目次
マーキングは、犬の本能的な行動です。通常は室外で自分の縄張りを主張するために行われますが、さまざまな理由から家の中でマーキングをしてしまうケースもあります。
そこで今回は、
- 家の中でマーキングをする理由
- マーキング対策
- マーキング対策の便利グッズ
など、家の中でのマーキングをやめさせる方法について紹介します。愛犬のマーキングにお困りの飼い主さんは、ぜひ参考にしてください。
マーキングとは?
犬が片足を上げて、壁やモノにおしっこをひっかけることをマーキングと呼びます。マーキングは、生理現象であるおしっこと違い、少量のおしっこを複数回に分けてするのが特徴です。
犬のマーキングは、自分の存在を知らせたり、縄張りを主張したりするために行います。できるだけ高い位置にマーキングをすると、長く残って目立ちやすいという理由から、マーキングは片足をあげて行われます。
縄張りを主張する目的で行われることから、オスのみがマーキングを行うと思われていますが、メスでもマーキングを行う犬がいます。メスの場合は、発情期に行うことが多いとされています。メスのおしっこには、エストロゲンと呼ばれるホルモンが含まれ、オスの気を惹くためにマーキングを行います。
家の中でマーキングをしてしまう理由
マーキングは、ほかの犬に自分の存在を示すために行われるため、基本的には家の中で行うことはありません。室内でマーキングをする場合は、何かしらの理由があります。ここでは、室内でマーキングをしてしまう理由を3つ紹介します。
縄張りの主張
家の中でも、犬が縄張りを主張する目的でマーキングすることがあります。愛犬が縄張りの主張を行うときは、飼い主との信頼関係がうまく築けていない可能性が高いでしょう。
飼い主より立場が上だと感じた犬は、部屋の中でも好き勝手してよいと考えます。そのため、飼い主のにおいが付いた場所にマーキングを行うことがあります。
また新しい家具や敷物などを用意すると、慣れないにおいを感じ、自分のにおいを付けるためにマーキングする犬もいるようです。
ストレス
室内でのマーキングは、環境の変化などによるストレスが原因となっている可能性があります。犬は、引っ越しなどで環境がガラッと変化すると、家の中で自分のにおいがしなくなり、ストレスを感じます。家の中を安心できる空間にするためにマーキングを行い、自分のにおいを広げようとするでしょう。
引っ越しだけでなく、家族の生活の変化も、マーキングの原因となることがあります。例えば、飼い主の子供が生まれたり、飼い主の仕事の時間が変化したりすることなども、犬によってはストレスに感じ、家の中でのマーキングにつながります。
不安・恐怖心
犬は強い恐怖心を感じると、マーキングをすることがあります。家の中でマーキングをしている際に、飼い主が強く叱ると、ますますマーキングがひどくなる可能性があるので、注意が必要です。
また「分離不安症」が原因で、マーキングをすることもあります。分離不安症とは、飼い主と離れることに恐怖を感じて問題行動を起こす心の病気です。犬のそばから飼い主が離れると、飼い主がいないという不安からマーキングを行います。分離不安症の問題行動は、マーキング以外にも、無駄吠えや家具や壁の破壊などがみられます。
家の中でのマーキング対策
家の中でのマーキングは、においが染みつき、衛生状態も悪くなるため、早めに対策する必要があります。ここからは、愛犬が家の中でマーキングをしてしまう際の対処法を5つ紹介します。
避妊・去勢手術を行う
マーキング行動は、子孫を残すという本能から行っていることが多いとされています。避妊・去勢手術を行うと、本能的な行動が減り、室内でのマーキングをする頻度を減らすことができるでしょう。とくに発情中にマーキングを行うメス犬は、避妊をして発情がなくなると、マーキングをしなくなるケースが多いようです。
避妊・去勢手術は、マーキングの頻度を減らすだけでなく、子宮や前立腺などの病気の予防にもつながります。出産を考えていない場合は、早めに避妊・去勢手術を行うことをおすすめします。
ストレスや恐怖心を取り除く
マーキングをする原因がストレスや恐怖心の場合、原因をできるだけ取り除くことが大切です。例えば、引っ越しが原因でマーキングをするようになったときは、前の家で愛犬が使用していた敷物やおもちゃを、愛犬が過ごすスペースに置くようにしましょう。自分のにおいの付いたモノがあることで、犬は安心感を得ることができます。
また愛犬がストレスを感じている様子がみられた際には、いつもより愛犬との時間を多めに確保することをおすすめします。ドッグランに行ったり、ボール遊びや引っ張りっこなどで遊んだりと、コミュニケーションを多くとることで愛犬のストレス解消になります。
マーキングの前兆を知る
犬がマーキングをするときには、マーキング前に独特な行動をします。行動は犬によって多少の違いはありますが、壁や床のにおいを嗅ぐ、片足をあげようとする、くるくる同じところを回るなどの行動がみられます。
マーキングの前兆がみられたら、犬に声をかけて気を逸らすようにしましょう。
マーキングをした後はしっかりと消臭する
犬は、自分がマーキングした場所には何度もマーキングをする習性があります。そのため、壁や家具などにマーキングをしてしまった場合は、速やかに掃除をしてにおいを残さないことが重要です。
犬のおしっこは独特なにおいがあり、人間用の掃除用品ではにおいが取れない可能性があります。犬のマーキングの掃除には、犬用の消臭スプレーを使用しましょう。
おしっこ臭を残さない掃除方法は、こちらの記事で紹介しています。ぜひチェックしてみてください。
➤犬のおしっこのにおいを消すには?フローリングやカーペットの掃除方法をご紹介
マーキングするモノを取り除く
愛犬が毎回マーキングをする特定のモノがあれば、犬の飼育スペースから取り除くことも検討してみてください。上記でも紹介した通り、犬は自分がマーキングした場所に何度もマーキングを行う習性があります。繰り返しマーキングするモノを取り除くと、マーキングの頻度を減らせる可能性があります。
また動かせないような大型の家具や壁にマーキングをする場合は、柵を取り付けたり、保護シートで覆ったりと、犬がにおいを嗅げないような対策を行いましょう。
マーキング対策におすすめのグッズ5選
ここからは、家の中でのマーキング対策におすすめの商品を5つ紹介します。
マナーベルト・おむつ
吸水速乾に優れたマナーベルトです。マナーベルトとは、犬の腰に巻きつけて、おしっこが壁などにかかることを防ぐ用品です。お腹部分の生地は、お腹にフィットしやすいように天竺素材を採用。消臭効果も優れているため、愛犬が快適に過ごすことができます。
6時間分のおしっこを吸収できるおむつです。ギャザーが付いた設計で、すき間から漏れを防ぐことができます。全面通気シートを採用しており、蒸れることなく快適に過ごせます。使い捨てできるおむつを探している方におすすめです。
トイレ用品
高い壁が付いているトイレトレーです。壁側にはクリップが付いており、トイレシーツを取り付けることができます。トレーに付いたメッシュの足場は、取り外し可能で、掃除が簡単にできます。足をあげておしっこをするオス犬におすすめです。
掃除用品
アンモニア臭を瞬時に消臭できるスプレーです。次亜塩素酸や二酸化塩素を使用していないため、犬が舐めても害がないのがポイントです。除菌効果にも優れており、雑菌の繁殖を防ぐことができます。マーキングした場所の消臭におすすめの用品です。
しつけ用品
「文英堂薬品 グッドリッチ 除菌消臭ができてマーキングもさせないスプレー」
天然成分からできた犬のマーキングを防ぐためのスプレーです。除菌消臭成分を配合しており、マーキング後の掃除にも役立ちます。すべて天然成分からできているため、犬が舐めても安全です。使用方法は、犬にマーキングして欲しくない場所にスプレーし、においが残る程度に拭き取るだけなので、手軽に使用できます。
家の中でのマーキングには早めの対策を!
マーキングは、自分の存在を知らせたり、縄張りを主張したりする目的で行われます。オス犬だけでなく、メス犬もマーキングをすることがあり、発情中によくみられます。
マーキングは、本来であれば室外で行いますが、飼い主との信頼関係がうまく築けなかったり、犬がストレスや不安を抱えていると、室内でもマーキングを行うことがあります。犬の心理的な変化が原因でマーキングを行っている場合は、ストレスや不安の原因を取り除くことが大切です。
愛犬のストレス発散には、飼い主との遊びを定期的に取り入れることをおすすめします。愛犬とのおすすめの遊び方についてはこちらの記事をチェック!
この記事を書いたペットとの暮らしの専門家