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暗い夜でも猫に電気は不要?猫の目の秘密やストレスをかけないポイントをご紹介

目次
    愛猫を不安にさせないため、「夜でも電気をつけっぱなしにしておいた方が良いのでは」と考える飼い主さんもいるかもしれません。日没後は飼い主さんの不在や就寝で、愛猫にかまってあげられない時間もあるため、暗い環境が余計に寂しさを感じさせてしまうような気がしますよね。

    しかし、猫には暗闇でも視力を維持できる目の特性があり、暗いお部屋でも問題なく行動できるとされています。また、電気をつけっぱなしにしておくことが、かえって愛猫のストレスになることも。

    この記事では、夜に電気がなくても問題ない理由や、猫の目の特性、ストレスをかけないポイントについて解説します。

    猫は夜に電気がなくても大丈夫!


    猫の目には夜間でも見やすくなる機能が備わっているため、暗闇の中でも問題なく活動できます。角度によって、猫の目がキラッと光るのを目にしたことがある飼い主さんも多いかと思いますが、これも猫が真夜中でもモノをみることができる仕組みの一つです。

    そのため、夜中にトイレに行ったり、水を飲んだりするのに、わざわざ電気をつけてあげなくても心配はいりません。むしろ、夜中に電気をつけっぱなしにしておくと、猫にとってストレスになることも。また、暗い時間帯がないと自然なリズムが乱れてしまう可能性もあるため、一日中電気をつけっぱなしにすることは避けるべきです。

    猫はもともと夜の暗さに慣れ親しんでいる動物です。そんな彼らにとって、必要以上に明るい環境はかえって負担になることがあります。だからこそ、夜は自然な暗さを保ち、愛猫にとって快適な空間を作ってあげることが大切です。

    帰りが遅くなる留守番でも電気はつけなくて大丈夫

    愛猫をお留守番をさせる際、帰宅が遅くなる場合でも、電気をつけっぱなしにしておく必要はありません。むしろ、薄暗い方が落ち着いて過ごせることが多いようです。

    ただし、環境や性格によっては、お留守番時に灯りや音があった方が安心する猫もいますので、そういった場合には電気やテレビをつけておくのも一つの方法です。例えば、普段からお留守番時に電気をつけっぱなしているのであれば、急に電気を消してしまうと不安になってしまうことも考えられます。

    また、コンセントに差すタイプの照明を使用する場合は、お留守番の退屈しのぎから猫がコードにいたずらしたり、倒してケガをしないか注意が必要です。どうしてもお留守番時に電気をつけておきたい場合は、天井に備え付けてある照明を使用するようにしましょう。

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    暗闇が得意ゆえに夜に活発になることも

    猫は暗闇に対する適応力が高いため、暗い時間帯に特に活発になることがあります。真夜中や明け方に眠っている間、愛猫の奔放な行動に悩んでいる飼い主さんも多いことでしょう。

    これは野生時代の名残で、この時間帯に狩りをしていたことに由来します。日中にたっぷりと眠り、エネルギーを蓄えていることも一因です。機能的な目を持っているため、真っ暗なお部屋の中でも壁や物にぶつからずに走り回れるのです。

    夜中や明け方に暴れ回るのも猫の可愛らしい一面ではあるものの、飼い主さんの睡眠が妨げられてしまっては日常に支障をきたしかねません。以下の記事では、猫が明け方に暴れる理由や対処法をご紹介していますので、参考にしてみてください。

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    猫には暗くても見える特性がある


    暗闇でも十分に見える特性は、猫が持つ特殊な視細胞「桿状体(かんじょうたい)」によるものとされています。桿状体が多いと、わずかな光でも敏感に反応し、暗い環境でもモノクロ写真のようにモノを見ることができます。猫の目には、人間の2倍以上、犬の1.5倍以上の桿状体があるとされ、星明かり程度の明るさでも視力を維持できるのです。

    また、猫の瞳孔は光の強さに応じて大きく変化します。暗い場所では瞳孔が大きく開き、少しの光でも最大限に取り入れられます。反対に、明るい場所では瞳孔が針のように細くなり、過剰な光が入らないよう調整します。これにより、暗闇でも効率的に物を見分けているのです。

    さらに、猫の網膜には「タペタム」という反射層があり、吸収されなかった光を再び反射して視細胞に届ける役割を果たすとされます。このタペタムのおかげで、猫は暗闇での視力をさらに向上させています。猫は、このような特性を活かして、夜間でも快適に活動することができるのです。

    猫の視力自体は悪い

    猫には暗闇でもよく見える特性がありますが、その一方で視力自体はあまり良くありません。猫の視力は人間の約10分の1程度で、0.1〜0.2ほどと言われています。遠くの物をはっきりと認識することが難しく、静止している物はぼやけて見えているようです。

    しかし、猫は動体視力に非常に優れています。わずかな動きでも敏感に察知し、素早い動きを見分けることが得意です。狩りや遊びの際には、その能力を最大限に活かします。

    また、猫の目は色覚も異なり、赤色を認識することができません。主に緑色や青色を識別できますが、人間とは異なる世界を見ているのです。それでも、猫はその特有の視覚特性を活かして、快適に生活しています。

    猫が見えている世界

    猫が暗闇で見えている世界について、アメリカのアーティストであるニコライ・ラムが視覚的に示した結果があります。ラムは、動物の視覚に関する専門家たちと協力し、猫の目を通して見た世界を再現しました。

    以下のイメージ写真は、ラムが仮説に基づいて作成したものです。


    画像:BUSINESS INSIDER

    猫の目は、暗い場所でもわずかな光を活用して物を見ることができるため、猫にとって夜の世界は明るく感じられるのです。こうして見てみると、真っ暗な部屋でも、猫にとっては電気が不要であることが納得できます。

    自然光のリズムを崩さないことが大切


    人間と暮らす多くの猫は、私たちと同じ生活リズムを持つようになっており、朝に起きて夜に寝るという習慣がついています。そのため、夜寝るときには電気を消して、快適な眠りの環境を整えてあげることが大切です。もしこのリズムが乱れると、ストレスが増し、健康にも悪影響を及ぼすことがあります。

    例えば、夜間に電気をつけっぱなしにしておくと、昼間と夜の区別がつきにくくなります。自然な睡眠サイクルが崩れ、結果として猫の行動や健康に悪影響を与えることもあるかもしれません。また、人工的な光は猫の目にとって負担が大きく、長時間さらされるとストレスとなる可能性があります。

    日中は日の光を取り入れ、夜間は自然な暗さを保つことで、猫の生理的なリズムを保てます。昼間はカーテンを開けて太陽の光を取り入れ、夜間は電気を消して静かな環境を作ることが大切です。

    愛猫にとってストレスフリーな照明環境


    夜に電気をつけておくと、猫にとってストレスになることがあります。自然光のリズムを崩さないためにも、夜は電気を消す方が良いと言えます。夜間にスマホを使用する場合や、ご家庭に蛍光灯の電気がある場合は特に注意が必要です。

    夜にスマホのライトを当てるのは避けよう

    夜にスマホのライトを猫の目に直接当てるのは避けましょう。猫の目は暗闇に適応しているため、強い光を苦手とします。特に、スマホのライトやフラッシュは猫にとって非常に眩しく感じることがあり、不快感を与えてしまうことがあります。日中でもフラッシュを使った写真撮影は避け、自然な光の中で撮影することを心がけましょう。

    強い光にさらされると、猫はストレスを感じるだけでなく、目に負担がかかることもあります。愛猫の健康と快適な生活環境を守るために、特に夜間はできるだけ強い光を避け、穏やかな環境を保つよう心がけてください。

    猫の目には蛍光灯よりLEDの方が良い

    猫は非常に優れた動体視力を持っており、わずかに動いているものでも敏感に察知できます。そのため、人間には見えない蛍光灯の細かい点滅が、猫にはチカチカと不快に見えることがあるのです。これが原因で猫は落ち着かず、ストレスを感じることがあるとされます。

    一方、LEDの光は蛍光灯と比べて点滅が少なく、安定した光源です。猫にとってはこの安定した光の方が目に優しく、ストレスの軽減につながると言えます。実際に蛍光灯からLEDに変えることで、猫の行動やリラックス度が改善されることもあるでしょう。ただし、照明器具ごと交換する必要がある場合もあるため、取り替える際は十分に注意してください。

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    猫がいるお部屋にあると良い電化製品


    外が暗くなる夜間、猫がいるお部屋に照明は必要ないものの、つけっぱなしにしておいた方が良い電化製品もあります。特にお留守番をさせる際には、愛猫の安全を考え、以下のものを準備しておきましょう。

    エアコンや加湿器

    暑い夏や寒い冬には、室温と湿度の調整が大切です。エアコンは、猫が熱中症や寒さから守られるために欠かせないアイテムの一つ。夏場は室内が暑くなりすぎないよう適切に保ち、快適な温度で過ごせるようにしましょう。冬場は部屋を適度に暖め、寒さを感じさせない環境をつくることが大切です。

    また、加湿器は乾燥しがちな冬に、特に重要です。乾燥が進むと猫の肌がかゆくなったり、呼吸器に負担がかかることがありますので、加湿器を使って快適な湿度を維持しましょう。

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    ペットカメラ

    ペットカメラがあれば、留守中でも愛猫の様子をリアルタイムで確認できるので、元気にしているか気になる時や、何か問題が起きた時にもすぐに対処できます。ペットカメラには暗闇でも撮影可能な赤外線機能が備わっているものや、給餌器とセットになっているものもあります。

    さらに、飼い主さんがスマホから話しかけられるカメラもあり、愛猫に声を聞かせて安心させることもできます。特に、長時間のお留守番が多い家庭では、ペットカメラを活用することで、飼い主さんも安心して過ごせるでしょう。設置も簡単で、家族全員が安心できる環境を整えるのに役立ちます。

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    給水機や給餌器

    給餌器は、決まった時間に愛猫にご飯を食べさせてあげられる便利なアイテムです。一定量のフードが自動で出てくるため、飼い主さんが日中不在にしている日でも、愛猫が食べ過ぎたりお腹を空かせたりすることがないようサポートできます。

    給水機は、常に新鮮な水を供給してくれるので、愛猫がいつでも清潔な水を飲める環境を整えます。特に水をあまり飲まない猫には、流れる水が魅力的に見えることが多いため、給水機が役立つでしょう。

    愛猫の生活リズムを守ろう

    暗い夜でも、猫にとっては電気がなくても問題なく過ごせます。猫の目には暗闇でも視力を保てる特性があり、窓から差し込む月明かり程度の明るさでも十分見えていることが知られています。

    また、自然光のリズムを崩さないことで、愛猫の生活リズムを整え、睡眠の質を上げることにもつながります。そのため、夜には電気をつけっぱなしにしない方が良いと言えるでしょう。

    夜は自然な暗さを保ち、人工的な光を減らすことで愛猫にストレスを与えず、リラックスした環境を作ることができます。愛猫の大切な目と、生活リズムを守ることで、健康で幸せな毎日をサポートしましょう。
     

    この記事を書いたペットとの暮らしの専門家

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