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ペットを室内で飼っていると、ペットが噛んだり引っかいたりと何かと壁が傷みやすいですし、ペットの汚れが付きやすいですよね。
ペットの臭いが染みついたり、ペットの鳴き声が周りに漏れたりするのも、壁が原因のことがあります。
だからこそ、ペットを飼う時にはこういった悩みを解決してくれる壁材を選ぶ必要があります。
この記事では、ペットを飼う家におすすめの壁材を紹介するとともに、愛犬家住宅だからこそ知っている壁材の選び方を解説します。
ペットのいる家の壁材の選び方
1.傷に強い
ペットとの暮らしで最も心配なことの1つは「壁紙がボロボロになること」ではないでしょうか。
やんちゃな犬さんが前足や口で壁を破壊してしまったり、猫さんがうっかり爪を研いでしまう心配がありますよね。
これを防ぐためには、
・壁の素材を固いものにする
・ひっかき傷に強い壁紙を利用する
という方法があります。
タイルやホーローなど硬い素材の壁材を使用することで、壁へのダメージを軽減できます。硬い素材は剥がれる可能性も低いので、メンテナンスをする必要がほぼないのもメリットですね。壁紙の中にもひっかき傷に強いタイプがあります。
全体ではなく、ペットが届く高さまでを腰壁にするというのも良い方法です。腰壁では壁の傷を防ぐことができるとともに、インテリア性を高めることができます。
2.汚れに強い
ケージや愛犬愛猫のトイレ近くの壁は排泄物が飛び散りやすく、壁材に汚れが染み付いてしまうのが心配ですよね。
ペットと暮らすご家庭では、汚れを簡単に拭き取りやすい壁材を選ぶのがオススメです。
・撥水加工やフィルム加工をしている壁紙
・ツルっとしたタイル素材の壁材
などであれば、汚れを簡単に拭き取ることができます。
3.ニオイに強い
壁にニオイが染みついてしまうと、消臭剤や空気清浄機を使ってもニオイが気になってしまいます。
INAXが行った調査では、ペットを飼うことに対して家族が反対する理由として最も多いのは「ニオイ」という結果が出ています。
お部屋に染みついたニオイは家族にも不快感を与えるだけでなく、嗅覚が優れている犬や猫にとってもストレスになる恐れがあるので注意が必要です。
ペットのニオイを防ぐためには、
・抗菌・消臭機能がある壁材
・ニオイ成分を分解する壁材
を利用するのがよいでしょう。
【プラスα】吸音性がある
ペットの鳴き声は隣の部屋の住人や、周辺の家の迷惑になる可能性があります。
吸音性能のあるパネルを設置すると鳴き声が響きにくくなり安心です。
ペット対策ができる壁材まとめ
汚れ、傷付き、ニオイの染み込み…
ペットとの暮らしの中で
「壁」に対してのお悩みを解消する壁材を一挙ご紹介します!
壁紙
ペットを飼っている家における壁紙のデメリットは、傷がつきやすいということ。特に猫さんと暮らしていると、爪研ぎをされてしまうというお悩みも多くあります。
また、汚れやニオイが染みついてしまうというのも壁紙のデメリットです。ただ、壁紙は簡単に貼り変えることができますし、傷がついた部分を補修するのも比較的に簡単です。
スーパー強化+汚れ防止壁紙(リリカラ)
カーテンや壁紙、床材を販売しているリリカラ株式会社では「スーパー強化+汚れ防止壁紙」を開発。
通常のビニル壁紙だと、樹脂を膨らませた凹凸があるため傷付きやすいところがデメリットになります。しかし、こちらのリリカラは凹凸を減らすことで傷に強く作られているところが特徴です。
さらに、表面を透明のフィルムでラミネートしていることも傷に強いポイントで、汚れも拭き取るだけでOK!
愛犬や愛猫の尿マーキングにも、一般的な壁紙より安心ですね。
ルームエアー(サンゲツ)
壁装材、床材、ファブリックなどを企画・販売している株式会社サンゲツでは、消臭機能を持った壁紙『ルームエアー』を開発。
壁紙の表面に消臭剤を加工し、臭いの原因物質と消臭剤の化学反応によってニオイを吸着・消臭します。
ホルムアルデヒドの低減にも効果があり、飼い主さまの健康にもメリットがあります。
『ルームエアー』は効果が約10年も持続するという頼もしい機能性壁紙です。
タイル
タイルもまた、ペットを飼っている家の壁におすすめの壁材です。
その表面の固さから傷がつきませんし、汚れがついても簡単に拭き取ることができます。さらに、タイルによっては消臭機能のあるものや、調湿機能のあるものなども開発されています。タイル特有の質感がインテリアのアクセントになることも魅力的です。
デメリットとしては、一般的な壁紙と比べると工事費用が高い場合が多く、工事期間がかかることが挙げられます。
エージープラス(名古屋モザイク工業)
タイルの開発・販売、輸入などを行っている名古屋モザイク工業が開発した『エージープラス』は、銀イオンを含んだ調湿・消臭タイルです。
『エージープラス』の原料はALC粉末(リサイクル)と二酸化炭素。焼成を行わない二酸化炭素を最小限に抑えた製法で製造しています。
ナノ単位の微細な孔によってニオイ分子を吸着し、銀イオンがニオイ分子を悪臭でない分子に変えることで消臭します。
さらに、湿気を素早く吸着・放出して健康な湿度をキープ。銀イオンが微生物の増殖を抑制するので抗菌・抗カビ作用もあります。
ニオイ分子や湿気だけでなく、ホルムアルデヒドなどの有害物質吸着性能も!
お部屋の空気を安心・安全・快適に保つサポートをしてくれます。
腰壁
ペットが壁につける傷を防ぐためには「腰壁」も有効です。
全体ではなくペットが届く高さまでを腰壁にすることで、コストを抑えながら壁を守ることができます。
また、腰壁にすることでお部屋の雰囲気を大きく変えることができます。
塗り壁
塗り壁とは、お部屋の壁に塗料や漆喰、珪藻土などを塗る壁のことです。
壁紙などのように継ぎ目がなく、一体の壁面を作ることができます。素材に様々な機能があり、断熱性・消臭性・調湿性があるのも特徴です。
最近では健康志向の高まりもあって、自然素材を利用した塗り壁が人気です。自分で簡単に塗ることができる塗り壁材も開発されており、より簡単に取り入れることができます。
AJペットウォール
AJペットウォールは8種類の天然成分を使用した自然素材100%の塗り壁であり、珪藻土や漆喰とも異なる全く新しい壁材です。
注目ポイントは、あらゆるウイルスの99・9%を死滅させる効果です。
紫外線が当たることで有機物を分解する「セルフクリーニング効果」があり、ペットのオシッコ汚れでは1日1回の霧吹きで約1週間程度で消えてなくなります。
有機物を分解してニオイの元に作用するため、ペット臭に対しても圧倒的な消臭効果を発揮します。
アレスシックイ(関西ペイント)
『アレスシックイ』は、日本のトップクラスの塗料メーカーである関西ペイントが開発した塗料です。
漆喰を塗料化したもので、漆喰のもつ様々な機能を最大限引き出し、ペットを飼っている家も快適な空間にすることができます。
室内の湿気を吸収・放湿して湿度のバランスを保ち、強アルカリ性なのでカビの発生を防いでくれます。
また、漆喰にはニオイを吸収・分解する機能があり、室内のペット臭を抑えてくれます。
メルシー・シリーズ(EMMAX)
ハイブリッド珪藻土塗り壁材の『メルシー・シリーズ』は、空気をきれいにすることをビジョンに掲げる株式会社EMMAXが開発したハイブリッド珪藻土塗料です。
珪藻土・漆喰・ほたて貝・火山灰を独自に配合することで独特な質感の壁にすることができるとともに、高い調湿性と吸着性を実現!
お部屋に染みつくペット臭のもとになる物質を吸着・吸収・分解してくれます。
また、珪藻土には小さい孔がたくさんあり断熱性能があるので、冷暖房費の節約にも繋がります。
内装材
ここまで紹介してきた壁材以外にも、特殊な内装材があります。
独自の素材を利用したり、特殊な作り方をすることで、通常の壁とは異なる機能や質感の壁を作ることができるのです。
これまでにない壁材を利用することで、ペットの悩みを解消することができますよ♪
エコカラット
『エコカラットは』大手建材メーカーのLIXILが開発・提供している壁材です。
すでに多くの飼い主さまに大人気の壁材ですね。
湿気は吸放湿し水や汚れは通さない構造になっており、室内を快適な湿度に保ちつつ水拭きするだけできれいに壁を保つことができます。
さらに、ニオイの吸着・分解作用がありますので、ペット臭を素早く消してくれます。珪藻土や壁紙より短時間で脱臭できるというデータもあります。
AZwall
『AZwall』は「ゼオライト」と呼ばれる天然鉱石を利用した内装材です。
多孔質なゼオライトの特徴によってニオイの成分を吸着してくれます。特に、アンモニアやメリルメルカプタン、硫化水素などの吸着に優れており、ペットのニオイを消臭してくれます。
また、湿度調整や空気質の改善なども行ってくれるので、人間にとっても快適な空間を作ることができます。
エマウォール
『エマウォール』は、世界で初めてホーローキッチンを開発したホーロー製住宅機器のパイオニア・タカラスタンダード株式会社が開発した内装材です。
ホーロー素材の表面はガラス質でできており、ニオイが染みつくこともありませんし、カビなども発生しません。
その質感は固いので壁紙のように傷がつくことがなく、常に美しい状態を保つことができます。
ホーロー製品の製造において高い技術を持っているタカラスタンダードだからこそ開発できた製品です。
まとめ
最近では消臭効果や調湿効果、防カビ効果など、さまざまな機能性がある壁材があります。壁材によってニオイや傷、カビなど、ペットとの暮らしの悩みが解消される可能性があるのです。愛犬愛猫と飼い主さまにとって快適な空間をつくるために、ぜひお悩みに合わせた壁材を選んでみてください。
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この記事を書いたペットとの暮らしの専門家
勝部 千尋
「書く・聴く・伝える」
執筆&犬猫お悩み相談『毛玉生活』運営
ライター/犬猫相談員
経歴
静岡県沼津市出身/京都芸術大学卒
大学卒業後、オーストラリアにワーキングホリデーと...
エリア:東京都
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