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【専門家監修】猫の歯磨きのやり方|嫌がる場合の対処法おすすめの口腔ケアグッズ

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目次
    この記事を書いた人
    舘 明奈
    動物看護師統一認定機構認定 動物看護師・ペットケアアドバイザー等多数資格保有
    (パピヨン/男の子)

    「猫の歯磨きって、どうやるのが正解?」

    そう思いながらも、嫌がる愛猫を前に手が止まってしまう飼い主さんは少なくありません。

    そもそも猫に歯磨きは本当に必要なのか、どのくらいの頻度で行えばいいのか、分からない方も多いでしょう。

    この記事では、認定動物看護師の資格をもつ筆者が「猫の歯磨きの必要性や基本のやり方」「嫌がる猫への対処法」「歯磨きが難しい場合の代替ケア」までを分かりやすく解説します。

    猫には本当に歯磨きが必要?頻度は?

    猫には本当に歯磨きが必要?頻度は?

    猫にも歯磨きは基本的に毎日必要です。

    私たち人間と同じように、食事後に歯磨きをしなければ汚れがどんどん溜まっていきます。

    しかし、ここで猫たちが人間と異なるのが“口腔内環境”です。

    【人と猫の口腔内環境の違い】

    口腔内環境(pHの違い) 中性に近い弱酸性 アルカリ性
    増殖しやすい口腔内の菌 虫歯菌 歯周病菌
    歯垢が歯石になるまでの期間 約20日 約7日

    猫の口腔内は歯周病菌が好む環境です。歯垢が歯石化するのも人より早く、歯磨きを怠ればすぐに歯石が溜まってしまいます。

    歯石は歯磨きで取り除けません。

    だからこそ、毎日のこまめな口腔内ケアや歯磨きが猫にも必要です。

    シニア猫・子猫で歯磨きの頻度ややり方は違う?

    年齢に関わらず「毎日歯磨きする」のが理想ですが、シニア猫や子猫ではやり方に配慮が必要です。

    子猫の場合、まずは口や顔を触られるのに慣れさせることから始めましょう。

    最初のうちはガーゼや指で軽く触れる程度でも十分です。

    幼いうちから口や顔に触れられる経験を積むことで、将来的に歯磨きを受け入れやすくなります。

    一方、シニア猫は歯周病歯のぐらつき・痛みを抱えていることもあります。

    無理に磨こうとすると強いストレスやケガにつながるため、様子を見ながら慎重に行いましょう。

    猫の歯磨き基本のやり方

    猫の歯磨き基本のやり方

    まずは「猫の歯磨きの基本」から見ていきましょう。

    歯磨きに必要な準備物

    基本的な歯磨きセットは、猫用歯ブラシ猫用歯磨きペーストまたはジェルを準備します。

    歯磨きペースト以外にも、愛猫好みの味のスープ(マグロやカツオ味のスープ・ささみの茹で汁など)を用意してあげてもいいでしょう。

    歯磨きが「おいしいものをもらえる時間」だと思ってもらうのがポイントです。

    まずは前歯から磨き、次第に奥歯の方へ進めていく

    いきなり奥歯に向かって歯ブラシを突っ込むと、愛猫もびっくりして嫌がります。

    まずは前歯から磨き、次第に奥歯の方へと歯ブラシを進めていきましょう。

    できそうであれば、唇側にある歯の表面だけでなく歯の裏側も磨いてあげると効果的です。

    猫の歯磨きがうまくいく5ステップ

    猫の歯磨きがうまくいく5ステップ

    ここでは、歯磨きに苦戦する飼い主さんでも歯磨きがうまくいくためのステップを5段階で紹介します。

    ①まずは「顔や口を触られることに慣れてもらう」のが大事

    幼いころから顔や口を触られ慣れていないと、触るときに嫌がる子が多いでしょう。

    まずは触られること自体に「慣れてもらうこと」から始めていきましょう。

    1. 顔周り・口周りをタッチするだけから始める
    2. 唇をめくってみる
    3. 前の方の歯や歯茎をタッチ
    4. 奥の方の歯や歯茎をタッチ

    1日で一気に進めようとせず、じっくりと少しずつで構いません。

    「飼い主さんは嫌なことしないよ」と愛猫を安心させてあげるのが大切です。

    ただし、あまりにも凶暴だったり、飼い主さんが手に負えないような性格の場合は無理をしないようにしましょう。

    ②歯をなでられることに慣れてもらう

    顔や口を触られることに慣れてきたら、今度は「歯をタッチ」「歯を軽くなでる」というフェーズに進んでいきましょう。

    このときガーゼ歯磨きシートを指に巻いて使うのがおすすめです。

    がっつり歯をなでに行くのではなく、そっと触るように。じゃれ合っていたらたまたま歯を触っちゃった!」くらいの偶然を装って触るのも作戦の一つです。

    ③歯ブラシを使って慣れさせていく

    触られることに慣れてきたら、今度は歯ブラシに慣れさせていきます。

    歯ブラシの持ち手の部分背面で顔周り・口周りを軽くなでていきましょう。

    歯ブラシの存在そのものに慣れさせるイメージです。

    ④歯ブラシを噛ませたり舐めさせたりする

    次は歯ブラシを口のなかに入れていきます。

    歯ブラシにおいしい味のする歯磨きペーストやささみの茹で汁などをつけ、カミカミさせたり、舐めさせたりしてみましょう。

    できそうなら、歯ブラシを少し揺らして歯を一部だけ磨いてみるのもいいでしょう。

    このときも「たまたま歯ブラシを持つ手が震えて歯を磨いちゃった」くらいの偶然を装ってやってみる作戦が効果的です。

    ⑤唇をめくって歯を磨く

    ここまでできるようになったら、やさしく唇をめくって歯を磨いてみましょう。

    ここで飼い主さんがあまりにも恐る恐るやると、猫はそれを感じ取って嫌がったり凶暴になってきたりする場合があります。

    「えらいねー」「大丈夫だよー」など声かけをしながら、躊躇なく、けれどやさしく、ほど良い加減を見つけていきましょう。

    最初から完璧に磨き切る必要はないので、少しずつ進めてあげてください。

    猫の歯磨きをしないリスク

    猫の歯磨きをしないリスク

    あるデータによると、猫の歯磨きをしていない飼い主さんは6割以上にも上るといわれています。

    猫の歯磨きをしないとどうなるのか?

    ここでは、猫の歯磨きをしないリスクをまとめました。

    キツい口臭の原因になる

    歯磨きをしないと食べ物のカスが歯垢化し、キツい口臭の原因になります。

    とくに缶詰やセミモイストフードなど水分の多いフードは歯に残りやすいです。

    口の中に残った食べかすには細菌が集まります。

    その細菌が繁殖し歯肉・歯そのもの・歯の周囲の組織などに炎症が広がると、歯肉炎歯周病になりドブ臭い腐敗臭が漂うのです。

    歯周病・歯肉炎を引き起こす

    放置された歯垢には細菌がどんどん集まり、その細菌から身体を守るための防御反応として炎症が起きます。これが「歯周病」「歯肉炎」といった状態です。

    口の中だけでなく、鼻水や唾液にも細菌が混ざってネバネバしてきます。膿が出たり鼻粘膜が出血を起こす場合も

    歯周病は、悪化すればあごの骨が溶けたりほっぺたに穴が開いたりすることもある怖い病気です。

    全身疾患につながる

    歯磨きをしないと、全身への影響にもつながります。

    怖いのは、歯周病菌が血流に乗って全身に回る「菌血症」という状態です。

    菌血症になると、心臓病・腎臓病・肝臓病などを引き起こすリスクもあります。

    どうしても歯磨きを嫌がる猫への対処法

    どうしても歯磨きを嫌がる猫への対処法

    ここでは、歯磨きを嫌がる猫への対処法を解説します。

    歯磨きシートや指サック型歯ブラシを使う

    指で歯を触るのは大丈夫な場合歯磨きシート指サック型歯ブラシを使うのがおすすめです。

    指を噛まれないように気を付けながら磨きましょう。

    歯磨きシートでの歯磨きのやり方としては、以下の通りです。

    1. 人差し指にシートを巻きつける
    2. シートがほどけないように周囲の指で押さえながら、歯の表面をやさしく磨いていく
    3. 前歯→犬歯→奥の方の歯へと段階を踏んで磨き進めていく

    シリコン製の指歯ブラシ

    また、上の画像のようなシリコン製の指歯ブラシを使ってみるのもおすすめ。

    段階を踏んで「指歯ブラシの存在自体に慣れさせていく」ことが大切です。

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    歯磨き代わりになるおもちゃを与える

    どうしても歯磨きが難しい場合は、歯磨き代わりになるおもちゃを取り入れるのも一つの策です。

    噛んで遊ぶことで歯の表面に付着した汚れが落ちやすくなります。

    しかし完全に汚れを除去できるわけではありません。あくまで「歯磨きの補助」「何もしないよりは良いケア」として考えましょう。

    歯磨きガム・歯磨きおやつを活用する

    歯磨きガム歯磨きおやつ猫が好む味付けがされているため、ストレスを与えることなく口腔内のケアができるでしょう。

    しかし、歯磨きガムやおやつを与えるだけで歯周病を完全に防げるわけではありません。

    あくまで「補助的なケア」「歯磨きに慣れるまでのケア」として取り入れるのがいいでしょう。

    量や頻度を守りながら、愛猫の体調や年齢に合ったものを選んであげてください。

    動物病院を頼る

    動物病院でお願いすれば口腔内のケアをしてくれる場合もあるため、相談してみるといいでしょう。

    口臭がきつかったり歯石がついていたりする場合は、すでに口腔内トラブルが進行しているかもしれません。

    口腔内トラブルを長引かせると、菌が全身を巡る「菌血症」という状態になったり、あごの骨が溶けて折れたりなど全身への悪影響にもつながります。

    こびりついた歯石は動物病院での処置をしないと除去できません。

    麻酔をかけて歯石除去をする「スケーリング」をしてもらい、歯石をきれいに取り除いてもらってから歯磨き習慣をつけていくのがいいでしょう。

    全身麻酔による処置になるため、施術可能かどうか獣医師とよく相談してください。

    猫のしつけ教室を頼る

    「猫のしつけ教室」はあまり聞きなじみがない方もいるでしょう。

    動物病院・ペットショップ・出張トレーニングサービスなどで猫のしつけ教室を開催している場所は意外と多いです。都道府県や市町村が運営している場合もあります。

    よくいわれる「猫はしつけができない」というのは間違いで、実は飼い主さんの接し方生活環境が猫の性格に大きく影響を与えているかもしれません。

    愛猫を本当に想った接し方や生活環境のために、猫のしつけ教室を頼る方法もあることを知っておくといいでしょう。

    おすすめの歯磨きグッズ・お口ケアグッズ5選

    おすすめの歯磨きグッズ・お口ケアグッズ5選

    ここでは、おすすめの猫用歯磨きグッズ・お口ケアグッズ5選を紹介します。

    【DENTALFIT PETS】超極細毛歯ブラシ

    【DENTALFIT PETS】超極細毛歯ブラシ

    敏感な猫ちゃんには、歯ブラシの刺激もストレスになるもの。

    DENTALFIT PETSの「超極細毛歯ブラシ」は、細くて柔らかい毛が密集した猫向け歯ブラシです。

    感触はふんわりとやわらかく、指で触ってもチクチク痛くないのが魅力。愛猫に痛みを感じさせず歯磨きできます。

    また、歯茎を傷めずに刺激してブラッシングマッサージもできます。

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    【ビルバック】CET歯磨きペースト

    【ビルバック】CET歯磨きペースト

    「CET歯磨きペースト」は、多くの動物病院でもおすすめされる歯磨きペーストです。世界最大動物医薬メーカーであるビルバックが開発をしました。

    ペーストを舐めさせるだけでも口腔内ケアに効果的だといわれています。

    チキン風味以外にも、バニラミント・モルト・シーフードなど、フレーバーは種類豊富。愛猫の好みの味に合わせて選べるのもうれしいポイントです。

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    【ペットキン】飲み水に入れるデンタル液

    【ペットキン】飲み水に入れるデンタル液

    ペットキンの「飲み水に入れるデンタル液」は、飲み水に入れておくと歯の汚れや口臭をケアできるグッズです。

    無味無臭で、味や香りに敏感な子でも嫌がることなく使えるのもおすすめのポイント。

    使った後の歯磨きやすすぎの必要は無し。

    どうしてもおうちでの歯磨きが難しい場合や、いつもの歯磨きにプラスαでケアしたい場合に活躍するデンタル液です。

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    【Greenies】歯磨き専用スナック

    【Greenies】歯磨き専用スナック

    おいしく噛んで歯垢を落とす、Greeniesの「歯磨き専用スナック」

    猫用の口腔内ケアおやつとして、アメリカの獣医師推奨No.1の称号も得ています。

    歯磨き専用スナック

    歯ブラシ型の部分と魚のしっぽ型の部分があるという特殊な形状が特徴。

    噛みごたえもありながら、ガリガリ噛むのと同時に歯垢も除去してくれる造りになっています。

    いつものごはんとのエネルギー量を調整しながら、ご褒美やおやつとして継続的に与えていくのがおすすめです。

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    【LION】PETKISS ネコちゃんの歯みがきおやつアソートセット

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    LIONの「PETKISS ネコちゃんの歯みがきおやつ」は、ブラッシングスクラブが入っている猫専用おやつです。

    こちらで紹介しているのは、猫ちゃんが好きな5つの味がセットになったアソートセット。

    どの味に食いつきがいいのかお試しできるのもうれしいポイントです。

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    猫の歯磨きは「できるやり方」で続けることが大切

    猫の歯磨きは、できるやり方で毎日ケアを続けることです。

    歯磨きができるに越したことはありませんが、愛猫のストレス軽減のために歯磨き以外の代替ケア方法を試してみるといいでしょう。

    毎日ケアを続けながら、少しずつ歯磨きに慣れさせていきましょう。

    この記事を書いたペットとの暮らしの専門家
    舘 明奈
    動物看護師統一認定機構認定 動物看護師・ペットケアアドバイザー等多数資格保有
    (パピヨン/男の子)