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ペットラバー建築家が実際に”やってみた” 家づくりのアイデア【傾】

目次


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    ペットと暮らす家づくりにおいて、特に犬と共に快適に過ごすための設計は非常に重要です。

    今回は、ペットラバー建築家として、犬と暮らす家づくりの一環として「程よい傾斜のスロープを用意した家づくり」についてお話しします。

     

     

    スロープの重要性

    まず、なぜスロープが重要なのかを考えてみましょう。

     

    犬や人にとって、スロープは単なる移動手段ではありません。特に、年齢を重ねた犬や関節に問題を抱えた犬にとって、階段の昇り降りは大きな負担となります。

    この点で、スロープは身体に優しい移動手段として非常に有効です。

    また、程よい傾斜のスロープは電動車椅子にも対応できるため、家族全員が快適に過ごせる環境を提供します。

     

    スロープの勾配と設計

    スロープの勾配は重要なポイントです。

    一般的に、1/8の勾配が理想とされています。これは、1メートルの高さに対して8メートルの長さが必要ということです。

    この勾配は、犬にとって無理なく上り下りできるだけでなく、人にとっても安全で使いやすいものとなります。

     

    カーペットタイルの選択

    スロープの表面には、程よいグリップ感のあるカーペットタイルをおすすめします。

    カーペットタイルは滑りにくく、犬や人の歩行を安定させる効果があります。

    特に、犬の爪が引っかかりにくく、歩行時の音を吸収するため、静かで快適な環境を提供します。

     

    動線の考え方

    スロープを設置する際には、家全体の動線を考慮することが重要です。

    リビングから庭、寝室からリビングといった主要な移動経路にスロープを設置することで、犬が自由に家中を移動できるようになります。

    また、動線をスムーズにすることで、犬のストレスを軽減し、健康的な生活をサポートします。

     

    スロープの健康効果

    スロープの利用は、犬だけでなく人にも多くの健康効果をもたらします。

    スロープの上り下りは、第二の心臓と言われる脹脛の鍛錬になります。適度な運動は血行を促進し、心肺機能を向上させる効果があります。

    特に、日常的にスロープを利用することで、健康的な生活習慣を維持することができます。






     

    実際にやってみた設計アイデア

    ここでは、階段のないスロープだけで室内の動線を確保した家の具体的な設計例をご紹介します。

     

    この住宅は家全体がバリアフリー設計で、階段ではなく、スロープで全ての主要動線を確保します。これにより、ペットや高齢者、身体に障害を持つ家族全員が快適に移動できる家を実現します。

     

    リビングからダイニング、キッチンへの動線は、程よい傾斜(1/8勾配)のスロープでつながり、程よいグリップ感のあるカーペットタイルを張っています。

    このスロープは約80cmの段差を6.4メートルの長さのスロープで連絡し、人も愛犬も無理なく歩けるように設計されています。もちろん、ロボット掃除機だって昇降できます。

     

     

    まとめ

    ペットラバー建築家として、愛犬と暮らす家づくりにおいて「程よい傾斜のスロープを用意すること」がどれほど重要かをお伝えしました。

     

    スロープは、愛犬や人の健康にとって非常に有用であり、日常生活を快適にするための重要な要素です。適切な勾配、カーペットタイルの選択、動線の考慮など、細部にまでこだわった設計が必要です。

     

     

    これから家づくりを考える方々にとって、ぜひ参考にしていただければ幸いです。

    家づくりは単なる建物の設計ではなく、そこに住む全ての家族が快適に過ごせる環境を作ることです。

    この記事を書いたペットとの暮らしの専門家

    前田 敦

    一級建築士事務所・前田敦計画工房合同会社代表。「ペットラバー建築家」としてペッ ト共生住宅の設計監理に積極的に取り組み、 雑誌・TV などメディアでの紹介も多数。

    エリア:東京都