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ランニングマシンというと、スポーツクラブやジムに設置されてある人間用のエクササイズマシンを想像するかと思いますが、実は犬用のランニングマシンもあるんです。
犬にとって散歩は単なる運動ではないので、ランニングマシンが日々の散歩の代わりになるものではありませんが、シーンや目的によっては実用的に使用することができます。
この記事では、そもそも犬用のランニングマシンがどのようなものなのか、どういった場面で使うのが良いのか、実際の商品を紹介していきます。
犬用のランニングマシンとは
既述したように、犬用のランニングマシンは人間のそれと同じく犬用のエクササイズ器具のことを指します。
名称はランニングマシン以外にも、ウォーキングマシン、ルームランナー、トレッドミルなどさまざまで、一般的には有酸素運動を目的として、ベルトコンベア状の踏み台が自動で動き、速度や傾斜を調節しながら運動する器具のことで、犬用のランニングマシンも人間が使うものとほぼ同じ形状です。
とはいえ、人間と犬とでは背の高さも歩き方も違いますし、犬は高いところも苦手なことが多いので、人間用のものに比べ踏み台の位置が低く設計され、ベルトコンベアが動いている最中に降りてケガをしないように柵が付いているものなども見られます。
犬用のランニングマシンは散歩の代わりになる?
いくら自宅で犬用のランニングマシンを使って愛犬を運動させていたとしても、それは日々の散歩の代わりになるとは言えません。
犬にとって散歩には
・運動
・気分転換
・飼い主さんとのコミュニケーション
などの意味があると言われています。
外に出て運動することで、筋力アップや肥満防止につながることはもちろん、日光浴はカルシウムの生成を助けるほか、成長ホルモンや幸せホルモンともいわれるセロトニンの分泌を促すので、散歩は精神的な健康を維持するにも重要なのです。
今でこそ犬は室内飼いがほぼ当たり前になっていますが、本来犬は一日の約半分の時間を外の匂いを嗅ぎまわったり、何かを追いかけたりして生活する動物だと言われています。つまり、本能的な欲求として外部の刺激を求めている、ということです。
人間だって、数日間外に出ず、テレビなどの刺激がない部屋で過ごしていたら、気が滅入ってしまいますよね。それと同じように、犬も毎日家の中だけで過ごしているとストレスが溜まってしまいます。
適度に外に出て外の匂いを嗅いだり、他の犬や人とのコミュニケーションをとったりして気分転換をさせてあげることはとても大切です。
また、散歩は大好きな飼い主さんと一緒にお出かけができる最高のコミュニケーションツールの一つ。犬は、散歩という冒険に連れて行ってくれる飼い主さんが大好きなのです。
犬にとって散歩はとても重要な時間。その子にあった運動量を考慮した上で、ランニングマシンでの運動と散歩は切り離して考えましょう。
犬用ランニングマシンを使う目的
それでは、どのようなときに犬用のランニングマシンを取り入れるのが良いのでしょうか?ここでは3つのシーンに分けて紹介します。
ダイエット
まず第一にダイエットが必要なとき。これは人間も同じですよね。
犬にとっても過度な肥満は足腰への負担はもちろん、臓器にも負担をかけてしまうので、できる限り適正体重を管理するのがベストです。
ダイエットが必要な場合は運動や食事量の調整、低脂肪のドッグフードを取り入れるなどの工夫が必要になりますが、それでも思うようにダイエットが成功しない場合はランニングマシンでの運動を検討してみるのも良いでしょう。
ただし、既に紹介した通り、運動をランニングマシンに限るのではなく、日々の散歩にプラスする意味で取り入れることが大切です。
十分な運動が確保できないとき
次に考えられるシーンが、断続的な大雨や台風、雪などで外に出かけるのが難しい場合です。季節や地域によっては、天候が理由で思うように外に出られないこともあるでしょう。
そんなとき、人間はテレビやスマホ、ゲームなどでお家時間の充実を図ることができますが、犬はなかなかそうもいきません。飼い主さんと遊べる時間があればまだ良いですが、やはり運動不足はストレスが溜まる要因の一つ。
コロナ禍で人間も自宅での運動やトレーニングが一般的になったように、犬も自宅で適度な運動をさせてあげると精神状態の安定にもつながります。
足腰のリハビリや高齢期の運動機能維持
最後は医学的な見地での使用シーン。近年では、術後のリハビリや高齢期の犬の運動機能維持を目的として、動物病院でもランニングマシンを取り入れる例があるそうです。
特に「水中トレッドミル」と呼ばれる、プールとランニングマシンを合わせたような水中歩行器具を導入する動物病院や、研究を進める専門学校なども少しずつ増えてきているとのこと。浮力と水圧を利用することで無理なく体を動かすことができるため、関節への負担も少なく、今後の普及が期待されている水中運動療法と言われているそうです。
使うときの注意点
ここからは実際に犬用のランニングマシンを取り入れる際、注意したい点を紹介します。
まずは器械に慣れさせる
ランニングマシンは音や振動を伴うので、いきなり犬を乗せたり動かしたりすることはせずに、まずはしばらくそのまま置いておき、匂いや音に慣れさせるようにしましょう。
いざ使うときも、まずは止まった状態で上に乗せて、おやつなどを使って上を歩かせてあげてみてください。ダイエット中でも脂肪分や炭水化物が少ないおやつや、ささみなどを適量あげる分には問題ないことが多いので、心配であれば獣医さんとも相談してその子にあったおやつをあげながら、楽しくランニングマシンに慣れさせてあげたいですね。
嫌がるときは無理に使わない
犬に必要な運動量は犬種や体重によって異なります。まずは獣医さんに相談して、毎日平均的に必要な運動量を把握しましょう。
犬がランニングマシンに慣れてきても長時間使うのではなく、必要運動量や外での散歩との兼ね合いで無理なく使うことが大切です。
使用中に犬が嫌がったり、不安そうな様子が見られたら使用を中止して、優しく撫でてあげましょう。
逆に上手にエクササイズができたら十分に褒めてあげて、おやつなどのご褒美をあげながら、楽しく運動ができるように工夫します。ランニングマシン自体に嫌な印象を抱かせないようにするのがポイントです。
必ず飼い主さんがそばで見守る
ランニングマシンを使う上で一番重要と言っても過言ではないことは、絶対に犬をランニングマシンに乗せたまま放置しないこと。
ランニングマシンの上での歩行に慣れてきても、決してリードなどで固定して放置してはいけません。
使用中に飼い主さんがリードを持つことで安全を確保することは良いのですが、どこかにリードを固定していると、少し目を離したときに転倒をして固定されているが故に起き上がれないなどの事故にもつながりかねません。
そのようなケガや事故を避ける上でも、使用中は常に飼い主さんがそばで見守ることが大切です。
振動や音に注意
人間用のランニングマシンの場合は機器自体の音に加えて着地する際の振動も加わるため、特にアパートやマンションで使用する際は周囲の人への配慮が必要になりますが、ペット用は基本的にはウォーキング用として使用することがほとんどなので、着地音による騒音はそこまで気にしなくて良いでしょう。
とはいえ、器械の音は商品によってそれぞれ異なる上、住環境によっても音や振動の伝わり方はそれぞれです。器械の音や振動を確認した上で対策ができると安心です。
例えばランニングマシンの下に敷くルームマット。ルームマットにも色々な種類がありますが、衝撃吸力に優れたマットがおすすめです。
また、ランニングマシンはそれ自体の重量が大きいので、そのまま床に置くと床材を傷つけてしまったり、凹ませてしまうこともあります。比較的厚みのあるルームマットを敷くことで床の傷が防げるほか、滑り止め加工が施されているものだと安定感が増して、使用中の揺れやズレの防止にもなり一石二鳥です。
WALKINGPAD エクササイズフロアマット
WALKINGPADはランニングマシンの販売も手掛けている企業ですので、ランニングマシン専用のマットとして安心して使用できます。マット自体の厚みは3ミリでランニングマシンをしっかり固定しながら床へのダメージを防ぎます。
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犬用ランニングマシンの商品例
現在販売されている犬用のランニングマシンは、人間が使うものと同じような電動式のものがほとんどです。ベルトコンベアが動き、速さや傾斜を調節することで、効率良く運動できます。
犬が怖がらないよう高さが低く作られていたり、安全ガードの柵が付いていたりと、犬の安全性を考慮した商品が多いほか、コンパクトに折りたためるタイプもあります。
ペット ルームランナー 電動ランニングマシン
体重40キロまでの中型犬~大型犬用のランニングマシンです。弾力性のある素材のベルトコンベアなので、犬の足腰にも優しい設計。低音モードもあるのでマンションなどで使用する際にも重宝しそうです。自動給餌機能が付いているので、上手にエクササイズができたときのご褒美にも使えます。
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愛犬専用電動ウォーキング ペットラン PR-700
体重20キロ以下の小型犬~中型犬用のランニングマシンです。高さも低く、サイズもそこまで大きくないので使うとき以外はしまっておくこともでき、インテリアを乱しません。
リモコン操作で速度調節が可能です。
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愛犬の心身の健康を第一に、ランニングマシンの使用も検討しましょう
かつては屋外の犬小屋で犬を飼うのが多数派だった時代もありますが、近年はペットOKのマンションも増えてきていることも後押しとなって、室内飼いが当たり前になっています。
またドッグフードやおやつなどの種類も増え、人間と同じように犬の肥満に悩んで動物病院の門を叩く飼い主さんも多くなっています。
食事の改善や運動で上手にダイエットするのが一番ですが、なかなか思うように体重が落ちないこともあるかもしれません。
また犬によっては散歩が苦手、外に出しても一歩も歩かない、という性格の子もいます。
そのような場合には、自宅でのエクササイズ方法の一つとしてランニングマシンを検討してみるのも良いのではないでしょうか。
この記事を書いたペットとの暮らしの専門家