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【専門家監修】愛犬の入院中、面会はしてもよい?判断基準や注意点を解説

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    この記事を書いた人
    舘 明奈
    動物看護師統一認定機構認定 動物看護師・ペットケアアドバイザー等多数資格保有
    (パピヨン/男の子)
    愛犬の突然の入院。面会したいけれど、果たしてそれはいいことなのか...。

    面会は逆に負担になってしまうのではないか?けれど、長い間一人ぼっちだったら不安で悲しくて仕方なくなってしまうのではないか...。

    そんな葛藤の中で苦しんでいる飼い主さんは多いでしょう。

    入院中の愛犬との面会は「良い」とされるケースもあれば「良くない」とされるケースもあります。メリットデメリットを踏まえたうえで、面会をするかどうか?面会の頻度はどうするか?判断をすることが大切です。

    ここでは、元動物看護師の筆者が「入院中の愛犬との面会はしてもいいのか」「入院を経験する愛犬とどう接してあげたらいいのか」の迷いを解消するための記事をお届けします。

    入院中の面会はできる?できない?

    入院中の面会はできる?できない?

    そもそも愛犬の入院時に面会はできるのか?

    これは、病院によって異なる「ルールと考え方」があります。

    基本的に面会は可能です。しかし、感染症対策や治療の妨げを防ぐために一律NGの動物病院もあります。

    その他、面会時の時間・頻度・持ち込み物・面会に来る人数など、各動物病院でルールが異なる場合もあります。

    まずは動物病院の方針を確認しておきましょう。

    入院中の愛犬との面会によって得られるメリットと考慮すべきデメリット

    入院中の愛犬との面会によって得られるメリットと考慮すべきデメリット
    入院中に飼い主さんの顔を見て元気になる子もいれば、逆に「帰れる!」と思って混乱する子もいます。

    ここでは、愛犬との面会におけるメリット・デメリットを解説します。

    メリット

    • 愛犬の状態を直接確認できる・回復具合や気分を把握できる
    • 飼い主さんの顔を見せることで安心させられる
    • 飼い主さん・愛犬ともに精神的に安心できる
    • 入院生活のストレスを和らげる助けになる
    • 面会後に回復が早まる場合がある
    • 飼い主さんやおうちのニオイがついた毛布やクッションなどを渡して安心させられる

    面会をすることによるメリットは、愛犬・飼い主さんともに精神的な安心を得られることが大きいでしょう。

    安心してリラックスした気持ちが良い方向にはたらき、回復スピードが早くなることもあります。

    デメリット

    • 面会によって愛犬が興奮し、冷静に接するのが難しくなる場合がある
    • 愛犬が面会後に食事や水を摂らなくなることがある
    • 愛犬の状態を見て、飼い主さんがさらに不安になることがある
    • 面会に行くことで、飼い主さんが無意識に愛犬に負担をかけてしまうことがある
    • 面会が頻繁すぎると、愛犬が入院に対するネガティブな感情を持ちやすくなる
    • 面会後、愛犬が再び一人になると不安を強めてしまう場合がある

    「安心できる」というメリットがある一方で、面会が終わってまた離れ離れになる際に「分離不安」が起きてしまうこともあります。

    分離不安が起きると、そわそわして落ち着かなくなったり、食事や水を拒絶したり、吠え続けたり...。治療の進行を遅めてしまう・他の動物にストレスを与えてしまうなどの原因になりかねません。

    犬の性格や普段の生活環境によって入院中の面会はメリットにもデメリットにもなります。どちらも想定して慎重に考えることが大切です。

    面会すべきか迷ったときに考えたい「3つのポイント」

    面会すべきか迷ったときに考えたい「3つのポイント」
    「面会=必ず良い」わけでも「悪い」わけでもありません。大切なのはその子に合った選択です。

    迷ったら、一度立ち止まって以下3つのポイントを考えてみましょう。
     
    1.愛犬の性格や分離不安の有無
    2.愛犬の現在の病状や回復段階
    3.飼い主さん自身の心の状態

    1.愛犬の性格や分離不安の有無

    愛犬の性格をよく把握し「入院中に面会したら、どうなるのか?」を想像してみましょう。

    甘えん坊で飼い主さんがいないと不安になるような子や、普段からお留守番が少ない・お留守番だと分かると吠えたり鳴いたりするというような子は「分離不安」が強まる可能性があります。

    また、飼い主さんを見ると過剰に興奮する子も注意が必要です。面会時に興奮して暴れ、治療の進行の妨げになったり、思わぬ落下事故などにつながる可能性があります。

    愛犬の性格や分離不安の有無をよく考え、面会した場合にどうなるかを想像したうえで判断しましょう。

    2.愛犬の現在の病状や回復段階

    愛犬の気持ちや性格だけでなく、現実的な「病状」「回復段階」を考慮することも大切です。

    病状や回復段階は、獣医師や動物看護師に聞かないと分からないことがほとんどでしょう。術後のぐったりした状態でも、飼い主さんが声をかけてあげることで愛犬の安心につながる場合もあります。

    病状や回復段階を獣医師・動物看護師に聞いて、「面会をしてもいいか?した方がいいのか?逆に今は控えた方がいいか?」を相談してみるのがおすすめです。

    3.飼い主さん自身の心の状態

    犬たちは私たち飼い主の気持ちを敏感に感じ取ります。

    面会することで泣きそうなとき・不安が強まりそうなときなど、冷静になれなさそうなら一度立ち止まってみましょう。

    「今は会わない」という選択も、愛犬に対する愛のカタチです。

    また、「大きな心で愛犬の今の気持ちや状況を受け止められそう」「今は寂しいけれど元気になって一緒に楽しく過ごせる生活が戻って来るから大丈夫だ!」と余裕を持つことができれば、それが愛犬にも伝わります。

    飼い主さん自身の心の状態はどうか?俯瞰して見て判断してみましょう。

    それでも不安なときは?

    それでも不安なときは?
    どれだけ考えても、愛犬を想うあまり不安が押し寄せ続けることはあります。

    そんなときにやるといいことをまとめました。

    不安な気持ちをそのまま病院に相談してみる

    動物看護師や獣医師は、その子の状態・性格も含めて「面会をしていいか、しない方がいいか」一緒に考えてくれるはずです。

    「うちの子、こういう性格なのですが面会はどうでしょうか?」など聞いてみるのもいいでしょう。

    入院中の写真や動画をお願いできる場合もある

    要望を受け入れてくれるかどうかは動物病院にもよりますが、入院中の愛犬の写真や動画を送ってもらえるかお願いをしてみるのもいいでしょう。

    最近では、ペットの写真・動画を公式LINEを通して送ってくれる動物病院もあります。

    愛犬の退院後どうするか?を考えてみる

    「愛犬の退院後」つまり「愛犬が入院生活を乗り越えて元気になったあと」を考えることは、とくに飼い主さんにとってプラスの気持ちがはたらきます。

    愛犬が元気になっておうちに帰ってきたあと、今までよりさらに安心安全で快適な暮らしを送って行けるよう、おうちの環境を整えておいてあげるのがおすすめです。

    例えば、退院後のまだ完全復活ではない愛犬がほどよく安静に・そして安全に暮らせる環境づくりをしてみるのはいかがでしょうか。床材の工夫・コーティング・ケージの設置・空気清浄機の導入など、手段はさまざまです。

    以下におすすめの商品や建材をまとめました。

    ジアイーノ|次亜塩素酸空間除菌脱臭機
    【ジアイーノ|次亜塩素酸空間除菌脱臭機】
    空気中に漂う菌やニオイ、花粉やハウスダストなどを除菌・脱臭・集じんしてくれる空間除菌脱臭機です。

    お部屋の空気をまるごと洗うような空間洗浄力が期待され、多くの動物病院でも取り入れられています。

    わんにゃんスマイル畳|ペットの足腰にやさしい、防水・抗菌加工の新素材畳
    【わんにゃんスマイル畳|ペットの足腰にやさしい、防水・抗菌加工の新素材畳】
    「犬の約8割は腰に問題を抱えている」と言われるほど、室内飼いの犬たちは足腰への負担がかかりやすい生活環境にいます。

    その原因の多くは「フローリングなどの滑りやすい床」です。

    わんにゃんスマイル畳は、程よい柔らか素材の滑りにくい畳で、ペットの足腰への負担を軽減してくれます。防水素材のため、汚れや愛犬の粗末があっても掃除がしやすいのも魅力の一つです。

    その他にもさまざまな商品・建材があります。ぜひ参考にしてみてください。

    〈その他のおすすめ商品・建材〉
    LOBOFLOR(ロボフロア)ナチュラルズ|ペットの足腰にやさしい木目調のおしゃれカーペット
    ドッグライフコートプレミアム|肉球がフィットする滑り止めフロアコーティング

    〈関連記事〉
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    面会がOKな場合の注意点

    面会がOKな場合の注意点
    ここでは、入院中の愛犬との面会がOKだった場合におさえておくべきポイントをまとめました。

    動物病院ごとの「面会のルール」を確認する

    動物病院によって決められたルールがある場合はしっかり守りましょう。

    感染症防止治療進行の妨げを防ぐために、面会時間・頻度・時間帯の制限・接触の可否・抱っこOKか・一度に面会できる人数などが決められている場合があります。

    面会時のマナーと心構え

    動物病院には、愛犬以外にも他の動物がたくさんいます。

    入院中の動物や診察に来ている動物たちは、普段よりも敏感で繊細になっていることがほとんどです。以下のようにマナーをしっかり守って面会に行きましょう。
     
    【動物病院での基本的なマナー】
    • 飼い主さんの許可を取らずに他の犬や猫に触れない・しゃべりかけない
    • 大きな声や物音を立てないよう、静かに過ごす
    • 他の動物や愛犬が興奮する可能性があるため、大人数(3人以上)の来院・面会は控える
    • 入院ケージの扉の開閉はスタッフに確認をしてから行なう
    • おやつなどを勝手に与えない

    また、飼い主さんの感情は愛犬に伝わりやすいです。不安を強くさせたり興奮させたりしないように、寛容な心で冷静に面会に向かえるといいでしょう。

    面会中に見るべきチェックポイントをおさえておく

    面会の時間で愛犬の状況が把握できると、飼い主さんの不安が和らぎます。

    表情・食欲・水分は摂れているか・体調・傷跡の様子や病状など、面会時に見るポイントをあらかじめおさえておくのがおすすめです。

    また、獣医師や動物看護師に聞きたいこと・相談したいことはこの面会時に聞くといいでしょう。

    面会がNGな場合はどうする?

    面会がNGな場合はどうする?
    治療の進行具合・犬の性格・動物病院のルールなどによっては、面会がNGな場合もあります。そんなときに飼い主さんは何ができるのか?ここでは、具体的な例を3つまとめました。

    入院中の写真や動画を送ってもらえるか打診してみる

    各動物病院によりますが、入院中の愛犬の写真や動画を送ってくれる場合があります。

    実際に、公式LINEやメールでペットの写真・動画を送るサービスを導入している動物病院も増えているようです。気になる場合は一度打診してみてください。

    動物病院の都合上サービスを行なっていない場合もあるため、無理強いはしないようにしましょう。

    他の飼い主さんはどうしているのかを聞いてみる

    面会がNGだった場合、他の飼い主さんがどうしているのかを聞いて参考にしてみるといいでしょう。

    入院動物たちの興奮や分離不安、感染症の伝染などを防ぐために「面会は一律NG」にしている動物病院も珍しくありません。

    しかし「手術前後は面会OK」「術後2日以降ならOK」「退院直前ならOK」など、特別なルールが定められている場合もあります。

    「面会はNG」と言われると落胆して悲しくなる気持ちもありますが、他の飼い主さんの例を聞くことで気持ちが落ち着くこともあるため、ぜひ聞いてみてください。

    入院中の愛犬が安心できるグッズを預ける

    直接は会えなくても、愛犬が安心できる毛布・クッション・おもちゃなどを預けられないかを聞いてみるのもいいでしょう。

    犬たちは、飼い主さんのニオイやおうちのニオイを感じると安心しやすいです。また、いつもおうちで使っているおもちゃがそばにあるだけでも、孤独感が和らぐ場合があります。

    動物病院によってルールが異なるため必ず預けられるとは限りませんが、一度相談してみるといいでしょう。

    入院中・面会時の愛犬の気持ちを想像し理解してみることが大切

    入院をしている間の犬は「自分がなぜ小さい檻に入れられているのか?」「なぜ飼い主さんがそばにいないのか?」なかなか理解ができません。不安や恐怖で仕方ないというのがほとんどでしょう。

    その不安や恐怖を「飼い主さんと面会をする」ということによって和らげられる場合もあれば、反対に不安を強めてしまったり興奮させて病状が悪化したりなど逆効果な場合もあります。

    入院中の愛犬はどんな気持ちなのか?面会をしたらどんな気持ちになり、どういうことが起こるのか?冷静になって想像をしてみることで、飼い主さん自身の心も少しずつ落ち着いていきます。

    飼い主さんとワンちゃんが笑顔で退院の日を迎えられるよう、この記事が少しでも力になれば幸いです。

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    この記事を書いたペットとの暮らしの専門家
    舘 明奈
    動物看護師統一認定機構認定 動物看護師・ペットケアアドバイザー等多数資格保有
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