• 公開日時:
  • 更新日時:

【専門家監修】夏のアスファルト対策7選!やけど・熱中症から愛犬を守る方法も紹介

目次
    この記事を書いた人
    舘 明奈
    動物看護師統一認定機構認定 動物看護師・ペットケアアドバイザー等多数資格保有
    (パピヨン/男の子)
    青空が広がる天気のいい日は、愛犬との散歩やお出かけが楽しみな飼い主さんも多いのではないでしょうか。

    しかし、日差しが強い夏はアスファルトの熱による肉球のやけどや熱中症など、思わぬリスクが潜んでいます。

    この記事では、認定動物看護師の資格をもつ筆者が「夏のアスファルトが犬に危険な理由」とあわせて、今日からできるアスファルト対策日々のケア方法についてわかりやすく解説します。

    夏のアスファルトが犬にとって危険な理由

    夏のアスファルトが犬にとって危険な理由
    ここでは、夏のアスファルトが犬にとって危険な理由をまとめました。

    真夏のアスファルトは高温!「やけど」に注意が必要

    環境省によると、黒いアスファルトの真夏の表面温度は60℃オーバーになることがあるといわれています。

    私たちが湯船につかるときの水温は40℃前後のため、60℃のアスファルトに裸足で歩くというのはかなり危険だということが分かります。

    アスファルトの熱が直撃するため「熱中症」のリスクも

    アスファルトからの放射熱が体感温度を上げるため、高温のアスファルトは熱中症の原因にもなります。

    とくに犬は、人間よりもアスファルトから胴体や頭までの距離が近いです。そのため、人間よりも熱を全身に感じやすいといわれています。

    また、犬は全身から汗をかくことができず、口でハアハアと呼吸をするパンティングによって体温調節をしています。そのため、熱がこもりやすく熱中症になりやすいのです。

    アスファルトによる愛犬のやけど・熱中症のサインと対処法

    アスファルトによる愛犬のやけど・熱中症のサインと対処法
    ここでは、アスファルトによって犬がやけどや熱中症になったときのサイン・対処法をそれぞれまとめました。

    やけどした場合のサインと対処法

    犬が高温のアスファルトで肉球をやけどした場合、以下のようなサインが見られます。
    • 肉球を舐める・噛むなど気にする様子が見られる
    • 歩くのを嫌がる
    • 足を引きずる
    • 肉球表面や肉球間の皮膚が赤くなる
    • 皮膚が分厚くなる
    • 皮膚がじゅくじゅくと湿ってくる
    • 水ぶくれができる
    • 肉球間の皮膚が黒ずむ

    放置すると、回復が遅くなるだけではなく感染症・慢性炎症・歩くのが困難になるなどにつながることも。

    もし愛犬が肉球をやけどしていそうだったら、まずは流水で冷やしましょう。

    冷やしたあとも不安な場合は動物病院で診てもらうことをおすすめします。

    肉球が腫れている・水ぶくれができている・色が変わっているなど状態が悪い場合は、冷やしたあとに肉球をタオルやガーゼで覆い、早めに動物病院で診てもらってください。

    〈関連記事〉
    【専門家監修】犬の肉球がくさい理由を解説!病院へ行くべき状況や日頃のお手入れ方法

    熱中症が疑われる場合のサインと対処法

    犬の熱中症が疑われるときのサインは以下の通りです。
    • 「ハアハア」と苦しそうな荒い呼吸
    • ほとんど動かずにぐったりしている
    • 寝る場所を頻繁に移動する
    • 水をガブガブ飲む
    • 冷たい床にべったりと張り付く
    • 下痢や吐き気など消化器系の症状がみられる
    • 震えや発作がある
    • 舌・歯茎の色が異常(正常時:ピンク 異常時:赤や青紫っぽい)

    熱中症は対処が遅くなると後遺症や命の危険があります。

    熱中症が疑われる場合は以下のように対処しましょう。
    1. 歩かせるのを中断し、涼しい風通しの良い場所に移動させる
    2. 水を十分に飲ませる
    3. 氷嚢や氷枕など冷やせるもので身体を冷やす(首・股関節・脇など太い血管が通っている場所を重点的に冷やすと効果的)
    冷却グッズが手元になければ、シャワーを体にかけて冷やしてあげましょう。

    また、ふるえ・発作・嘔吐・下痢・舌や歯茎の色の異常・意識消失などの症状はかなり重度の熱中症です。身体を冷やしながら直ちに動物病院へ連れていきましょう。

    〈関連記事〉
    犬の暑さ対策おすすめ5選!実は危険な“やってはいけない暑さ対策”も解説

    やけど・熱中症から愛犬を守る!アスファルト対策7選

    やけど・熱中症から愛犬を守る!アスファルト対策7選
    ここでは、やけど・熱中症から愛犬を守るためのアスファルト対策を7つまとめました。

    散歩の時間帯は早朝or夕方にする

    夏場の散歩は、涼しさがある早朝日が落ちて涼しくなった夕方以降に行くのがおすすめです。

    地域差はありますが、朝は6時台・夕方は19時以降に行くのがいいといわれています。

    また、10〜15時の間は気温が高く紫外線も強いため外に出さないようにしましょう。

    〈関連記事〉
    暑い日のお散歩は愛犬にとって危険?夏のお散歩での注意点や暑さ対策、おすすめクールアイテムをご紹介

    日陰や土・芝生のある散歩コースにする

    環境省によると、日が当たっているアスファルト上よりも日陰のアスファルト上の方が体感温度が約7℃低いといわれています。

    また、土や芝生のある場所はアスファルトほど熱を吸収しにくく、熱くなりにくいです。草むらにはマダニやノミなどが生息している場合もあるため、十分注意してください。

    他には、川沿いの散歩コースもおすすめです。河川に吹く風は比較的涼しく、猛暑日でも体感温度を下げてくれます。

    散歩中に愛犬が暑がっていたら無理せず切り上げる

    犬は人間より暑さを感じやすく、主にパンティングのみで熱を逃がすため、暑苦しさが続きやすいです。

    パンティングが「ハアハア」と荒く激しい・耳やしっぽが垂れている・元気が無さそうなどの様子が見られたら、無理せず散歩を早めに切り上げましょう。

    アスファルトが冷えているか手で確認する

    昼間の暑い時間を過ぎて涼しくなった夕方でも、アスファルトの温度には注意が必要です。

    歩いても熱くない程度に冷めているか?手で確認をしてみましょう。

    犬用のシューズや靴下を活用する

    犬用のシューズや靴下を活用する場合は以下のようなメリット・デメリットがあるため、あらかじめ確認しておきましょう。
     
    【メリット】
    • アスファルトに肉球が直接触れることがなく、やけどから守れる
    • 小石や鋭利なものが落ちていた場合のケガ防止になる
    • 足が汚れない
    【デメリット】
    • 慣れるまで時間がかかる可能性がある
    • 犬によっては、嫌で歩かなかったり噛んで脱ごうとしたりして合わない場合がある

    ここで、おすすめのドッグシューズを3つ紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

    〈おすすめドッグシューズ紹介〉
    Plus Nao ドッグシューズ
    Plus Nao ドッグシューズ

    お試しでドッグシューズを履かせるならPlus Nao ドッグシューズがおすすめです。
    使った人からは「履かせやすい」と好評です。リーズナブルなため「ドッグシューズを履いて愛犬が歩けるのか試してみたい」という場合に最適でしょう。

    アニビアワークス ドッグシューズ
    アニビアワークス ドッグシューズ

    アニビアワークス ドッグシューズは、靴底が滑り止め付きのゴムになっていて、足の甲側にはジッパーがあり犬の足の形にフィットします。

    靴を気にせず履ける子や、履物に慣れてきた子におすすめです。

    パウテクト 犬用オールシーズンブーツ
    パウテクト 犬用オールシーズンブーツ

    パウテクト 犬用オールシーズンブーツは、お手入れが簡単なシリコン製のドッグシューズです。シリコンの伸びる素材で履きやすく、履かせればフィット感があるため脱げにくいと評価されています。

    靴底には特殊な通気孔があるため、通気性がありムレにくいです。

    ドッグシューズや靴下は嫌がってストレスになる子もいるため、無理はさせないようにしましょう。

    肉球シールを使う

    履物以外にも、肉球シールというアイテムがあります。

    例えばパウウイング Grip plusのような肉球シール。
    パウウイング Grip plus
    フローリングでの転倒防止用として使われることが多いですが、シューズが苦手な子の肉球保護にもおすすめです。

    使う際は、肉球周りの毛を刈り、爪を適切な長さに切ってから使いましょう。

    また、剥がれてきて愛犬が飲み込んでしまわないか?嫌がって噛みちぎってしまわないか?などのリスクがあることも考えておいてください。

    肉球付近が肌荒れしていたり乾燥でひび割れていたりする場合は、さらに荒れる可能性があるため無理に付けないでおきましょう。

    抱っこやペットカートでの移動を組み合わせる

    子犬・シニア犬・小型犬は抱っこやカートでの移動を組み合わせるのがおすすめです。

    それぞれ理由を以下にまとめています。
    子犬 体温調節機能が未熟で熱中症のリスクが高い。
    シニア犬 体温調節機能が衰え傾向にあり、熱中症のリスクが高い。
    動きが遅くなり、熱さの感じ方も鈍感になるため熱くても気付かずやけどをしてしまうことがある。
    小型犬 アスファルトから身体の距離が近く、熱を感じやすい。

    自宅でできるアスファルト対策|愛犬にやさしい庭づくり

    自宅でできるアスファルト対策|愛犬にやさしい庭づくり
    ここでは、「人工芝」「ウッドデッキ」を活用する愛犬にやさしい庭づくりについてまとめました。

    人工芝を取り入れて熱や衝撃から愛犬を守る

    人工芝は熱を吸収しにくいため、犬が裸足で歩いてもやけどをする心配がほとんどありません。クッション性にも優れているため、犬の足腰への負担も軽減できるでしょう。

    また、夏場は外の気温が朝から高く、散歩時間を工夫してもバテてしまうことがあります。

    自宅に人工芝のスペースがあれば、夏場の散歩時間を減らしてあげながらも、家の敷地内で運動不足にならないように過ごせます。
    COOOL Turf®
    おすすめは、冷却機能付きの人工芝「COOOL Turf®です。
    雨や夜露の水分を活かして芝の熱を逃がし、表面温度を最大20℃も下げてくれる特殊な素材でできています。

    天然芝に近い素材ですが、人工芝なので雑草が生えず害虫もほとんど湧きません。夏場でも愛犬を安心して遊ばせてあげたい方におすすめです。

    ウッドデッキを活用して快適な庭づくり

    一軒家で暮らす家庭には、ウッドデッキを活用した庭づくりもおすすめです。アスファルトの熱を避けながら好きなタイミングで庭に出られるスペースを作れます。

    犬は、エアコンが効いた家の中で長く過ごすと夏バテをしやすいです。ウッドデッキがあれば、エアコンで冷えた室内にこもることなく外気に触れられるため、エアコンの冷えによる夏バテの対策にもなります。

    エバーエコ®ウッド リアル
    おすすめのウッドデッキはエバーエコ®ウッド リアルです。

    天然木のような木目柄が施されたおしゃれな人工木でできており、どんなおうちにも馴染みやすいデザインになっています。

    人工木のため、雨染みや汚れの付着もほとんどありません。愛犬が足に土を付けた状態で歩いても、ウッドデッキの上で排泄をしてしまっても、水で簡単に洗い流しやすいです。

    また、ウッドデッキとあわせてシェードを組み合わせるのもおすすめです。
    スタイルシェード
    スタイルシェードなら、上の画像のようにウッドデッキに日陰を作れます。出し入れが簡単で、収納すればコンパクトに収められるのもおすすめのポイントです。

    アスファルトから肉球を守る日常のケア方法

    アスファルトから肉球を守る日常のケア方法
    ここでは、夏の熱いアスファルトから肉球を守る日ごろからのケア方法を紹介します。

    散歩から帰ったら肉球をチェック

    赤み・ひび割れ・その他の異常はないか?散歩のあとは簡単に肉球をチェックしてあげましょう。

    目視で肉球をチェックするほかに、肉球を舐める・気にする・噛むなどの様子がないかということも見てあげてください。

    散歩後の保湿・清潔

    散歩後は目に見える汚れが付いていなくても愛犬の足をきれいにしてあげましょう。

    水を使わず、ウェットティッシュや濡らしたタオルで汚れを拭き取ってあげてもいいです。

    また、肉球クリームやジェルなどで肉球を保湿するのもおすすめです。

    森のトンネル 肉球保湿ジェル
    森のトンネル 肉球保湿ジェルのように、ジェルタイプのものはベタつきにくくて人気があります。愛犬が舐めても害がないジェルなので、安心して使えます。

    〈関連記事〉
    【専門家監修】犬の肉球がくさい理由を解説!病院へ行くべき状況や日頃のお手入れ方法

    肉球マッサージをする

    肉球マッサージは、血行促進・リラックス効果・疲労回復などの効果が期待できます。
     
    【やり方】
    1. 水で指先を少し湿らせ、肉球をやさしくなでる
    2. 肉球クリームやジェルなどをつける
    3. 両手で犬の足を持ち、クリームやジェルを塗りこみながら親指を使ってぷにぷにと軽く揉んだりグルグル円を描くように揉んだりする
    もし愛犬が嫌がるのであれば、無理にやらないようにしましょう。

    できることから少しずつ、アスファルト対策を始めよう

    夏のアスファルトには、やけどや熱中症のリスクなどさまざまな危険が潜んでいます。

    しかし、意識をして気を付けていれば被害が及ぶことはほとんどありません。

    対策をすべてやろうとするのではなく、まずはできることから始めてみてください。

    また、どれだけ気を付けていてもやけどや熱中症になってしまうことはあります。

    もし少しでもおかしいなと思ったら、なるべく早く動物病院で診てもらいましょう。
     
    この記事を書いたペットとの暮らしの専門家
    舘 明奈
    動物看護師統一認定機構認定 動物看護師・ペットケアアドバイザー等多数資格保有
    (パピヨン/男の子)