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犬にとって危険または安全な観葉植物と、誤飲した時の対処法

目次


    観葉植物はインテリアとしてだけでなく、癒し効果もありとても人気ですよね。
    実際に、筆者の自宅にも観葉植物を置いていますが、毎日のお世話や成長している様子を見るだけで幸せな気持ちになります。
    そんな癒し効果がある観葉植物ですが、愛犬が間違って食べてしまった場合(誤飲)、中毒症状が現れて命に関わることもあります。
    今回は、インテリアとして人気な観葉植物を中心にその危険性や誤飲した場合の対処法を愛玩動物看護師の資格を持つ筆者がお伝えします。また、愛犬との生活で安全性が高い観葉植物についてもご紹介します。

    犬にとって危険な観葉植物6選

    犬が食べてしまった場合、危険な観葉植物は多く存在します。
    ポトス・ドラセナ・アイビー・ポインセチア・ユリ科の植物は観葉植物の中でも人気がありよく目にするものですが、愛犬にとっては有害なものになりますので解説していきます。

    ポトス


    ポトスの葉には「シュウ酸カルシウム」という成分が多く含まれています。
    このシュウ酸カルシウムは、里芋や山芋を素手で触った際に皮膚が痒くなる原因の成分でチクチクとした針のような形をしています。
    犬が誤飲してしまった場合、口の中やのどに刺さってしまうため、以下のような中毒症状が引き起こされます。
     
    【引き起こす可能性がある中毒症状】
    ・嘔吐
    ・よだれが多く出る
    ・口腔内(こうくうない:口の中)が炎症する
    ・口周りが赤く炎症する
    ・喉が腫れる
     →重症化すると、呼吸困難(命に関わります)

    ドラセナ


    ドラセナは幸福の木とも呼ばれ、育てやすく人気の観葉植物ですが犬にとっては危険です。
    ドラセナは、スズラン亜科に属していて有害成分が含まれているとされていますが、その成分自体は不明です。
    誤飲した場合、嘔吐や下痢などの消化器症状を引き起こし、大量に摂取してしまうと命に関わることもあります。
     
    【引き起こす可能性がある中毒症状】
    ・嘔吐
    ・下痢
    ・よだれが多く出る
     
    重篤な場合は、命に関わります

    アイビー


    アイビーの葉と茎には有毒な「サポニン」が含まれていて、誤飲してしまうと消化器症状や口腔内の痛みなどが起こります。
    まれではありますが、大量に誤飲してしまった場合には神経症状や呼吸困難、頻脈などの症状が起こることもあります。
     
    【引き起こす可能性がある中毒症状】
    ・嘔吐
    ・下痢
    ・よだれが多く出る 
    ・口腔内の痛みや炎症
    ・目に入ってしまった場合
     目の痛みや流涙(りゅうるい:涙が多く出ること)

    ポインセチア


    ポインセチアには、「フォルボール」という有毒成分が含まれています。
    ポインセチアの茎は、折ると中から白い液体が出てきます。この白い液体はフォルボールという有毒物質で、触れてしまうと私たち人間でも皮膚炎を起こすので素手で触るのは注意が必要です。
    誤飲してしまうと、口腔内の炎症や消化器症状が起こります。
    また、フォルボールの摂取量によっては命に関わることもあり非常に危険です。
     
    【引き起こす可能性がある中毒症状】
    ・皮膚炎
    ・口腔内(こうくうない:口の中)が炎症する
    ・口周りが赤く炎症する
    ・嘔吐
    ・下痢

    重篤な場合は命に関わります

    アロエ


    アロエは、私たち人間にとっては健康食品や美容にもよく使用されているので一見は安全な観葉植物と思われがちですが、犬にとっては危険です。
    アロエの外側の皮には「アロイン」や「バルバロイン」という成分が含まれていて、内部にあるゲル状の果肉部分には「アロエエモジン」が含まれています。
    犬が誤飲してしまった場合には、嘔吐や下痢、胃腸炎、腎臓へのダメージを引き起こします。
    また、アロエに接触した際に皮膚炎を起こしたり、誤飲した際には口腔内が炎症することもあります。
     
    【引き起こす可能性がある中毒症状】
    ・皮膚炎
    ・口腔内(こうくうない:口の中)が炎症する
    ・口周りが赤く炎症する
    ・嘔吐
    ・下痢
    ・血尿(腎臓へのダメージにより、血尿が出ることがあります)

    ユリ科の植物


    ユリ科の植物は、犬にとっては有毒成分が含まれているので、非常に危険です。
    代表的なユリ科植物として、カサブランカやヤマユリ、オニユリ、テッポウユリ、チューリップ、ヒヤシンス等が挙げられます。
    このユリ科植物の中毒成分は、特定されておらずユリ科植物の花、花粉、葉、茎、球根または活けている水を誤飲した場合でも、ユリ中毒は引き起こります。
    ユリ中毒になると、嘔吐、下痢、食欲低下、尿量の低下、意識レベルの低下が起こり、中毒症状が悪化すると急性腎不全になり命に関わることもあり非常に危険です。
     
    【引き起こす可能性がある中毒症状】
    ・嘔吐
    ・下痢
    ・食欲低下
    ・尿量の低下
    ・意識レベル低下(ぐったりして、歩けない等)

    中毒症状が悪化すると、急性腎不全になり命に関わります

    誤飲した時の対処法とは

    愛犬が誤飲をしてしまった場合、飼い主さんとしてはすぐに吐かせないと危険!と思う気持ちが先走り、インターネットの情報を鵜呑みにして自宅で吐かせようとするのは絶対にやめてくださいね。
    塩水やオキシドールを飲ませて吐かせる方法が掲載されていますが、非常に危険です。

    誤飲した場合、まずは落ち着いて愛犬の様子をしっかりと確認しましょう。

    ①何をどれくらい食べたのか
    ②いつ食べたのか(例:30分前、帰宅してから気づいた等)
    ③意識レベルの確認
     自分で立って歩くことが難しい
     声をかけても反応が薄い
     いつもと様子が違うところはないか 等
    ④嘔吐や下痢はないか

    愛犬の様子をしっかり確認した後、基本的には動物病院に連絡をし指示を仰ぎ必要なら受診しましょう。
    誤飲したものや愛犬の状態にもよりますが、基本的には病院を受診して診察をしてもらった方が安心です。

    犬にとって安全性が高い観葉植物2選

    愛犬と一緒に生活する上で、安全で育てやすい観葉植物をご紹介します。
    エバーフレッシュ、パキラは観葉植物の中でも、犬にとって毒性がなく比較的安全な植物になります。
    ただ、安全だからといっても大量に誤飲した場合には嘔吐や下痢等の消化器症状が出る可能性はありますので注意しましょう。

    エバーフレッシュ


    エバーフレッシュは、環境に順応する植物なので育てやすい観葉植物になります。
    エバーフレッシュの可愛い特徴として、夜になると葉を閉じる就眠運動という動きをみせてくれますので、朝とは違った雰囲気を楽しめます。

    パキラ


    パキラは、初心者の方でも育てやすく一年を通して綺麗な光沢がある葉をみせてくれる観葉植物になります。

    愛犬と暮らす中で観葉植物を迎える対策とは

    おうちに観葉植物が置いてあると、インテリアの一部になったりリラックス効果もあるので置きたいですよね。
    ただ愛犬と暮らしている場合には、誤飲する可能性もあるので心配という飼い主さんも多いとは思いますので、対策をお伝えします。

    犬にとって安全な観葉植物を選択

    誤飲しないことが大前提ではありますが、愛犬にとって毒性のない観葉植物を選択するのが一番安全です。
    上記にお伝えしたエバーフレッシュやパキラは、安全性が高く育てやすいのでおすすめの観葉植物になりますので、ぜひ検討してみてくださいね。

    犬が届かない場所に置くまたはバリケードを設置

    誤飲を防ぐためには、愛犬の届かない高い場所やバリケードなどを準備して観葉植物を置きましょう。
    もし、背の高い犬や大型犬に関しては、高めのバリケードを設置することをおすすめします。

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    まとめ

    今回は、愛犬と暮らす中での観葉植物の危険性と安全性に関してまとめました。
    とても癒される観葉植物ではありますが、犬にとっては危険な中毒成分を含んでいるものも多く存在しますので、注意が必要です。
    おうちに観葉植物を置く前に、愛犬にとって安全であるかどうかを確認することをおすすめします。
    この記事が少しでも、お役に立てたら幸いです。

    この記事を書いたペットとの暮らしの専門家

    佐藤 綾香

    愛玩動物看護師・ペット栄養管理士・臨床栄養指導 認定動物看護師1級
    (オーストラリアン・シェパード/女の子)

    エリア:東京都