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愛犬との暮らし、夜は電気を消す?睡眠環境のポイントや夜でも不安にさせない工夫を解説

目次
    私たちが寝るときは電気を消して暗くするのが一般的ですが、「愛犬が寝るときは電気を消してもいいの?」と疑問に思う方もいることでしょう。

    犬は本来、夜行性の動物で、昼間は狭くて暗い場所で眠る習慣がありました。しかし、人と暮らすことで、朝に起きて夜に寝るという生活リズムに変わってきています。

    この記事では、愛犬との暮らしで夜に電気を消しても良いのか、快適に眠れる環境づくりのポイントや暗い夜でも不安にさせない工夫についてご紹介します。

    愛犬が寝るときは電気を消した方が良い


    愛犬が寝るときには、お部屋の電気を消してあげるのが良いでしょう。犬も人間と同じように、夜には暗い環境で眠ることで、質の良い睡眠を得られます。

    人間の場合、明るい光にさらされると「メラトニン」という睡眠を促すホルモンの分泌が抑制され、眠りにくくなることが知られています。同様に、犬も暗い環境で眠ることで自然に深い眠りに入れるとされているのです。

    また、昼間は明るく、夜は暗くすることで、犬の体内時計がリセットされやすくなるとも言われています。朝の光を浴びることで活動的になり、夜の暗さが眠りを誘うという自然のリズムを作り出すのです。

    人間と暮らす多くの犬は、私たちと同じ生活リズムを持つようになっており、朝に起きて夜に寝るという習慣がついています。そのため、夜寝るときには電気を消して、快適な眠りの環境を整えてあげることが大切です。

    飼い主さんが夜更かしをする場合でも、愛犬が十分な睡眠を取れるように工夫してあげることが必要です。愛犬がリラックスして安眠できるように、夜には静かで暗い場所を用意してあげましょう。

    犬の眠りは浅い「レム睡眠」が中心

    犬の眠りは、主に「レム睡眠」という浅い睡眠が中心です。犬の一日の睡眠時間のうち、およそ80%がレム睡眠で占められているとされます。ちなみに、人間は犬と真逆で、深い眠りのノンレム睡眠が睡眠時間全体の80%を占めているそうです。

    しかし、レム睡眠だけでは体力の回復が十分にできません。そのため、犬は短い周期で浅い眠りと深い眠りを繰り返しながら、一日の中で何度も寝たり起きたりを繰り返します。必要な休息を取りつつ、体と脳をリフレッシュさせているのです。

    そのため、愛犬が健康的な睡眠を取るためには、この自然なリズムを尊重し、快適な環境を整えてあげることが大切です。たとえば夜に電気を付けっぱなしにしてしまうと、愛犬の眠りを妨げてしまうこともあるかもしれません。

    愛犬が快適に眠れる環境とは?


    愛犬が快適に眠れるようにするには、明るさ以外にも、以下のような環境を整えてあげることが大切です。それぞれ詳しく見ていきましょう。

    広すぎず薄暗い

    犬はもともと狭く薄暗い巣穴で過ごしていたため、現在でも広い場所よりも狭く薄暗い場所を好む傾向があります。無防備になる睡眠中には、特に安心できる場所が必要で、狭い空間がその役割を果たすのです。

    また、広すぎる場所はテリトリーを守ろうとする本能を刺激し、緊張状態が続くことがあります。そのため、クレートなどの狭く囲まれた場所を用意してあげると、愛犬がよりリラックスした状態で眠ることができるでしょう。

    ただし、狭すぎるとストレスにつながることもあります。クレートを寝床とする場合は、愛犬が中で一周回れる程度の大きさを目安に、成長に合わせて買い替えてあげると良いでしょう。

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    家族の気配を感じられる

    犬は群れで生活する本能を持っており、飼い主さんや家族の存在を感じることで、安心感を得られます。そのため、寝る場所は家族の近くが理想的です。

    寝室やリビングなど、普段から家族がいる場所で、かつ人の動線から少し外れた静かなコーナーが最適と言えます。こうした環境なら、愛犬は家族の気配を感じながら、リラックスして眠れるでしょう。

    反対に、廊下や玄関のように、人の気配が少ない場所は避けるべきです。安心して休める環境を整えてあげましょう。家族がいる場所と扉や壁で仕切られていない場所に寝床を用意し、家族の存在を感じられる環境を整えてあげてください。

    静かで落ち着ける

    犬は聴覚が敏感で、私たちには気にならない音や光でも、大きなストレスになることがあります。例えば窓や玄関、テレビの近くでは、さまざまな音や光が入ってきて、安眠が妨げられてしまうことも。

    そのため、できるだけ静かな場所に寝床を設置し、音や光を遮断する工夫をしてあげることが大切です。段ボールやタオルで寝床の周囲を囲ったり、クレートを使用したりするのも良いでしょう。静かで落ち着ける環境を整えてあげることが大切です。

    飼い主さんと一緒に寝るリスクもある

    「愛犬と毎晩一緒に寝ている」という飼い主さんも多いかもしれません。横で眠る愛犬には癒されるものですが、一緒に寝ることにはリスクもあります。

    まず、犬の眠りは浅くレム睡眠が中心であるため、飼い主さんの動きや音で簡単に目覚めてしまうことがあります。これにより、愛犬の睡眠の質が低下してしまうかもしれません。しつけの観点からも、一緒に寝ることで愛犬が「飼い主さんと対等だ」と感じる可能性があり、上下関係が崩れる恐れがあります。

    また、寝返りを打った際に小型犬や子犬を圧迫してしまう危険性もあります。人間と犬が共通で感染する「動物由来感染症(ズーノーシス)」にかかるリスクが高まることも否定できません。

    愛犬と一緒に寝ることが必ずしも悪いわけではありませんが、これらのリスクを理解した上で、愛犬にとって最適な睡眠環境を考えることが大切です。

    暗い時間のお留守番はどうする?


    愛犬が眠るときは電気を消した方が良いとされますが、お留守番で帰りが遅くなる時には、お部屋の電気を消したまま外出しても問題ないのでしょうか?ここでは、お留守番時に電気をつけておくべきなのか、詳しく解説します。

    暗闇でも見えるため電気をつけておく必要はない

    犬は元々夜行性の動物であり、暗闇でもよく見えるように進化しています。これは、目の奥にある「タペタム」という光を反射する構造のおかげです。このタペタムが、わずかな光でも効率的に利用し、周囲を認識する助けとなっています。

    そのため、暗い中でのお留守番も犬にとって問題はありません。むしろ、少し暗いくらいが落ち着く場合もあります。また、ケージの中や自由に過ごせる部屋の中でも、暗さが原因でぶつかったりすることは少ないです。

    帰りが遅くなるときでも、特に電気をつけておく必要はなく、普段通りの環境を整えてあげましょう。犬にとっては、飼い主さんが必ず帰ってくると理解していることが一番の安心材料です。

    明るすぎると返って不安を感じることもある

    夕方や夜にお留守番させる際、「暗いのはかわいそう」という気持ちから、電気をつけておきたくなることもあるかもしれません。しかし、明るすぎる環境では、愛犬がかえって不安を感じることもあります。

    犬は元々暗い環境に適応しているため、過度な明るさがストレスになることがあるとされているのです。愛犬がサークルの中や薄暗い場所に移動している場合は、部屋の明るさが不快に感じているサインかもしれません。

    お気に入りの場所をチェックし、適切な明るさを保つことで、愛犬が快適に過ごせる環境を整えてあげましょう。暗すぎず、明るすぎず、バランスの取れた環境が理想的です。

    暗い夜でも愛犬を不安にさせないために


    暗いお部屋で電気をつけなくても犬にとっては問題ありませんが、「真っ暗ではかわいそう」「いつも電気をつけていたからいきなり消すのは不安」という飼い主さんもいらっしゃるかもしれません。ここでは、暗い夜でも愛犬を不安にさせないためにできる工夫について、ご紹介します。

    夜にぐっすり眠る工夫をする

    飼い主さんや家族が寝ている間、電気は消してお部屋は真っ暗になりますが、愛犬が寝付けずにいると不安を感じることもあるかもしれません。愛犬と睡眠リズムを合わせるためにも、日中の運動と日光浴を適度に取り入れることが大切です。

    適度な運動は、犬のストレスを軽減し、快適な睡眠をもたらす効果があります。毎日の散歩はもちろんのこと、家の中での遊びも有効です。運動不足が解消されれば、愛犬の心身に良い刺激が与えられます。

    また、日光浴も欠かせません。日光を浴びることで体内時計がリセットされ、生活リズムが整います。日光を浴びることで分泌が促される「セロトニン」というホルモンは、夜の眠りを深くする「メラトニン」の生成につながるとされます。

    窓越しでも充分ですが、朝の散歩を取り入れることで、愛犬も飼い主さんも夜にはぐっすり眠れるようになるでしょう。このように、日中の運動と日光浴を日常に取り入れることで、暗い夜でも安心して過ごせるようになります。

    デスクライトや間接照明を活用する

    真っ暗なお部屋にお留守番させる際や、夜に電気をつけて過ごすことに慣れている場合は、デスクライトや間接照明を活用することで、愛犬の不安を和らげられるでしょう。

    デスクライトのような小さめの照明器具を使用すると、お部屋全体が真っ暗にならず、明るさの調整もしやすいです。ライトの角度を調整することで、一部のエリアを明るくし、他の部分を薄暗くすることもできます。

    また、間接照明も柔らかい光をもたらし、不安な気持ちを軽減してくれます。特に帰宅が遅くなる場合や、防犯面での不安がある場合には、照明のタイマーを設定して暗くなる時間に自動で点灯するようにすることも効果的です。

    愛犬が夜でも安心して過ごせるように、明るさのバランスを工夫してみてください。

    不安なら電気をつけたままにしてもOK

    帰宅が夜になる場合、電気をつけて外出する飼い主さんも多いです。実際、「いぬのきもちWEB MAGAZINEアンケート」の調査によると、およそ65%の飼い主さんがお部屋の電気をつけたまま出かけているそうです。暗くなると不安を感じる犬もいるため、電気をつけておくことで愛犬が安心感を感じることもあるでしょう。

    たとえば、暗いとトイレや水飲み場まで行きたがらなくなってしまうこともあるかもしれません。小さな電気や間接照明では不十分だと感じる場合は、お部屋全体を明るくしておく方が適していることもあります。

    夜に電気を消しても問題ないとは言え、電気をつけた方が良いのか、消した方が良いのかは、その時の状況や愛犬の生活、普段から過ごしている環境によっても異なります。飼い主さんが最適だと思う方法を取り入れ、愛犬の快適さを優先してあげましょう。

    参考:冬の時期、犬の留守番時は「部屋の電気をつける派?つけない派?」 多数派だったのは|いぬのきもち WEB MAGAZINE

    暗くても安心できる環境を用意してあげよう

    愛犬が寝るときは電気を消して、静かで落ち着ける環境を整えることが大切です。また、暗い時間のお留守番については、犬は暗闇でも見えるため電気をつけておく必要はありませんが、防犯面や愛犬の不安を考慮して電気をつけることも有効です。

    愛犬が暗い環境に慣れていない場合は、特に飼い主さんが工夫してあげる必要があります。お留守番中は、見守りカメラなどを活用して愛犬の様子を確認し、必要に応じて対応を変える柔軟さを持ちましょう。愛犬に合わせて工夫しながら、快適で安心できる生活をサポートしてあげてください。

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    この記事を書いたペットとの暮らしの専門家

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