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日本では、小型犬や大型犬を迎えたいという人が多いイメージがありますが、中型犬に魅了される方も少なくないでしょう。
中型犬ならではの愛らしい存在感と活発な性格が「たまらない」と感じる飼い主さんも多いはず。
しかし、小型犬と比べて運動量が多い中型犬を家の中で飼うには、ちょっとした工夫が必要です。
この記事では、中型犬と快適に暮らすためのポイントについて、わかりやすくご紹介します。
家族の一員として迎えた愛犬との生活が、もっと楽しく、もっと快適になるヒントをお届けしますので、ぜひ参考にしてください。
中型犬の特徴と魅力
中型犬は、その適度な体格と適応力の高さから家庭での飼育に適していると言われています。
体高約40〜60cmの中型犬は、大型犬のような圧迫感がなく、小型犬よりも丈夫で運動能力が高い特徴があります。
室内での飼育でもストレスが少なく、散歩や遊びも大好きな犬種が多いです。
また、さまざまな環境や気候に順応しやすく、家庭環境の変化にも柔軟に対応できるとされています。
そのため、引っ越しやライフスタイルの変化があっても適応してくれやすいでしょう。
中型犬は親しみやすく社交的な性格が多く、家族との絆を深めやすいです。
適度な警戒心は持つものの、攻撃性が低い犬種も多く、子どもがいる家庭でも安心して飼育できます。
さらに、知能が高く学習能力に優れている犬種も多いので、しつけやトレーニングを通じて飼い主さんとのコミュニケーションを深めやすいという特徴があります。
これらの理由から、中型犬は活発で扱いやすく、家庭内での生活に適した犬種と言えるでしょう。
さまざまな魅力を持ち、家族の一員として迎えるご家庭も多く、人気があります。
中型犬を家の中で飼う際の注意点
中型犬を室内飼いする際、愛犬にとっても飼い主さんにとっても快適に暮らすためには、以下の3つのポイントに注意することが大切です。
十分な運動量を確保すること
中型犬を室内で飼育する際には、適切な運動量の確保が不可欠です。
多くの中型犬は活動的であり、エネルギーを発散させるために日常的な運動が必要となります。
散歩はもちろんのこと、家の中で遊ぶスペースを作ることも大切です。
例えば、おもちゃを使って引っ張り合うなど、遊びの工夫次第では室内でも十分な運動を提供できます。
また、運動不足はストレスや肥満、行動問題の原因にもなり得るため、毎日の散歩や遊びの時間を確保し、中型犬の健康と幸福を維持しましょう。
それなりのスペースが必要
中型犬を快適に飼うためには、居住スペースが狭すぎてはいけません。
小型犬がワンルームでも生活できるのに対し、中型犬にはもう少し広い空間が必要です。
中型犬の飼育で理想とされるのは2LDK以上の居住環境で、彼らがストレスなく動き回れるスペースを提供することが大切です。
愛犬がリラックスできる専用の場所を作ることも重要で、ベッドやケージを設置して安心できる環境を整えましょう。
快適に過ごせるスペースを確保することで、行動問題の予防にもつながります。
しつけが重要
犬種に関わらず、愛犬と飼い主さんが快適に暮らしていくためには、しつけが重要です。
特に、中型犬は小型犬と比べても体格が大きく、お散歩中に子供やお年寄りに飛びかかってしまったら大変危険です。
万が一にも人にケガをさせないよう、基本的なマナーやコマンドを教えることが必須となります。
たとえば、「おすわり」「まて」「ふせ」などの基本的な命令を理解させ、訪問者が来た際の適切な振る舞いを身につけさせることが大切です。
また、無駄吠えや噛み癖などの問題行動を未然に防ぐためにも、幼い頃からのしっかりとしたトレーニングが求められます。
安全で快適な共生のためにも、継続的なしつけを心がけましょう。
中型犬に適した住まいづくりのポイント
中型犬を家の中で飼う際、以下のポイントを参考に住まいづくりにもこだわることで、愛犬にとってより快適な環境を提供できるでしょう。
床には滑り止め対策を
中型犬は活発な性格で運動が大好きな犬種が多く、家の中でも元気に駆け回ります。
そのため、滑りやすい床材は彼らにとって危険です。
特に、フローリングは滑りやすく、愛犬が走り回る際に滑って転倒する可能性があります。
そこで、滑りにくい素材のカーペットやラグを敷く、または特殊な加工が施された滑り止めの床材を選ぶことが重要です。
さらに、家具の角には柔らかいクッション材を取り付け、ケガのリスクを減らしましょう。
いたずらされないように収納を工夫して
中型犬は好奇心が強く、家の中のさまざまな物に興味を示します。
家の中のものをかじったり引っ張ったりして、家具や小物を傷つけるだけでなく、誤飲による事故の原因となることもあります。
そこで、愛犬の手が届かないような場所に物を収納しましょう。
また、お留守番中など、収納の扉を簡単に開けられないように紐で縛っておくなどの工夫も有効です。
愛犬が不要な物に触れる機会を減らし、いたずらを防ぎましょう。
安全にも配慮したレイアウトを
中型犬と暮らす上で、家具や設備の配置も重要です。
レイアウトを決める際には、以下の5つのポイントに注意しましょう。
- トイレは寝床から離れた位置に設置する
- 愛犬が安心して休める寝床を作る
- 運動できるスペースを確保する
- 入って欲しくない場所には仕切りを付ける
- 事故が起こらないような対策をする
たとえば、電源コードは犬が噛んでしまわないように隠すか、保護カバーを使用しましょう。
また、犬が飛び乗りやすい家具は壁に固定するなどして、転倒を防ぐ工夫も大切です。
こちらの記事では、柴犬を室内飼いするときのレイアウトの作り方やポイントを紹介しています。柴犬だけでなく、中型犬全般に共通するポイントも紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
柴犬を室内飼いするときのレイアウトの作り方!手順やポイントをご紹介
お手入れしやすい素材を選ぼう
中型犬は活発で外遊びを楽しむため、散歩から戻った際に泥や汚れを室内に持ち込むことがあります。
また、抜け毛の量も小型犬に比べて多いため、お手入れしやすい素材の選択がポイントです。
たとえば、撥水性のあるソファカバーやカーペットを使用すると、汚れが付きにくく、掃除も簡単になります。
さらに、玄関やキッチンなど汚れやすいエリアにはマットを敷くことで、汚れの拡散を防ぎます。
定期的な換気も忘れずに行い、室内の空気を清潔に保ちましょう。
これらの工夫により、清潔な住環境を維持し、中型犬との暮らしを快適にすることができます。
中型犬に必要な運動量はどのくらい?
小型犬より運動量が必要な中型犬。
運動不足になるとストレスや肥満、病気の原因にもつながるため、適切な運動量を把握し、飼い主さんがコントロールしてあげることが重要です。
1日に必要な運動量の目安
中型犬に必要な運動量として、1日30分程度、距離にして約2kmの散歩を1日2回することを目安としましょう。
ただし、犬種によって必要な運動量には大きな違いがあります。
例えば、ボーダー・コリーやウェルシュ・コーギー、ビーグルなどの活動的な犬種は、1回の散歩で1〜2時間の運動が必要とされています。
これらの狩猟犬や牧羊犬として活躍していた犬種は、より多くの運動量を必要とする傾向にあるためです。
もし愛犬が散歩後も物足りなさそうな様子を見せたら、ドッグランでの遊びを取り入れるなどして、十分な運動量を確保してあげましょう。
運動不足を防ぐための工夫
日々の忙しさや天候によっては、十分な散歩時間を確保するのが難しいこともありますよね。
そんな時は、散歩コースに坂道を取り入れるなどして、限られた時間で効率的に運動させましょう。
また、室内遊びでストレスを発散させることも大切です。
食事やおやつの量にも注意し、過剰な摂取を避けることで肥満を予防します。
愛犬の運動不足のサインを見逃さないことも重要です。
たとえば、落ち着きがなくなる・体重が増える・ムダ吠えなどの問題行動が増える、などは運動不足のサインである可能性があります。
愛犬の行動に変化が見られたら、運動不足を疑い、生活習慣を見直すことが大切です。
室内でおすすめの運動
外での散歩が難しい日や、お散歩だけでは物足りなさそうな様子であるときは、室内で体を動かす遊びを取り入れましょう。
室内での運動は、外での運動に比べて体力を使う機会は少ないかもしれませんが、頭を使う遊びやコミュニケーションを深める良い機会になります。
手軽に取り入れられる「引っ張りっこ遊び」は、ロープや専用のぬいぐるみを使って飼い主さんと力比べをするシンプルな遊びです。
また、ボールを投げて取ってこさせる遊びや、おやつやおもちゃを隠して探させる宝探しゲームも愛犬の好奇心を刺激するでしょう。
さらに、ダンボールやクッションを使ってアジリティごっこ(犬の障害物競走)をすることで、運動能力を養いながら楽しむことができますよ。
以下の記事では、雨の日の愛犬との遊び方やおすすめの室内遊びをご紹介していますので、参考にしてみてください。
中型犬の室内飼育でよくある質問
ここからは、中型犬の室内飼育に関するよくある質問とその回答をご紹介します。
マンションで中型犬は飼える?
「ペット可」とされているマンションでも、中には「小型犬まで」という制限が設けられていることがあります。
ペットの体格が大きくなるほど専有スペースが狭くなるため、集合住宅では「体重10kgを超える中型犬は不可」としているところが多いようです。
そのため、中型犬を飼育する場合は、まずはマンションの管理規約を確認することが必須となります。
規約違反とならないように、大家さんや管理組合に確認を取り、必要な手続きを踏むことが大切です。
また、騒音やニオイなどのトラブルを避けるためにも、近隣住民への配慮も忘れずに行いましょう。
初心者でも中型犬を室内で飼える?
初めて迎える愛犬として小型犬の人気が高いですが、中型犬の中には初心者でも飼いやすい犬種が多くいます。
たとえば、柴犬やビーグル、コッカースパニエルなどは、活発で忍耐強く、比較的しつけやすい傾向にあるため、初心者にもおすすめの中型犬と言えます。
ただし、中型犬は体が大きくなるため、運動量や食事量も増えます。
飼育にあたっては、犬種ごとの特性を理解し、適切なケアができるように事前に情報を集めることが重要です。
共働き家庭で中型犬を飼う注意点は?
共働き家庭で中型犬を飼う場合、最も注意すべき点は、愛犬が長時間一人でいる間の安全と運動不足にさせない対策です。
中型犬は好奇心が旺盛で、お留守番中にイタズラをしたり、誤ってケガをすることがあります。
これを防ぐためには、家の中を安全な環境に整え、イタズラができないように工夫することが大切です。
また、運動量を確保するためには、1日2回の散歩を欠かさず行うなど、忙しい中でも犬の体を動かす時間を作ることが必要です。
愛犬の健康維持のために、共働きであっても適切なケアを心がけましょう。
中型犬の飼育ポイントを押さえて愛犬と快適に暮らそう
小型犬よりも活動的で、大型犬に比べれば管理がしやすいとはいえ、中型犬を家の中で飼育するためには適切なスペースの確保と十分な運動が欠かせません。
また、比較的体格も大きく力が強いため、トラブルにつながらないためにも、しつけが重要となります。
中型犬と快適に暮らすためには、いくつかのポイントを押さえることが大切ですが、愛らしい体格と持ち前の適応力の高さで、飼い主さんにとってもかけがえのない時間を与えてくれるはずです。
愛犬の安全と健康を考え、中型犬との豊かな暮らしを楽しんでくださいね。
この記事を書いたペットとの暮らしの専門家