法

    動物病院で誤飲の可能性があるということがわかると、どんな診察や治療が行われるのでしょうか。

    異物というと開腹手術によって除去するというイメージが強く「すぐに手術をされるのでは!?」と不安に思う飼い主さんも多いでしょう。

    きちんと異物の特定などの検査のうえ、手術へと移行するケースが一般的です。

    レントゲン・エコー検査

    金属などのレントゲンに映るものであれば確認ができますが、プラスチックやビニールなどはレントゲンでの確認ができません。

    レントゲンであれば、造影剤などを使用して通過の状態も含めて観察するケースが多く、異物の特定はエコー検査で行うことが一般的です。

    造影検査の場合、通過の状態の確認も行うのであれば、時間の経過とともに撮影を行う必要があるため、結果が出るまでに時間がかかる可能性が高いです。

    催吐処置・内視鏡・手術の可能性

    異物を誤飲してしまったことが確実で、もしまだ胃の中にとどまっているのであれば「催吐処置」を行うことが一般的です。

    点眼タイプの薬や注射薬、口からオキシドールを投与するなどの方法で催吐処置を行います。

    異物を吐けない場合は、内視鏡での処置や開腹手術による除去が検討されます。

    どちらの処置も麻酔下で行いますが、異物の大きさや状態などにより、内視鏡で対応できるか、手術が必要かを獣医師が判断することになるでしょう。

    麻酔下での処置の場合は、併せて入院による管理を行う可能性もあります。

    猫の誤飲を防ぐためにできる予防対策

    猫の誤飲を防ぐためにできる予防対策

    ふとした時におこりやすく、大きな問題につながりやすい猫の誤飲は、生活環境の見直しで未然に防ぐことが可能でもあります。

    好奇心が強い猫や、誤飲を繰り返したことのある猫では、日頃からの予防対策がとても重要になります。

    トラブルを防ぐために、今日からできる対策を確認していきましょう。

    家の中で特に注意したい場所

    大きな問題となり得るのが、ヒモやビニール袋、中毒につながりやすい電池などです。

    これらの生活雑貨は私たちにとっては欠かせない日用品ですが、好奇心旺盛な猫たちにとっては面白そうなおもちゃに見えてしまいます。

    猫が触れられない扉のついている戸棚の中や引き出しの中に収納するように心がけましょう。

    器用な猫は、扉や引き出しを開けてしまうこともあります。念のためにロックをかけるなど、厳重な管理をおすすめします。

    おもちゃ選びのポイント

    猫が長時間触れるものといえば「おもちゃ」でしょう。

    遊び方によっては壊れてしまって、意図せず破片を口にしてしまう可能性もあります。

    愛猫の遊び方を把握したうえで、強度など安全性の高い素材や構造のおもちゃを選びましょう。

    選び方については、以下の記事も参考にしてみてくださいね。

    留守番中の誤飲対策

    飼い主さんのいない留守番中の時間は、猫にとってイタズラをする最適なタイミングです。

    誤飲リスクを減らすために、愛猫に誤飲する可能性のあるものに触らせないことや、誤飲する可能性のある場所に立ち入らせないことが大切です。

    高いところも難なくクリアする猫の性質から、しっかりガードするためには扉などでブロックをすることが有意義です。

    「にゃんがーど」

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    猫の誤飲に関するよくある質問

    猫の誤飲に関するよくある質問

    愛猫の誤飲に気づいたら、慌ててパニックになってしまう飼い主さんがほとんどでしょう。

    様子を見ても良いのか、そんなに心配する必要はないのかなど、落ち着いてからふと疑問に思うこともあるでしょう。

    よくある質問について、正しい知識を知っておくことで、いざというときも落ち着いて対応しやすくなります。

    自然にうんちで出てくることはある?

    大きさや形状などにもよりますが、自然にうんちとして排出される場合もあります。

    しかし、小さなものでも形状によっては消化管に引っかかってしまい、通過できないという場合もあります。

    どのような形状や大きさであれば大丈夫という保証はありません。

    誤飲してしまった場合は、翌日から数日間は便の中に異物が混ざっているかどうか、きちんと観察することをおすすめします。

    何日様子を見ても大丈夫?

    問題なく消化が行えて、通過障害を起こしておらず、正常な食事量であれば、通常は1日程度で便として排出されることが多いです。

    通過障害が起きていない場合は、中毒性のある物であっても、数日後に遅れて症状が出る可能性は比較的低いとされています。

    しかし、例外もあります。

    通過障害が起こっていて異物がとどまり続けている場合は、長期間にわたり消化器症状や中毒症状が見られるケースもあります。

    誤飲しやすい猫の特徴は?

    普段から食欲が旺盛で、盗み食いなどをしやすい猫は、特に食べものの匂いがするものなどに強い執着を示しがちです。

    良い香りのするパッケージや、飼い主さんが食べようと思ってしまっておいたお菓子などに敏感で、チャンスがあれば食べてしまう危険性があるでしょう。

    また、好奇心旺盛な若い猫や、驚きやすい猫などは、普段は堪能できないものに触れられるチャンスがある際に、口にしていて、飼い主さんに見つかってしまったことに驚いてうっかり飲み込んでしまうなどの誤飲のケースもあります。

    まとめ|猫の誤飲は早めの判断と日頃の予防が重要

    どんな猫でも、ふとしたタイミングで起こり得るのが誤飲トラブルです。

    「まさかこんな物を」「うちの子に限って」と思うようなケースも、決して珍しくありません。

    誤飲の可能性に気づいたときに大切なのは、

    • 誤飲について正しい知識を持ったうえで早めの判断をすること
    • 日常生活の見直しを行なって対策をとっておくこと

    これが、大きな問題につなげないための予防となるでしょう。

    致命的な問題になって後悔することのないよう、日ごろから対策をとることをおすすめします。

    この記事を書いたペットとの暮らしの専門家
    葛野 莉奈

    獣医師。動物病院、会員制電話相談動物病院などを経て動物病院を開院。

    興味がある分野は、皮膚科や産科、小児科。12頭の犬、3匹の病院猫と生活する。