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「愛犬が心地よい家をつくりたい」と思って用意した居場所が、自分の愛犬に合うとは限りません。
そこで、AMILIEでおなじみの建築家・前田敦先生が、理論をもとに実践した住空間設計のアイデアをご紹介します。
犬飼 あいこ
初めての家づくりをスタートさせたばかりの30代主婦。愛犬・メルのことも考えた家をつくりたいと思っている。
前田 敦
一級建築士事務所・前田敦計画工房合同会社代表。「ペットラバー建築家」としてペット共生住宅の設計監理に取り組む。愛犬は日本テリアのかむいくん(オス)。
例えば、犬種による大きさや活動量を考慮し、犬が快適に動けるスペースを確保することが重要です。小型犬にはコンパクトな休息スペース、大型犬には広いスペースが必要です。家具や壁の配置にも「間」を意識し、犬が自由に通れる設計をすることで、ストレスを軽減し安心な環境を提供できます。
逆に、家具やドアの取手など、犬に振れてほしくない部位については、彼らが操作できない高さや形状にすることで、より安全性の高い生活空間が実現できます。
小型犬の場合は、身体を伸ばしてリラックスできるだけのスペースがあれば十分ですが、大型犬や活動的な犬種の場合は、走り回ることができるような広いスペースを設けることが望ましいでしょう。
さらに、犬が好む高さの場所に休憩できるスポットをつくることで、彼らの安心感を高めることができます。
このサイズを決定する際に、とても重視しているのが「目線の高さ」。チワワのような小さな犬種もいれば、セントバーナードのような巨大な犬種もいます。
「体高」といって前足の下から肩までの体の高さで表現されることも多いですが、グレートデンのようなスタイルの犬種から、ダックスフンドのようなスタイルの犬種まで多様です。
そこで私なりに実践している目安が、それぞれの犬種に応じた「目線の高さ」です。
例えば、寝るときと排泄時は無防備な状態になるので、できるだけ護られるような環境を提供しようと考える場合には狭く薄暗い場所を用意します。その際の天井高さは「目線の高さの1.5倍程度」にしてあげるというようにアレンジしています。
犬の目線の高さに小窓を設け、外の景色を楽しめるようにします。この場合は「目線の高さ」×1.0程度で計画。
【家具】
ソファやベッドの下に「隠れ家」としての空間をつくり、犬が安心して休める場所を提供します。また、犬が上りやすいステップ形式の家具を配置することで、彼らが高い位置にある自分のスペースへと自由に移動できるようにします。この場合には、「目線の高さ」×0.5〜0.7程度で計画。
【通路】
家の内外を問わず、犬が自由に歩き回れるように十分な幅の通路を設けることが重要です。狭い場所は犬にストレスを与える原因となりますので、動きやすい「間」を考慮した設計が求められます。この場合には、「目線の高さ」は特に意識しないで計画。
【休憩スペース】
特に大型犬や高齢の犬にとって、家の中に複数の休憩スペースを設けることが重要です。これにより、犬が家の中で自分の好きな場所を見つけ、リラックスすることができます。この場合にはトイレやペット寝室と同様に「目線の高さ」×1.5程度で計画。
「間」と「目線」を重視して犬向け住空間を設計する際は、このように犬の身体的特徴と行動パターンを理解し、設計に反映することが重要です。
前田先生のほかの記事はこちらにも!
そこで、AMILIEでおなじみの建築家・前田敦先生が、理論をもとに実践した住空間設計のアイデアをご紹介します。
犬飼 あいこ
初めての家づくりをスタートさせたばかりの30代主婦。愛犬・メルのことも考えた家をつくりたいと思っている。
前田 敦
一級建築士事務所・前田敦計画工房合同会社代表。「ペットラバー建築家」としてペット共生住宅の設計監理に取り組む。愛犬は日本テリアのかむいくん(オス)。
愛犬の「間」の考え方
日本建築の「間」は空間を構成する上でとても大切な考え方です。当然愛犬たちの空間を考える上で、常に意識すべき概念です。例えば、犬種による大きさや活動量を考慮し、犬が快適に動けるスペースを確保することが重要です。小型犬にはコンパクトな休息スペース、大型犬には広いスペースが必要です。家具や壁の配置にも「間」を意識し、犬が自由に通れる設計をすることで、ストレスを軽減し安心な環境を提供できます。
愛犬の目線で設計する
愛犬にとって快適な家は、ただ広さを確保するだけではなく、彼らの「目線」に立って考える必要があります。犬の目線は人間よりもずっと低いため、室内の窓の位置やサイズを調整し、外の景色を楽しめるようにすることも大切です。逆に、家具やドアの取手など、犬に振れてほしくない部位については、彼らが操作できない高さや形状にすることで、より安全性の高い生活空間が実現できます。
愛犬に適したサイズとは?
愛犬にとっての快適なサイズを考える上で、まずは彼らの身体的特徴と行動パターンを理解することが基本です。小型犬の場合は、身体を伸ばしてリラックスできるだけのスペースがあれば十分ですが、大型犬や活動的な犬種の場合は、走り回ることができるような広いスペースを設けることが望ましいでしょう。
さらに、犬が好む高さの場所に休憩できるスポットをつくることで、彼らの安心感を高めることができます。
このサイズを決定する際に、とても重視しているのが「目線の高さ」。チワワのような小さな犬種もいれば、セントバーナードのような巨大な犬種もいます。
「体高」といって前足の下から肩までの体の高さで表現されることも多いですが、グレートデンのようなスタイルの犬種から、ダックスフンドのようなスタイルの犬種まで多様です。
そこで私なりに実践している目安が、それぞれの犬種に応じた「目線の高さ」です。
例えば、寝るときと排泄時は無防備な状態になるので、できるだけ護られるような環境を提供しようと考える場合には狭く薄暗い場所を用意します。その際の天井高さは「目線の高さの1.5倍程度」にしてあげるというようにアレンジしています。
「実際にやってみた」な設計アイデア
【窓】犬の目線の高さに小窓を設け、外の景色を楽しめるようにします。この場合は「目線の高さ」×1.0程度で計画。
【家具】
ソファやベッドの下に「隠れ家」としての空間をつくり、犬が安心して休める場所を提供します。また、犬が上りやすいステップ形式の家具を配置することで、彼らが高い位置にある自分のスペースへと自由に移動できるようにします。この場合には、「目線の高さ」×0.5〜0.7程度で計画。
【通路】
家の内外を問わず、犬が自由に歩き回れるように十分な幅の通路を設けることが重要です。狭い場所は犬にストレスを与える原因となりますので、動きやすい「間」を考慮した設計が求められます。この場合には、「目線の高さ」は特に意識しないで計画。
【休憩スペース】
特に大型犬や高齢の犬にとって、家の中に複数の休憩スペースを設けることが重要です。これにより、犬が家の中で自分の好きな場所を見つけ、リラックスすることができます。この場合にはトイレやペット寝室と同様に「目線の高さ」×1.5程度で計画。
「間」と「目線」を重視して犬向け住空間を設計する際は、このように犬の身体的特徴と行動パターンを理解し、設計に反映することが重要です。
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この記事を書いたペットとの暮らしの専門家