• 公開日時:
  • 更新日時:

【専門家監修】猫の1日の食事回数は何回がいい?年齢別の与え方や時間の工夫

この記事は広告を含みます。
詳しくはプライバシーポリシーをご覧ください。

目次
    この記事を書いた人
    舘 明奈
    動物看護師統一認定機構認定 動物看護師・ペットケアアドバイザー等多数資格保有
    (パピヨン/男の子)
    猫にごはんをあげる回数、なんとなくで決めていませんか?

    猫はごはんを少しずつ食べる性質があるため、適切な食事回数や与え方を工夫することが健康のために大切です。

    この記事では、認定動物看護師の資格をもつ筆者が、年齢や性格ごとのおすすめの食事回数留守番時のごはんの工夫過食や少食のリスクなどをわかりやすく解説します。

    猫の食事回数は1日2〜3回が基本

    猫の食事回数は1日2〜3回が基本
    飼い主さんに合わせて朝食時と夕食時の2回、もしくは朝食時・昼食時・夕食時の3回に分けてごはんをあげるのが基本的な回数です。

    キャットフードのパッケージには1日の食事の適正回数・適正量が記載されています。基本的には記載された内容を守りましょう。

    1回ごとの食事の間隔も、だいたい均等にしておくと食習慣の乱れを防げます。例えば、1日2回なら朝7時・夕方7時、1日3回なら朝7時・昼14時・夜21時というようなイメージです。

    また、猫の食事方法でよく知られる「置き餌」についても正しい理解が必要です。

    置き餌は、不衛生・酸化したごはんが身体に悪影響・食事量の把握ができないなどのデメリットがあり、あまりすすめられていません。

    1日のごはんは2回以上に分けて与えるようにしましょう。

    年齢・体調・性格に応じて調整することも大切

    猫の食事回数の基本は1日2〜3回ですが、その子その子の状況に応じて回数を調整するのも大切です。

    例えば以下のような状況があるでしょう。
    • 1回で食べられる量が少なくて、1皿分を食べきれない
    • 体調不良・ケガや病気を抱えていてあまり食べられない
    • 性格上ごはんの食べ方にこだわりがある
    • 気にしすぎる性格で人前では食事をしない
    愛猫の食事の傾向をよく観察し、回数や時間帯を調整してみましょう。

    なぜ猫は「食事を分ける」のがいいのか?

    なぜ猫は「食事を分ける」のがいいのか?
    ここでは、猫が食事を複数回に分けて摂る方がいい理由を5つまとめました。

    少量ずつ食べるのが猫の本能であるため

    猫はもともと、ネズミや小鳥などの小さな獲物を狩って食料を得る生き物です。

    一度にたくさんの量を食べるのではなく、少量の食料を狩りが成功するたびに食べます。その本能に合わせて、猫は1回の食事で消化できる量が少ないともいわれています。

    一度にたくさん食べる食いしん坊な子もいますが、基本的には少量ずつ分けて食べるのが猫の自然な本能に合わせた食べ方です。

    空腹の時間が長いとストレスになるため

    人間と同じで、猫も空腹の時間が長いとストレスになります。

    ストレスが原因で飼い主さんに噛みつく・家具を噛んだり引っかいたりして壊すなどの問題行動につながるリスクもあるでしょう。

    また、ストレスが病気につながることもあります。特発性膀胱炎、心因性皮膚炎、免疫力の低下による体調不良などは、ストレスが一つの引き金となり発症する病気です。

    長い空腹時間でストレスを抱えさせないためにも、回数を分けて食事をすることが大切です。

    ごはんの吐き戻しや胃液の嘔吐を防ぐため

    長く続いた空腹時間が、ごはんの吐き戻しや胃液の嘔吐につながることがあります。

    これは、胃液による身体への刺激が主な原因です。

    猫の胃の中に食べ物が入ると、胃液が分泌されて消化を促します。空腹時は胃の中が空っぽで胃液の分泌も少ないです。

    そこにいきなり食べ物が入ってくると、胃液の急激な分泌で胃が刺激され、ごはんや胃液を口から吐きだしてしまうことがあります。

    吐き戻しや嘔吐時には、胃液が食道を通ることで粘膜を刺激し食道に障害を及ぼすことも。
    また、食べ物が上手く消化できず、消化不良で下痢の発症につながることもあります。

    胃が空っぽの状態が長く続かないように、ごはんを分けて与えるのが大切です。

    肥満予防・食べすぎ防止

    私たち人間と同じで、猫も長い空腹時間を経たあとの食事ではガツガツ勢い任せに食べてしまうことが多いです。

    食べすぎてしまうと、カロリーオーバーで肥満に陥りやすくなります。

    それだけではなく、血糖値の急激な上昇・血糖値をコントロールする体の機能の低下などにより糖尿病の発症につながることもあるでしょう。

    血糖値は、ゆるやかな上昇・降下を保つことが健康のために大切です。1日の食事を少量ずつ分けることで、血糖値のコントロールをして糖尿病予防にもなります。

    ごはんの鮮度を保つため

    ごはんを置きっぱなしにすると、ごはんの油が酸化して状態が悪くなります。

    猫のごはんは、時間が経つと腐敗していくものです。唾液や湿気などの影響で細菌やカビの繁殖につながったり、虫が寄ってきたりすることもあります。

    置きっぱなしにしないよう、1回の食事で愛猫が食べきれる量を都度出してあげましょう。

    猫の食事は何時がいい?

    猫の食事は何時がいい?
    ここでは、猫の食事の時間帯についてまとめました。

    朝・夕の決まった時間がおすすめ

    飼い主さんの朝食時と夕食時の同じタイミングで愛猫の食事を出してあげるのがおすすめです。

    時間は明確に「この時間がいい!」というのはありませんが、早すぎず遅すぎずの時間にしましょう。

    目安としては、朝は6〜8時の間夕方は18時〜21時の間にあげるのがおすすめです。

    生活リズムに合わせて調整してOK

    飼い主さんの生活リズムによっては、朝夕の決まった時間・平均的な時間に食事をあげられない場合もあるでしょう。

    どうしても時間通りあげられない場合は、無理のないよう飼い主さんの生活リズムに合わせて調整してみてください。

    「猫に持病があって病院から食事時間の指定をされている」というような場合は時間を守る必要がありますが、健常な状態であれば厳密に守り切れなくても問題ありません。

    ただし、毎日大幅に変動しないようにだけ注意しましょう。

    生活リズムが毎日バラバラで決まった時間に食事をあげられない場合は、次の項で工夫の仕方を紹介します。

    決まった時間に食事をあげられないときの工夫と注意点

    決まった時間に食事をあげられないときの工夫と注意点
    仕事や急用、遠出などの事情があって「決まった時間にごはんをあげられない」という場合でも、工夫次第で大きなズレなく食事をあげられる方法があります。

    自動給餌器を活用する

    以下のような場合には、自動給餌器の活用がおすすめです。
    • 飼い主さんが長時間不在になるとき
    • 仕事の都合上どうしても毎日ごはんの時間がバラバラになってしまいそうなとき
    • 朝と夕方以外にも、飼い主さんが仕事に行っている日中にごはんをあげたいとき
    自動給餌器があれば、飼い主さんが愛猫のごはんを用意できなくても、決めた時間に決めた量のごはんをあげられます。

    自動給餌器にはさまざまな商品がありますが、筆者のおすすめ自動給餌器を以下に3つまとめました。

    ①ペット用 オートフィーダー カメラ付
    ①ペット用 オートフィーダー カメラ付
    外出先でもスマホから愛猫の様子を観察できるカメラ搭載の自動給餌器です。

    1日最大で4回までごはんを自動で出す設定ができます。

    フードタンクと食器は丸洗いができるため、常に清潔を保てて安心です。
     
    あにまるキャンパスオンラインで商品を見る


    ②ナクラム ペット用 真空オートフィーダー
    ②ナクラム ペット用 真空オートフィーダー
    いつでも新鮮なごはんをあげたい人におすすめの自動給餌器です。

    真空密閉機能が付いているため、ごはんの酸化や湿気をシャットアウトします。

    約1カ月間ごはんの鮮度を保てるとされており、鮮度が気になる飼い主さんにぴったりの自動給餌器です。
     
    あにまるキャンパスオンラインで商品を見る


    ③うちのこエレクトリック カリカリマシーンFR

    ③うちのこエレクトリック カリカリマシーンFR

    うちのこエレクトリックの「カリカリマシーンFR」は、ウェットフードにも使える自動給餌器です。

    中には6か所のくぼみがあり、設定した時間ごとに回転して順番にごはんが出てきます。

    底には保冷剤をセットできるため、暑い夏場のお留守番にも安心してごはんを用意しておけます。
     
    Amazonで商品を見る 楽天で商品を見る

    置き餌をする場合の注意点

    猫のごはんは「置き餌派」の飼い主さんもいますが、衛生面や鮮度のことを考えるとおすすめはできません。

    鮮度が落ちたごはんは、猫も食べたがらないことが多いです。食べ残しが続けば、1日に摂取すべきカロリー量が足りなくなるというリスクもあります。

    「どうしても置き餌をしたい」というときは、以下のことに注意してください。
     
    【置き餌をする場合の注意点】
    • 1日のごはんの量はしっかり決めておく
    • 食べ残したごはんはその日のうちに捨てる
    • 食べ残しの上にフードを足さない
    • 食器は毎回きれいに洗う
    置き餌をしてお留守番させる際には、ペットカメラを設置して常に様子を見られる状態にしておくのもいいでしょう。
    HDペットカメラ
    HDペットカメラ」なら、左右約360度・上下約90度の広範囲で見渡して愛猫の様子を確認できます。

    室温の検知機能も付いており、設定した範囲を超えると通知してくれます。万が一エアコンが壊れて室温が変動してしまった場合に外出先でもすぐに気付けるため安心です。
     
    AMILIEで商品を見る

    家族や知り合いに協力してもらう

    信頼できる家族や知り合いに猫のお世話をお願いするのも一つの方法です。

    ごはんをあげるためだけではなく、何かあったときに頼れる場所があると安心です。

    ペットシッターに依頼する

    ペットシッターのようなプロにお任せするのもいいでしょう。

    ペットシッターとは、飼い主さんがペットのそばにいられない間にごはんをあげたり、お世話をしてくれる人です。

    猫は他人への警戒心が強い子もいるため、ペットシッターに依頼する場合は慎重に相性を見極めるようにしましょう。

    こんな食べ方には注意!猫の過食・少食が招くリスク

    こんな食べ方には注意!猫の過食・少食が招くリスク
    過食・少食のように偏りのある食事の様子が見られたら注意が必要です。

    ここでは、猫の過食・少食が招くリスクを解説します。

    過食が招くリスク|肥満・糖尿病・膵炎

    過食が続くと肥満になるのは、猫も人間も同じです。肥満になるだけではなく、過食が深刻な病気を引き起こす場合もあります。

    例えば糖尿病。過食や勢いに任せた食事は、血糖値の急激な上昇を招いたり、血糖値をコントロールする体の機能の低下を起こしたりします。それが、糖尿病発症の一つの原因です。

    他に、膵炎のリスクも考えられます。血糖値をコントロールしているインスリンは膵臓からの分泌物です。

    食べ物が急激に体内に入ってくると、血糖値をコントロールしようとして膵臓が活動的になります。そうして膵臓がインスリンを一生懸命出そうとすると、炎症を起こして膵炎を発症してしまうことがあります。

    血糖値の上昇・降下はゆるやかであることが健康のために大切です。

    空腹時間を長くし過ぎない・少量ずつ分けて与える・おねだりされても超過量のごはんを与えないようにしましょう。

    少食・食欲不振が招くリスク|肝リピドーシス

    肝リピドーシスとは、食べない状態が続いた猫に起こりやすい命に関わる肝臓の病気です。肥満の猫に多いといわれています。

    とくに、猫は以下のような理由で急に食べなくなることが多いので注意しましょう。
    • ごはんの量をいきなり減らすような急激なダイエット
    • 体調を崩して食欲不振・食欲廃絶
    • ごはんをいきなり変えたことで、食べたくなくなった

    年齢・ライフステージ別の食事の与え方

    年齢・ライフステージ別の食事の与え方
    猫のライフステージによって、適切なごはんの回数や与え方は変わります。

    ここでは、年齢別の食事の回数・注意点・ポイントを解説します。

    子猫(~1歳)

    子猫は、生後8週齢以降になったら子猫用フードからカリカリのドライフードをあげ始めます。

    1日4〜5回に分けて、お湯などでふやかしたフードから始めるといいでしょう。成長に合わせて徐々に回数を減らしていきます。

    成猫(1~7歳)

    成猫の場合は、1日2〜3回の食事量が基本です。

    1回で食べられる量が少ないなら、さらに細かく4回や5回に増やしても構いません。心配であれば動物病院で相談をしてみましょう。

    シニア猫(7歳以上)

    シニア猫は、ごはんの消化機能の低下・噛む力の低下などから一度に食べられるごはんの量が減る傾向にあります。

    そのため、1日3回以上に分けて与えるのがおすすめです。

    また、愛猫の様子を見てドライフードをふやかしたりウェットフードをあげたりしてみてください。

    猫の健康は毎日の食習慣が大切

    猫の健康管理は、毎日の食事が大きく関わってきます。

    適切な食事回数やタイミングを知り、愛猫にとって適切な食事リズムをつくってあげてください。

    また、過食や少食などいつもと違う様子が見られたら、放置せず早めに動物病院に相談をしましょう。

    この記事を書いたペットとの暮らしの専門家
    舘 明奈
    動物看護師統一認定機構認定 動物看護師・ペットケアアドバイザー等多数資格保有
    (パピヨン/男の子)