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最近では猫の脱走防止として「ラティス」の人気が高まっているようです。
猫の脱走防止アイテムは、サイズも大きく圧迫感が出やすいもの。
格子柵であるラティスは風通しも良く、デザイン性にも優れているため、ぜひ取り入れたいとお考えの飼い主さんも多いことでしょう。
しかし、間違った使い方をしてしまうと脱走防止対策としては全く役に立たなくなるため、注意が必要です。
今回は、猫の脱走防止としてラティスを取り入れるときの注意点や、おすすめのアイテムについてご紹介します。
ラティスとは?
「ラティス」とは、木製のフェンスや柵のことを指します。
格子状やルーバー状のものがあり、庭やバルコニー、ガーデニングスペース、ウッドデッキなどに設置され、目隠しや日除け、風除けとして利用されます。
(「ラティスフェンス」や「トレリス」とも呼ばれます)
洋風な家にぴったりのデザインで、おしゃれなお庭づくりにこだわりたい方におすすめです。
猫の脱走防止に役立つって本当?
画像引用:Amazon.co.jp: [ガーデンマスター] アコーディオンラティス 幅38-120×奥行30×高さ123cm 伸縮タイプ RAF-12123AR
ラティス単体では脱走防止の役に立たない
ネット記事やSNSで「ラティスが猫の脱走防止に最適」といわれることもありますが、正直にいってしまうと、ラティスをそのまま置いただけでは脱走防止対策はできません!
その理由は「猫が簡単にすり抜けたり、よじ登ったりしやすい形状だから」です。
ラティスは格子やルーバー状の柵(フェンス)ですが、これは猫が手足を掛けやすくなっており、簡単によじ登ることができます。
格子の隙間が大きいタイプ(50㎜以上)であれば、成猫でも通り抜けてしまうのです。
脱走防止を目的とした柵ならば、よじ登れないように「縦格子タイプの柵」が一番といえます。
なぜ「玄関の設置に向いている」と言われるのか?
じゃばら式の折りたたみ式のラティスは持ち運びが簡単なので、玄関やベランダ、バルコニーなどの開口部に設置するのにとても便利です。
その利便性に着目して「ペットの脱走防止に有効」と謳っているサイトもあります。
しかし、このタイプのラティスは背が低く足元の隙間が大きすぎるため、猫の脱走防止として決しておすすめできるものではありません。
実際に猫を飼われている方なら想像しやすいと思いますが、猫のジャンプ力は凄まじいです。
よじ登ることも得意なので、可動式のラティスを設置したところで「置くメリットが無いに等しい」といっても過言ではありません。
ただし、工夫次第では玄関やベランダで利用することも可能です。
その際には、アイテムの選び方が重要になってきます。
どうしてもラティスを使いたいなら
先述した通り、基本的には脱走防止としてラティスを用いることはおすすめできませんが、どうしても設置したい場合には、下記の2つのポイントを押さえましょう。
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ひとつずつ解説します。
方法①:脱走しにくいサイズを選ぶ
猫の脱走を防ぐためには、「高さ」と「隙間のサイズ」が重要です。
高さ1.5m(150cm)以上を確保する
猫は体長の5倍の高さまでジャンプできます。
ラティスのサイズは最低でも1.5m以上(理想は1.8m)の高さがあるものを選びましょう。
格子の幅は30~40㎜程度(※1)の小さいものを選ぶ
猫は頭が通れば、たいがい身体も通り抜けられます。
成猫でも小柄な猫なら、50㎜程度の隙間でもすり抜けてしまう子もいます。
子猫には、隙間が20㎜以下のサイズが良いでしょう。(※2)
ルーバータイプのラティスなら、ルーバーの羽根の向きは猫から見て下になるように設置します。
そうすることで手足が引っ掛けにくくなり、よじ登りを防止できます。
※1)参照:建築知識2023年5月号
※2)参照:ねこ検定 中級・上級編
方法②:アイテムを組み合わせる
ラティスに別のアイテムを組み合わせる方法です。
ラティスを二重に設置して格子幅を小さくする
格子の隙間が大きいラティスでも、上の写真のように2つのラティスをずらして設置すれば隙間の幅を狭められます。
ただし、身体能力の高い猫ならば、このような工夫をしてもよじ登ってしまう恐れがある点に注意です。
落下防止ネットと組み合わせる
画像引用:【楽天市場】階段 手すり用 安全ネット 転落防止ネット
落下や転倒、脱走防止対策として有効な「落下(転落)防止ネット」と、ラティスを組み合わせる方法です。
穴の小さなネットがあることで、猫がラティスの格子からすり抜けてしまう事態に備えられます。
「猫返し」を取り付ける
猫返しとは、壁や柵の先端に取り付ける部材のことです。
防犯対策の「忍び返し」や、ねずみの侵入を防ぐ「ねずみ返し」などの猫バージョンといえばイメージしやすいでしょうか?
猫返しには柵を延長したようなものや回転式などがあり、海外では商品化されています。(※1)
しかし、日本では「猫返し」と呼ばれる商品は売られておらず、DIYで取り付けるか、施工会社に依頼して特注で作ってもらう必要があります。(※2)
※1)参照:Purrfect Fence cat containment system in NZ | CATFENCE
※2)参照:建築知識2023年5月号
玄関やベランダで使用するときの注意点やアイデア
飼い主さんが頻繁に出入りする「玄関」や「ベランダ」でラティスを使用する場合、格子の隙間が狭く、高さのあるアイテムを選ぶことが重要です。
サイズの条件を満たしたうえで、下記のような使い方ができます。
DIYで脱走防止扉をつくる
画像引用:【楽天市場】【公式】ディアウォール 棚を作ろう! 2×4材用 基本セット
DIYであれば、ラティスを使って脱走防止扉が作れます。
2×4(ツーバイフォー)の建材を利用する「ディアウォール」で吊元となる柱を設置し、ラティスを蝶番(ちょうつがい)で取り付けて開閉できるようにします。
この方法であれば壁や天井を傷める心配もないため、賃貸でも設置可能です。
「DIYは大変そう・・・」という方には、(ラティスではありませんが)オーダーメイドの脱走防止扉を検討してみてはいかがでしょうか?
「バルコニー」ではなく「ベランダ」で使用する
天井のない「バルコニー」では、ラティスの格子をよじ登って上から猫が脱走してしまう恐れがあります。
繰り返しになりますが、ラティスの格子は猫が登りやすい形状です。
天井の“ない”「バルコニー」に設置した場合、上までよじ登って脱走してしまう危険がつきまといます。
天井の“ある”「ベランダ」ならば、(格子の隙間が小さいタイプに限り)床から天井まで隙間なくラティスを設置することで脱走を防げます。
【厳選】おすすめのラティス
ここからは、筆者が厳選したおすすめのラティスを2つご紹介します。
※下記でご紹介している商品は、2024年2月現在の価格です。
格子タイプ
画像引用:【楽天市場】枠付きラティス/格子C[受注生産] : WOODPRO(ウッドプロ)
デザインやサイズが豊富なので、ご自宅の設置したい場所に合わせて選択できます。
脱走防止柵としておすすめなのは「格子C」です。
格子の隙間が30㎜と小さく、成猫ならすり抜ける心配がありません。
高さは13種類ありますが、そのなかで「1,885㎜」か「2,026㎜」を選ぶと良いでしょう。
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ルーバータイプ
画像引用:igarden アイウッド人工木製 ルーバーラティス
高さが175cmあるので、猫がジャンプして飛び越えてしまう心配が少ないのが特長です。
しかし、身体能力の高い猫であればもっと高さのあるラティスの方が安心でしょう。
猫がよじ登りにくいように、ルーバーの羽根の向きには注意が必要です。
猫から見て下向きに羽根が向いているように取り付けましょう。
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まとめ:本当はおすすめしませんが、工夫次第で設置も不可能ではありません。
猫の脱走防止としてラティスを使用する際の注意点と、工夫についてご紹介しました。
ラティスを設置する際のおさらいです。
次の4つのポイントを必ず押さえておきましょう。
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この4つのポイントは、全て網羅しておく必要があります。
逆に言うと、4つの条件を満たしていない場合にはラティスを脱走防止用に使ってはいけません。
猫は身体能力が非常に高い動物です。
飼い主の想像を超えた行動をすることもあるため、脱走防止対策では細心の注意を払う必要があります。
ラティスの使用を考えている方は、十分に検討したうえで設置してくださいね!
この記事を書いたペットとの暮らしの専門家