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ペットラバー建築家が実際に”やってみた” 家づくりのアイデア【段】

目次

    ペットと共に暮らす家づくりにおいて、階段は重要な要素です。

    しかし、一般的な住宅用の階段は人間のサイズに合わせて設計されており、犬にとっては使いにくいだけでなく、危険な場所となることもあります。

    特に小型犬や高齢犬は、階段の昇降時に不自然な力が加わり、ヘルニアなどの健康問題を引き起こすリスクがあります。

    今回は、ペットラバー建築家としての視点から、犬に優しい階段設計のアイデアと対策について具体的にご紹介します。

    階段の問題点

     1.段差の高さ

    日本の住宅における階段の一般的サイズは、踏面と蹴上ともに約23cm程度です。これは犬にとっては高すぎます。
    特に小型犬や足腰の弱い犬には大きな負担となり、関節や筋肉に余計な負担がかかる可能性があります。

     2.滑りやすさ

    多くの家庭用階段は滑りやすい素材で作られており、犬が滑って転倒する危険性があります。
    特に急な階段は、犬が制御を失いやすい場所となります。

     3.視界の問題

    犬は人間ほど視力が良くないため、階段の上り下りの際に段差を正確に認識できないことがあります。これにより、踏み外してしまうリスクが高まります。

     対策とアイデア

     1. 低い段差とバランスの良い踏面

    犬に優しい階段設計の基本は、低い段差とバランスの良い踏面を提供することです。段差を15cm以下に抑え、踏面を蹴上とバランスの良いサイズのサイズにすることで、犬の足腰への負担を大幅に軽減できます。

    可能であれば、スロープを導入するのも効果的です。スロープは特に高齢犬や関節に問題を抱える犬にとって、安全で快適な昇降手段となります。

     2. 滑り止めの設置

    滑りやすい階段には、滑り止めを設置することが重要です。滑り止めテープやマットを使用することで、犬が安全に階段を上り下りできるようになります。

    特に木製やタイル張りの階段には、柔らかい素材の滑り止めマットが効果的です。

     3. 視覚的なサポート

    犬の視覚をサポートするために、階段の段差部分に色の違うテープや塗装を施すことも有効です。これにより、犬が段差を認識しやすくなり、踏み外しのリスクを減少させることができます。

     4. 幅広の階段

    階段の幅を広くすることで、犬が安定して昇降できるスペースを確保します。幅広の階段は、犬がバランスを取りやすく、安全性が向上します。

    また、階段の途中に休憩スペースを設けることで、犬が疲れたときに一息つける場所を提供できます。

    実際にやってみた設計アイデア

    あるペットラバー建築家が手掛けたプロジェクトでは、以下のような工夫が施されました。

     ゆったり階段

    小型犬用に低い段差とバランスの良い踏面の階段とを用意しました。スロープにすることが理想ですが、諸事情から階段で対応しなくてはいけないケースが多いです。

    サイズは実際に飼っていらっしゃるワンちゃんのサイズに合わせて階段の蹴上、踏面のサイズを決めています。
     


     

    ポイントは、階段昇降時に背筋が伸びた状態で昇降できること! 

    つまり、普通に歩行している状態に近い姿勢で昇降できるサイズにすることが大切です。
     

    まとめ

    ペットと共に快適に暮らすためには、細かな配慮が必要です。

    特に階段は、人間と犬の双方にとって安全で使いやすい設計が求められます。

    段差の高さや滑りやすさ、視覚的なサポートなどを考慮した階段設計は、犬の健康と安全を守るために重要なポイントです。

    ペットラバー建築家として、これからも犬に優しい家づくりのアイデアを追求していきたいと思います。

    この記事を書いたペットとの暮らしの専門家

    前田 敦

    一級建築士事務所・前田敦計画工房合同会社代表。「ペットラバー建築家」としてペッ ト共生住宅の設計監理に積極的に取り組み、 雑誌・TV などメディアでの紹介も多数。

    エリア:東京都