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この記事を書いた人

永楽陽子
大学院卒業後、予防医学に関する研究や環境分析に取り組む。元動物病院勤務。行政書士資格保有。(ミックス/男の子)
猫が脱走から帰宅した後、「ニャーニャー」といつも以上に大きな声で鳴き続けることがあります。
無事に帰ってきてくれてホッとしたのも束の間、その鳴き声に戸惑う飼い主さんも多いのではないでしょうか。
この記事では、猫が脱走後に鳴く理由や鳴き続ける時の対処法を解説します。
また、何より大事なのは、脱走を防ぐことです。
愛猫の心と体を守るために、脱走防止のポイントもぜひ参考にしてみてください。
猫が脱走後に鳴くのは、ストレスや混乱、本能的な衝動によるものと考えられています。
家の中とはまったく違う環境にさらされることで、猫の心は大きく揺れ動きます。
帰宅後も気持ちが整理できず、鳴き声としてその感情を吐き出しているのかもしれません。
どこに行けばよいのか分からない不安や暗がりから聞こえる不穏な音、知らない動物との遭遇などの経験は、想像以上のストレスになります。
時間とともに落ち着いていくことがほとんどですが、無事に帰宅した後も心の中にその恐怖が残っていて、「怖かったよ」と鳴いているのかもしれません。
筆者が子供の頃、実家の猫が脱走したことがあり、1か月ほどして帰って来た時には痩せた体で大きな声で鳴いていたのが忘れられません。
車の音や犬の吠える声、野良猫のニオイなどは、家の中で暮らす猫にとっては慣れないものばかりです。
外の環境は五感に対する刺激が強いため、猫の脳も興奮状態になります。
そんな状態でまた家に戻ることで、今度は屋内と屋外のギャップに混乱し、鳴き声として不安を訴えることが考えられます。
特に初めて脱走してしまった猫ほど、この混乱は大きくなりがちです。
不妊・去勢手術を受けていない発情期を迎えた猫は、外から漂う異性のニオイや鳴き声に誘われて外へ出てしまうことがよくあります。
帰宅後もしばらく興奮状態が続くため、鳴き声がいつも以上に大きくなります。
また、猫には強い縄張り意識があるため、外で他の猫に出会った経験がきっかけとなり、「ここは自分の縄張りだ」と主張するように鳴くこともあります。
時間が経てば落ち着くことが多いですが、しばらくは注意して見守りましょう。
脱走から帰宅した愛猫が落ち着きを取り戻すには、飼い主さんのサポートが欠かせません。
猫の気持ちに寄り添いながら、安心できる環境を整えてあげましょう。
愛猫が帰宅後に鳴き続ける場合の対処法について解説します。
お気に入りのベッドや隠れられる箱、やわらかい毛布などを用意して、いつでも安心できる場所を作ることが大切です。
静かな時間や場所を確保し、安心できる環境を整えることで、愛猫は次第に落ち着いていきます。
また、何より、飼い主さん自身が穏やかでいることが愛猫の安心につながります。
猫は飼い主の感情を敏感に感じ取るため、「もう大丈夫だよ」という気持ちを込めて静かに見守りましょう。
すぐに撫でたり抱っこしたりするのではなく、まずは愛猫が自分から近づいてくるのを待ちましょう。
近くに座って優しい声で名前を呼んだり、「よく帰ってきたね」「大丈夫だよ」と話しかけたりすることが、猫にとって大きな安心になります。
帰宅後は、信頼関係を再確認する時間でもありますので、ゆっくりと優しく接してあげましょう。
猫の頬などから分泌されるフェイシャルフェロモンを模した人工フェロモンで、拡散器タイプやスプレーがあります。
部屋に設置したり、猫がよく過ごす場所にスプレーしたりすることで、猫の不安を和らげる効果が期待できます。
環境変化に敏感な猫や多頭飼いでストレスを感じやすい猫におすすめです。
製品ごとの説明書をよく読み、適切に取り入れましょう。
鳴き声にはストレスだけでなく、健康上の問題が隠れている可能性もあります。
例えば、泌尿器系のトラブルや認知症、その他の疾患などが原因で鳴くこともあるため、長引く場合には診察を受けましょう。
心のケアと体のケアの両方からアプローチすることで、愛猫にとっての最善の環境を整えることができます。
脱走は、猫の命にもかかわる深刻なトラブルです。
繰り返さないためには、住環境の見直しと日頃の工夫が欠かせません。
安全のためにやっておきたいおすすめの脱走防止対策について解説します。
特に来客時や外出時など、扉の開閉が多いタイミングに注意しましょう。
おすすめなのが、猫専用の脱走防止扉「にゃんがーど」や設置が簡単な「ねこゲート」などです。
ペット用ゲートを設置して2重扉にすることで、玄関が開いた際にも猫がすぐに飛び出すのを防いでくれます。
出入口からの脱走を防ぐことで、猫の安全を守るだけでなく、飼い主さんの精神的な安心にもつながります。
しかし、猫は網戸を開けたり破ったりして外に出てしまうことがあります。
そのため、網戸ストッパーや脱走防止ネットを設置するのがおすすめです。
また、玄関ドア用の網戸を設ければ、換気をしつつ愛猫が外に出られないようにできます。
高所からの転落事故を防ぐためにも、2階以上の窓やベランダの対策は徹底しておきましょう。
室内環境が単調だと外に興味を持つこともあるため、キャットタワーやオモチャで遊びの幅を広げてあげましょう。
登ったり隠れたり、狩りのような動きを楽しめる遊びはストレス解消につながります。
また、窓辺にキャットタワーを設置して、外を安全に眺められるようにすると、好奇心を満たすことができます。
壁に傷がつかず、年齢に合わせて自由にカスタマイズできる猫壁(にゃんぺき)もおすすめです。
猫が脱走後に鳴くのは、強い不安や混乱、本能的な衝動によると考えられています。
帰宅後はできるだけ早く安心できる環境を整え、やさしく寄り添って心のケアをしましょう。
何よりも大切なのは、再び脱走を繰り返さないための備えです。
玄関や窓の対策、室内環境の工夫などを日頃から行うことで、愛猫の命と心を守れます。
猫は言葉を話しませんが、その鳴き声にはたくさんの思いが込められています。
しっかりと耳を傾け、安心させてあげたいですね。
無事に帰ってきてくれてホッとしたのも束の間、その鳴き声に戸惑う飼い主さんも多いのではないでしょうか。
この記事では、猫が脱走後に鳴く理由や鳴き続ける時の対処法を解説します。
また、何より大事なのは、脱走を防ぐことです。
愛猫の心と体を守るために、脱走防止のポイントもぜひ参考にしてみてください。
猫が脱走後に鳴く主な理由とは

猫が脱走後に鳴くのは、ストレスや混乱、本能的な衝動によるものと考えられています。
家の中とはまったく違う環境にさらされることで、猫の心は大きく揺れ動きます。
帰宅後も気持ちが整理できず、鳴き声としてその感情を吐き出しているのかもしれません。
不安や恐怖によるストレス
脱走した猫にとって、見知らぬ屋外は非常に緊張感の高い場所です。どこに行けばよいのか分からない不安や暗がりから聞こえる不穏な音、知らない動物との遭遇などの経験は、想像以上のストレスになります。
時間とともに落ち着いていくことがほとんどですが、無事に帰宅した後も心の中にその恐怖が残っていて、「怖かったよ」と鳴いているのかもしれません。
筆者が子供の頃、実家の猫が脱走したことがあり、1か月ほどして帰って来た時には痩せた体で大きな声で鳴いていたのが忘れられません。
環境の変化によるストレス
屋外に出ることで、猫は一気に多くの刺激にさらされます。車の音や犬の吠える声、野良猫のニオイなどは、家の中で暮らす猫にとっては慣れないものばかりです。
外の環境は五感に対する刺激が強いため、猫の脳も興奮状態になります。
そんな状態でまた家に戻ることで、今度は屋内と屋外のギャップに混乱し、鳴き声として不安を訴えることが考えられます。
特に初めて脱走してしまった猫ほど、この混乱は大きくなりがちです。
本能的な理由(発情期や縄張り意識)
猫の本能に起因する脱走にも注意が必要です。不妊・去勢手術を受けていない発情期を迎えた猫は、外から漂う異性のニオイや鳴き声に誘われて外へ出てしまうことがよくあります。
帰宅後もしばらく興奮状態が続くため、鳴き声がいつも以上に大きくなります。
また、猫には強い縄張り意識があるため、外で他の猫に出会った経験がきっかけとなり、「ここは自分の縄張りだ」と主張するように鳴くこともあります。
時間が経てば落ち着くことが多いですが、しばらくは注意して見守りましょう。
脱走後に鳴く猫への対処法

脱走から帰宅した愛猫が落ち着きを取り戻すには、飼い主さんのサポートが欠かせません。
猫の気持ちに寄り添いながら、安心できる環境を整えてあげましょう。
愛猫が帰宅後に鳴き続ける場合の対処法について解説します。
安心できる環境づくり
まずは、猫が落ち着いて過ごせる場所を用意してあげましょう。お気に入りのベッドや隠れられる箱、やわらかい毛布などを用意して、いつでも安心できる場所を作ることが大切です。
静かな時間や場所を確保し、安心できる環境を整えることで、愛猫は次第に落ち着いていきます。
また、何より、飼い主さん自身が穏やかでいることが愛猫の安心につながります。
猫は飼い主の感情を敏感に感じ取るため、「もう大丈夫だよ」という気持ちを込めて静かに見守りましょう。
スキンシップと声かけ
脱走から帰宅後の猫は、触られることに敏感になっている場合があります。すぐに撫でたり抱っこしたりするのではなく、まずは愛猫が自分から近づいてくるのを待ちましょう。
近くに座って優しい声で名前を呼んだり、「よく帰ってきたね」「大丈夫だよ」と話しかけたりすることが、猫にとって大きな安心になります。
帰宅後は、信頼関係を再確認する時間でもありますので、ゆっくりと優しく接してあげましょう。
フェロモン製品の活用
猫のストレスケアに効果的とされているのが、「フェリウェイ」などのフェロモン製品です。猫の頬などから分泌されるフェイシャルフェロモンを模した人工フェロモンで、拡散器タイプやスプレーがあります。
部屋に設置したり、猫がよく過ごす場所にスプレーしたりすることで、猫の不安を和らげる効果が期待できます。
環境変化に敏感な猫や多頭飼いでストレスを感じやすい猫におすすめです。
製品ごとの説明書をよく読み、適切に取り入れましょう。
専門家への相談
さまざまな方法を試しても鳴き続ける場合は、行動学に詳しい獣医師やキャットカウンセラーなどの専門家に相談するのが安心です。鳴き声にはストレスだけでなく、健康上の問題が隠れている可能性もあります。
例えば、泌尿器系のトラブルや認知症、その他の疾患などが原因で鳴くこともあるため、長引く場合には診察を受けましょう。
心のケアと体のケアの両方からアプローチすることで、愛猫にとっての最善の環境を整えることができます。
おすすめの猫の脱走防止対策

脱走は、猫の命にもかかわる深刻なトラブルです。
繰り返さないためには、住環境の見直しと日頃の工夫が欠かせません。
安全のためにやっておきたいおすすめの脱走防止対策について解説します。
家の出入り口を見直す
猫がもっとも脱走しやすいのは、玄関などの出入り口です。特に来客時や外出時など、扉の開閉が多いタイミングに注意しましょう。
おすすめなのが、猫専用の脱走防止扉「にゃんがーど」や設置が簡単な「ねこゲート」などです。
ペット用ゲートを設置して2重扉にすることで、玄関が開いた際にも猫がすぐに飛び出すのを防いでくれます。
出入口からの脱走を防ぐことで、猫の安全を守るだけでなく、飼い主さんの精神的な安心にもつながります。
窓・ベランダを見直す
本格的に暑くなる前の時期は、クーラーをつけずに網戸で過ごすご家庭も多いでしょう。しかし、猫は網戸を開けたり破ったりして外に出てしまうことがあります。
そのため、網戸ストッパーや脱走防止ネットを設置するのがおすすめです。
また、玄関ドア用の網戸を設ければ、換気をしつつ愛猫が外に出られないようにできます。
高所からの転落事故を防ぐためにも、2階以上の窓やベランダの対策は徹底しておきましょう。
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猫がドアを開けるのを防止する方法10選!
室内を充実させる
猫が外に出たがる理由のひとつに「退屈」があります。室内環境が単調だと外に興味を持つこともあるため、キャットタワーやオモチャで遊びの幅を広げてあげましょう。
登ったり隠れたり、狩りのような動きを楽しめる遊びはストレス解消につながります。
また、窓辺にキャットタワーを設置して、外を安全に眺められるようにすると、好奇心を満たすことができます。
壁に傷がつかず、年齢に合わせて自由にカスタマイズできる猫壁(にゃんぺき)もおすすめです。
【まとめ】猫を脱走させない工夫が大切!

猫が脱走後に鳴くのは、強い不安や混乱、本能的な衝動によると考えられています。
帰宅後はできるだけ早く安心できる環境を整え、やさしく寄り添って心のケアをしましょう。
何よりも大切なのは、再び脱走を繰り返さないための備えです。
玄関や窓の対策、室内環境の工夫などを日頃から行うことで、愛猫の命と心を守れます。
猫は言葉を話しませんが、その鳴き声にはたくさんの思いが込められています。
しっかりと耳を傾け、安心させてあげたいですね。
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この記事を書いたペットとの暮らしの専門家

永楽陽子
大学院卒業後、予防医学に関する研究や環境分析に取り組む。元動物病院勤務。行政書士資格保有。(ミックス/男の子)