目次
猫の運動不足解消や遊び場として活躍する「キャットウォーク」。
「愛猫のために設置してあげたいけど、プロに頼むのは敷居が高い……」という方は、DIYしてみてはいかがでしょうか?
今回は、初心者さんでも気軽に作れる「キャットウォークの設計図」もご用意!
賃貸でも設置できるよう、壁や床にキズを付けずに取り付ける方法をご紹介します。
DIYのポイントや注意点も解説していきますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
キャットウォークをDIYする3つのメリット
キャットウォークのDIYには、次の3つの利点があります。
メリット①:コストを抑えられる
設置費用を安く抑えたい方は、DIYがおすすめです。
比較的手軽に設置できるキャットタワーに比べ、キャットウォークは壁や天井に取り付けるため、割と大がかりな作業になります。
プロ(施工業者)に任せればクオリティは確かですが、施工費が数万円程度かかります。
場合によっては数十万円になることも……。
自分で施工すれば費用は材料分だけで済むので、コスパ良くキャットウォークを取り付けられます。
メリット②:部屋に合わせてアレンジできる
DIYの最大の魅力は「自分の好きなようにアレンジできること」ではないでしょうか?
既製品ではなかなか思うようにフィットしない場所でも、DIYであれば部屋のサイズや形に合わせて調整できます。
色や模様も自由に選べるので、飼い主さんのアイデア次第で個性的な空間を演出できますね。
メリット③:猫の成長に合わせて変化させられる
猫の能力や成長過程に合わせて、その都度高さやサイズを変えていけるのも、DIYならではのメリットです。
子猫と成猫、老猫では運動量や運動能力に差があり、年齢以外でも、体格や身体能力は個々で違うもの。
DIYなら、ステップを低くしたり体格に合わせて板のサイズを広くしたりと、愛猫が無理なくキャットウォークで楽しめるよう、自由に工夫できます。
キャットウォークのDIYでの注意点
キャットウォークをDIYする際には、さまざまな注意点があります。
ここでは、特に気を付けたい8つのポイントについて解説します。
注意①:十分な強度を確保する
なにはなくとも、猫の安全が第一です。
キャットウォークは、愛猫が乗っても安全な強度を確保しましょう。
猫が飛び乗るときには、猫自身の体重以上の荷重がかかります。
たとえば1mの高さから体重5kgの猫が飛び降りた場合だと、20kg程の衝撃(※1)があるといわれています。
愛猫の体重を考慮した上で、キャットウォークや昇降のためのステップは耐荷重15kg程度(※2)は欲しいところです。
※1)参照:猫のためのDIY家づくり | 建築知識
※2)参照:建築知識2023年5月号
注意②:2匹でもすれ違えるサイズにする
キャットウォークの足場の幅は、猫2匹が乗ってもすれ違えるよう、250㎜以上(※)を確保しましょう。
ラグドールなどの大きな猫ならば、280㎜程度が目安です。。
※)参照:ねこ検定 中級・上級編/建築知識2023年5月号/猫のための家づくり
注意③:スピードを出しすぎない距離にする
猫は直線通路があると、全力疾走してしまいがちです。
興奮して転落してしまう恐れもあるため、キャットウォークの足場の直線距離は、最大でも3m以下(※)で取り付けましょう。
適度にクランク(屈折する場所)を作ったり、ボックス(猫がとどまれる場所)を設けたりしてキャットウォークに変化をつけると良いですね。
※)参照:猫のための家づくり
注意④:水平間隔は250㎜以下にする
キャットウォークの足場と足場の間に隙間をつくる場合、水平間隔はジャンプしやすいように250㎜以下(※)にしましょう。
ジャンプ力が衰えてきた老猫ならば、150㎜以下がちょうど良いです。
※)参照:猫のためのDIY家づくり | 建築知識
注意⑤:メンテナンスしやすい位置に設置する
猫は、布団の上でもソファでもキャットタワーの最上部でも、そこがどこであろうと関係なく吐いてしまう生き物です。
キャットウォークを視線の行き届かない高い位置に設置してしまうと、愛猫が吐いたことに気付かない恐れがあります。
足場に落ちた抜け毛や嘔吐物をすぐに掃除できるよう、キャットウォークは飼い主さんの手の届く高さに設置しましょう。
注意⑥:出入口を2つ以上つくる
猫は後ろ歩きが苦手です。
キャットウォークを歩いていて、行き止まりになったり、他の猫と鉢合わせしてしまったりした際に、方向転換しようとして足を滑らせてしまう恐れがあります。
来た道を戻らなくても済むように、(先述の通り)すれ違える幅にするだけではなく、二方向避難ができるようキャットウォークの出入口は2ヵ所以上設けてあげましょう。
注意⑦:昇降ステップの高低差は300㎜以下
キャットウォークまでの昇降で使用するステップの上下の間隔は、一般的な猫の場合だと300㎜以下(※)が望ましいです。
運動が苦手な子や老猫は、200㎜以下にしましょう。
※)参照:建築知識2023年5月号/猫のためのDIY家づくり | 建築知識
注意⑧:脱走防止対策をする
キャットウォークの近くに窓がある場合には、脱走してしまわないように対策をしましょう。
猫の転落や脱走防止については、下記の記事で詳しくご紹介しています。
▷関連記事:猫もベランダから落ちるとケガをする?転落・脱走防止のための注意点とおすすめのアイテムをご紹介
賃貸でも安心!キズをつけないキャットウォークの作り方
ここからは、2×4(ツーバイフォー)材を使い、天井や床、壁にキズを付けないキャットウォークの作り方をご紹介します。
賃貸でも設置できる、運動不足解消のアイデアについては、下記の記事で詳しくご紹介しています。
▷関連記事:賃貸でも大丈夫!猫の運動不足を解消するアイデアとおすすめアイテム
材料
①2×4(ツーバイフォー)材
画像引用:【楽天市場】塗装ツーバイ材 【約38×89×2440mm】[2×4] ( DIY 木材 2x4 角材 塗装済 カット可
2×4(ツーバイフォー)材とは、建物の組み立てのひとつである「2×4(ツーバイフォー)工法」で使われる木材のこと。
断面のサイズが38㎜×89㎜で規格化されています。
この2×4材を柱にして、キャットウォークとなる足場を取り付けます。
2×4材はホームセンターでも気軽に購入できます。
通販では塗装やカットなどの加工もしてもらえるので、用途に応じて選びましょう。
②LABRICO(ラブリコ)/DIAWALL(ディアウォール)
画像引用:【楽天市場】平安伸銅 ラブリコ LABRICO2×4アジャスター DXO-1 オフホワイト
画像引用:【楽天市場】WAKAI 若井産業 ツーバイフォー材 2×4材専用壁面突っ張りシステム ディアウォール
「LABRICO(ラブリコ)」や「DIAWALL(ディアウォール)」は、壁や床、天井をキズつけることなく柱がつくれるアイテムです。
2×4材の上下に設置して、天井と床に突っ張って使用します。
③棚板(キャットウォーク)
画像引用:【楽天市場】オーダーカラー化粧棚板
棚板はキャットウォークの足場として使います。
一般的な棚板の厚みは15㎜から販売されていますが、キャットウォークとして使用する場合は18㎜以上(できたら20㎜以上)のサイズが望ましいです。
④棚受け(L字型アングル)
棚受け金具は、耐荷重に注意しましょう。
棚受け金具の奥行きサイズは、棚板の3/4以上(※)が推奨されています。
※)参照:設計者・部品選定者なら知っておきたい 【棚受け金具】の基礎知識
【初心者向け】DIYで必要な工具
DIYでは道具選びも大切です。
ここでは、初心者さんに向けて、最低限そろえておきたいアイテムを4つご紹介します。
①メジャー(コンベックス)
画像引用:Amazon.co.jp: コメロン(Komelon) メジャー コンベックス マググリップロック KMC-38RB 幅25mm×長さ5.5m
DIYでは正確な採寸が必要不可欠です。
サイズを測る際に使用するメジャーは、テープ部分が金属製で先端に爪がついている「コンベックス」が使いやすいです。(筆者も愛用しています)
上記の写真の商品は、建築の現場でも使用されるプロ仕様のもので重みがありますが、DIYであれば長さ3.5mタイプで十分でしょう。
②電動ドライバー
画像引用:Amazon.co.jp: BOSCH(ボッシュ) コードレスドライバー (本体のみ、ビットセット(10本)
ドライバーをはじめとした電動工具は、作業時間が短縮できとても便利です。
ネジ締めとして利用するのであれば、初心者さんでも扱いやすい「ドリルドライバー」がおすすめです。
先端のビットを付け変えれば、穴あけもできます。
長く太いネジを締めたいときや厚みのある硬い素材を扱う際には、回転と打撃を同時に与える「インパクトドライバー」が適しています。
コードレスのバッテリー充電タイプとコード式タイプがあり、屋外など場所を選ばず使用したい方はコードレス、安定したパワーで使いたい方はコード式を選ぶと良いでしょう。
(筆者は後者タイプです)
③水平器
画像引用:Amazon | アカツキ製作所 (Kod) 携帯気泡管水平器 水平くんプラス ボディ:黒 気泡管:黄 SU-BY
キャットウォークを水平に取り付けるための道具です。
スマホのアプリでも代用できます。
④マスキングテープ
画像引用:3M スコッチ マスキングテープ 建築塗装用 243J Plus 12mm×18m 中箱 100巻 243JDIY-12BOX
マスキングテープは、取り付ける位置の目印をつけるときに役立ちます。
部材を塗装する場合にも、塗料がはみ出さないための養生に使えるので、ひとつ持っておくと良いでしょう。
設計図
※この設計図は、寸法の目安を示したもので、あくまでイメージ図です。
二方向避難などは考慮されていないため参考程度にご覧ください。
天井高は住宅の標準的な2,400㎜を想定しています。
2×4材を4本、棚板を4枚、ステップを6ヵ所設置してみました。
最上部の足場は、天井から300㎜以上離すようにしましょう。
上の図はステップ部分の拡大図です。
ステップとステップの間隔は、直径300㎜程度(※)が目安です。
この図面では比較的緩やかに上れる寸法で設計していますが、愛猫の身体能力に合わせて、もう少し高さ間隔を広げても良いかもしれません。
猫が使っている様子を確認しながら調整できるのも、DIYの醍醐味ですね。
※)参照:猫のための家づくり
作り方
DIYでキャットウォークをつくる手順は次の通りです。
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最も気を付けたいのは②、③の下準備です。
DIYで失敗しないためにはサイズの確認はかなり重要で、ここで間違えるとせっかく買い揃えた材料が無駄になってしまうこともあります。
また、脚立などを使用する際には安全に十分注意しましょう。
キャットウォークのプランニングのポイント
設計図は、しっかり採寸してから作りましょう。
初心者さんや、必要最低限の作業でDIYしたい方は、塗装やカット、穴あけなどの加工対応をしてくれる販売店を選ぶのがおすすめです。
簡単なカットであればホームセンターでも有料で対応してくれます。
まとめ:DIYで唯一無二のキャットウォークをつくろう!
DIYでキャットウォークをつくる方法や手順についてご紹介しました。
猫の個性に合わせて自由にカスタマイズできるDIYのスキルは、一度経験すればどんどん応用していけます。
ぜひ愛猫のために、簡単なアイテムから挑戦してみてはいかがでしょうか?
この記事を書いたペットとの暮らしの専門家