目次
毎日一緒に生活している愛猫。何歳になっても子猫の頃・初めて会ったときと変わらない愛らしさがありますよね。人間よりも早く年齢を重ねていく猫だからこそ、身体の変化に応じた過ごしやすい環境を整えてあげたいもの。
今回はシニア期の猫が過ごしやすい部屋作りのポイントや、シニア期の猫におすすめなグッズを紹介します。
猫のシニア期に見られる特徴
猫にも人間と同じようにライフステージがあり、一般的には7歳以上がシニア猫に分類されます。とはいえ、成猫以降は子猫の頃のような変化があまり見られないので、愛猫がシニア期に入ったことに気が付かないことも多いようです。まずはシニア猫に見られる外見・行動の特徴を確認してみましょう。
- 歯の黄ばみが目立つ
老化にしたがって、歯の黄ばみや茶色みが見られます。自分で歯磨きができない犬や猫にとって歯の健康管理は難しいもの。日頃から歯磨きやガーゼ等での口内ケアを心がけましょう。
- 毛並みにツヤが無くなる
シニア期の猫は若い頃に比べて毛ヅヤがなくなってきます。また毛づくろいの回数も減ってくるので、特に毛の長い猫は毛玉が増えたり、毛の固まりが身体に付いていたりということも見られます。
- 爪とぎの回数が減る
猫の爪とぎはさまざまなタイミングで行うと言われていますが、縄張りの主張や寝起き時の気分の切り替えなどの意味もあるようです。年齢を重ねると好奇心も減りがちになり、爪をとぐ回数が少なくなる傾向があります。
- 目ヤニが増える
猫の目ヤニは人間と同じく目に入ったほこりなどを分泌物でまとめたもので、生理現象として出るものです。少量であれば問題ありませんが、寝ている時間が増えるシニア猫は目ヤニの量が増えることがあります。何かの異常のサインの場合もあるので、気になることがあれば動物病院に相談しましょう。
- 運動量の低下
シニア期になると寝ている時間も増え、運動量も少なくなります。運動量が減ることで自然と筋肉量も落ち、結果的に手足が細くなってきます。筋肉が少なくなると体温が下がり免疫力の低下にもつながります。飼い主がマッサージをしてあげると、筋肉の刺激になるのでおすすめです。
- 食欲が減ったり、食の好みが変わる
運動量が少なくなるとお腹も減りづらくなり、食が細くなったり、これまで大好きだったフードに興味を示さなくなったりします。シニア猫向けのフードも市販で購入できますが、内臓の状態も含めそのときの状態に合わせたフードが食べられるよう、フード選びは獣医さんと相談すると安心です。
- 耳が遠くなる
人間よりもはるかに耳の良い猫ですが、加齢と共に耳も聞こえづらくなってきます。おもちゃの音やフードの袋を開ける音などに反応しなくなったら、聴力の低下が考えられます。
- 定位置でトイレをしなくなる
猫の平均的なトイレの回数は、排尿が2~4回/日、排便が1~2回/日といわれています。トイレの回数が増えたり、頻繁に粗相がある場合は腎臓や膀胱、消化器系の異常がある場合があるので、獣医さんに相談しましょう。
ある程度年齢を重ねた愛猫に上記のような変化が見られたら、愛猫の様子を観察して変化に合わせた対応や過ごしやすい住環境を整えてあげる必要があります。
また、シニア期の猫にとってストレスは大敵。「退屈そうにしているから刺激を与えてあげよう」と新しい猫を迎え入れたりするのはあまりおすすめしません。そのほか、引っ越しや大規模なリフォームなどはできるだけ避け、必要な場合は猫の様子を見ながら少しずつ準備をしたり、模様替えをしたりすると良いでしょう。
愛猫が長く健康で過ごすためにできること
愛猫の身体や行動の変化に気が付いたら、適切な処置や対応はもちろん、猫の生活環境にも配慮をしてあげたいですよね。
まずは、家の中で過ごす猫の様子を観察して、猫が過ごしやすい生活環境を整えることが大切です。
また、猫は新しい刺激に弱い動物です。特にシニア期にはその傾向が強くなるので、なるべく穏やかにゆっくり過ごせる環境を作ってあげましょう。
ここからは、家の中で注意を向けるべき場所や、ちょっとした工夫で猫が快適に過ごせるコツを紹介します。
家の中で注意が必要なところ
タンスや本棚、階段などの高低差があるところ
若い頃は高いところへの飛び乗り・飛び下りも難なくこなす猫。「そんなところまで上ったの!?」と驚かさせることもしばしばですが、シニア期になると徐々に筋力が衰えて飛び乗りの失敗や転落の危険性が高くなります。
しかし、猫は本能的に敵から身を守るため高いところに身を置く習性があるため、老齢になっても高いところに上がろうとすることがあるので注意が必要です。
とはいえ、タンスや本棚の上、階段の踊り場など、昔からのお気に入りの場所が高いところにあることもありますよね。危ないからといってそこを封鎖してしまうのは可哀想。できるだけそこへ上りやすいよう、下りやすいようにしてあげるため、適当な高さの台を置くなどして補助を作ってあげると良いでしょう。
フランスべット PE-01 ペットステップベンチ
商品名 | フランスベッド PE-01 ペットステップベンチ |
メーカー | フランスベッド |
価格 | 59,400円(税込) |
サイズ | 幅:約90×奥行:約31.8×高さ:約49.4(センチ) |
重さ | 約13キロ |
飼い主のベッドの上がお気に入りという猫もいるのではないでしょうか?ベッドサイドに置いて猫用のステップにしてあげるのも良いですし、一番上にクッションを敷いてあげると、これ自体が猫のくつろぎスペースにもなります。
▶購入はこちらから
また、シニア期の猫のためにスロープをDIYした方の記事がありましたので、よろしければ参考にしてください。
うちの子にも贈りたい…19歳の愛猫のためにDIYした「老猫用スロープ」 足腰が弱ってもキャットタワーに快適アクセス
また、キャットタワーも年齢と共に高さが合わなくなってくることもあります。猫の性格や好みもあるので一概には言えませんが、シニア期の猫にとっては1メートル程度の高さのキャットタワーでも十分といわれています。猫の様子を見て「最近あまり階段の昇り降りをしないな」「段差が辛そうだな」と感じたら、高さの低いものや、スロープ等がついているものに交換するなどの検討ができると良いでしょう。
Mauタワー シニアエスカリエ
商品名 | Mauタワー シニアエスカリエ |
メーカー | キャットタワー専門店 Mau |
価格 | 17,050円(税込) |
サイズ | 【最大所要サイズ】幅:約60×奥行:約87 高さ:約107(センチ) |
重さ | 約26キロ |
全高107センチ、段差が30センチ未満というローステップなキャットタワーです。各ステップの幅も広いので、安定した姿勢で昇り降りができます。大きな猫にもおすすめです。
▶購入はこちらから
キャットタワー アカネ
|
|
全高90センチで安定感のあるステップが特徴。一番上のベッドでくつろげるのも猫にとってはうれしいポイントです。
▶購入はこちらから
キャットタワー スモール
|
|
全高60センチと、本記事で紹介する中で一番背の低いキャットタワーです。段差は約25センチなので、昇り降りもラクラクで、万が一転落してしまっても大きな怪我にはつながりにくいのも安心です。
▶購入はこちらから
フローリングなど滑りやすい床シニア期の猫は、筋力の衰えや肉球の水分量の低下により、フローリングなどツルツルした床で滑りやすくなり、足腰や関節に負担を与えてしまいます。
また、爪とぎの回数が減ることで爪が太くなったり、伸びやすくなったりする傾向があり、それも歩きにくさにつながります。
特に床がフローリングの場合は、防滑対策をしてあげると良いでしょう。
おすすめのフロアタイルについては、こちらの記事も参考にしてください。
観葉植物
インテリアとして部屋を彩ってくれる観葉植物。実は種類によっては、特にシニア期の猫にとって危険になる場合があります。
特に猫に中毒性のある植物は、ネギ科、ユリ科、ツツジ科の植物です。ヒヤシンスやポインセチアなど季節を感じる身近な植物も、万が一猫がかじってしまうと危険な状態に陥ってしまうことがあります。できる限り置かないか、猫が入らない場所で楽しむようにするのが安心です。
温度調整室内の空調管理も重要です。シニア期の猫は自分の体温管理が若い頃より上手にできなくなっています。また、自分にとって適温な場所を探して移動することもしづらくなっているので、猫が長く過ごす部屋の温度を一定に保ってあげましょう。
「そこ暑くないの?」というような日向でスヤスヤ眠る愛猫の姿を見る方も多いかと思いますが、猫は比較的暑さに強い動物。とはいえ、近年の猛暑は猫にとっても参ってしまいます。夏は最高でも28度、冬は23~26度、湿度は50~60%ぐらいを目安に、カーテンなどを使って日向と日陰の場所を作ってあげると喜びます。エアコンの風がじかに当たらない場所にベッドを置いてあげると良いでしょう。
シニア期の猫におすすめなグッズ
ここからは、シニア期の猫におすすめなグッズを紹介します。
餌容器と餌台
カリカリが好きな猫、飼い主お手製のごはんが好きな猫などなど、猫にも食の好みがありますが、年齢を重ねると嗜好にも変化が見られます。
餌の形状別に器を変えてあげたり、身体や食事中の体勢に負担のない高さの餌台や器の角度を調整できるものを用意できると良いでしょう。
また、体調が優れずごはんを食べに来ないときや、寝たきりの状態になっても与えやすい容器もあるので、状況に応じて用意してあげると安心です。
高さも角度も変えられる 食事台 猫用
高さを3段階、角度を1段階変えられる餌台です。工具など不要で簡単に取り付けができ、2つの台座が並んでおり、分けて1つずつ個別に使うこともできます。テーブルに角度がつくと器の手前に水やフードが集まるため、より食べやすくなり、頭を傾けずに食事ができるので、食道の圧迫が軽減され吐き戻しの防止にもなります。
▶購入はこちらから
チビプレ シリコーンボウル
シリコン製の柔らかい素材なので、ごはんを食べに来ない猫ちゃんや寝たきりの状態になっても飼い主が口元に持って行って食べさせやすい器です。電子レンジ対応なので、少し温めてフードを柔らかくしたいというときにも使いやすいです。
▶購入はこちらから
水飲み場・容器
もともと猫は犬に比べて水分摂取量が少ないといわれていますが、シニア期の猫は余計に水を飲む量が減る傾向があり、腎臓や尿路疾患になりやすくなります。室内に水飲み場が一カ所しかないとより水を飲む回数が減ってしまうので、水飲み場を数カ所に点在させるようにしましょう。
また、猫は座った状態で水を飲むことも多いので、前述の餌台と同じように比較的高さのある容器や台を選ぶと良いでしょう。
特に夏場は水が濁ったり悪くなったりしやすいので、こまめに水を汲みなおし新鮮な水を飲めるようにしてあげるのが衛生的です。
ジェックス ピュアクリスタルブルーム1.8L
飲み水を自動で給水してくれるので常に新鮮な水が飲める容器です。ちょろちょろと水が流れているので猫が水に興味を示しやすく、容器の中央が丸く盛り上がっているため、水を舐めやすい形状になっているのが特徴です。定期的にポンプ内の掃除とフィルターの交換が必要です。
▶購入はこちらから
マルカン 食べやすい陶製食器 猫水用
画像引用:Amazonマルカン 食べやすい陶製食器 猫水用 CT-416
底が高くなっているので猫が首を下げずに楽な体勢で水を飲める容器です。
▶購入はこちらから
トイレ
シニア期の猫にはトイレの入り口の縁を跨ぐのが難しくなることがあるので、入り口が浅いものに交換するか、縁の部分に折りたたんだタオルを置いて段差を少なくしてあげるなどの工夫をしましょう。
それでも難しい場合は、ペットシーツの上に猫砂を置くと、そこをトイレだと認識してくれる場合もあるので試してみてください。
そもそもトイレまでの移動が困難で、定位置でないところでの排泄も見られる場合は、猫がよく過ごす場所の近くにトイレを移動させたり、トイレの個数を増やすなどの見直しをすると良いでしょう。
また、近年は猫砂にもいろいろと種類がありますが、排泄の有無は猫の健康管理をする上でとても重要です。お手入れのしやすさも大事ですが、飼い主がきちんと猫の排泄状況を管理できるものを選ぶようにしましょう。
にゃんこスロープ| 猫用トイレ
滑りにくく足腰に負担がかかりにくいスロープです。表面はメッシュ加工なので、猫砂をキャッチし床への散らばりを防ぎます。主材は段ボールで軽く、汚れてしまった際も簡単に処分ができます。
▶購入はこちらから
Kitty and Puppy Pan for CAT
入り口の高さが8センチと低く、足が上がりづらいシニアの猫にもやさしい設計です。持ち手もあるので移動もしやすく、汚れたら丸洗いも可能です。2サイズあるので猫の大きさに合わせて選べます。
▶購入はこちらから
そのほか、猫用トイレではありませんが、犬用の壁付きトイレに猫用のシステムトイレ用のシートと猫砂を敷いて使ったり、園芸用のトレーにペットシーツと猫砂を敷いてみたりするといったアイデアも。猫によって砂の好みもあるので、様子を見ながら調整してみましょう。
体圧分散マット
寝ている時間が増えるシニア期の猫。ふかふかと柔らかいベッドは、猫にとっては骨や関節、内臓などにも負担がかかり、床ずれの原因にもなります。「少しでも柔らかくて肌ざわりが良いものを」と思って選びがちですが、やや固めで体圧を分散できるマットがおすすめです。
画像引用:楽天 UNAGE 体圧分散シニアローベッド カドラータイプ 防水キルト Sサイズ アイドッグ
適度な固さで体圧を分散し、身体が沈み過ぎることなく自然な体勢で休めるマットです。入り口の高さも約5.5センチと低く、シニアの猫でも楽に乗り降りできます。
▶購入はこちらから
歯磨き
歯は猫の老化が顕著に現れるポイントです。なるべく歯磨きをする習慣を作ると良いでしょう。歯ブラシが苦手な場合は、ガーゼや小さいタオルで歯や歯茎をなぞるようにマッサージするだけでも効果があります。口を触るのをどうしても嫌がる場合は味を変えない水に溶かすタイプの歯磨き剤があるので、普段の飲み水に混ぜてみると良いでしょう。
500ミリリットルの水にワンプッシュして希釈し、猫の飲み水として与える口腔内ケア剤です。
▶購入はこちらから
まとめ:愛猫がゆったり安心に過ごせる環境を整えましょう
猫も人間と同じく、年齢を重ねるごとに日常生活の小さいところにも不自由が生じてきます。言葉で伝えることができない猫だからこそ、シニア期に見られる変化に気づき、そのときの状態に応じたケアや生活環境を整えてあげましょう。
この記事を書いたペットとの暮らしの専門家