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秋田犬の性格とは?特徴・危険性・しつけのコツまで解説

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    さかもとはるか
    愛玩動物飼養管理士2級、JKC 公認トリマーライセンスC級を取得。
    忠実で堂々とした姿が魅力の「秋田犬」。

    「忠犬ハチ公」の印象から、賢くて飼いやすいと思われがちですが、実際には自立心や警戒心が強く、しつけや接し方に注意が必要な犬種でもあります。

    この記事では、秋田犬の性格の特徴をわかりやすく解説するとともに、「危険」といわれる理由や、オスとメスの性格の違い、しつけや暮らし方のコツまでを紹介します。

    秋田犬と暮らしている人や秋田犬のお迎えを検討している人は、ぜひ参考にしてください。

    秋田犬の基本情報


    まずは、秋田犬の基本情報を見ていきましょう。

    秋田犬のスタンダードな大きさ

    秋田犬は、体高(地面から背中までの高さ)約57~70cm、体重約35〜50kgの大型犬です。

    首が太く、がっしりとした体型で、メスよりもオスのほうが大きくなる傾向があります。

    つぶらな瞳に丸みのある立ち耳、くるんと丸まったしっぽが特徴です。

    秋田犬の被毛の特徴

    秋田犬の被毛は、短毛のダブルコートが多いとされています。

    なかには、「むく毛」と呼ばれる長毛の被毛を持つ秋田犬もいます。

    秋田犬の毛色は、赤・虎・白・胡麻の4種類です。

    白以外の単色の毛色には、あごの下からお腹にかけて「裏白」と呼ばれる白色の被毛が入っているのが特徴です。

    秋田犬のかかりやすい病気と平均寿命

    秋田犬の平均寿命は10~13歳です。

    大型犬の平均寿命は約11歳なので、ほかの大型犬と比較しても平均的な寿命といえます。

    また、秋田犬は以下のような病気に注意が必要です。
    • 腸捻転
    • 眼瞼内反症(がんけんないはんしょう)
    • ブドウ膜皮膚症候群
    • 股関節形成不全
    これらの病気は早期発見・治療が重要ですが、日々の暮らしの中でリスクを軽減することもできます。

    たとえば、股関節形成不全は、遺伝的な要因もありますが、室内の滑り止め対策をすると、足腰への負担を軽減し、発症や悪化のリスクをおさえることが期待できます。

    ここでは、秋田犬を飼育するうえで、滑り止め対策に適した建材を紹介します。

    ホームタイル」(日本絨氈)
    裏面に独自の滑り止め加工が施されたタイルカーペットです。

    滑り止め加工によってフローリングにしっかりと固定され、愛犬が走り回っても滑りにくく、安定した歩行をサポートします。

    また、厚みのある衝撃吸収設計なので、愛犬のケガのリスクも軽減できます。

    秋田犬の歴史

    秋田犬は日本原産の大型犬で、秋田県で古くから猟犬や闘犬として活躍してきた歴史があります。

    もともとはマタギ犬(熊猟犬)として山岳地帯で飼育されており、勇敢で忠誠心が強い性格が培われてきました。

    1931年には国の天然記念物に指定され、日本を代表する犬種として世界的にも人気の高い犬種です。

    秋田犬の性格の特徴とは?

    秋田犬の性格の特徴とは?
    秋田犬といえば「忠犬ハチ公」をイメージする人も多いのではないでしょうか。

    実際にはイメージ通り、飼い主さんに忠実な性格が多いとされていますが、警戒心や独立心の強さが見られることもあります。

    ここからは、秋田犬の性格の特徴を詳しく解説します。

    飼い主に忠実で家族を守ろうとする

    秋田犬は日本犬らしく忠誠心が強く、信頼した相手には従順な性格です。

    心を許した人に対しては、穏やかに接することができるので、正しくしつけを行うことでよいパートナーとなるでしょう。

    自立心が強くマイペース

    秋田犬は、自立心が強い一面を見せることがあります。

    飼い主さんに「構ってほしい」と強くアピールする秋田犬は少なく、家族がいる空間でのんびりと過ごすことを好む傾向にあります。

    秋田犬の甘え方は、犬よりも気ままに甘えてくる猫に似ていると考えてよいでしょう。

    警戒心が強く番犬向きの気質

    秋田犬は警戒心が強く、番犬向きの性格です。

    そのため、見知らぬ人や犬に対して、警戒吠えをしたり攻撃的になったりする可能性があります。

    また、なにかのきっかけで突然スイッチが入り、興奮するケースもあるため、小さな子どもがいる家庭では注意が必要です。

    我慢強く賢いが頑固な一面も

    秋田犬は、飼い主さんが考えていることを理解する賢さも持ち合わせています。

    ただし、頑固な性格から、飼い主さんがうまく信頼関係を築けないと、問題行動がみられるようになることもあります。

    秋田犬を飼育するには、性格を理解した上で、正しいしつけを行うことが大切です。

    秋田犬のしつけのポイントについては、以下の「秋田犬の性格は危険?その理由と向き合い方」で解説するので、ぜひチェックしてみてください。

    柴犬とは似ている?性格や見た目の違い

    秋田犬と柴犬は、ピンと立った耳にくるんと丸まったしっぽや、従順な性格などが似ていますが、以下のような違いもあります。
    柴犬 秋田犬
    体の大きさ 体重7~11kgの中型犬 体重約35~50kgの大型犬
    顔つき 切れ長の目でシャープな印象 つぶらな瞳で顔のパーツが中心に寄っている
    性格 活発で機敏。警戒心は強いが、意外と物怖じしない犬も多い。 柴犬以上に自立心と頑固さがある。落ち着いた性格。
    毛の長さ 短毛 短毛と長毛

    秋田犬と柴犬の一番わかりやすい違いは、体の大きさといえるでしょう。

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    秋田犬の性格は危険?その理由と向き合い方

    秋田犬の性格は危険?その理由と向き合い方
    秋田犬は、飼い主さんに忠実な犬という印象がある一方で、危険といわれることもある犬種です。

    日本犬特有の頑固さや警戒心の強さは、正しく信頼関係を築けないと、思わぬトラブルになる可能性が高く、誰にでも飼いやすい犬種とはいえません。

    ここからは、秋田犬が危険といわれる理由と、正しい向き合い方について紹介します。

    秋田犬が攻撃的・凶暴といわれる理由とは?

    秋田犬が攻撃的・凶暴といわれるのには、警戒心の強さと賢さが原因と考えられます。

    秋田犬は、警戒心の強さから見知らぬ人や犬に攻撃的になることがあります。

    また、賢さゆえに信頼した相手の指示しか聞き入れないのも秋田犬の大きな特徴です。

    飼い主さんとうまく信頼関係を築けていないと、家族に対しても攻撃的になる可能性があります。

    そのため、秋田犬と暮らすには、警戒心の強さを軽減し、信頼関係を築くことが大切です。

    攻撃的になる原因と注意点

    秋田犬が攻撃的になるのは、防衛本能が高いことが原因の可能性が高いでしょう。

    たとえば、ほかの犬が吠えながら向かってきた場合、飼い主さんを守るという防衛本能から攻撃することがあります。

    秋田犬を攻撃的にさせないためには、日頃からのしつけが不可欠です。

    ほかの犬に攻撃的になる場合は、さまざまな場面で「待て」や「伏せ」などの指示を聞けるように練習しておくと、トラブルを防止できます。

    愛犬がどのような場面で攻撃的になるのかをしっかりと観察して、興奮する前に対処しましょう。

    秋田犬を家族に迎える覚悟と心構え

    秋田犬は見た目の美しさや忠誠心の強さから人気がありますが、飼育には覚悟が必要です。

    大型犬で力が強く、警戒心や自立心も強いため、うまくしつけができていないとコントロールが難しくなります。

    また、日々の運動やお手入れ、コミュニケーションなどにも時間がかかります。

    秋田犬を迎える前に、その性格や特性をしっかり理解し、「自分たちのライフスタイルと合っているか」を見極めましょう。

    オスとメスで異なる秋田犬の性格の違い

    オスとメスで異なる秋田犬の性格の違い
    秋田犬は、オスとメスで性格に違いがあるとされています。

    オスとメスの違いを詳しく見ていきましょう。

    オスに多い性格と注意点

    秋田犬のオスは、勇敢で忠誠心の強い性格が多いとされています。

    信頼した相手には従順で、家族を守ろうとする姿勢がよくみられます。

    ただし、自分が一番だと考える傾向があり、うまく信頼関係が築けないと頑固でわがままな性格に成長してしまうため、注意が必要です。

    メスに多い性格と注意点

    秋田犬のメスは、オスよりも穏やかで飼い主さんに深い愛情を示す犬が多いでしょう。

    飼い主さんのペースに合わせて歩くこともでき、しつけがしやすいのが特徴です。

    飼いやすさで選ぶならどっち?性別を選ぶポイント

    初めて秋田犬を飼育する人には、メスがおすすめです。

    メスは穏やかでしつけがしやすく、オスよりも体が大きくならないので、飼育しやすいといえます。

    日本犬らしい忠実で勇敢な性格の犬と暮らしたい人には、オスが適しています。

    オスは、根気強くしつけを行う必要があるため、愛犬と十分に向き合う時間を確保できないと、飼育は難しいでしょう。

    秋田犬の性格に合わせたしつけと暮らしのポイント

    秋田犬の性格に合わせたしつけと暮らしのポイント
    秋田犬と暮らすには、性格に合わせた環境を整えることが大切です。

    警戒心が強く、頑固な一面があることを知ったうえで、日々のお世話やしつけを行うと、秋田犬とよい関係を築きやすくなるでしょう。

    ここからは、秋田犬の性格に合わせたしつけと暮らしのポイントを5つ紹介します。

    信頼関係を築くためのしつけの基本

    秋田犬は飼い主に対して忠誠心が強いですが、自立心が強く、強制的なしつけには反発する傾向があります。

    そのため、秋田犬のしつけを行う際には、叱るよりも褒める頻度を増やすことがポイントです。

    たとえば、愛犬が来客に吠えてしまう場合、吠えたことを叱るのではなく、吠えるのをやめたときによく褒めることで、大人しくしていれば褒められると学習します。

    怒鳴る、叩くといった罰は恐怖心や不信感につながります。

    命令するのではなく、できたことを褒めるしつけで、秋田犬との信頼関係を築いていきましょう。

    警戒心をやわらげるための社会化トレーニング

    秋田犬の警戒心の強さを軽減するには、子犬の頃から社会化トレーニングを実施することが大切です。

    社会化とは、人間社会の刺激(人や犬、音、場所など)に慣れさせるトレーニングです。

    見知らぬ人や犬と触れ合ったり、さまざまな場所に行ったりすると、警戒心が強くならず、穏やかな成犬へと成長しやすいとされています。

    警戒心をやわらげるためにも、子犬の頃にさまざまな経験をさせましょう。

    秋田犬に必要な運動量の確保

    秋田犬は運動量の多い犬種です。

    そのため、散歩は1日に2回、1回30分~1時間程度を目安に行う必要があります。

    また、スタミナも多く、散歩だけでは運動量が足りない可能性があります。

    ドッグランで自由に走らせたり、おもちゃを使って遊んだりと、エネルギーを発散させる運動も取り入れましょう。

    定期的な被毛の手入れ

    秋田犬はダブルコートで、毛が密集しているため、抜け毛が比較的多くなります。

    そのため、ブラッシングは毎日することをおすすめします。

    とくに、年に2回ある換毛期には抜け毛が多くなるため、念入りなブラッシングが必要です。

    シャンプーは月に1~2回を目安に実施します。

    シャンプー後は、ドライヤーなどでしっかり乾かすと皮膚病を予防できます。

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    室内の暑さ対策

    秋田犬は、雪国で飼育されていた歴史があることから、寒さに強く、暑さに弱いとされています。

    そのため、夏は熱中症に注意が必要です。

    エアコンを活用して、室温と湿度が高くなりすぎないようにしましょう。

    秋田犬の暑さ対策におすすめのアイテムを紹介します。

    スタイルシェード」(LIXIL)
    窓から射し込む日差しをカットし、熱中症対策に効果的な日よけです。

    日差しを遮ることができるため、室内の温度をキープできます。

    使用しないときは、窓の上のボックスに収納できるので、設置や取り外しの手間がかかりません。

    秋田犬は飼い主さんに忠実でマイペースな性格

    秋田犬は飼い主さんに忠実でマイペースな性格
    秋田犬は、飼い主さんに忠実で賢い一方、警戒心が強く、頑固な一面もある犬種です。

    秋田犬の性格の特徴から、決して「誰にでも飼いやすい犬種」とはいえません。

    しかし、しっかりと性格を理解したうえで、多くの時間をかけて信頼関係を築くと、よいパートナーとなるでしょう。

    また、滑りにくい床材や暑さ対策アイテムなど、秋田犬にとって安心・快適な住まいづくりも欠かせません。

    この記事を参考に、秋田犬に向き合い、その一生に責任を持つ覚悟を持って、信頼関係を築いていきましょう。

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    この記事を書いたペットとの暮らしの専門家
    さかもとはるか
    愛玩動物飼養管理士2級、JKC 公認トリマーライセンスC級を取得。