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猫と暮らす家づくりにおいて、快適な環境を整えるためのアイデアを紹介します。
猫は独特の習性を持つ生き物であり、人間と共に生活する上で特有のニーズがあります。
猫にとって快適な居住環境を作るためには、人と程よい距離感を確保しながらも、猫が安心して過ごせる場所を提供することが重要です。
以下に、猫と暮らす家づくりの具体的なアイデアを紹介します。
1. 高い場所の確保
猫は高い場所から周囲を見下ろすことが好きです。
これは、自然界では高い場所が安全であり、外敵を見渡すことができるためです。
室内で猫が安心して過ごせるように、高い棚やキャットウォークを設置することが有効です。
例えば、壁に設置できるキャットシェルフを取り付けたり、本棚の上部に猫が登れるスペースを作ったりすることで、猫が見下ろせる場所を提供します。
2. 窓際の猫窓の設置
猫は外の景色を眺めるのが好きです。特に、鳥や風で揺れる木々を見ることが猫にとっては楽しい時間となります。
窓際に猫専用のスペースを作ることで、猫が快適に外を眺めることができます
例えば、窓際にベンチやキャットタワーを設置し、猫が座ったり、横になったりできるスペースを確保します。
また、網戸を取り付けることで、猫が安全に窓を開けて外の風を感じることができるようにします。
3. 日向ぼっこスペースの確保
猫は温かい場所で日向ぼっこをするのが大好きです。
特に寒い季節には、日差しの当たる場所で体を温めることが猫にとっての至福の時間となります。
窓から差し込む日差しが当たる場所に猫用のベッドやクッションを置くことで、猫が快適に日向ぼっこを楽しめるスペースを作ります。また、猫が自由に移動できるように、複数の場所に日向ぼっこスペースを用意すると良いでしょう。
4. 水飲み場の配置
猫は新鮮な水を好むため、水飲み場の配置も重要です。
特に、猫は流れる水を好む傾向がありますので、ペット用のウォーターファウンテンを設置することをお勧めします。
また、猫が複数いる場合は、家の中に複数の水飲み場を設置することで、猫同士の争いを防ぐことができます。
水飲み場は静かな場所に配置し、猫がリラックスして水を飲めるようにしましょう。
5. 隠れ家の提供
猫は時折一人になりたがります。
ストレスを感じたときや、ただ静かに過ごしたいときには、隠れ家が必要です。
猫用のキャットハウスやクローゼットの一部を猫のために開放するなど、猫が安心して隠れられるスペースを提供します。
隠れ家は家の中の静かな場所に配置し、猫がストレスなく過ごせるように工夫します。
実際にやってみた設計アイデア
リビングの上の用意したキャットウォークを2層にして、そこに隠れ家となる丸い開口部のキャットスペースを作りました。
三方を囲まれた仄暗いその場所は、ひなたぼっこを楽しむ日当たりの良い窓際とは違った快適さがそこにはあるようです。
まとめ
猫と共に暮らすためには、猫の習性やニーズを理解し、それに応じた環境を整えることが大切です。
高い場所や窓際のスペース、日向ぼっこスペース、水飲み場、隠れ家、爪とぎスペースなどを工夫して程よい距離感を確保して設けることで、猫が快適に過ごせる住環境を作り出すことができます。
この記事を書いたペットとの暮らしの専門家
前田 敦
一級建築士事務所・前田敦計画工房合同会社代表。「ペットラバー建築家」としてペッ ト共生住宅の設計監理に積極的に取り組み、 雑誌・TV などメディアでの紹介も多数。
エリア:東京都