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猫は快適な場所を見つける天才です。暑い日には涼しいところ、寒い日には暖かいところへと移動します。
畳は、猫が昼寝をするのに最適なスポットの1つです。しかし、猫は爪とぎや粗相によって畳を傷つけたり汚したりしてしまうことがあります。
この記事では、猫が畳を好む理由とトラブルの対策について解説します。猫との暮らしにおすすめの畳もご紹介しますので、ぜひ参考になさってください。
猫が畳を好む3つの理由
猫は畳で昼寝をするのが大好きです。四季を通じて猫が畳で寝転ぶのには、おもに3つの理由があります。
夏は涼しく冬は暖かいから
畳に使われているイグサやワラの中は空洞になっていて、たくさんの空気が入っています。畳が断熱性や保温性に優れているのは、空気の層のおかげです。
夏は熱を遮断するため、畳の表面はヒンヤリとしています。また、冬には日光などで温まった空気を逃がさないので、和室は暖かく感じます。
暑がりで寒がりな猫にとって、畳は最高の寝床と言えるでしょう。
イグサの良い香りがするから
畳の原料はイグサです。新しい畳の敷かれた和室は独特の香りがしますが、その正体はイグサに含まれる「フィトンチッド」という成分です。
フィトンチッドは、リラックス効果をもたらします。森林で深呼吸をした時に安らぎを感じるのは、フィトンチッドのおかげです。
猫が畳を好む理由の1つは、自然に近いイグサの香りだと考えられています。
クッション性があり柔らかいから
猫は、柔らかい場所を好む傾向があります。畳はクッション性があり適度に柔らかいので、猫が寝転ぶのに最適です。
畳の本体は、畳床と呼ばれます。昔ながらの畳床はワラで作られ、40センチほど積み上げたワラを5センチの厚さに圧縮しています。そのため、畳はクッション性があるのです。
現在の畳は、木材チップの板で発泡スチロールをはさんだ建材の場合もあります。
猫が畳にする4つの問題行動と対策
猫は縄張りを大切にし、毎日のルーティンを好む動物です。気に入った場所で、マーキング行動を繰り返すという習性があります。
ここでは、爪とぎや粗相などの猫が畳にしてしまう問題行動とその対策について解説します。
爪とぎする
猫に爪とぎをされると、畳はあっという間にボロボロになってしまいます。猫が畳で爪とぎをする理由を知り、しっかりと対策をしましょう。
猫が畳で爪とぎする理由
猫は家の中のさまざまな場所で爪とぎをします。用意した爪とぎ器を気に入っていない場合、畳やソファ、柱などでガリガリと遠慮なく爪をとぐでしょう。
猫は、爪が引っかかりやすく、力いっぱい爪とぎしてもグラグラしない爪とぎ器を好みます。畳はイグサの網目が凸凹していて爪が引っかかりやすいため、爪とぎの標的にされがちです。
肉食動物である猫は、爪とぎをして常に爪を尖らせておく習性があります。爪とぎには縄張りの主張やストレス解消などの目的もあり、飼い主さんの都合でやめさせることはできません。
猫に畳で爪とぎさせないための対策
爪とぎは猫にとって自然な行動です。猫に畳で爪とぎをさせないためには、適切なしつけをし、爪とぎ器や畳の保護マットを設置しましょう。
猫が畳で爪とぎをしても、大きな声で怒鳴ったり叩いたりしないでください。飼い主さんとの信頼関係が崩れてしまいます。
畳で爪とぎした際には優しく注意をして、愛猫を爪とぎしてもよい場所に連れて行きましょう。用意した爪とぎ器を気に入れば、畳での爪とぎをしなくなります。
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また、畳の風合いを隠しても良いのであれば、カーペットやフロアマットを敷くのがおすすめです。畳のすべてが隠れるようにきっちりと敷きましょう。
もし、畳を楽しみたいのであれば、爪とぎの引っかきに強い畳を選びましょう。この記事では、猫との暮らしにおすすめの畳をご紹介しています。ぜひ参考になさってください。
粗相する
猫はトイレ以外の場所でオシッコをすることがあります。畳で粗相されるとニオイやシミの原因となるので、しっかりと対策をしましょう。
猫が畳で粗相する理由
猫はトイレ環境への不満の他に、習性や精神的・身体的なトラブルを原因として粗相をします。愛猫が畳で粗相する場合、状況を観察して理由を考えましょう。
去勢や避妊手術をしていない猫が発情期に粗相するのは、マーキング行動です。また、環境の変化をきっかけに粗相するようになったのなら、大きなストレスを感じている可能性があります。
シニア猫や泌尿器系の病気の猫は、トイレでの排尿がうまくいかず、畳の上で粗相してしまうことがあります。シニア猫は脚や腰が弱いので、縁の低いトイレを用意しましょう。
猫は泌尿器系の病気になりやすい動物です。特に膀胱炎を患った場合は頻尿になり、トイレに間に合わないことが多くなります。排尿トラブルに気づいたら、すぐに動物病院を受診しましょう。
猫に畳で粗相されないための対策
すでに愛猫が畳で粗相する場合は、まず原因をはっきりさせましょう。その上で対策を行い、粗相を予防する必要があります。
去勢や避妊をしていない猫は、縄張りを主張したり、異性を惹きつけたりする目的でマーキングを行います。生後半年を過ぎたら、最初の発情期が来る前に去勢や避妊の手術を受けさせましょう。
トイレ環境が気に入らない場合、猫は粗相をしがちです。こまめにトイレ掃除を行い、清潔を保ちましょう。人があまり通らない静かな場所にあるトイレの方が落ち着いて使うことができます。
老化や病気が原因と考えられる時は、獣医師に相談の上、粗相の対策を行いましょう。どうしてもトイレで排泄できない場合には、猫用のオムツをはかせるのもおすすめです。
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猫に畳で粗相された時の対処法
猫が畳で粗相した場合、問題となるのはニオイとシミです。すぐに掃除をすればシミは防げますが、ニオイが残ることもあります。ここでは、アンモニア臭が残りにくい掃除方法をご紹介します。
まずは乾いたペーパータオルや新聞紙で猫のオシッコを吸い取ります。オシッコの量が多く畳にしみ込んでいる場合は、お湯をかけてから水分をしっかり拭き取ってください。3〜4回繰り返すと、シミはなくなります。
ドライヤーの送風モードでしっかりと乾かし、カビを防ぎましょう。乾いたら、重曹を振りかけて数時間放置します。その後、掃除機で重曹を取り除きます。
ニオイが残っている場合は、クエン酸スプレーや市販のペット用消臭スプレーを吹きかけてください。
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嘔吐する
猫はよく吐く動物です。グルーミングで飲み込んだ毛を定期的に吐き戻します。毎日ブラッシングをしてあげると、嘔吐の頻度が減るでしょう。
吐瀉物には、猫の毛以外にキャットフードや猫草が含まれることがあります。すぐに掃除をしても畳にシミがつきやすいです。ここでは、猫が畳で嘔吐した時にシミを残しにくい掃除方法をご紹介します。
まず吐瀉物を広げないようにティッシュや新聞紙で囲みます。ゴシゴシこすらないようにして、包むように吐瀉物を取り除きましょう。
残った水分に重曹を振りかけて、乾いたらほうきで掃いて捨てます。その後、かたく絞ったぞうきんで畳を拭きます。畳の目に沿って拭くのがコツです。
ニオイが気になる場合は、ペット用の消臭スプレーを吹きかけておきましょう。
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猫は吐く前に口の周りを舐めたり、ゲホゲホとむせたりします。吐く前兆に気づいたら猫の口元に新聞紙を敷けるように、和室に何枚か常備しておくのもおすすめです。
舐める・食べる
畳を舐めたり食べたりする猫もいます。短時間だったり、ほんの少しかじるだけなら問題ありませんが、癖のようにしつこい場合は注意が必要です。
猫は、舐めることによって気になるものや興味のあるものについて情報収集する傾向があります。そのため、畳を舐めてみた結果、舌触りが気に入って癖になる可能性が考えられます。
また、畳を食べる場合は、お腹にたまった毛を吐くための猫草の代わりにしているかもしれません。一般的にはイネ科の植物が「猫草」として販売されています。猫草が身の回りにない場合、畳を食べることがあります。
畳の材料によっては、猫にとって有害な成分が含まれる可能性があります。畳を食べた時には様子を観察し、違和感がある場合には動物病院を受診しましょう。
賃貸物件における畳トラブルの注意点
賃貸物件も持ち家も、畳での爪とぎや粗相への対策は変わりません。しかし、賃貸物件の場合、キズや汚れの規模によっては多額の修繕費を請求される可能性があるので注意が必要です。
一般的にペット可の賃貸物件は、猫によるキズや汚れを想定して敷金が高めに設定されています。それでもリフォーム代金が足りない場合は、退去時に修繕費を請求されることがあります。
畳に限らず、フローリングや壁などに大きなキズをつけてしまった場合には、早めに大家さんや管理会社などに連絡をしましょう。貸主の印象も良くなりますし、修繕費が安くなることもあります。
退去時には、畳や壁紙をすべて交換するのが一般的です。物件によって修繕のルールが異なるので、入居時の契約書をしっかり確認しておきましょう。
猫がいる家庭におすすめの畳
日本の伝統文化である畳は、快適性と風情の良さから現代でも人気です。しかし、猫によってキズや汚れをつけられてしまい、困っている飼い主さんも多くいらっしゃいます。
ここでは、新しい技術を取り入れた猫との暮らしにおすすめの畳をご紹介します。
わんにゃんスマイル畳
わんにゃんスマイル畳は、ペットと人が快適に暮らすことを考えて作られた新素材の畳です。柔らかな素材でクッション性があり、猫が元気に走り回っても滑りにくく、脚や腰への負担が小さくなります。
摩耗に強いレザー生地が使用されているため、爪による引っかきに強いです。キズがつきにくく、簡単に水拭き掃除もできるので、長く使い続けることができます。
わんにゃんスマイル畳は、表面に抗菌加工が施されています。悪臭やアレルギーの原因となるカビや菌の増殖を抑えるので、いつでも清潔です。
また、畳表のカラーバリエーションが豊富で、畳縁には花や猫の模様などもあります。畳の和風の雰囲気にプラスして、現代風のデザインを選べるのは魅力的ですね。
セキスイ畳 MIGUSA
セキスイ畳「MIGUSA」は、積水成型工業が開発した高機能な畳です。ポリプロピレンと無機材料で作られています。天然イグサの風合いは保ちつつ、従来の畳に比べて水に強く耐久性が高いです。
MIGUSAは、イグサの特徴を活かした構造をしています。空気の層による適度なクッション性と湿度の調節機能が魅力です。
耐久性が高く、猫が元気に走り回ったり軽く爪とぎをしたりしても、毛羽立ちません。執拗に爪とぎをされるとキズがつきますので、爪とぎ器の設置は必須です。
MIGUSAは水を弾くため、簡単に掃除ができます。粗相や嘔吐をされてもシミやニオイが残りにくいのは嬉しいですね。
カラーバリエーションも豊富なので、おしゃれな畳を楽しみたい方におすすめです。
ウォータージュエリー加工畳表
ウォータージュエリー加工畳表は、撥水性が高い畳です。天然イグサの良さを残しつつ、現代の暮らしの中で問題視されている短所をカバーすることを目的として開発されました。
お手入れが簡単で、カビの発生を抑えた新しい高機能な畳です。部屋の湿度に合わせて吸放湿し、リラックス効果のあるイグサの香りもするのは嬉しいですね。
ウォータージュエリー加工畳表の1番の強みは、撥水性の高さと言えます。液体をこぼしても水玉になり、畳を汚しません。猫が粗相や嘔吐をしても、簡単に取り除くことができます。
別タイプのWJ輝令畳表は、天然イグサと和紙を組み合わせてウォータージュエリー撥水加工を施しています。従来の畳に比べて耐久性が高く、引っかきや摩擦に強いです。
ウォッシャブル畳「きよらか」
ウォッシャブル畳「きよらか」は、シャワーで洗える畳です。水拭きで汚れを取り除くことができる上に、ブラシでゴシゴシ洗えるのはありがたいですね。
粗相や嘔吐の汚れを洗い流すことができるので、シミにならずニオイも残りません。畳はフローリングよりもダニやノミの心配がありますが、丸洗いすることで発生を防ぐことが可能です。
水洗いをした後は、しっかりと乾かしましょう。カビを発生させないため、日光に当てて乾かしてください。耐紫外線性があるため、日焼けによる色あせの心配はありません。
ウォッシャブル畳「きよらか」は、クッション性があり耐久性も高いです。猫の脚や腰の負担が小さく、毛羽立ちが起こりにくくなっています。
畳の3種類のメンテナンス方法
畳は経年劣化するので、定期的にメンテナンスをする必要があります。畳の張替え方法は「裏返し・表替え・新調」の3種類です。
畳は、「畳表・畳床・畳縁」の3つのパーツに分かれます。畳の張替え方法は、交換が必要なパーツによって決まります。
畳の張替えの目安の時期や費用について具体的に解説しますので、ぜひ畳のメンテナンスをする際の参考になさってください。
裏返し
「裏返し」とは、単に畳を裏返すことではなく、畳表を一度はがして裏返しにすることです。新しい畳を使用して2〜5年くらいで行います。
表面のこすれキズや日焼けが気になる畳に適した工法です。費用は1畳あたり4,000円程度で、もっとも手間がかからず低価格でできます。
畳の裏返しをするだけでもイグサの良い香りが復活します。ただし、畳表のキズや日焼けが裏側にまでついている場合には、「表替え」をするのがおすすめです。
表替え
「表替え」とは、既存の畳床を使って、畳表と畳縁を新調することです。新しい畳を使用して4〜8年経った場合や裏返しをしてから5年ほど経った場合に行います。
毛羽立ったイグサが衣服につくようになったり、光沢がなくなったりした畳に適した工法です。費用は1畳あたり5,000〜20,000円程度で、畳表のグレードによって変わります。
畳の新調の約7割の費用で交換できます。ただし、畳床に凹みや傷みがある場合には、畳の本体を「新調」するのがおすすめです。
新調
「新調」とは、文字通り畳本体を新しくすることです。畳を敷いてから10〜15年くらい経過した場合に行います。
裏返しや表替えをしたけれど劣化が目立ってきたり、踏むとギシギシしたりする畳に最適です。費用は1畳あたり7,500〜35,000円程度で、畳のグレードによって大きく変わります。
畳は、換気をしっかり徹底して大事に使えば、30年以上使うことができます。キズや汚れに強い新素材の畳に新調すれば、永く畳を楽しむことができるでしょう。
【まとめ】キズや汚れに強い畳なら人も猫も快適!
猫は、寝転ぶのに気持ちの良い場所を知っています。畳も猫のお気に入りスポットの1つです。
しかし、従来の畳はイグサとワラで作られているため、耐久性があまり高くありません。爪とぎや粗相で簡単にキズや汚れがついてしまいます。猫との暮らしに適しているとは言えないでしょう。
とはいえ、畳を好む愛猫家は多く、近年、ニーズに合わせて新素材の高機能な畳が開発されています。引っかきや水分に強い畳を新調して、猫との畳ライフを楽しんでみてはいかがでしょうか。
この記事を書いたペットとの暮らしの専門家