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愛犬の専用部屋は必要?用意した方が良い場合と部屋作りのポイント

目次
    引っ越し等で家が広くなる、あるいは多頭飼いになるタイミング等で「人間も犬もより暮らしやすくするにはどうすればよいか」と考える飼い主さんもいるかもしれません。
    犬の室内飼いが多数派となっている現代、自宅に愛犬専用の部屋を設けるという選択肢を検討する飼い主さんも増えてきています。

    今回は、愛犬専用の部屋を作ることのメリットとデメリットに触れながら、実際に部屋作りをする際に注意したいポイントを紹介していきます。

    愛犬の専用部屋を作るメリット

    それではまずは、愛犬の専用部屋を作ることで得られるメリットから見ていきましょう。
    大きく分けて以下の2点が挙げられます。

    人間も犬もそれぞれのプライベート空間を確保できる


    愛犬の部屋を設けることで、飼い主さんと愛犬の棲み分けが可能になります。

    まずは飼い主さんの視点から考えてみましょう。

    近年はリモートワークも定着し、自宅で仕事をする飼い主さんも増えてきています。
    自宅で仕事ができれば、愛犬のお世話もしやすくなる一方で、オンライン会議中に愛犬の鳴き声が入ってしまったり、大事な資料作成などの際に愛犬の様子が気になったりして、なかなか集中できない、といった場面も出てきてしまいがちです。

    また、普段から来客の多い家庭の場合は、インターホンの音やお客さまが自宅に入るたびに愛犬が吠えてしまってなだめるのが大変、といったことも出てくるでしょう。

    このような場合に、飼い主さんが過ごす部屋と犬が過ごす部屋、もしくは犬と飼い主が一緒に過ごす部屋を作ることで、飼い主さんのプライベートがしっかり確保できます。

    次に犬の視点から見てみます。

    犬は縄張り意識を持って生活しているので、普段からそれを守ろうと行動しています。
    愛犬にとって家全体を「自分の縄張り」と認識させてしまうと、守備範囲が広くなり、来客への警戒心や威嚇が強く働いてしまう場合があります。
    そこで、愛犬のための部屋を用意してあげることにより「自分が守るべきはこの部屋だ」と縄張りエリアを限定させることができるのです。愛犬が不安や警戒を感じたときの避難場所にもなるので、愛犬が安心して過ごせる場所としても役立ちます。

    このようなことから、愛犬専用の部屋を設けることで、飼い主と愛犬それぞれの生活リズムを確保することができると考えられます。

    掃除や安全面の管理がしやすい


    画像引用:みんなのブリーダー

    次に挙げられるメリットは主に飼い主さん目線からになりますが、家の中の管理がしやすくなるということ。

    犬との暮らしにつきものなのが、抜け毛や粗相、食べこぼしなどの掃除ですよね。犬種によっては季節の変わり目の抜け毛は特に多いので、毎日の掃除機がけ、コロコロは必須!という方も多いのではないでしょうか。

    また、特に子犬の頃は、ドッグフードをふやかしてあげたりすることで、食べこぼしが床にべとついてしまう、トイレがうまくできない、といったシーンも日常茶飯事。

    そこで、愛犬が過ごす部屋が決まっていることで、ある程度汚れの範囲が限定されるため、日々の掃除が楽になる、という点は大きなメリットと言えるでしょう。

    人間にとっては当たり前に置いている家具やインテリア、日用雑貨が、誤飲や感電、落下によるケガなどにつながってしまうこともあるので、専用の部屋があることで、愛犬の安全管理もしやすくなると言えます。

    愛犬の専用部屋を作るデメリット

    では逆に、愛犬専用の部屋を作ることで起こりうるデメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。

    飼い主とのスキンシップの時間が限られる

    「常に同じ空間にいる」ということがなくなるので愛犬と「何気ない日常を一緒に過ごす」という機会が少なくなってしまいます。

    一緒に過ごす時間の管理が飼い主側に限定されるため、愛犬が飼い主と遊びたいときにおもちゃを持ってきたり、甘えたいときにすり寄ったりといった可愛らしい一面が見られなくなってしまうことも。
    添い寝をしたり、一緒におやつを食べたりといった「家族」らしい過ごし方がしづらくなってしまうのはデメリットと言えるでしょう。

    愛犬が寂しさ・ストレスを感じる場合も

    前項とも関連しますが、愛犬が専用部屋を「家族と切り離された空間」「ひとりになる場所」と認識してしまうと、寂しさから部屋に入るのを抵抗したり、部屋の中で遠吠えのような鳴き声をあげたりすることがあります。

    ストレスが溜まると毛を抜いてしまうなどの自傷行為が出てきたり、病気になりやすかったりするので、愛犬の性格や心の状態にしっかり心を配ることが大切です。
    飼い主さんの仕事中・家事の時間以外は同じ部屋で過ごすなど、愛犬用の部屋の使い方にめりはりをつけると良いでしょう。

    愛犬の専用部屋を用意した方が良いケース

    愛犬専用の部屋を作ることにはメリットとデメリットがあることがわかりました。
    その子の性格や家庭環境を鑑みて、どちらを優先すべきなのか、デメリットをどのようにカバーするのかを考えることが大切です。

    そのうえで「このような家庭の場合は愛犬用の部屋があると安心」という具体的な例を紹介していきます。

    幼児と暮らしている場合


    画像引用:MY COOP Style!

    まずは、ご自宅に小さな子ども、特に赤ちゃんが暮らしている場合です。

    というのも、赤ちゃんは産まれてしばらくは免疫機能が十分でなく、愛犬の毛やよだれ、食べこぼしなどの汚れに敏感、というのが理由の一つ。
    また、犬が先住で後から赤ちゃんが産まれた場合は、赤ちゃんに対して嫉妬心を覚えることもあります。
    それが原因で吠えや無駄噛み、粗相などの行動を起こすこともあるので、赤ちゃんが産まれた後も愛犬とのスキンシップの時間を十分に設けてあげましょう。

    犬も大切な家族の一員です。赤ちゃんを見せてあげながら「新しい家族だよ」「仲良くしようね」とコミュニケーションをとり、積極的に愛情を伝えてあげてください。

    自宅と仕事場が同じ場合や来客が多い場合


    画像引用:TOKYO DOGS

    次に飼い主さんのライフスタイルの観点から考えてみましょう。

    リビング等、飼い主さんが主に過ごすスペースを仕事場としている場合は、愛犬用の部屋があると安心です。

    前述の通り、会議や来客の度に、愛犬が吠えなどの行動を起こしてしまうと、その度に謝ったり、愛犬をなだめたりと、飼い主さんも疲弊してしまいます。
    愛犬も常に緊張感を持って生活することになるので、自宅が「安心できる場所」にならず、ストレスを抱えやすくなります。

    飼い主・愛犬それぞれの心の安定のためにも「仕事中は別々に過ごす」「休憩や仕事終わりは一緒に過ごす」とメリハリある生活にできると良いですね。

    愛犬の専用部屋を作る際のポイント

    それではここからは、実際に愛犬専用の部屋を作る際、愛犬にとって快適な専用部屋を作るために飼い主さんにどのような工夫ができるのか、ポイントに絞ってご紹介していきます。

    理想の広さは寝床とトイレスペース+α程度でOK

    そもそも、犬用の部屋はどのくらいのスペースを確保すれば良いのでしょうか?
    具体的な広さは犬種・大きさによっても変わってきますが「広ければ広いほど良い」というわけではありません。

    犬用のベッドとして”かまくら”のようなドーム型のものを目にすることも多いかもしれませんが、本来あなぐらを寝床としていた犬は、すっぽりと収まることのできる空間を好む傾向があります。

    必要以上の広さの部屋はかえって落ち着かないので、基本的にはベッドなどの寝床とトイレ、それに加え、食事をしたり、おもちゃでじゃれたり、横になれるスペースがあればOKです。

    配線や倒れやすい家具などに注意する

    愛犬の安全面の配慮も大切です。

    電気コードや配線は、退屈した愛犬が嚙んでしまう危険があるので、配線カバーを使用するなど、なるべく愛犬の目につかないようにすると安心です。

    犬が過ごす部屋なので、たくさんの家具や、大切なインテリア・小物を置くことは少ないかもしれませんが、思わぬ事故を防止するためにも、倒れやすい家具がある場合は固定する、誤飲する可能性がある小さめのインテリアは別の場所に置くなど、愛犬の危険になりそうなものがないかチェックするよう心がけましょう。

    できるだけ家族が集まる部屋の近くに

    部屋の配置の都合もあるので、必ずしもということではありませんが、可能であれば、愛犬用の部屋は家族が集まるリビングに隣接・もしくは近くの部屋に用意してあげると良いでしょう。

    そうすることで、飼い主さんも愛犬の様子をすぐに確認できますし、愛犬も常に飼い主さんの気配を感じることができ、安心して過ごすことができます。

    また、愛犬の部屋を用意して数日は、長時間そこでひとりで過ごさせることはせず、扉を開けて、自由に行き来できる状態にさせてあげましょう。
    その期間中に、飼い主さんが愛犬の部屋で一緒に遊ぶ、おやつやごはんをあげるなどすることで、その部屋が愛犬にとって「好きなこと・楽しいことが行われる場所」と認識し、その部屋で過ごすことをポジティブに受け入れてくれるようになります。

    愛犬専用部屋のドアにペットの覗き穴を付けるという選択肢もおすすめです。
    ドアの間にアクリル板挟んだ覗き穴は、犬の出入り自体はできないものの、愛犬が室外の様子を見ることができるため「閉じ込められている感」のストレスの軽減にも効果的です。

    詳しくはこちらの記事もチェック!▶ペットドアのメリット・デメリットとは?覗き穴をつけた新しい発想のドアにも注目!

    風通しや温度管理ができるように

    近年の夏は、人間も簡単に体調を崩してしまうほどの猛暑ですし、冬も地域や住まいによっては家の中でも寒さ対策が必須な場合もありますよね。

    愛犬の部屋は、温度・湿度の管理ができることもポイントになります。室内にはエアコンを設置して、なるべく気温・湿度の変化が大きくならないように注意してあげましょう。
    特に小型犬や身体に毛がない犬種の場合は寒さに弱いので、冬場はブランケットや毛布を用意し、寝床には犬用の湯たんぽなどを入れるなどの工夫をすると尚◎です。

    また、外の風や日光を感じることは健康管理の上で大切です。できれば窓がある部屋を用意してあげて、網戸などを活用して外の空気に触れられるようにすると良いでしょう。
    窓があると換気の面でも効果的ですよ。

    詳しくはこちらの記事もチェック!▶高い断熱性能で快適な室内空間を実現-プラマードU-

    愛犬が歩きやすくお手入れが簡単な床にする

    一般的なフローリングは、犬にとっては滑りやすく、関節に負担がかかりやすくなるというデメリットがあります。

    愛犬用の部屋の床は、滑り止めのコーティングを施したり、フローリングの上から設置できるマットなどを敷いてあげることで、そのような懸念を解消できます。
    フロアマットは、弾力があり、防水加工も施されているベビー用品なども活用できるので、ホームセンターやインターネットで探してみることをおすすめします。

    詳しくはこちらの記事もチェック!▶ペットに優しいおすすめの床材とは?床の近くで過ごす愛犬・愛猫にとっての「快適」を考えよう!

    防音グッズをができるとなお◎

    犬種や愛犬の性格によっては、外の音や人通り、インターホンの音などに敏感で、一度吠え出すと大変ということもあるかもしれません。
    これまでご紹介したポイントに加え、更に工夫を凝らした部屋作りができるのであれば、防音対策についても考えてみましょう。

    「防音」と聞くと「防音扉?」と大がかりな工事が頭に浮かぶ方も多いかもしれませんが、壁や天井などに後付けで設置できる吸音マットなどで手軽に対策することができます。
    部屋のイメージを大きく変えないデザインのものも販売されているので、参考にしてみてください。

    詳しくはこちらの記事もチェック!▶愛犬・愛猫の鳴き声対策はどうしてる?ペットにやさしい騒音対策をご紹介!

    愛犬専用の部屋は「飼い主さんと犬がお互いに快適に暮らす」ための選択肢

    犬も家族の一員ですので、コミュニケーションの時間がとっても大切。
    あくまでも「お互いが快適に過ごすこと」を目的とし、ご紹介したポイントを参考にしていただきながら愛犬が心地よく過ごせる部屋作りをしてみてはいかがでしょうか。

     

    この記事を書いたペットとの暮らしの専門家

    AMILIE 愛犬・愛猫家とくらす住まいの専門家

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