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目次

獣医師。動物病院、会員制電話相談動物病院などを経て動物病院を開院。
興味がある分野は、皮膚科や産科、小児科。12頭の犬、3匹の病院猫と生活する。
高温多湿でじめじめとした日本の夏ですが、平均気温は温暖化の影響もあって年々上昇しています。
人間は日々、熱中症への注意喚起がされており、エアコンをかけることは欠かせません。
猫はというと、日向ぼっこが好きだったり、冬場も暖かいこたつを好んだりするなど、暑さにも強そうなイメージを持ちますが、猫の夏の過ごし方はどんなことに注意すべきなのでしょうか?
猫の夏の過ごし方の注意点や、エアコンなどを用いた暑さ対策についてお話させていただきます。
猫は暑さに強い?エアコンなしでも大丈夫?
暖かさを好む傾向がある猫ですが、日本の夏の暑さにも耐えられるくらい強いのでしょうか?
人間は熱中症に陥る危険性もあり、エアコンなしで過ごすことは難しいでしょう。
猫は暑さに強いという説がありますが、人間同様に熱中症に陥る危険性もあり、夏の過ごし方には注意が必要です。
猫の先祖は砂漠出身。でも日本の夏は別物!
猫は本来野生で生活していた生き物です。
先祖はリビアヤマネコという猫で暑い砂漠で生活していたとされています。そのため、本来は暑さへの耐性がある生き物と考えられます。
しかし、人間と一緒に生活するようになり、世界中の様々な場所で飼育されるよう品種改良が進められ、現在飼育されている猫たちは暑さに強くありません。
特に日本の夏は湿度も高く、汗をかくことが難しい猫たちにとっては熱中症に陥りやすい危険な季節となり得ます。
猫が「暑い」と感じる気温の目安とは?
猫は比較的暖かさを好む生き物です。しかし「暑さ」を好むわけではありません。
寒すぎない室温に設定し、寒いと猫が感じるようであれば、毛布などで暖をとれる環境が望ましいです。
快適な室温は20~25度くらいとされていますが、個体の健康状態によって最適な温度は異なります。
寒すぎてしまうと鼻気管炎などの体調不良につながる危険性もあります。
一方で、マズルの短い猫種や鼻腔の狭い個体は、温度を上げ過ぎてしまうと熱中症につながる危険性が高まるため注意が必要です。
愛猫の呼吸の様子や食欲などの体調を見ながら、温度調整を行うことをおすすめします。
エアコンなしでのお留守番は危険?
猫は暑さに強いと思われがちですが、熱中症に陥る危険性がある動物です。
日差しが強く湿度の高くなる日本の夏は、どんなに短時間であってもエアコンなしで猫がお留守番をすることは危険です。
日の当たり方や、天候の変化によって室温は大きく変化します。
帰ってきたら室温が思ったよりも上昇していて、愛猫が体調不良に陥っていたという危険なケースもあり得るでしょう。
電気代など気になる点もあると思いますが、基本的には夏の留守番時はエアコンをつけっぱなしにすることをおすすめします。
以下の記事でも猫のお留守番時の注意点について解説しています。
こんなときは要注意!猫が暑がっているサインと対策
猫も熱中症になり得ることが分かっていただけたと思います。
マイペースに飼い主さんとの関係性を築く猫だからこそ見逃しがちな「暑いよ」というサインをご存じですか?
熱中症は死につながる危険なトラブルです。しっかり対策をとり、猫からのサインを見逃さずにキャッチしましょう。
ここからは、猫が暑がっているサインと対策を解説します。
猫も熱中症に注意!見逃せないサインとは
熱中症は重度になると神経障害が起こったり、死に至る危険性があります。
「暑い」「苦しい」というサインにいち早く気づいてあげることが、早期発見につながります。
以下のようなサインに気をつけましょう。
- 食欲不振
- 寝ている時間が多い
- 下痢や嘔吐
- 開口呼吸
食欲不振や寝ている時間が多いことなどは、初期症状といえるため、すぐに室温を下げ、体を冷やすなどの対策で改善される可能性も高いでしょう。
下痢や嘔吐は軽度の熱中症の場合に見られることが多いです。
中でも開口呼吸は呼吸のしづらさを感じている状態を示し、死に至る危険性が高く、緊急度も高いです。すぐに受診するようにしましょう。
熱中症になったときの正しい対処法
熱中症は死に至る危険性のある怖い病気です。疑わしいと感じたら、すぐに受診することを心がけましょう。
しかし、すぐに動物病院へ連れて行っても受診できるとは限りません。
まずは動物病院へ連絡し、熱中症の疑いがあること、受診の希望があることを伝えましょう。
症状も説明できるようにしておくと安心です。受診までの間に室内や車内をしっかり冷やしましょう。
体も熱くなっているようであれば、濡れタオルなどを体にかけて風をあててあげてください。
エアコンを使用する際の注意点
熱中症を防ぐために、エアコンを使用することはとても大切です。
しかし、使用方法によっては猫が体調を崩す原因になってしまうこともあります。
猫に健康かつ快適に過ごしてもらうために、どんなことに注意すべきなのでしょうか。
冷風が直接当たらないように工夫する
エアコンによって室温を下げることはとても大切ですが、冷風が直接猫の体に当たることで健康面の問題につながることもあります。
寒いと感じながら過ごすことも大きな負担となるため、猫がよくいる場所やケージの置いてある場所へ、直接風が当たる風向きにならないよう調節しましょう。
猫のいる空間の温度が一定に下がることが理想です。
サーキュレーターなどを使用して、冷たい空気が循環するようにしましょう。
猫が自由に移動できるようにする
猫によって快適と感じる温度は様々です。
天候や時間帯によって、快適と感じるエアコンの設定温度や湿度も異なります。
不快なまま猫が空間に居続けることで、心身ともに負担となる危険性もあるでしょう。
猫が生活する中で自身が快適と思える場所を選択して移動できることが理想的です。
「ペットドア」を設置すれば、エアコンの効率をよくするために扉をしっかり閉めても猫は自由に部屋を移動できるため、自分の快適な場所を選択することが可能になります。
エアコンに乗らないよう注意する
猫が日本の夏を過ごすうえで、エアコンをつけることは必要不可欠です。
しかし、猫は好奇心旺盛でいたずらが大好きな動物。エアコンをつけて快適な空間を作ってあげても、思いもよらないトラブルにつながる場合もあります。
猫という生き物の特性を把握したうえで、エアコンを使うことが大切です。
高いところも大好きな猫にとって、エアコンに乗ることは簡単なことです。
エアコンに乗りコードを噛んでしまったり落下してしまったりすると、事故につながる危険や、リモコンに触れて温度設定が変わり室温が上がるトラブルなどにつながる場合があります。
エアコンやリモコンの置き場所の対策をとりましょう。
ほかにもエアコンを使用する際の注意点について解説している記事も参考にしてみてください。
エアコン以外でできる!猫のための暑さ対策
エアコンだけに頼ることで、電気代が想像以上にかかってしまったり、人間が過ごすには快適さに欠ける場合もあります。
エアコンによって室温を下げることはとても大切ですが、より効率よく行うために、便利なアイテムを併用することで、快適な空間を作ることができるでしょう。
シェードやカーテンで直射日光を防ぐ
室温をエアコンで下げようとしても、直射日光が当たることで思うように下がらない場合もあります。
エアコンで効率よく室温を下げるために、カーテンやシェードで直射日光の対策をしましょう。
室内を完全に日陰にすることが難しい場合、特に日差しが強くなる時間帯のみカーテンやシェードを使用をするだけでも、十分に効果は期待できるでしょう。
窓の外に取り付ける「スタイルシェード」であれば、使わないときはすっきりと収納ができるため、日差しが強い時間帯のみの使用で快適に過ごすことが可能です。
日当たりは時間帯によって変わります。
特に留守番が多い家庭は、お気に入りの場所やケージが置いてある場所の日当たりや室温の変化を把握・管理することで熱中症を予防してあげましょう。
断熱材を取り入れる
室温を効率よく下げるために、外気温に建物が影響を受けにくくするような断熱材を取り入れることも選択肢の一つです。
夏は気温が上がることで、建物自体の温度も上がり、部屋がエアコンによって冷えにくくなるなどの弊害が出る場合もあります。
少しでも外気温の影響を受けにくくするために、リフォームなどの際に断熱材の使用を検討してもよいでしょう。
こちらの断熱材「AIB(アイビー)工法」は、既存の建物を解体せずに取り入れられることが特徴的です。
建て替えではなく、リフォームという低コストで行うことのできるペットへの快適な空間づくりの一つといえるでしょう。
網戸を使い風通しをよくする
まだ涼しい季節には網戸を使用して、風通しを良くすることも有意義です。
しかし、猫は鋭い爪を持っており、身体能力も高いため、網戸の素材や作りによっては破って脱走する危険性もあるため注意が必要です。
「リリーブ」は、金属製パネルを使用しているため強度も抜群。猫によって、たわんだり穴をあけられる心配もなく、脱走対策としてもとても優秀です。
季節や気温、時間帯によって、エアコンと網戸を使い分けても良いかもしれません。
エアコンや暑さ対策は必須!猫が快適に過ごせる夏に
日本の夏は湿度が高く気温も上がるため、人間だけでなく猫も不快に感じ、健康面での問題につながる危険性が高まります。
若齢の頃は体力もあるために乗り切れる暑さでも、加齢とともに快適に過ごせる室温も変化します。
愛猫の変化を見ながら快適に過ごせる室温を見つけてあげることがとても大切です。
エアコンを効率よく使用できるよう、便利なアイテムを併用しながら室内の環境を整え、愛猫が健康かつ快適に夏を過ごせるよう心がけましょう。

獣医師。動物病院、会員制電話相談動物病院などを経て動物病院を開院。
興味がある分野は、皮膚科や産科、小児科。12頭の犬、3匹の病院猫と生活する。