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犬にやさしいエアコンの風向きや設定温度とは?季節ごとの注意点も紹介

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    この記事を書いた人
    中村貴子
    宅地建物取引士、アロマ検定1級、ヨガインストラクターの資格を取得。(黒柴/男の子)

    犬と暮らす家庭で、エアコンは夏の暑さや冬の寒さから愛犬を守る大切な存在です。

    ただし、エアコンの風が直接当たると犬は体調を崩すこともあるため、風向きや風量、温度設定には注意しなければなりません。

    この記事では、冷房・暖房それぞれのポイントをわかりやすく解説し、愛犬が快適に過ごせる室内環境の整え方を紹介します。

    犬に直接エアコンの風が当たるとどうなる?

    犬に直接エアコンの風が当たるとどうなる?

    暑がる愛犬や寒がる愛犬によかれと思ってエアコンの風を直接当てていませんか?

    ここでは、犬に直接当たるエアコンの風がもたらす影響について見ていきます。

    体温調節がうまくできず、体調不良の原因に

    強い冷風や温風が直接犬に当たると、体が一気に冷えたり体温が高くなったりするため、体温調節がうまくできなくなってしまいます。

    体温調整がうまくできないと自律神経が乱れて、体調不良の原因となることも。

    また、落ち着きがなくなり寝つけない、浅い眠りが続くなど睡眠の質の低下にもつながります。

    皮膚トラブルや乾燥、目や耳への悪影響

    エアコンの風は乾燥しているため直接風が当たり続けると、皮膚が乾燥してフケや痒みの原因になることも。

    また、エアコンの風はホコリやハウスダストを巻き上げるため、長時間直接風が当たると、目や耳に入ったり刺激を与えたりする恐れがあります。

    これにより、結膜炎や外耳炎などの炎症を引き起こす要因になる可能性が高まります。

    冷えすぎによる下痢や食欲不振

    夏場のエアコンの冷気が直接犬の体に当たり続けると、体が冷えすぎて下痢や吐き気、食欲不振などの消化器系の不調が起こる可能性が高まります。

    特にお腹を見せて寝る子や短毛種は、体が冷えやすいため注意しましょう。

    愛犬を暑さから守る!夏の冷房で注意したい3つのポイント

    愛犬を暑さから守る!夏の冷房で注意したい3つのポイント

    昨今の夏の酷暑は、犬にとってもエアコンは欠かせない存在ですが、使い方を間違えると体調不良の原因となることも。

    ここでは、夏場にエアコンを使う際に注意したいポイントについて紹介します。

    【犬種別】夏のエアコン設定温度の目安

    犬に適した夏の設定温度は、被毛の種類と長さによって異なります。

    たとえば、ゴールデン・レトリーバーやコーギーなど寒冷地が原産のダブルコートの犬種とプードルやマルチーズなど温暖な地域原産のシングルコートの犬種では、適した室温が違うのです。

    室温の目安/ダブルコートの犬種:23~26℃
    室温の目安/シングルコートの犬種:22~25℃

    ただし、シニア犬や子犬、短毛種は体が冷えやすいため、設定温度は様子を見ながら少し高めに設定するとよいでしょう。

    逆に暑さに弱い短頭種は熱中症リスクがあるため、こまめな温度管理が必要です。

    風を直接当てず、循環を意識して

    エアコンの風や動作音に驚いたり、不快に感じたりする犬も少なくありません。

    筆者の実家の黒柴も、ある日吹き出し口がガシャッと開く音に驚いて以来、エアコンのあるリビングを長い間避けるようになってしまいました。

    このように、敏感な子にとっては、音や冷風が直接体に当たることもストレスになる場合があります。

    冷気は下に溜まりやすいため、風向きを上向きに設定し、サーキュレーターや扇風機を併用して空気をやさしく循環させる工夫をしましょう。

    冷えすぎを防ぐ

    犬は冷気が溜まりやすい床付近で過ごすことが多いため、冷えすぎに注意が必要です。

    マットやタオルなどを敷いて冷気の直撃を防ぐほか、冷房が効いていない場所を用意し犬が移動できるようにしておくなど、愛犬が自分で快適な場所を選べるようにしておくとよいでしょう。

    風よけパネルやエアコンの風よけカバーなどのアイテムを使って風の流れを調整したり、愛犬のハウスやケージを風の当たらない場所に移動するのが有効です。

    愛犬を寒さから守る!冬の暖房で注意したい3つのポイント

    愛犬を寒さから守る!冬の暖房で注意したい3つのポイント

    ここでは、冬場にエアコンや暖房器具を使う際に注意したいポイントを紹介します。

    【犬種別】冬のエアコン設定温度の目安

    犬に適した冬の設定温度も夏と同じく、被毛の種類と長さによって適温が異なります。

    室温の目安/ダブルコートの犬種:19~23℃
    室温の目安/シングルコートの犬種:20~25℃

    また、子犬やシニア犬、短毛種は体温調節が苦手なため、暖房の効きが弱くなって室温が下がり、体が冷えてしまわないよう、こまめに様子を見て調整することが大切です。

    乾燥に注意!加湿器で湿度管理を

    冬場は暖房を使うと室内が乾燥しやすくなります。湿度が下がると、犬も皮膚や粘膜が乾燥しやすくなり、かゆみや肌荒れ、ウイルス感染などのリスクが高まります。

    犬が過ごしやすい湿度の目安は40〜60%程度。エアコン暖房を使う場合は、加湿器を併用して湿度を保つのがおすすめです。

    また、暖房による乾燥は静電気の原因にもなり、ブラッシング時のストレスにつながることもあるので注意しましょう。

    床暖房やヒーターとの併用を

    暖かい空気は上に溜まりやすいため、床付近で過ごすことの多い犬にとって、エアコンの暖房だけでは十分な暖かさを感じられない場合があります。

    そのため、床暖房や遠赤外線ヒーターなどを併用するのがおすすめです。

    ただし、ヒーターを使う際は犬が直接触れて低温やけどをしないよう、ガードや柵を設けるなど安全対策を忘れずに。

    また、犬が自分で快適な場所を選べるよう、温まりすぎない場所やひんやりしたスペースも用意しておきましょう。

    愛犬の留守番時に気をつけたいエアコンの注意点

    愛犬の留守番時に気をつけたいエアコンの注意点

    飼い主さん不在の留守番中の愛犬は、自分で温度調整をすることができないため、エアコンの使い方に一層の注意が必要です。

    エアコンの人感センサーをオフにする

    最近のエアコンには省エネ対策として「人感センサー」搭載のものが多くあります。

    この機能は人の動きがないと風量を下げたり電源が切れたりするため、飼い主さんがいない留守番中の犬には不向きです。

    留守番中の犬は部屋の片隅でじっとしていることが多く、センサーが反応せずにエアコンが止まってしまう可能性があります。

    外出前には必ず人感センサーをオフにし、エアコンの動作が変更されないようにしておきましょう。

    スマホで遠隔操作ができる機種であれば、外出先からチェックや調整することができ便利ですよ。

    停電に備えた対策を

    突然の停電は、エアコンを頼りにしている留守番中の犬にとって大変危険です。

    停電による室温の急変により、夏場は熱中症、冬場は低体温症のリスクが発生します。

    よって、停電が発生しても愛犬の命を守れるよう、なるべく愛犬が自由に動ける範囲を確保し、保冷剤入りのクールマットや断熱性の高いハウスなど電気を使わない暑さ・寒さ対策を用意しておくと安心です。

    また、ポータブル電源や自家発電機を備えておくことで、短時間であればエアコンやサーキュレーターの電源を確保することができます。

    風の当たらない場所を用意する

    エアコンを使用する際、犬が直接冷風や温風に長時間さらされないよう注意が必要です。

    特に留守番中は飼い主さんが調整できないため、犬が自由に動ける範囲を確保し、風が直接当たらないスペースを用意しておくことが大切

    例えば、エアコンの風が通らないケージの中にタオルやベッドを設置したり、部屋の一角に風避けのパーテーションを置いたりするとよいでしょう。

    また、愛犬が自分の意思で涼しい場所や暖かい場所を選べるよう、室内に複数の居場所をつくると安心です。

    見守りカメラの用意

    留守中も愛犬の様子を確認したい場合は、見守りカメラの導入がおすすめです。

    スマホでリアルタイムに映像を確認できるタイプなら、部屋の温度や愛犬の様子に異変がないかすぐに把握できます。

    中には、温湿度センサーや音声通話機能が付いている機種もあり、万が一の異常時にも対応しやすく安心です。

    カメラはエアコンの風向きや愛犬の行動範囲を映せるよう、設置位置を工夫しましょう。

    愛犬が過ごしやすい室内環境をつくるには

    愛犬が過ごしやすい室内環境をつくるには

    ここでは、エアコンに頼りすぎずに愛犬にとっての快適性を高めるためのポイントを紹介しましょう。

    人間と犬の快適温度は異なることを知ろう

    飼い主さんが快適に感じる室温でも、愛犬にとっては暑すぎたり寒すぎたりすることがあります。

    先述の通り、犬種や年齢、体格、被毛の種類と長さなどによって適温は異なるため、一律では判断できません。

    エアコンの設定温度は「人に合わせる」のではなく、「犬にとっての適温」を意識して調整しましょう。

    日ごろから愛犬の様子を観察しよう

    快適な環境かどうかを判断するには、日ごろから愛犬の様子をよく観察することが何より大切です。

    暑いときには床にお腹をつけて寝そべったり、涼しい場所へ移動することが多く、寒いときには丸くなって震えたり暖かい場所にとどまるなどのサインが見られます。

    こうした日々の行動から、「今日は暑そうかも」「エアコンの風が強いかな」と気づくようになるでしょう。

    愛犬がどのような環境を心地よく感じているのかを把握しておくと、季節の変化に柔軟に対応できます。

    グッズや家電を活用しよう

    快適な室内環境づくりには、便利なグッズや家電を取り入れるのもおすすめです。

    夏は冷感マットや保冷ジェル、クールベストなどを活用して、熱がこもりにくいよう工夫しましょう。遮光カーテンを使えば、日差しを遮って室温上昇を防げます。

    一方、冬は毛布やペット用ホットカーペットで暖をとり、窓やドアの隙間から入る冷気を遮断して寒さ対策を行いましょう。

    サークルやケージの場所を考えよう

    サークルやケージを設置する位置にも配慮が必要です。

    夏は直射日光が当たる窓際や風通しの悪い場所は避け、できるだけ日陰で風通しの良い場所に設置しましょう。

    冬場は、すきま風が入る玄関近くや、底冷えのするフローリングの上などは避け、マットやカーペットを敷いて床からの冷えを軽減し、できるだけ暖かさを保てる場所を選びましょう。

    また、愛犬が自分で快適な場所を選べるよう複数の居場所をつくることをおすすめします。

    エアコンの効率アップにおすすめ!快適空間をつくるアイテム4選

    ここでは、エアコンの効率を向上させるおすすめアイテムをご紹介します。

    内窓リフォーム「プラマードU」

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    既存の窓の内側にもう1枚窓を取り付ける内窓リフォームの「プラマードU」は、冷暖房の効率を上げるだけでなく、結露や騒音対策にも効果的です。

    工事も比較的簡単で、短時間で設置できます。

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    住宅用塗料「ガイナ」

    住宅用塗料「ガイナ」

    外壁や屋根に塗ることで断熱性を高められるのが、断熱セラミック塗料「ガイナ」です。

    夏は太陽熱の侵入を抑え、冬は屋内の熱を逃がしにくくするため、1年を通して快適な室温が保てます。

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    断熱工法「AIB工法」

    断熱工法「AIB工法」

    「AIB工法」は、高い断熱性と気密性を両立できる先進的な断熱工法です。

    既存住宅の設備を解体せずに取り入れることができるため、低コストで断熱性を高められます。

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    床からやさしい空気を届ける「ユカリラ」

    床からやさしい空気を届ける「ユカリラ」

    「ユカリラ」は、エアコンの風を床下に送って部屋全体に循環させる空調システムです。

    直接風を当てずに乾燥やホコリを抑え、床から均一に室温を保つことで、愛犬にもやさしく、省エネにもつながります。

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    エアコンを上手に活用して愛犬の快適な環境を守ろう

    エアコンを上手に活用して愛犬の快適な環境を守ろう

    犬にとってエアコンは、暑さや寒さから身を守る大切な存在ですが、風向きや温度設定を誤ると体調を崩す原因にもなりかねません。        

    風が直接当たらないように調整し、季節や犬種に合わせた適切な室温を保つことが大切です。  

    エアコンを上手に使って、愛犬と健やかに過ごせる室内環境を整えましょう。

    この記事を書いたペットとの暮らしの専門家
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    宅地建物取引士、アロマ検定1級、ヨガインストラクターの資格を取得。(黒柴/男の子)