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愛犬が、床を一生懸命に舐めている姿を目にしたことはありませんか?
何か理由があるのではないかと、不安になりますよね。
掃除の手間や衛生面を考えると、やめさせたいと思っている飼い主さんも多いと思います。
しかし、床を舐めるのをやめて欲しくても、理由が分からないと対処が難しいでしょう。
そもそも犬が床を舐めるのは、どんなときなのでしょうか?
また、床を舐めることで犬にはどんな影響があるのでしょうか?
今回は、犬が床を舐める理由と対策について、わかりやすく解説します。
愛犬が床を舐めて困っている飼い主さんは、ぜひ参考にしてください。
犬が床を舐めるのはどんなとき?
犬が床を舐める理由についてはいくつか考えられるため、まずは愛犬がどれに当てはまるのかを見極めることが大切です。
ここでは、考えられる4つの理由をご紹介します。
食べ物の匂いがする
犬は、嗅覚が非常に発達している動物です。
そのため、一見何もないように見えても、床に残った食べ物の匂いを敏感に感じ取ることができるのです。
特に、甘いものや肉の匂いには、犬は興味を示します。
床を舐めることで、犬は食べ物の匂いを確かめたり、少しでも味わおうとしたりします。
犬にとって、床は食べ物の宝庫なのかもしれません。
ストレスや退屈
犬は、社会性が高く、遊びが大好きな動物です。
そのため、人間や他の犬とのコミュニケーションや運動が不足すると、ストレスや退屈を感じてしまいます。
床を舐めることは、犬にとって自己満足や安心感を得る方法の一つでもあります。
自分の匂いを床につけたり、口の中の感覚を楽しんだり、時間をつぶしたりすることがあるのです。
忙しくて愛犬とのコミュニケーションが不足気味だったり、お散歩に連れて行ってあげられない日が続いている場合は、ストレスや退屈の解消法として床を舐めているのかもしれません。
胃の不快感
犬は、胃の不快感を感じると、床を舐めることがあります。
床を舐めることで、犬は胃の不快感を和らげようとするのです。
胃の不快感の原因は、食べ過ぎや食べ物のアレルギー、胃炎や胃潰瘍など、さまざまな要因が考えられます。
床を舐めることで、胃液の分泌を促したり、胃の内容物を吐き出したりしようとしているのかもしれません。
病気や障害
犬が床を舐めるのは、病気や障害のサインの可能性もあります。
歯や口腔の病気、消化器系の病気、神経系の病気、アレルギーなどの症状の一つとして、床を舐めることがあります。
床を舐めることで、犬は痛みや不快感を和らげようとします。
歯や口腔の清潔を保ったり、胃腸の動きを促したり、神経の刺激を受けたり、アレルギーの原因物質を除去しようとするのです。
病気や障害が疑わしい場合は、床を舐めるとき以外にも、愛犬の様子をよく観察しましょう。
犬が床を舐めることで起こる問題とは?
犬が床を舐めることは、犬にとって何らかの意味がある行動ですが、それが必ずしも良いこととは限りません。
床を舐めることで、犬には以下のような問題が起こる可能性があります。
床に含まれる有害物質の摂取
床には、掃除用品や虫除け剤などの犬にとって有害な化学物質が残っていることがあります。
これらの物質を舐めることで、犬は中毒症状を起こすことがあり、嘔吐や下痢、食欲不振、けいれん、昏睡などの症状が現れることがあります。
床に含まれる有害物質は、犬の健康を脅かすものなのです。
細菌や寄生虫の感染
床には、人間や他の動物が持ち込んだ細菌や寄生虫が付着していることがあります。
これらの微生物を舐めることで、愛犬が感染症になる可能性もゼロではありません。
床に付着した細菌や寄生虫は、犬の病気の元凶ともいえます。
たとえば、皮膚炎や腸炎、腎臓病、心臓病などの病気にかかることがあります。
犬の免疫力や健康状態によっては、重症化することもありますので、注意したいところです。
アレルギーの発症
床には、花粉やダニなどが付着しているかもしれません。
床の中でも、特にカーペットや畳など、微粒子が絡みつきやすい素材のものは注意が必要です。
床を舐めることで花粉やダニを摂取してしまうと、犬にとってアレルギーの原因となることもあります。
かゆみや皮膚の赤み、鼻水やくしゃみ、呼吸困難などの症状が現れることがあります。
重症の場合は、アナフィラキシーショックという命に関わる状態になることも。
床に付着した花粉やダニは、犬のアレルギーの誘因なのです。
異物の誤飲
床には、針やねじなどの小さな異物が落ちていることがあります。
特に、小さな子どものいる家庭では、おもちゃや文房具などの危険な物が散らばってしまうことも多いでしょう。
犬が床を舐めることによってこれらの物質を誤って飲み込んでしまうと、異物の誤飲を起こします。
それにより喉や食道が傷つくと、犬は呼吸困難や出血、感染などの危険にさらされるリスクが高まってしまいます。
胃や腸に入った場合は、胃や腸の穿孔や腸閉塞などの重大な合併症を引き起こすことがあります。
床に落ちた異物は、犬の命をも脅かしかねません。
犬が床を舐めるのをやめさせる方法とは?
愛犬が床を舐めることで起こるさまざまな問題を防ぐためには、床を舐めるのをやめることが不可欠です。
ここでは、犬が床を舐めるのをやめさせる方法を5つ紹介します。
床を清潔に保つ
犬が床を舐める理由の一つは、床から食べ物のニオイがすることです。
床に残った食べ物のニオイやホコリを取り除くことで、犬が床を舐めるのを防ぐことができます。
また、犬にとって有害な成分を含まない掃除用品を使うことも大切です。
床に落ちた異物はすぐに拾うことも忘れずにしましょう。
床を清潔に保つことで、犬が床を舐める要因の一つに対処することができる上に、誤飲のリスクも低減させられます。
ナチュラル重曹消臭スプレーやペットの消臭・除菌スプレーなど、愛犬が舐めても害のないものを選びましょう。
愛犬に適したフードを与える
犬が床を舐める理由が、胃の不快感を感じることによる場合、フードを見直してみることも効果的です。
愛犬に適したフードを与えることで、栄養バランスや消化機能を保つことができ、胃の調子を整えられます。
愛犬の年齢や体重、活動量、健康状態などに合わせることが大切です。
フードを選ぶときは、獣医やペットショップのスタッフに相談することも有効でしょう。
また、食事の時間や量も適切に調整することも重要です。
愛犬に適したフードを与えることで愛犬の健康をサポートでき、床を舐めるのをやめさせられるかもしれません。
十分な運動や遊び、愛情を与える
十分な運動や遊び、愛情を与えることも大切です。
これらは、愛犬のストレスや退屈の解消につながります。
愛犬の反応や様子を観察し、楽しそうに遊んだり、甘えたり、リラックスしたりしているかどうかを見てあげましょう。
愛犬がストレスや退屈を感じていることが要因で床を舐めている場合、これらを行うことで、徐々にやめさせることができるでしょう。
愛犬の健康状態をチェックする
犬が床を舐める行為は、病気や障害のサインの場合もあります。
愛犬の健康状態をチェックすることで、犬の病気や障害の早期発見や予防、治療を行いましょう。
犬の体重や体温、食欲や水分摂取量、便や尿の状態、歯や口腔の状態などを定期的に確認してください。
ワクチンやフィラリア予防などを定期的に行うことも大切です。
しつけ用のスプレーを使う
犬が床を舐めるのをやめさせるために、しつけ用のスプレーを使う方法もあります。
しつけ用のスプレーは、犬にとって不快なニオイや味のするスプレーです。
愛犬が舐めている部分にしつけ用のスプレーを噴射すると、床を舐めるのを嫌がるようになります。
ただし、犬にとって有害な成分を含まないものを選ぶことにも注意しましょう。
たとえば「ちゃんとしつけ剤」は、体内に入れても害のない安心な成分で作られたトレーニング剤です。
人間には感じられない程度の犬が好まないニオイがするため、床を舐める対策にもおすすめです。
動物病院に相談する
犬が床を舐めるのは、犬にとって何らかの意味がある行動です。
そのため、犬が床を舐める理由を特定し、適切な対処法を施すことが大切となります。
動物病院では、犬の病気や障害の診断と適切な治療を行ったり、アドバイスをくれたりします。
自分だけでは、愛犬が床を舐める原因が特定できない場合、動物病院で健康診断を受けてみましょう。
病気や障害のサインである可能性も考えると、早めに動物病院に相談することで、早期治療など、対処できることが増えるでしょう。
犬が床を舐める理由と対策を知って、愛犬の健康と幸せを守ろう!
床を舐めている理由を直接聞いてあげることができないため、愛犬の気持ちや健康状態を正確に把握することは簡単なことではありません。
しかし、床を舐める原因や問題についての予備知識を持っておくことで、適切な対応をとってあげることができるかもしれません。
また、床や畳、カーペットなどを舐めたりするだけでなく、かじったり食べたりするようになってしまうとさらに危険です。
その場合の対処法について詳しく知りたい方は、こちらの記事もおすすめです。
犬が畳を食べたり掘ったりするのはなぜ?犬と畳のトラブルを防ぐために知っておきたいこと
愛犬が床を舐めるのをやめさせることで、犬の健康と幸せを守ることにもつながります。
床を舐める理由と対策を知って、愛犬のためにできることをしましょう。
この記事を書いたペットとの暮らしの専門家